まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
ジェム協奏曲・闇の水晶偏。第5話です♪
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ジェム協奏曲(ラプソディー)~第二部~
~闇のクリスタル編~(第5話)~
それは、本当に気まぐれ。
「はぁ……暇……」
「あら♪いらっしゃいvv」
進化が芳しくない、世界を数億消し去り、そして、再び始めから創り直し。
まあ、一瞬のことなんだけど。
なんか、エルが憂さ晴らしで創った世界が、
また面白いことに、元の世界と同じように進化していっているとか。
やっぱり憂さ晴らしするには、世界を同じ形にしたほうが鬱憤がはれる。
という、私もよくわかる理由で。
ここの世界は、エルが創っているある世界と似たり寄ったり。
でも、違うのは……
「……あら?ここ、リチェウスィにあたるリナがいないのね?」
世界をエルの宮殿から覗く。
もしくは、並ある世界に存在しているリナがいない。
「ああ、まだ、ここでは、リナにあたる魂、創ってないから♪」
にっこりというエル。
「ふぅん……そだ♡ねvvエル♪私、ちょっと疲れているから♡暇つぶしを兼ねて人間やってもいい?」
「……姫様…疲れてるって……本当ですか?」
私の肩から、フェアリーが声をかけてくる。
「言葉のあやvv」
私が疲れるわけないじゃない♡
フェアリー。
貴女には、いつも、側にいてくれて。
私、言葉にはいないけど。
うれしいのよ?
自ら望んで、私と同じ時を過ごすことを望んでいる彼女。
できれば、私のような永久に存在するわずらわしい束縛など与えたくはないのに。
永久に過ごした時間と年月。
もう、どれだけたったのかもわからないほどに。
今は、わずらわしさなんて微塵も感じないけど。
でもときどき、すべてを閉じて息抜きをしたくもなる。
それは、エルも同じらしいけど。
私が始めて創りだし、力の媒介と、封印を目的に。
そして、アクセサリーとして創り出した石。
それが、私の影響で、意志を持ち、魂となり、一つの存在となり、
そして、彼女は、私のもっている石の精霊として常に私のそばにいる。
ふわり。
私の黒い髪がたなびく。
この姿だと、大概、だれもが油断するのよね♡
子供の姿って便利だし♡
「別にい~わよ」
エルが答えてくる。
ここでなら力は変わらないにしても。
私は、すべてにおける、絶対主ではないから。
「じゃ、決まりねvvエル、ありがとvv」
私がにっこりというと。
「じゃあ、記憶と力、それと、意識と自我、封印して人間の世界に降臨する?」
「とうぜん♪」
やっぱり、自分の中でもある世界に降臨するのと。
自分の中でない世界に降臨するのは気分が違うし♪
「そうだ♡どうせだったら、ルナの妹のリナにでもなってみよっと♪」
私の言葉に。
「あら♪それ、面白そうね♪」
だって、まだここ、リナの魂、存在してないし♡
でも、私の意識をもったままだと面白くないから。
力と意識と、私の記憶。
すべてを閉じて、封印して。
何もわからない状態で。
真っ白な状態で。
人間やってみるのも悪くない♡
「それじゃ、エルvvいってくるわね♪」
「あ…姫様!まってください!」
私が、エルの世界でもある一つの世界に降りかけると、ファーが私を呼び止める。
「いつでも、私を呼べば、私は、いつでも姫様の隣にいますから♡」
にっこりと。
黒く表現すると、不思議な色合いをかもしだしている髪をかきあげて。
フェアリーがいつものように、私にいってくる。
「……フェアリー、あんたも休暇を兼ねて、何かになってもいいのよ?」
しばらく、私は人間やってるんだし。
長い付き合いのため。
言葉はいらない。
「いいえ。私は姫様がいない間、姫様自身である全ての世界を見守ってますから♡」
「……はぁ……たまには、息抜きしないと疲れるでしょうに……ま、無理はしないのよ?」
私がいうと。
ぱぁ。
にっこりと笑うファー。
