まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
こんにちは♪混沌の娘本編です♪
ちょっと・・かなり、シリアスかも知れません・・・。
ま、許してください。ってことで、いきます!!
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混沌の娘 ~前編~
リナとガウリイはゼフィールシティを後にして、セイルーン王国のキューザックシティへと来ている。
「な~。リナ?こんな所になんの用なんだ?」
ガウリイがリナに聞く。
「こ……こ~のくらげ~!!!」
すっぱあぁぁぁぁん!!!!
リナのスリッパ攻撃がガウリイを直撃した。
「いって~!!なにすんだよ!?リナ!!」
ガウリイが抗議する。
「あんた、人の話聞いてなかったの~!!」
リナ、かなりエキサイトしている。
……ガウリイなんだから、しょ~がないでしょ……リナ……
「今度のバザーで、目新しい品がでる可能性があるって説明したでしょうがぁっ!!」
リナは叫ぶ。
一応、説明しておこう。(ああ、なんて親切なあたし♪)
ここキューザックシティでは、毎月『5か0』のつく日にバザーが開かれているのだ。
リナはとある場所で、今回変わった品が出品される。
という話をききつけたらしい。
二人がそんな漫才をやっていると、
「ガウリイ?ガウリイじゃないか!?」
一人の通行人が話しかけてきた。
「ジル!?」
ガウリイが答える。
「だれ?ガウリイ?」
リナがガウリイに聞く。
ジルと呼ばれた青年はリナの方をみて、
「魔道士か……」
とぽつりとつぶやいた。
どこか、かなしそうな声で。
「あ、ああ。昔、一緒に仕事したことのある……ジルだ。」
ガウリイが歯切れも悪く説明する。
「はじめまして。ガウリイの彼女のお嬢さん。俺は、ジル。ジル=コランダム。よろしく。」
「ふ~ん。別にガウリイの彼女じゃないけどあたし。あたしはリナ。リナ=インバースよ。」
「リ…リナ=インバース!?そうですか……貴女が……」
一瞬、その名前と世間一般に伝わっている噂と、リナを見比べ驚きつつ何やら言うジル。
だがしかし、次の瞬間には大切な人のことを思い出し、
その人物とリナとを照らし合わせていたりする。
「……ちょっと、それ、ど~いう意味かしら!?」
リナは怒ろうとするが、ジルの寂しそうな瞳に気がついてそれを押し留めた。
「……そっか。生きてれば、リナと同い年だったっけ……お前の妹……」
ふと、過去のことを思い出し、そんなことをいっているガウリイ。
「……そ~だな。」
ジルが答える。
「妹!?死んだの?」
リナが聞くと、
「……オレが殺した……」
ガウリイがかすれるようにつぶやく。
「……なっ!!?」
そんなガウリイの言葉に、リナは耳を疑った。
「ガウリイが殺した!?なんで!?」
「……お前のせいじゃないさ。俺ができなかったことを、お前が変わりにしてくれたんだ。
それに、あれは妹の姿はしてたが……別人だ。本当の妹は…俺が殺したんだからな。」
過去。
忘れたくても忘れられない、苦しい真実。
それを思い出しつつつぶやくように言うジル。
そんなジルやガウリイの言葉に、リナは混乱してしまった。
いったい、ど~いう、ことなんだろ~か……
と。
「…それより、ガウリイ。ちょうどいい所で出会った。その…話があるんだが…いいか?」
ジルの遠慮がちな言葉に。
「そ~ね。話があるんだったら、その辺の食堂にでもいく?」
ふと、どうやらあまり人に聞かれない話だと察知したリナが機転を利かす。
「そ~だな……」
そんなリナの言葉に、ガウリイもそれに同意した。
