まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。このたびのこれは、ライス編v
これからかなりネタバレはいってきますv
何はともあれ、いっきますv
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ジェム協奏曲(ラプソディー)~ライス偏~ ~第1話~
「う~ん…どんなのがいいかなぁ??まったく……ブラもこのあたしを巻き込まないでほしいわ!!」
なぜか空中を普通の道のように歩きながらぶつぶつ言っている人物。
黄色の髪を長く伸ばして。
両横には紫のメッシュを入れている。
スカートというか……ドレスを着ているのは…趣味からであろう。
この人物は今、依頼を受けていた品物を届けるところである。
『この人物』がやっている店では、紫のおかっぱ頭の神官がいじけてたりもするが。
今は関係ないことである。
この人物―『ジェム=ライス=ストーン』
この町『エッシェン・シティ』では誰一人として、その名前と存在を知らないものはいない。
ついでに言えば、名前だけならこの世界でも女の子なら誰でも知っている。
とある筋ではまったく別の名前で超有名。
『伝説の
『〃
ま…ともかく、そのどっからどう見ても【美人】な【女性】の彼は、
ぶつぶついいながら空より依頼人の家へと舞い降りた。
「はい♡じゃあ、これ品物ね♪」
ライスはにっこりといって依頼人に手渡すが――哀れなのはこの依頼人の男性。
……気の毒に。
依頼してあった『指輪』と一緒に『記憶球』まで入れられているとは知らず。
何かこのライスに依頼したら、
その見返りがとんでもなく感じるのは……気のせいではないであろう。
「何かこう、楽しいことないかしらねぇ~。
まったく……ブラのせいでこっちまでいい迷惑で休めないしぃ!!」
依頼人の家からでて、ノンビリと今度は本当の道を歩いているライス。
ライスは今とてつもない難しい『依頼』を受けているのた。
いや、受けざるを得なかったというほうが正解。
休暇中の骨休めとはいえ、【上】からの注文。
……いや、命令には従わなくば、即、消滅は決定なのだから。
自分が本来『本体』(?)をおいている場所(!?)へにも移動し、自分の献上の品も作成しているのだ。
ライスは。
洒落にならないことに、ライスの『半身』とも呼べる立場の【彼】は……まだ『覚醒』すらしていなく。
ライス一人(?)に責任がのしかかっている所へ……あの【注文】というか、【お願い】である。
その理由はよ~く理解しているライスは……
いやおうなくにも彼が『ブラ』と呼んでいる奴の頼みを……引き受けざるを得なかったのだ。
もし断りでもしたら、まず間違いなくとばっちりを受けるのは確実なのだから。
ライスがそんなことをぶつくさ言っていると。
「――あら??」
ひたり。
ライスはひたりと足を止める。
今、この町にライスがよく知っている気配が近づいているのだ。
「……ラッキィ~♪ガウリイ、からかって楽しみましょぅ~♪」
その気配を感じ取り、ライスはふいと、空間に解け消えて ―。
― 町の入り口に当たるメイン通りへと躍り出た。
目指す相手はすぐに見つかった。
……当たり前だが。
金髪の長い髪の青年。
その横に小柄な栗色の髪の女性が見て取れる。
あ…あのガウリイが女連れ!?
