まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

どうも、お世話になります。第3話です。
この回、ちょっとしたこの話のヒント(!?)が、かくれています。
たぶん、プロローグ読んでる人にはすぐ分かる!!(お゛い・・・)
わかる人にはすぐバレバレ(笑)では、またあとで・・・。

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一応あらすじ:リナを人間とみなすなと命令を出した部下Sはエル様によって
火山の噴火口へまっさかさま(あれからやっぱり落ちたらしい)
獣王とゼロスはエル様より直々の命令を受けた。(一体何で?by獣王談)

闇とリナと・3  ~ねーちゃんの封印!?~

「リナ。あんた最近魔力強くなってない?」
唐突に姉ちゃんが言った。
あたしとガウリィそして父さんと母さんと姉ちゃんとで夕食をとっているときだった。
「何でだと思う?姉ちゃん……(泣)」
あたしは、姉ちゃんなら何とかしてくれるだろ~とおもったのだが……
そう。
あれからもどんどん魔力は強くなっていた。
……が、姉ちゃんから戻ってきたのは意外な言葉。
「リナ、あんた前魔血玉アデモン・ブラッドの欠片飲み込んだでしょ?
  そのせいで私があんたにかけてた封印が弱くなってるみたいね。
  このままだと完全に封印は解けるわ。」
さらっと言ってくる姉ちゃん。
ガガタタタタタタ!!!
「それって、ど~いうことよ!姉ちゃん!っていうかいつあたしにんな封印を!!
  そんな封印ほどこしてたのよ~!!!」
姉ちゃんの言に食事中だというのにそれを忘れて立ち上がりエキサイトするあたし。
「落ち着いて、リナ。」
みょ~に冷静の姉ちゃん。
お茶なんか飲んでるし……
「だ~!!んなこと言われて落ち着いてられるか~っ!!!」
「ま、まさかあたしの中に魔王が封印されてて、それをさらに封印した。
  って言うんじゃないでしょ~ね!姉ちゃん!!んなのあたしはゴメンよ!!!」
あたしはわめきちらしつつ言いつのる。
――…ある意味ではあってるわね♡
「落ち着きなさいってば。リナ。あなたに魔王の欠片は封印されてないわ。
  もしそうなら私にはすぐ分かるから。」
姉ちゃんの言葉に、
「よ……よかった~。」
安心して椅子にもたれかかるあたし。
「封印って何でだ?」
ガウリィが姉ちゃんに聞く。
「そ…そうよ!何で!どういうこと!姉ちゃん!!」
あたしは肝心のコトを思い出し再び姉ちゃんに聞き返す。
安心したせいで忘れそうになったぞ。
その理由聞くの……サンキュー!ガウリィ!
「あんた。産まれた時、異様に魔力高かったのよ。」
唐突に姉ちゃんは言ってくる。
『へ???』
思わず間の抜けた声を出すあたし。
「まさか、魔王が封印されてる魂?と思ったんだけど違ったし……」
姉ちゃんは言葉を続ける。
「理由は分からないわ。けどリナ。
  あんたが産まれたとき持ってた魔力、当時の私よりもはるかに強かったのよ。」
「え?赤の竜神の騎士の姉ちゃんより……?」
姉ちゃんの言葉に、思わず言葉につまるあたし。
あたしが言葉につまっていると、やおら姉ちゃんはあたしの額を指差し。
「あんたの額にある二つのホクロ、ね。
  それを利用して赤ん坊だったあんたに魔力封じの術をかけたのよ。
  あんたが産まれたとき、そのホクロの色は何でか金色だったわ。」
……今は黒色だけど?(汗)
お~い姉ちゃ~ん(泣泣)
「何だか分からないけど強い魔力。それって何となく……っていいわ。
  とにかくこのままではということで封印したの。
  それでもあんたには結構強い魔力が残ったけど……ね。」
ん~みゅ。
そ~いうコトか。
だがそれでは理由になっていない。
「つまり、産まれ付きもってる力に戻ろうとしてるってことか?」
ガウリィがいきなし言う。
おっ!ガウリィにしてはすごい!!
『どどおおおおおおううぅぅ!!!』
どよめきが起こる。
「ちょっとガウリィ!あんたんなまともな意見を!!」
