ミッションズ・オブ・リング   ~反旗を翻しものは…~



-金色の王 母なる腕よりつかわされ すべての存在を包むもの 万物の母の同意語をもち すべてなる存在の母なるもの-


どこをどう間違ったら。
そんな間違った解釈になるものか。
思わず、ため息が漏れるのは仕方のないこと。
しかも、この間違った知識において。
今、ここに向かってきている存在たちはといえば。
金色の王は、すなわち。
星を照らす太陽のごとく。
・・・・つまり、太陽の力があるがゆえに、力を発する。
そんなまったくもって、とんでもない勘違いをしているのである。

太陽がなければ、生命は生まれない。
命あふれるこの惑星の恵みは、ある意味、太陽と、そして、潤うばかりの命の水。
それらが、いい具合に混ざり合い、このように、あまたな命が存在する惑星にと進化している今現在。
そして…それは、ここの大銀河星雲の中にとある小さな太陽系の中のひとつの惑星も例外ではなく。
だがしかし、この惑星上に生きている生命体のほとんどは。
いまだにその事実を…知らないのもまた事実…
まあ、中には太陽がなくても生命体が存在する惑星もあるのではあるが。
それはまた別の話…




「おでかけ、おでかけ、リナおかーちゃまとがうりいおとーちゃまとおでかけ。おでかけ。」
にこにこと、スキップしつつ、前を歩いている栗色の髪の少女。
かなりうれしいらしく、まあ、スキップ…といっても。
かなりあぶなっかしい足取りで、足場の悪い、そこ、がけの脇にとある、
ちょっとした道の中でふらふらしつつ、小走りに走っているそんな少女-レイナ。
「ああ!レナ!危ないわよ!そんなに走ったら!」
そんな娘に対し思わず叫んであわてて、後ろから抱きしめているリナに。
「きゃぁぁvかーちゃまにつかまったぁ!きゃあきゃあきゃぁ!」
などといって、完全にと楽しんでいるこのレイナ。
狭すぎる通路、しかも、横は下が見えないほどの崖。
眼下にはうっすらと低い雲などが見えているそんな崖の上にとある細い道で。
つばえている、というのはどうか、とも思うが。
そして、そんな二人の真後ろでは。
「おいおい、リナ、レナ、危ないぞ?」
そんな二人を同時にふわりと包み込むようにと抱きしめている金色の髪の男性-ガウリイの姿が。
そんな彼ら親子の様子を少し離れた後ろからみつつも。
「しかし、ルナ殿、この道はちょっと何ではないかの?」
前をゆく女性にと話しかけている一人の老人。
そんな彼の言葉に。
「ほかの道は、人間とかの馬鹿たちが待ち構えてますし。
  とりあえず、ここを抜けたら、普通の生命体とかはたどり着けない位置にとつきますし。
  まったく…一瞬にして移動ができたら、このような無駄なこと、をしなくてすむんですけど…」
ふぅ。
そういいつつため息ひとつ。
そんな女性-ルナの言葉に。
「そういえば、下手にあれの近くで神聖魔法とか、黒魔法とか使ったりしたら。
   その術者の魔力容量が多きければ大きいほど、あれが反応してしまうんじゃったな。
   まあ、わしらのような凡人の魔道士風情などが使うモノには関係ないんじゃが。」
ほっほっほっ。
そんなことをつぶやき笑いつつ。
その白く蓄えているあごのひげをゆっくりとなでているこの老人-マッケラン。
「まあ、それゆえに、アレを作った人物はその危険性に気づき封印していたようなんですけど。
  というかその時点で私としては破棄してほしかったですわ…」
はぁぁぁぁぁぁぁ~…
いいつつ、再びため息ひとつ。
そんなルナの様子に。
「まあ、過ぎたことはしかたがないことじゃ。ほっほっほっ。
  とりあえず、ここを抜けた時点でいるやつらの始末方法でも話しながらあるかないかの?」
のほほんと、さらりと少し怖いような台詞をさらり、といっているこのマッケラン。
「そうねぇ。とりあえず、ここを抜けたら黄金竜とかが、ざっと軽く千体以上。待ち構えてるしねぇ。
  まあ、あいつ直属の部下なんだけど。まあ、半数はどうにかなるわよ。どっちにつくのか。をいえばいいだけだし。
   そもそも、ヴラバザードのやつは、この『私』に反逆したようなものだし。とっとと本人消滅しちゃっても問題ないし。