ライスは一瞬驚く。
何を驚いたかというと女性と一緒にいるからではない。
では何を…というと、〃彼〃とはライスは創られたときからの長い付き合いだが。
今だかつてその気配やそぶりさえ、見せたことがない感情をオーラであらわしているのだ。
〃彼〃に言い寄る存在は星の数ほど無数にいた。
だが、そのいずれも〃彼〃はその気になったことが―――……一度度たりとてない。
その〃彼〃―ガウリイが、今。
ガウリイの横にいる女性にものすごい強い想いを抱いているのだ。
覚醒し、とある力も使いこなせるライスにとってその〃オーラ〃を見出すのは、とても簡単なこと。
この世界に存在する『命ある存在』には必ず、『運命の相手』と呼ばれる
それは魂から惹かれあうもので、種族、性別その他などには一切関りがない。
だが……それでも、その『相手』を決めるのは各個々の存在達。
この世界の『時を統治する精霊王』が、
この世界の『
ライスはというと、彼は本質的には男性にも女性にもなれるので、まだその『特定の相手』というのを決めていない。
彼の同僚たちの中には『半身』同士でパートナーになってるものもいるが。
一度決めてしまうと、それは……取り消し不可能。
しっかりとその『魂』そのものにそれが刻まれる。
元々、精神生命身体のみの彼らにって。
いや、各『世界を統治する存在』として創られているライス達にとっては――
― その『相手』を見極めるのも大切なことなのだ。
別にすぐに決めなくても支障がないことなのでライスは今だに決めてはいない。
ライスの〃半身〃ともいえるべき〃ガウリイ〃も。
仕事熱心でそんな相手は決めてもいなかったのだ。
……まあ一説には仕事熱心というよりは、剣術馬鹿という表現の方があってるかも知れないが……
こ……これは!!!からかわねば!!!損じゃない!!!!!
ここぞとばかりにライスは。
今、この町にやってきた、二人。
『ガウリイ=ガブリエフ』と『リナ=インバース』の二人へと声をかけた。
「きゃゃぁぁん♡あら♡ガウリイじゃな~い♡お久ぁ~♡」
あたしがガウリイに後ろからいきなり話しかけると。
ガウリイはなぜかひどくびっくりして負の感情が……♡
今はあたし人間やってるけど覚醒してるもんで、とぎときこうやって感情なんかも食べてるのよねぇ♡
これだと太る心配もないし♪
「……ラ…ライス……(汗)」
なぜか冷や汗流しているガウリイ。
ガウリイの横では栗色の髪で紅の瞳の女性があたしをみつめていたりする。
「あら?ガウリイに彼女ができてるぅ~。いや~ん♡この私をほっといてぇ~♡」
あたしの言葉で見る間に真っ赤になってる女性。
「……違うぅぅ!!!」
ムキになって言い返してくるのがなんともかわいい♡
「……で?ガウリイ、誰?この人……?」
女性がガウリイに聞いている。
「ああ……オレの幼馴染で……ライスだ……」
どこか歯切れ悪くいうガウリイ。
そんなにいやがらなくてもいいじゃないのよvv
ガウリイ、化粧栄えするんだし♪
「きゃあん♡で、彼方は?」
あたしが女性に聞くと。
「リナよ。リナ=インバース」
答えてくる女性。
「きゃぁぁぁん♡彼方があの!!リナちゃん!?♡きゃーわゆぃ♡」
あたしはそんなリナちゃんの手をしっかりと握る。
う~ん♡ガウリイの相手にはもったいないわねぇ♡
何しろ、あのルナの妹だし♪
そういえば、どことなく、今人間やってるルナに面影が似てるわねぇ♡
ルナ曰く、しっかりと力を入れて育てたとかいってたけど♪
このリナちゃん♡
あたしがリナちゃんの手をしっかりと握っていると、すかさずガウリイが割って入る。
「あ~ん♡ガウリイの意地悪ぅ♡リナちゃんの手を握るくらいいいじゃないのよ♡」
あたしはわざとぶりっ子してガウリイにいう。
ほんっとぅ~に楽しいわvv
ガウリイ……からかうの♡
「……いっとくけど……ライス……リナに手を出したら……承知しないからな……」
あの!!ガウリイにしては、本気でいってるし♡
今はまだそんなことするわけがないじゃない♡
ルナの怒りを買いでもしたらそれこそ、後々が面倒だしね♪
「あ…あたしのこと知ってるの??」
リナちゃんが言ってくる。
「もっちろん♡本当にきゃわゆ~い♡リナちゃん♡
何でも魔竜王ガーヴを滅ぼして♡冥王フィブリゾまで滅ぼして♡
挙句は魔王シャプラニグドゥまで2/7滅ぼしたんだって?」
これが問題なんだけどね……
ブラを滅ぼしたのは別にいいけど。
冥王のときが…どうして人間が『あの御方』を召喚できたのかが……
つねづね疑問にあたしが思っていることでもあるけど。
「だぁぁ!!誰がいったのよ!!んな嘘っぱち!!」
抗議してくるリナちゃんvv
嘘ではないじゃない♡
「あら?私の知り合いから聞いたのよ♡あとこの前きた人に♡かなり確実の情報よ♡」
まあ、面白そうだから、あたしも間接的には視てた口だけどね♪
人物までは詳しく見てなかったから……
感情面でのみ精神世界から視てたのよねぇ……
しまったっ!!