背中の無限の色彩に輝いている羽が輝きを増す。
「じゃ、まかせたわ♡フェアリー♡」
「はい。いってらっしゃいませ♡姫様。」
「ユニット。じゃ、まったね♪」
ふわ。
そして、私は。
自らの存在と意識と力をすべて閉じた。
ここの世界……エルの世界において。
……ぎゃ…ほぎゃ……ほぎゃ……ほぎゃ……
視界に入ったのは。
優しそうな女性と、男性。
そして、なつかしい感じがする女の子。
「きゃぁ!!私に家族だぁぁぁ!!」
「こらこら、ルナ。そんなにはしゃがないの♡」
「ねえねえ!!母さん!!妹の名前、何てつけるの!?」
「そうねぇ。ルナ、お姉ちゃんになったから、つけてみる?」
「うん!!あのね!!リナ!!!!」
「……リナ…ね。いい名前ね♡」
「いいの!!?」
「始めまして。リナ。私のかわいい二番目の娘。
私は、セシル、貴女の母親。そして、この子が、貴女の姉」
「あのね!!私ね!!ルナよ!!よろしくね!!私の妹、リナ♡」
きょとん。
……ああ、この人達があたしの家族なんだ……
「う……」
いけない。
この闇に意識を奪われそうになってた。
どれだけ時間がたったんだろう。
この暗い混沌の世界で。
あたしがあたしであるために。
そして……
あの人の……側にいるために。
あたしは自ら望んで、あいつといることを望んだ。
そのための試練。
「……あたしが誕生したときの……記憶……か」
意識は切り離されたとはいえ。
まだあたしの中には。
あたし本来の姿でもあった、彼女の記憶が。
あたしとしての自我が形成されることとなった記憶が根強く残っている。
……わざと残したわね……ユニット……
「……でも、まさか、ガウリイが、別の世界の神の王だったとはねぇ……」
すくり。
あの、ガウリイがねぇ。
しらず、知らずに笑みがこぼれる。
たしかに。
人間離れしてたけど。
まさか、このあたしが。
すべてをなげだしてまでも、あいつを選ぶまでになるなんて……
初めてであったときは、想像すらも、あたしはしてなかった。
けど。
今のあたしは……
あいつがいないと、あたしは、あたしでいられないから……
「さって。はやく、ガウリイ、見つけ出さないと。
……多分、ユニットのことだから……あたしの姿で好きほうだいしてるだろうし……」
あたしでもあった、ユニット……
……あたしの性格は、彼女の人格の一部として形成されたにすぎない。
あたしには、よくわかっている。
そして。
ここに来てしばらくして、混沌を創りだせし存在もまた。
金色の王もまた彼女の元にいってる。
ということも。
……闇がひろがる。
「……ウリイ……ガウリイ……」
あれ?
しらず、あたしは泣いていた。
あいつが側にいないだけで、どうしてこんなに苦しいの?
ここに今、あいつの姿はない。
ユニット曰く。
ここに、ガウリイがいる、といっていたけど。
こんなに広い空間で…あいつをみつけだせるの?
あえなかったら?
ぶんぶんぶん!!
「ええい!あたしらしくないぞ!リナ=インバース!!見つけるって言ったら!みつけるの!!」
怖い考えを振りほどき。
あたしは先に進んでゆく。
虚無、混沌、すべてがそこにある空間。
彼女がいっていた。
ここから、ガウリイが管理している世界にいける…と。
でも……
「だぁぁぁぁ!!!一体全体、金色の王はいくつ、世界を創ってるのよぉぉぉぉ!!!」
確かに。
世界への道は。
この場からはよく見える。
……しかし。
数がまた……
一億……いや、それ以上。
はっきりいって無限に等しい数の道が……この場には広がっていたりする。
……ほんと~にあたし、ガウリイの世界……たどり着けるんだろ~か??(汗)
あいつを見つけられなかったら。
あたしは…あたしでなくなる。
それは、どうでもいい。
けど……
あいつの側にいたい!!
――― リナ!!!!
「……え?」
今、あいつの声がしたような?
「……ガウリイ?」
――― リナ、リナ!
「……ガウリイ!!」
間違いでない。
聞き間違いでは。
確かに。
あいつの声がする。
……どこから?