「いや~、ガウリイ君でもできるんだね~。」
「ほんと、ほんと。これなら安心して娘をまかせられますわ。いつもこうだとい~んですが。」
「ガウリィさんって……まともな意見言えたのね~。」
口々に言うあたしと父さん・母さん・姉ちゃんの四人。
「あ…あのなぁ。オレだってまともなコトぐらい言うぞ!」
言ってふくれるガウリィ。
でも、驚くの無理ないと思うぞ、あたしは。
「ま、このガウリィさんの言った通りね。リナあんた本来もってる力に戻りつつあるのよ。」
「それって姉ちゃん、どの位?」
あたしはとりあえず姉ちゃんに聞く。
「さあ、少なくとも私よりは上のハズよ。」
ってことは、
うっしゃああああぁぁ!!姉ちゃんに勝てる!!!
あたしは内心喜ぶ。
―― くす♡よっぽどコンプレックス、もってたのねぇ♡
と、ある思いが頭の中を横切る。
ちょっとまてよ…もしかして……
あたしはある可能性を思いつく。
「それって、むやみに魔法使えないってことになるんじゃあ……」
「そりゃそ~でしょ。下手に竜破斬ドラグ・スレイブでも放とうものなら、その辺りの国が二つか三つ。
  力量によって国一つ。まるまる巻き込むでしょうから。」
あっさり言う姉ちゃん。
う……うどわああああ!!
やっぱりぃ~!!!
これでは姉ちゃんに勝つどころではない!
趣味の盗賊いぢめにも影響がでる!!!
「うどわあああああぁぁぁ!!!」
あたしは叫びつつ頭をかかえる。
―― あら。さすがはリナね♡
「もう一回、封印するってのは無理なのか?」
ガウリィが姉ちゃんに聞く。
「はっ!そうだ!姉ちゃんその方法……」
あたしが言いかけると、
「無理よ。」
あっさりはっきりミモフタもなく言う姉ちゃん。
「なんでよ~……」
あたしは泣きそうな声で言う。
「まだ自我の少ない赤ちゃんならともかく。」
「って、姉ちゃん?以前、魔族のマゼンダってヤツがあたしの魔力封印したけど?」
恨むような目で姉ちゃんを見つつあたしが言うと、
「どうせすぐ封印ゆるんだんでしょ?」
う゛!!!
たしかにそ~なのだ。
あの件の次の日には多少魔力が使えるようになっていたのだ。
ま、そのおかげというかなんというか、『魔血玉デモン・ブラッド』を買い上げる(?)ことに成功したのだが……
「とにかく無理。いくら私が赤の竜神の騎士でも、そして……魔王でもね。」
姉ちゃんはそう言い切る。
「なんでよ~……」
ただただ涙するあたし。
「だってあなたのその魔力とある御方に酷似しているのよ。だから私も封印したんだから。」
ん?とある御方?
ど~もひっかかる。
何かが。
―― 産まれたときに分かってたんなら報告ぐらいしさいよね……ルナ♡
「何で魔王でもダメなんだ?ルナ?」
父さんが姉ちゃんに聞く。
「だってあの御方に酷似している力、再び封印できるわけがないわよ。
  ……あの御方御本人ならともかく……」
お゛い……もしももしももしかして……
ただひちすらに怖い考えが頭の中に浮かぶ。
「ね゛・ね~ちやんそのお方って……も゛…も゛じがして……」
まさかまた体乗っ取られるんじゃ!?
そんなコトがふと思いつく。
「リナ。それよりめずらしい客人がきたみたいだぜ。」
ガウリィが家の外、つまり玄関の方を見て言ってくる。
あの~?
あたし話終わってないんですけど……
と、
「ごめん下~さ~い~♡」
聞きたくない声がドアの方から聞こえてくる。
やたらと伸びた間の抜けた声。
母さんがその外にいるヤツを部屋の中へ招き入れる。
「リナ=インバ-スさんはいらっしゃいますか?」
その声の主が言ってるけど。
ドゲシ!! 
あたしはみごとにひっくり返った。
何……何……何で……
そして母さんと共に入ってくるそいつ!!
「ゼロスじゃないか~。ひさしぶり~!」
ガウリイがその入ってきたそれに対して何やら話しかけてるし。
そう。
やって来たのはまぎれもなくあの性格悪のパシリ魔族こと獣神官ゼロス!!
「や~♡ひさしぶりですね~♡ガウリィさん。そしてリナ……さん?」
ダダダダッ!!
グギッ!!