やがて、食堂へとはいり、なぜか奥の間を取るジル。
「……で。どういった知り合い?二人は?」
リナが聞く。
「いや……あの……」
言葉をにごすガウリイ。
「いや、ガウリイ、お前には無理だ。説明は」
この男、ガウリイの性格を見切っている。
さすがね。
などと、リナは思っていたりするけども。
「俺から、説明しよう……」
言って、ジルはガウリイとのいきさつを語り始めた……
「ルキフェルとか言う魔道士が大変な悪さをしている。それをなんとかしてもらいたい。」
その土地の領主が言う。
【魔道士ルキフェル】。
その名前は、ガウリイですらきいたことのある名前だった。
何年か越にふらりと現れては、絶対に姿を見せない魔道士。
彼に向かっていったものは誰一人、戻っては来なかったと言う伝説さえも持っている魔道士だ。
そんな魔道士の噂も、ここ数年は途絶えていた。
領主も、まさか現れるとは思ってなかったらしく、何の対策もしてなかった。
で、流れの傭兵であるガウリイ達に話が舞い込んできたのだ。
報酬はかなりよかった。
一人につき、前金で金貨千枚。
成功の暁には、さらに五千枚。
おいしい話だった。
むろん、ガウリイ達をはじめとする傭兵や魔道士達は、こぞって、討伐に乗り出した。
その先に何があるかも知らずに……
ガウリイは、とりあえず一組の兄妹とコンビを組むことになった。
「ジル=コランダムだ。よろしく。」
「リリス=コランダムよ。よろしく♪」
それが、ガウリイとジル達との出会いだった。
リリスはかなり魔法が上手だった。
何しろ、
まだ、十二・三歳だというのに。
それが、あだになったのか……
「ここだな……」
ジルが言う。
ついに、ルキフェルのアジトを突き止めたのだ。
「だが……ここまで、誰にも会わなかったのは……どういうことだ?」
ガウリイは野生の勘で、なんとなく危険を察知していたらしい。
と。
わらわらと現れる、レッサーデーモン達。
「ここはオレにまかせろ!!」
ガウリイが一人で立ち向かう。
「すまない!!いくぞ!!リリス!!」
「うん!!お兄ちゃん!!」
言って、二人は洞窟の中へと入ってゆく。
ガウリイの剣にかかると、さすがのデーモン達もあっさりと倒れてゆく。
そうこうしてる内に、ジルとリリスは洞窟の奥へとたどり着いた。
「ほ~う。ここまで、これる人間がいるとは……」
洞窟の奥に佇む一人の男。
「……?お前、見たことがあるぞ!?確か、探し人のリストに載ってたやつだ!!」
とジルがその姿をみて叫ぶが。
「ふむ。そういうこともありえるかもしれませんね。この身体は……」
何やら、意味深なことを言うルキフェル。
「
いきなり、リリスがしかけた。
何か、人間とは違う何かを感じとったようだ。
「これは♪これは♪ちょ~どいいですね~♪その身体……」
ルキフェルが言う。
ぐらりっ!!!!
ルキフェルの言葉と同時。
いきなり、リリスがよろけた。
「だ……大丈夫か!?リリス!!」
ジルが叫ぶ。
「大丈夫よ。それより、あいつを……」
リリスが言う。
そのとき、リリスが微笑んだのにジルは気がつかなかった。
「……!!??」
何やら、うろたえているルキフェル。
「?」
一瞬、ジルは戸惑う。
が、
「はやく、やっちゃって!!」
リリスの言葉を受け……
ざしゅっ!!!
ジルの放った剣は、ルキフェルの胸を貫いていた。
「・・・・・・・・・・・・・(お…お兄ちゃん……)」
リリスの言葉は、声にならなかった。
リリスは驚いていた。
一瞬、目眩がしたかと思うと、目の前に自分がもう一人いるのだ。
私はここにいるのに!?
じゃあ、あれは誰!!?