あたりを見回すと。
一箇所だけ。
入り口が光に包まれている。
いや、少なくとも、あたしにはそうみえる。
だって……
その中からあいつの気配がするんだもの。
「……ガウリイ!!!!」
ただ、あたしは。
その場所に向かってただただ突き進んでゆく。
会いたい……会いたいの……
あなただけに……
ふっ。
世界の入り口より入ると。
感じる感覚。
「……あれ?なんで、あのライスの気配までするのよ?」
ガウリイの幼馴染とかいう、あの、ジェム・ライス・ストーン。
彼の気配が。
あいつの気配とミックスして、ここから感じられる。
ガウリイが、あたしの為に、指輪を作ってくれた。
それの製作者。
……う。
まあ、あたし、彼を女性と勘違いして……
……焼もち…やいてたんだけども//
それも、もう過ぎたこと。
ガウリイがあたしを選んでくれなくても。
あたしは絶対にあいつを諦めない。
そう決めたから。
そう。
たとえあいつが、あたしをいくら子供扱いしても。
……?
そ~いや、なんでガウリイ。
この指輪くれるときに、左手の薬指に……その………まさかね。
でも、ユニットやエ金色の王がいってた台詞。
……あたし、どこか期待しているのも事実。
『別にい~わよvvそれに、スティルバイトが本気になってるしね♪その方が楽しそうだし♪』
ねぇ?
あれって?
うぬぼれてもいいの?
あなたが、あたしを思っていてくれるって……
ねぇ?ガウリイ?
答えは。
あいつに直に聞かないと分からないことだけど。
……だって、いつも、あいつはぐらかすのよねぇ。
以前、アメリアが教えてくれたけど。
あたしが、金色の王に乗っ取られたとき。
ガウリイが。
あたしのいるところは、ガウリイの側だっていってたって。
教えてくれた。
保護者として?
ほっとけないから?
それとも??
あたしがガウリイを男として意識しているように、ガウリイもあたしを女として意識してくれているって。
そう、思うのは……私のわがまま?
あたしは……
ガウリイの本音がしりたいの。
このままの状態だと。
たしかに、居心地がいいのも事実。
だけども、それ以上に心が苦しいから。
だから決めた。
あたしが消滅するかもしれないあの申し出に。
いつまでも逃げないって。
あたしは、どんな形であっても。
もう、ガウリイの側からは、離れられなくなっているほどに。
あいつの虜と成り果てているんだから……
―― いつまであたしの保護者をしているの?
―― そうだな、一生…だな。
―― リナの実家にいくか。
―― ……え?//
いつも、いつも。
それらしいことを言っているわりには、感情を一切表さないガウリイ。
「……馬鹿くらげ……あたしを逃がさないでよ……側に…いてよ……」
いつも、不安だった。
いつか、ガウリイがあたしの側からいなくなると。
そして、いつガウリイがあたしのために死んでしまうかもしれないと。
不安定な関係。
保護者と被保護者。
誕生日のプレゼントに指輪をくれて、あたしは嬉しかった。
まあ、あのくらげがどこまで、女性に指輪をプレゼントする。
という意味を分かっててやってるのかはしらないが。
天邪鬼な私は。
これが、魔力増幅アイテムだから。
素直にもらってあげる。
っていってるけど……
……ほんとはね?
あんたからもらったものなら……
何でもあたしの宝物なのよ?
……恥ずかしいからいえないけど……
そう。
あんたがいつか、あたしの額に水を浸してくれていた、あのハンカチも。
実はあたしの宝物として。
常にあたしの懐にしまってあるのは。
あんたは知らないでしょう?
左手の薬指にはめられた指輪。
ガウリイからの初めての、プレゼント。
「……ガウリイ…好き……世界よりも…誰よりも…彼方だけを……あたしは……愛してる……」
だから……
あたしは……
指輪にかるく口つげする。
たしかに。
ここに、ガウリイの気配がするから。
……だから。
「……ほぅ♪それは、うれしいぞ♡リナ♡」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
い……今、なんか、聞いてはいけない声がしたような……(汗)
「リィナ♡それが本音なんだな♡」
ぎゅ。
「ナ゛ナ゛な゛な゛な゛な゛な゛な゛な゛な゛!!!!!?」
何ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?
何なのぉぉぉぉぉ!?
いきなり、あたしは、後ろから。
誰かに……いや、誰かは分かってるけど//
で……でも!!!?