あたしはゼロスの方へダッシュで走っていって彼の首を締め上げる。
「『ひさしぶり』……じゃな~い!このくそ神官!ルークのことあやまらんか~いっ!!」
あたしはゼロスを締め上げる手に力をこめる。
「な゛……ごふごふ……リ・リナさんやめてくださいよ~。」
ゼロスが何やらいっている。
「やかましぃ!!!。」
「ま~ま~リナ。せっかくの尋ねて来た方になんてことするの?」
のほほ~んと言う母さん。
「面白そうだからもうちょっと見てみましょうよ♪母さん、父さん。それはそうとリナ。
  何だって獣神官ゼロスが家に来るの?そいつ、獣王ゼラス=メタリオムのパシリでしょ?」
姉ちゃんがこちらに向かって言ってくる。
「パ…パシリって……」
ゼロスが何やらつぶやいてるけど。
……そっか!この手があったんだ!!
「ひどいですよ~。リナさん。いきなりぃ~……」
ゼロスを締め上げていた手を放すとゼロスが抗議してくる。
が。
「ゼロス!今度は何の用なのかきっちり話してもらうわよ!
  でないと姉ちゃんにあんた滅ぼしてもらうからね!!」
あたしはそう言って姉ちゃんの方を指差す。
―― あらあら♡リナ、あなたでもできるでしょうに♡そんなコトくらい♡
「まぁまぁ、リナ。せっかくあんたを尋ねてきたみたいだし。そんなコト……」
と姉ちゃん。
「ふっ!い~のよ!!ゼロスだから!!」
あたしは、はつきりきっぱり言い切る。
「ところで、ゼロスさんでしたね?一体何の御用ですか?」
あたしとはうってかわって父さんがやたらとのんきにゼロスに語りかける。
「父さん!!んなヤツに何言っても無駄!!ってことで姉ちゃん、お願い!!」
あたしは姉ちゃんの方を見る。
「お願いっていってもいやよ私。家が汚れるの。もう夜も遅いし。
  それに獣神官ごときを滅ぼしても何にもならないし。」
姉ちゃんが、いともあっさりと却下してくるし……
「ご…ごとき……って……」
そんな姉ちゃんの言葉を聞いて、ゼロスが言葉につまる。
そっか!こいつ姉ちゃんのコト知らないな!!?
ならば精神攻撃あるのみ!!!
ちなみにゼロスが現れたせいであたしは例の不安を綺麗さっぱり忘れている。
「ふっ!ゼロス!あたしん家に来たのが運のツキ!!
  大人しくあたしの姉ちゃん!ルナ=インバ-スこと赤の竜神の騎士スィーフィードナイトに倒されなさい!!」
びっとゼロスに指を突き刺しつつ言うと。
ピピピシィッッッ!!!
そのまま音を立てて固まるゼロス。
お~きいてるきいてる♡
「ス・赤の竜神騎士スィーフィード・ナイトって…御本人ですかぁ~!!?」
なぜかわめきちらしているゼロスだけど。
本当に知らんかったんかい……おのれは。
調べるぐらいしろよな……
「そ~よ!だからあんたも観念なさい!!!。」
いってゼロスにさらに詰め寄ると、
「そ…そそんなぁっ!僕ごときじゃ勝てませんよ~!!赤瞳の魔王ルビーアイ様もおっしゃっておられましたし。
  赤の竜神騎士スィーフィード・ナイトの力は魔王様……もとい。
  七分の一に分かれた自らと同じか、もしくはそれ以上かもしれないっ……って。」
言って泣きベソをかくゼロス。
……姉ちゃんってそんなに強かったんかい!?
―― ま、一応本人だしね♡当人誰にも言ってないケド♡赤の竜神本人だし♡
「ねえ、ルナ?この方いったいどちら様?」
母さんが姉ちゃんに聞いてくる。
「あ、こいつ?こいつ、獣神官ゼロス。獣王ゼラス=メタリオムが創り上げた獣王の下僕よ。」
姉ちゃんがそんな母さんに一応説明する。
「げ……下僕……」
あ、なにやらゼロスがいじけてる。
「まぁ、魔族さんでしたの?ようこそ我が家に。あ、今お茶入れますね。」
母さんはいってにこにことお茶の用意をし始める。
「か・母さん!こいつ魔族よ!しかも超高位の!何そんなにのんびりしてるのよー!!。」
あたしは叫ぶ。
― さすが、リナとルナの母親よね♡
「でもねえ、リナ。ルナもいるのにわざわざ来たってことは何か用があるからでしよ?
  彼あなたの名前言ってたから、あなたに用があるのだと思うのよ。」