リリスが……自分の身体がルキフェルの身体と入れ替わってるのに気づいたのは、
皮肉にもリリスの兄であるジルがリリスに剣を向けたとき。
剣に映った自分をみたときだった……
「やったわね、兄さん。」
とリリス。
「?あ…ああ……」
いつもと呼び方が違うリリスに多少の戸惑いをみせるジル。
本来ならば、
『やった~♪さすがお兄ちゃん♪』
といって、いつも飛びついてきてたのだ。
リリスが、ジルに近づこうとすると……
「ジルから離れろ!!」
ガウリイの声がした。
デーモン達を全滅さして、今やってきたのだ。
「ガウリイ?」
ジルがいうよりも早く、ガウリイはリリスに剣をつきつけて、
「……お前は誰だ!?リリスじゃないな!!?」
リリスに向かって言う。
そんなガウリイの言葉と態度に対し、
「くくくっ!!すごいな!!初めてだよ!!見破ったのは!!は~はっはっは!!!」
リリスが高らかに笑う。
「……リリスをどうした!?」
なおも目の前の【リリス】に向かって剣を突きつけるガウリイ。
「本物のリリスとか言う娘なら……そのジルとかいうリリスの兄が今、殺したところだ!!」
笑いながら言うリリス。
「……!!!???」
言葉を失う二人。
「冥土の土産におしえてやろう。
私は他人の精神を操るだけでなく、精神をとばして身体を交換することができるのだ!!
この娘の体はいい。未知の可能性がまだあるからな!!」
リリス……いや、偽リリスは言う。
「お前達も、私の操り人形となって死んでいくがいい!!」
高らかに言う偽リリス。
「くっそ~!!リリスの仇!!」
ジルは向かっていくが、
『私をまた殺すの?お兄ちゃん……』
リリスの声で言葉を発する偽リリス。
「……くっ!!」
ジルは手が出せないでいる。
知らなかったとはいえ、妹を殺したのは自分なのだ。
しかも相手は、リリスの身体には違いがない。
「ふふっ。手が出ないみたいね。さよなら、『お兄ちゃん』。」
リリスがジルにむかって剣を振りおろす。
かっきいぃぃぃぃん!!!!
それをすばやく間にはいって受け止めるガウリイ。
「あらあら、やるわね~貴方。でも、もう使い物にはならないわよ?その剣。」
くすくす笑いつつ言う、【リリス】。
ガウリイの剣は、リリスが剣に魔法をかけてたらしく真っ二つに折れていた。
「そうでも、ないさ。」
いって、残った刀身を投げ捨てるガウリイ。
「……ジル。オレが殺る。……いいな……」
ガウリイは言って、刀の鞘だけをもって突っ込んでいく。
「馬鹿がっ!!」
「よせっ!!ガウリイ!!」
リリスとジルが同時に叫ぶ。
リリスの前に回りこんだガウリイ。
「ふっ、愚かなっ!!」
言って、呪文を唱えだすリリス。
「-光よ!!!-」
ガウリイの声と共に、光の刀身が現れる。
「な゛っ!?ばかな!?光の剣だと!!??」
リリスはあわてる。
が、そのときには、ガウリイの光の剣がリリスの身体を捉えていた……
崩れ行く、リリス。
ガウリイは余りの怒りで、光の剣の本当の力を無意識のうちに引き出していたらしい。
その事実に、自分でも気づかないうちに……
さすがに、完全なその力をまともに受けたリリス…いや、ルキフェルは完全に消滅した。
「ガウリイ…お前……、ありがとうな……」
リリスの墓を作り・・・・二人は別れた。
賞金は……もらいに行かなかった……
あまりにも代償が大きすぎた……
それが、ジルの口から、語られた、かつての事件の真相だった……
-続くー
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あとがき:
やっぱ・・・シリアスだよなー。自分でも思う・・・・。
今回は、ほとんど、ガウリイとジルとの出会いの話になってしまいました。
次回、ガウリイ、ある決意(!?)をします。
・・・・それで、リナを泣かすことになるとも知らずに・・・・。
ま、では、次は、第二話です。はい。
・・・・長編の打ち込みほっといて、なにを入力してんだろ・・・・あたし・・・・。(笑)
では!!
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