いきなり、がんじがらめに抱きしめられて束縛されている。
「いやぁ、オレの空間で、そんな台詞をいってくれて♡
すぐにリナの気配はとらえてたんだけど。
側に来ていてもしばらく様子を見ていた甲斐があったな♡」
ふっ。
……きゃん!
や…やだ!!
耳元でささやくなァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
ぱっ!!
「ガガガガカガガガガ!!!!!?」
振り向こうにも、あたしを抱きしめる力が強くて身動き取れない。
とゆ~か、なんでいきなり、ガウリイがあたしの後ろにいるのよ!!?
もはや、あたしは、完全に固まるしかない。
しかも…今のガウリイのいった、【オレの空間】って何よぉぉぉ!?
「ガウリイ!!!!!?」
どうにか後ろを振り向くと。
……あり?
気配が…ガウリイとはちょっと違う?
けど……確かにガウリイだし……
碧い瞳に金色の髪。
「……ガウ…リ……」
思わず見とれてしまう。
何よ。
あんたは。
それでなくても綺麗だったのに。
なんで今のあんたは、今まで以上にそんなに綺麗になってるのよ!!
くやしいけど。
女のあたしからみても、ガウリイは、いつもより、なぜか綺麗にみえる。
「……リナ」
……何?
いまの……って……
……で…でぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
今、あたしの唇に何か触れたよ~な……
や~らかい……何かが……
あたしが理解するよりも先に。
「リナ、リナリナリナリナ、よかった……」
「ちょ……ん……はぁぁぁぁぁぁ……んんんんん!!!!?」
目が点。
……何?
ガウリイ……あたしに……
……これって……もしかして…もしかしなくても、そのキキキ…ス!?
で……でぇぇぇ!?
もがけばもがくほどに。
始めは唇だけだったのに。
あたしの口の中に入り込んでくる異物。
それがあたしの舌を絡め取る。
「んあ……あぅ……ふ……」
息など今のあたしには、関係ないんだろうけど。
だって精神だけの存在なんだし。
だけど。
はっきりいって息苦しい。
「ガウ……」
「黙って……リナ♡」
ちょ……
「は……あぅぅぅぅぅぅん……」
口を開きかけると、
再びあたしの口は、ガウリイの唇でふさがれ。
どんどん深く、激しく、長くなってくる……
やぁ……
何も考えられないよぉ……
馬鹿くらげ……何を……
どさ。
「はぁ……はぁ…はぁ……」
ようやく、ガウリイから開放されたあたしは。
そのまま、あたしを抱きしめていたガウリイの胸に顔をうずめるしかできない。
身体……精神体に力が入らない。
この場には地面なんてものはないのに。
だからか、そのまま無限に落下しそうになるのを。
ガウリイがあたしを支えている。
「……リナ、オレもお前を愛してるぞ♡」
……は?
……今、あたし、幻聴が聞こえた?
「……な!?」
思わずガウリイを見上げる。
「……ほう、信じてくれないか♡なら、信じてくれるまで何度でもキスしてやる♡」
ちょ……
「ちょ…ガウリ…あふ……」
ん…ん……
必要に続けられる、ガウリイからのデープキス//
……ちょ……
「ん~ん~ん~っ!!」
ガウリイの髪をひっぱろうが、背中をばしばしと叩こうが。
一向に、あたしを放す気配ないし……この馬鹿は……
「……ぷはっ!!いきなり、何するのよぉぉぉぉぉ!!!!」
すっぱぁぁぁぁぁぁぁん!!
よっし♪
どうやらやっぱり。
精神体だけあって、自分が望んだものはすぐに形づくれるらしい。
あたしが、スリッパが欲しい。
と、念じただけで、あたしの手に出現するスリッパ。
ぱし。
あ、ガウリイのくせにあたしの攻撃をかわした!!
あたしが、ガウリイをスリッパではたいた直後。
あたしの手は、ガウリイに強く掴み取られていた。
「……リナ、さっきの…本音だろ?」
「……う……き…気の迷いよ!!」
何よ、何よ、何よ!!
深くすべてを見通しているかのように。
そんなに優しい目で……あたしを見ないでよ…ガウリイ……
「くす。かわいいvvリナ♡」
ちゅ。
「……な゛//」
ふたたび、ふさがれるあたしの唇。
でも、こんどは、かるく触れるだけのもの。
「まあ、よかったよ、リナが無事で。
リナがリナでなくったから……オレ、気が気でなかったもんな……」
ぎゅぅ……
「ちょ……痛いって……ガウリイ!」
ガウリイがあたしを強く抱きしめてくる。
あたしがあたしでなくなった?