人物も詳しく覗き見してたらよかった!!
この前きたやつというのがブラの伝言をもってきたやつなのだが。
あいつ…ゼロスは今、あたしの店で働かしていたりする。
だってお金……持ってないしっ!!
お金では割りがあわないし!!!
あんな『お願い』!!!
聞いたというのがリナちゃんの姉でもあり、実はこの世界の竜神本人でもある、ルナ。
『ルナ=インバース』
一般には『
さすがに冥王が消滅して結界消えたときに、ちょっと、ルナと話したのね♪
あたし、とりあえず、今『スィーフィード』の力の欠片…持ってるし♪
人間に転生してきたとき、これ……もらったのよねぇ。
別に問題ないけどね♡
あたしがガウリイをからかっていると、リナちゃんは一人で魔道士協会の方へと歩いてゆくし。
「きゃぁん♡ガウリイと二人きり♡」
「いやだぁぁ!!」
あたしの台詞になぜか泣いているガウリイ。
ほんとうにガウリイ、からかうのって…楽しいわvvv
まあ、ブラをからかうのもたのしいけど♡
あと、ミリーとルクをからかうのも楽しいのよねぇ♡
この世界って♡
ミリーとルク♡
この世界の天竜王と時の精霊王。
なんか昔からルクがミリーを追いかけてるのよねぇ♡
そんな二人をからかうのって楽しいったら♪
「でも、ガウリイがリナちゃんと一緒とわねぇ♡恋人?」
あたしが聞くと。
「恋人というか、一生守ってやりたい奴だな……恋人以上の存在だな」
ヘェぇ~~~。
あのガウリイがここまでほれ込んでいるなんてねぇ~♡
今まで、どんな存在にも本気になったことがないガウリイがねぇ~。
あたしはある意味、あのリナちゃんに対して感心しつつ。
「ふぅ~ん♡リナちゃんって、あたしの知り合いの妹なのよねぇ♡」
にこにこしてガウリイにいうあたし。
「リナちゃん、かわいいわねぇ♡食べちゃいたい♡」
「ライス!!!」
ガウリイがあたしの言葉に剣の柄に手をかける。
ああ、やっぱりからかうのって楽しい♡
「冗談だって♡」
「そういえば、ライス、何してたんだ?」
ガウリイが聞いてくる。
「え?ああ、依頼されていた指輪、届けてたの♡」
ふふ。
あの恋人たち……楽しんでるだろうなぁ♡
「なあ、ライス、相談があるんだが……い~か?」
あたしがそんなことを思っていると、ガウリイが何やら深刻な表情でいってくる。
「何?」
「確か、おまえ、賢者の石とかいうやつ……集めてたよな??」
確かに、あたし、あれ…集めてるけどね♪
結構いろいろと役に立つのよね♪
「あるわよ♡」
「それで、リナに指輪でも作ってほしいんだが……
あいつ、デモンブラッドがなくなって落ち込んでいるから……」
そういえば、ゼロスからリナちゃん…デモンブラッド買い取ってたらしいわねぇ♪
しかし、指輪・・ねぇ♡
「ふ~ん♡じゃ、ガウリイ♡プロポーズすんだ♡」
あたしがガウリイをからかうと。
「ま、まあ、それはともかく。リナにこれ以上変な虫が付きまとうと困るしなぁ~……」
へぇ~。
あのガウリイがここまで本気になってるとはねぇ♡
あたしもあのリナちゃんに違う意味で興味がわいてきちゃった♡
なんで、どうして。
つねづね、あの御方が、
リナちゃんを依り代にして具現化できたのかが、あたしは不思議だったんだけどね……