といいつつ、ゼロスにお茶をすすめてる母さん……
ん~みゅ。
たしかにそういやこいつ、あたしの名前を呼んでたっけ?
「で、一体何の用よ!ゼロス!!」
あたしは椅子に座り不機嫌に聞く。
?何か忘れてるよーな?まっいっか。
― よくないってぱ♡リナ、一応それあんたにとってもあたしにとっても重要なコトだから♡
「あ・・あ゛のー」
ちらりと姉ちゃんの方を見るゼロス。
「あ、別に今すぐ滅ぼそうとか思ってないから安心して。
  あんた達も冥王フィブリゾが滅んで大変でしょうし。」
気楽に言う姉ちゃん。
……いいのか?それで???
― いや、よくないにきまってるじゃない!!!!これはやっぱり……んふふふふ♡
何とか気を取り直そうとしつつ、
ゼロスはやがて彼のこしにかけた鞄から何やら、ごそごそと取り出す。
「と…とりあえずですね。ひとまずリナさんにこれをお渡ししようと思いまして。」
言ってゼロスは四つの宝石【首飾り・ベルトバックル・ブレスレット×2】を取り出す。
「で、今度は何をさせようってわけ?」
あたしが言うとゼロスは、
「別に何も……ただ僕はこれをリナさんに渡してこい。と言われただけですから。
  あとのことは分かりません。」
ゼロスは言う。
……こいつ、またお役所仕事だなぁ。
……って?
「あたしに?」
何かうさんくさく感じたが、あたしはそれを手にとる。
ま、くれるってんならもらっておく。
「ふ~ん。身に付け方は【魔血玉デモン・ブラッド】のタリスマンと同じね。」
あたしは言いつつそれを身に付ける。あっ、結構かわいい♪このデザイン♪
― ま、このあたしが作ったんだから当り前♪かわいいデザインでしょ♪
「あれ?」
あたしはあるコトに気づく。ふと脳裏に二つの呪文が浮かぶ。
これに関係しているらしく、その呪文の内容は『魔力の増幅と減少』の二つの呪文。
それと……
「あら?リナ。それ身に付けたらそれほど魔力強くなくなったわよ?
  そうは言っても以前と比べて2・3倍はあるけど。」
姉ちゃんがふと気づいたように言ってくる。
そう。
これを身に付けたとたん、あたしの暴走しまくるように増えていた魔力がぴたっと止まったのだ。
しかもあるていど魔力を抑えてくれている。
……こ…これって一体……?
「ゼロス!これ何!?」
あたしはゼロスにくってかかる。
「し……知りませんって!本当にただリナさんに渡してこいって言われただけです!」
たじろぎながら答えるゼロス。
ちっ、本当に知らないらしい。
― そりゃそうでしょ♡だって教えてないもの。それ何なのか♪
「で♪これ本当~にもらってもいいのね♪あとで返してくれ、なんていっても返さないわよ♪♪」
これが何なのかはともかくとして!
これで心置きなく、竜破斬ドラグスレイブ……もとい盗賊いぢめが出来るってもんである!!
ゼロスにしてはいーもんもってきてくれたもんだ♡
「へぇ?何?これ?」
言って姉ちゃんが宝石に手を触れる。
-ぴくん-
……姉ちゃんの体が一瞬、震えたよ~な気がしたのは気のせいだろ~か?
「よ……よかったじゃないリナ。問題解決して。」
やおら言う姉ちゃん。
何か声が多少上ずってるのは気のせいかな?
「そうそう。もう遅いからゼロスも泊まっていきなさいな。うちに。」
姉ちゃんがゼロスに言う。
「い~んですか?」
ゼロスが問い返す。
「ええ。」
うなずく姉ちゃん。
あたしの方は、
今もらった四つの宝石にうきうきしててそんな細かいコトを反対する気は……さらさらなかった。


                            -続く-

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あとがき:
ちょっと長かったかな?この話。ま、いーや。
さて、一体リナのもらった宝石は何でしょう?!(笑)
答えは簡単♪。エル様の力の一部(?)です。一応。
では、次はリナの盗賊退治(!?)です。
では、第四話で。


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