そ~いや、あたし、闇の水晶の攻撃。
あの直撃うけてからの記憶がないのよね。
まあ、それで、あたしは自分がどうして存在したのか、というのを思い出したんだけど……
あれ?
でも、この口調だと。
ガウリイ……あたしでない、私のことを見たの?
「……ガウリイ?あんた?」
そっと。
ガウリイの背中に手を回す。
ガウリイだけの匂い。
これが、あたしを落ち着かせる。
……あり?
でも、なんで、ガウリイがここにいるんだろ?
「リナリナリナリナ……もう、何処にもいくな……
いっただろう、お前のいる場所は…オレの側だって……
……リナ以外は……オレは……オレはっ……!」
「いや……『何処にもいくな』っていわれても……あたしだって、好きでここにきたんじゃ……」
本当は、あんたに会いたかったから。
あんたと一緒にいたいから。
彼女の申し出を受けたんだけど。
「……リナが、ブラに身体を乗っ取られて……そして気配が…ユニット様になったとき……
オレ、消滅するかのごとくの衝撃……うけたんだからな……
……お前がいなくなる。それがいやで……いやで……」
ぽたり。
???
何か、あたしに当たった?
「……ガウリイ?泣いてる…の?」
あたしを抱きしめたまま、なぜか泣いているガウリイ。
「……ばぁぁか……あんたが…ないちゃ……」
あれ?
あたしも気づかないうちに、ぽろぽろと涙が頬を伝っているのに今さらながらに気づく。
ぎゅ。
「頼む、オレの側からいなくならないでくれ……リナ」
ガウリイの手に力がはいる。
「……ばぁか、それは、あたしの台詞よ……ガウリイ……側にいて……」
ぎゅ。
なぜか、素直に言葉がでた。
もしかすると、ここでは素直になれるのかもしれない。
すべての母たる空間に近いこの場所だからこそ。
ガウリイを抱きしめる手に、あたしも力を込める。
「……リナ」
「……ガウリイ……」
近づいてくるガウリイの顔に。
あたしは、受け入れを示すかのように目をつむった。
あたたかい。
「……夢……じゃないよね?ガウリイ?」
目を開くと。
なぜか、すこぶる明るい表情のガウリイの姿。
とゆ~か、あたしが精神だけの存在なのに。
今きづいたけど、こいつには実体があるのはなぜ?!
とくん。
とくん。
ガウリイの心臓の音が、あたしを落ち着かせてゆく。
……会えた。
無理かもしれない。
この、広いまでの空間で。
ガウリイに…あえた。
それが、あたしには無償に嬉しい。
「ああ、夢じゃないさ?……で?リナ?返事は?」
「う…やぁょ!はずかしいもん//」
というか。
わかってよ……
「そ…それより!!あんた!!嘘だといったら、承知しないんだからね!!
今まで、さんざん子供扱いしといて!!このあたしにあんなことをいきなりして!!」
まさか、いきなり…キキキキキス//
されるとは、あたしにとっては…嬉しい……じゃなくて、予想だにしてなかったし//
「……いやぁ、だって子供扱いしとかないと……オレ、理性保てなかったし……」
ぽりぽりと頭をかきながら、どこか悪戯っぽくいうガウリイ。
「??どういう意味?」
ガウリイ、何をいいたいんだろうか??
変なやつ。
「まあ、ともかく、オレの管轄している世界に、ようこそ♡リナ♪」
ガウリイがあたしの手をとり、軽くキスをしてくる。
な゛な゛な゛な゛//
まるで、騎士が忠誠を誓うような仕草……
もしくは、恋人に贈るような仕草をするんじゃない!
……あれ?
こい…び…と?
ええと……
あたしは、ガウリイが好き。
……んでもって……ガウリイも…あたしが……好き?
……ぽふん!!!
わすれてたぁぁぁ!!