   それに次の火竜王もすでにめぼしつけてるからねぇ。」
しみじみと、こちらもまた、あっさりと傍から聞けば、怖いようなことをさらり、といっているこのルナ。
そんなルナの言葉に。
「そういえば、時期竜王殿はあのフィリア殿…とか。」
「ええ、そのつもりよ。彼女なら結構適任だし。」
まあちょっとキレテ暴れたりすることもあったりするけど。
あの程度は今のあいつよりはかなりましだし。
そんなことを思っているこのルナ。
しかし、なごやかに笑いつつ、こんな場所で会話するような内容ではないのではないであろうか?
と第三者でもいたら、おそらくはそう思うであろうが。
だがしかし、彼らのこの会話の意味を完全に理解できるものが、いったい全体。
どれくらいいる、というのであろう。
「まあ、あいつは、今度のことで完全に首よ。首。まったく、今まで謹慎処分にしていた、というのに、ロクなことしてないし。」
「まあ、いくら竜王、といっても、所詮はわしら人間と何ら代わりがないからのぉ。
  ほっほっほっ。野心とか、自らのゆがんだ正義とかに取り付かれても不思議はなかろうて。
  お、それはそうと、そろそろこの場所を抜けるようじゃな。」
すでに、崖沿いにと沿っている道は。
頂上付近にと差し掛かっている。
この道を抜ければ、目指す死の山は目と鼻の先なのであるが。
そんなマッケランの言葉に。
「みたいね。ちょっと!リナ!ガウリイ!いつまでも狭い道でじゃれてないで!
  また戦闘開始になるんだから、準備だけはしときなさいよ!」
目の前をいちゃいちゃ…まあ、リナとしてはそうとは認識してないのであるが。
娘であるレイナを加え。
とにかく、見ているほうが何だかリナとレイナのやり取りではほのぼの。
ガウリイとリナのやりとりでは、あまりのいちゃいちゃぶりに、辟易…というような光景を繰り広げつつも。
ルナとマッケランの前を進んでいるリナ達、ガブリエフ一家。
そんなルナの言葉をきき。
「だって、ガウリイ、さ、レナは危ないから、いい子にしててね?」
いいつつも、くしゃりと娘の髪をなでているリナの姿がそこにはあったりするのだが。
「えー。レナもあばれたい!」
「でもねぇ?レナ、まだ完全に術の制御とかできないでしょう?」
「あのね。おかーちゃまからきーた、きんいろのおかーちゃまのじゅつ、レナ、じっけんしてみたいの!」
さりげにさらりと、意味がわかるものが聞けば、間違いなく凍りつくような台詞を。
にこにこと笑みを浮かべていっているこのレイナ。
「うーん…まあ、ギガスレでないんだったら、別にいいけど。でもムリはだめよ?あ、ガウリイ、これ、レナの代わりにもってて。
   万が一、あたしやレナの術に同調してもいけないし。」
いいつつ。
ぽいっ。
自分をなぜかずっと後ろからほとんど抱きしめている状態の夫であるガウリイにと小さな小箱を手渡しているリナの姿。
これこそが、リナ達が今、破棄しようとしている、問題の代物が入っている箱なのであるのだが。
「ああ、わかった、リナもレナもムリをするなよ?」
「はーい。おとーちゃま!」
「大丈夫よ。このあたしが竜なんかに負けるわけないじゃない!」
などと、なごやかに会話をしているこの親子。


彼らがそんな会話をしているそんな中でも。
足取りは先に、先にと進んでいるがゆえに。

やがて。

彼らたちは崖をのぼりきり。
地上が見えないほどのとある山の上にとたどり着いてゆく。



そして・・・・

その上空と山の岩肌にて待ち構えているモノたちの姿をその瞳に捉えつつ。


そこには。
空を金色と黒の二色に染め上げている竜たちの姿と。
その中にひときわ大きななぜか赤い竜。
そしてまた。
足場ともいえる岩肌にもまた、その場所を埋め尽くさんばかりの竜などの姿が見受けられていたりする。


― レナ、後から少し遊ばせてねv
- はーい。


だがしかし、それらは知らない。
この、リナとガウリイの娘であるレナの中に、かの御方の欠片が存在し。
面白そうな出来事などがあれば、すんなりと降臨してくる、というその事実を…