「ま、い~わよ♡」
ふふ♡
そんな理由ならガウリイ、とことんからかって遊びましょっと♪
リナちゃんは、どうもあたしを女性と思いこんでるみたいだし♡
「その代わり♡」
あたしが言いかけると。即座にガウリイがいってくる。
「いっとくが……リナをよこせだなんて意見だしたら、問答無用で戦うからな……」
あら♪それも楽しいかも♡
「まっさかぁ♡あの人の妹に手を出したら殺されるわよ♡
今はまだ手は出さないわよ♡出合って一日目だし♡」
一日目でそうこうするのは、やっぱりねぇ♡
あたしは手をひらひらとふってふざけてみる。
案の定、ガウリイから負の感情があふれ出てるし♪
「どうせ、ガウリイ、お金、あたしに依頼するほど持ってないでしょ♡
だから、また働いてね♡ララちゃん♡いやなら、代金は、もちろん♡リナちゃん♡」
「……やるよ」
ふふ♪
ガウリイって客の評判がいいのよねぇ♡
けっこう美人だし♪
前のときなんか、千人ばかりプロパーズされてたけどね♡
「それはそうと♡ガウリイ♡
どうせ指輪を魔力増幅器に利用するなら、リナちゃん専用にしましょ♡
リナちゃんの身体の一部とかない?何ならあたしがリナちゃんを吟味して……」
ついでだから、ちょっとその指輪に細工したほうが、心がこもっているわよねぇ♡
「まて!!誰がさすか!!そんなこと!!リナの髪の毛なら…持ってるが……」
あら??髪の毛??
ああ、そういえば、Drヴィオラの件のときのね。
面白いから覗き見してたのよねぇ♡私♡
「……ちっ……」
しかし、残念♡
リナちゃんと体を触れ合うと、リナちゃんのことが何か分かると思ったんだけどな♡
なんであの御方がすんなり召喚できたとかも……
「それ、全部ちょうだい♡」
「駄目だ!!必要以上に渡したら、おまえ絶対に何かする!!」
あら……
ガウリイにしては、頭を使っているじゃない♡
やっぱり、ゴルンノヴァがいなくなったせいもあるのかしらね♪
「けちぃ~。じゃ、三本でい~わ♡」
あたしの言葉に、三本なら……と。
ガウリイがリナちゃんの栗色の髪を丁寧に大切にしまっていた懐からとりだして、あたしに手渡してくる。
さぁ…て♡
これで、少しはリナちゃんのことが分かるといいけどねぇ。
「じゃあ、ガウリイ、どんなデザインがいいの??店ででもいから、希望を聞かせてね♡」
あたしはガウリイの腕をくみ、つかつかと引っ張ってゆく。
「だぁぁ~!!!離せェぇ~~!!」
ガウリイがなにやら、わめているけど。
ふふ♪
ちょうどあたしとガウリイが宝石店にはいるとき、
リナちゃんが散歩にでてて、あたし達を見つけているし♡
あ…リナちゃんからかなり戸惑いの負の感情が……
うぅ~ん♡
なんとも極上の味よね♪
面白いから、あたしが『男』だってのリナちゃんには黙ってましょ♪
ちなみに、ガウリイはあたしが性別を変えられるの……知らないのよねぇ♡
ふふふ♪
ブラの依頼でちょっと、ストレス発散したかったところなのよネェ~♡
頑張って、あたしを楽しませてね♡
ガウリイ♪リナちゃん♪
-続くー
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