告白するとゆーことは、そそそそそそそそそそその///
ガウリイと恋人同士になるってことだったぁぁぁぁ!!!!////
パニクル思考をどうにか表に出さないようにして。
でも、やっぱり、恥ずかしいよぉ……///
「……何よ、?その管轄している世界って//」
真っ赤になりつつ、どうにかあたしがいうと。
「う~ん♪口で説明するより、見てもらったほうがはやいや♪」
ひょい。
・・・・はひ?
いきなり、あたしは、ガウリイに横だきに抱きかかえられる。
「……だぁぁぁ//離せぃぃぃぃぃ!!」
「オレの宮殿に案内するよ♪リナ♡」
……はい?
ガウリイの宮殿?
……そ~いや、ガウリイの存在としての本質がどうとか……
……こんなくらげで神の王が務まってるのだろうか??
はっ!!
今は、そんなことが問題じゃないぃぃ!!
何よぉぉぉ!!
この体制はぁぁ!!
「恥ずかしいでしょぉぉぉお!!!おろせぃぃぃぃい!!」
じたばたばた。
「やだvv」
ぐ……
ガウリイのくせに、何か強気だし!!
……と。
ふわり。
あ……きもちいい……
あたしとガウリイは、今までいた場所から瞬時に別の場所に移動していた。
「あ♪リナとガウリイ、出会ったし♪」
エルがいってくる。
「あら♪でも、エル♪さすがに、あいつと同じにしたせいか♪
あいつと同じく、独占欲vv強いみたいだけどv」
私の言葉に。
「い~のよ♪だって、楽しくなりそうじゃない♪」
「……リェウスィのときとは、比べ物にならないほどのあっさりようね♡」
「ユニットぉぉぉお!!!思い出させないでぇぇぇ!!!!!(涙)」
あ、エル、かわいいvv
あれからずいぶんたつのに。
まだ、残ってるのね♪
単なる部下に娘としていたリチェウスィを取られたくやしさvv
「ふふ♪楽しくなりそうね♡」
「……まあね」
とある村の宿の一階にある食堂で。
なぜか、
??
と、疑問符を並べているルナ達はほっといて。
私達は、今、昼食のまっ最中。
アメリア、ゼルガディス、シルフィールは過去に飛ばしてるし♪
ふふ♪
楽しくなってきたわねvv
-続く―
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あとがき:
薫:・・・・ちなみに、この世界は。
希望シリーズの世界で、エル様が、鬱憤晴らすべく創り出した世界です・・・(裏設定・・)
姫:・・で?ゼルガディスたちの、古代文明。
ウォータートパージャの世界の旅は?どうするの?♡
薫:・・・・・打ち込むかどうかは未定です!!!
姫:・・・・あのねぇ・・。
薫:だって、あれは、ほとんどがオリキャラ。ガウリイ、リナ、当然ながらいないし。
ミリーナ、ルークはでてくるけども。
何しろ、五千年前の世界だからなぁ・・・(まて!)
つまりは、神魔戦争が始まる以前の世界だし・・・。
ま・・気がむいたら・・・・・。
姫:でも、あれ、やらないと。
どうして、ゼルガディスが、最後、リナ達が戻ってきたときに。
人間になってるのか、絶対に分からないわよ♡
薫:だぁぁ!!ばらさないでぇぇ!!
ま、そのあたりは、ゼルの回想ででも、説明させますから(まて!)
ではでは・・・・・。
姫:・・・・で♪ようやく、覚悟、決めた?♡
薫:・・・・はい。もー。こーなったら、何個、ふえよーが同じです(涙)
とりあえず、短い、これと、できれば意地悪を完結させますのです(汗)
ではでは・・・・・。
姫:それじゃ、まったね♪
薫:・・あれ?今回、エル様は?
姫:リチェウスィに会いにいってる♪
薫:・・・・・あーあ。エル様がいなくなったら、リチェウスィ……まぁたしばらく行動不能ですね(汗)
スティルバイトに捕まって・・(汗)
姫:まあ、いいんじゃないvvラブラブでvv
薫:・・・・絶対に、カウリイ=ルシフェル=ウル=ナイトメア。
あの存在の魂ちぎったのが・・そもそもの原因ですな・・(汗)
姫:そーいう、貴女は、あの話も、とまったままよね♡
薫:・・しまった!!やぷへび!!そ・・それでは!!!!
姫:ふふふふ♡逃がさないvv
遠くで、何やら音が響き・・・静寂・・・・・。
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