世の中、知らない、ということほど、何よりも恐ろしいものはない、という典型的な事実であろう…



「まっていたぞ。人間たちよ。さあ、その指輪を渡してもらおうか?」


ぱさり。


上空から羽ばたきの音とともに、彼らにと語りかけられるその声に。
思わず顔を見合わせ、盛大にため息をついている、ルナとそしてリナの姿が見うけられたのは。
いうまでもないこと…


リナはルナから聞かされて。
そして、ルナはその存在の本質からして、これが誰であるのか知っている。



火竜王…ヴラバザード…その当人…


「まったく・・・馬鹿は死んでもなおらないかしら?」
あきれつつ、その竜をみつめつつもつぶやくルナに。
「ね~ね~。ルナおね~ちゃま。あれであそんでもいい?いい?」
わくわく、そわそわ、どきどき。
うきうきしつつも、すでにその手にとなぜか、
光の球を出現させていたりするレナの姿がそこにあったりするのだが。
「あらあら、ちょめよ?レナ?ああいう馬鹿にはかかわったら。
  それより、ああいうのはね?金色の王の術ででもあっさりと方つけたほうがいいのよ。
  ああいうタイプはねちねちと攻撃してくる厄介なタイプだし。」
こつん。
そんなレナの額を軽く指ではじき。
にこやかにそんなことをいっているリナ。
「というか、リナもレナも手を出す必要はないとおもうぞ?何かルナさん、やるみたいだし?」
のほほんといいつつも。
だがしかし、のんびりとしているようでも、しっかりと。
リナとレナを守るようにしてすでに剣を抜き放ち、構えているガウリイ。
「ふぅ…。今までかなり注意とかしてたはずなんだけどねぇ・・・」
ため息をつきつつも、その手にすっと。
暁の光を宿した赤い剣を取り出しているルナ。
そんなルナを上空から見下しつつ。
「ほざけ。人間ごときに転生しているスィーフィードなど。もはやわれらの主ではない。
   我が新たなこの地の神となり、やがては、魔王の中の魔王、金色の魔王にすらとってかわるまで。
   そのためには、我の使命のためにも、指輪を渡してもらおうか?」
いるのである。
一応、きちんとした地位についているにもかかわらず。
世界の理を理解していない愚か者、という存在はどこにでも。
そんな彼の言葉に。
「…やっぱ、あんた、滅ぶより消滅しなさい。あんたのようなお馬鹿さんは……」
盛大なため息をついているルナ。
何事も、できもしないことを自分の思い込みでできる、と信じ。
まったく関係のない存在まで巻き込むやからは、いつの時代、どこの世界にでも存在する。


― ふぅぅぅぅん…
- あれ?くるの?
― ま、お仕置きは必要のようだし。いくわ。
- はーい。
レイナの脳裏、というか彼女のみに聞こえているその声は。
当然、リナもルナも聞こえるはずもなく。
ただ、一人。
ガウリイのみが、『何かとことんの人の気配がつよくなってるなぁ。』
などと思っていることは…それぞれ、誰も知らないこと…


「んと、んっと。やみよりもくらきもの よるよりもなおふかきもの
  こんとんのうみ すべてのこんとんをうみだせし きんいろなりしやみのおう…」

とりあえず、直接的に語りかけられた言葉を元に。
とりあえず、形だけは整えておきなさいね。
という意見に従って、小さくとある呪文を唱えているレイナの様子に。
いまだに、上空にてレイナたちを見下しているヴラバザードは、気づいては…いない…


                             -続くー


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まえがき:

ちらっと。
今回の反逆者さんたちの解釈がでてきたり♡
・・・・・・・・どこをどぉぉぉいうようにしたら、そのような間違った解釈になるのかなぁ?
あはははは・・・・(汗
あと、やっぱり出てきた、お約束。ヴラバザードです。
何かトライのイメージって・・・・つよいなぁ(笑

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あとがきもどき:

薫:出てきましたね。サブキャラ、ヴラバザードちゃん(まて)
  何かトライから、彼が悪役、というイメージ定着してるなぁ。 ま、いっか(よくない!)
  次回で、ようやく大本(?)の反逆モノたちの出現・・・ですかね?
  んではではでは。
  あとこのリングもあと少しv
  それでは、のんびりといくのですv
  んではではvv

    2004年5月17日某日


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