ミッションズ・オブ・リング   ~指輪の効能~




「ただいま。」
とりあえず、休憩をするためのクッキーといったお菓子をもって、ここ、砂漠にと戻ってきているルナ。
ふとみれば。
何やら、ぶつぶつと少し離れた場所で何かをつぶやいているレナの姿が目にはいる。
あたりには草木もひとつもなかったはずなのに。
そこにどうして砂漠の中にただひとつ、ぽつんと泉があったりするのか。
「??」
あそこにオアシスあったかしら?
確か数キロ先にあったはずだけど。
あのオアシスって移動するやつだったかしら??
などと少しばかり疑問に思うが。
「…ま、いっか。」
このあたり、さすが、リナの姉、といえるであろう。
それで済ませ。
「レナちゃん、おまたせー。まった?」
いいつつ、片手でバスケットを高く掲げて
オアシスの中の湖のほとりにたっているそんなレナにと言葉を投げかける。
「あ、ルナおねーちゃん、おかえりなさーい。あのね。あのね。このみずのなかにリナおかーちゃまたちのすがたがみえるの!」
いいつつ、両手をぶんぶんと振りつつ、そんなことをいっているレナ。
そんなレナの傍らにあるなぜか突如としてそこに出現した小さな湖の中には。
確かにそこに映し出されている、リナとマッケランの姿が。
「湖の中にって…え?…あら、本当。」
これっていったいどういう現象?
そんなことを思いつつ、レナの横に降り立ち、首をかしげるルナ。
だがしかし、
― 多分、レナがリナに会いたい、と強くおもったから水鏡の魔法を無意識に使ったのかしら?
そこに残る魔力波動からそのようにと判断する。
湖に満ちているのは明らかにレナの魔法力。
だが、そのことに当のレナは気づいている様子もなく。
「わーい!おかーちゃまだ!あれ?でも、おかーちゃま、なにもってるんだろ?」
湖の中にと映し出されているリナをみつつ。
にこにこと湖を覗き込みつつそんなことをいっているレナ。
確かに、ルナの考えは一部正解でもあるのだが。
だが、実際にこの水鏡を作り出したのは、レナではあっても、レナの体を通じてとある力をかの御方が使ったのみ。
そんな自らの力の波動を残すような真似は『彼女』は当然するはずもなく。
そしてまた。
それをレナがやったように見せかけるのなど『彼女』にとってはたやすいこと。
「?どうかしたの?…な゛!?」
首をかしげるレナをみつつ。
レナの横にと来ているルナがレナと同じようにと湖の水面を覗き込む。
そこには-……




「死の山って、確か年中、噴火を繰り返している、いわば活火山よね?」
にっこり。
その手に指輪をもちつつ、横にいるマッケランにと問いかける。
「確かにそのとおりじ゛ゃの。ゆえに、あの場所は【死の山】と呼ばれているんじゃからの。」
何しろ、常にそのあたりでは噴火が絶えずに起こっているがゆえに。
当然生命というか緑などが誕生するはずもなく。
常にあたりには熱気とそして水蒸気、そして、マグマの熱により生じた地熱があたりの大地までもを灼熱地獄にと化している。
そういわれているそんな場所。
「で、あたしたちの【お仕事】は、これをその火口にと不法投棄する、っと。」
「たしかにのぉ。」
にっこり微笑むそんなリナの言葉に。
ふと、マッケランもリナが何を言いたいのかしばしの沈黙の後に理解し。
にまっ。
「つまり。【死の山の火口】でも。ここの【火口】にこれを投じても、結果は同じよね?」
できたら、あんな場所までいきたくないし。
それがリナの本音。
これさえ、きちんと始末できれば、それは、姉の依頼を果たしたことになるのもまた事実。
とにかく、リナが受けた依頼は。
【指輪を始末すること】が最優先であるからして。
「まあ、確かにそのとおりじゃのぉ。」
「ここも、いってみれば、【死の山の火口付近】もどき、よね?」
にんまり。にっこり。
さすが、同じゼフィーリア出身者、というべきか。
何も言わずとも、二人の脳裏に飛来しているのは同じこと。
すなわち。


―わざわざ遠くの地である死の山にまでいかなくても。ここにこうして、火山活動をしている火口ができているではないか。
  ならば、ここに投じても、その結果は同じこと-

二人して、そんな考えを詳しく話さないまでにと思っているこの二人。
さすが、というか何というか。
「そういうことになるのぉ。」
いいつつ、にこやかにひげをさすりつつ。
そして。
「そもそもは、われらがこれを処分すれば、それだけでいいからのぉ。
  というか、年寄りにあんな遠くまで遠出をする体力はないわい。」
そんなことをいっているマッケランではあるが。
だがしかし、彼はこの年で実は世界を渡り歩き、
名物料理を制覇する、という目標のもと、常に世界中を歩き回っているのであるが。
「あっと。手がすべった。きゃぁぁぁぁぁv」
にんまりと笑みを浮かべつつ、リナとマッケラン。
そのまま言葉にはせずに視線で語り合う。
二人が思っていることは、それは同じ。
すなわち-

―このまま、ここにこの指輪、不法投棄(しましょv)(してもいいじゃろうのぉ)-

視線でそんな会話をやり取りし。
そして、わざとらしく、リナが何もない場所で躓いたようなフリをとる。

次の瞬間。
ポーンv
わざとらしく指輪の入った箱を投げているリナの姿が。



「って、あの子たちは何をしているのよぉぉおお!?」
そんな光景が水鏡にと映し出されるのをみて、思わず叫んでいるルナ。
「レナちゃん、ごめんね。私とりあえずリナのところにいくから。」
冗談!あんな場所に投棄されたら、それこそ、とんでもないことになるじゃないのよ!
そんな悲鳴を心の中でルナはあげているのだが。
当然、そんなルナの思いは、遠くにいるリナたちにはしるはずもない。


水鏡として湖の水面に映し出されたのは。
リナが、何もない岩場にて、つまづき、彼女に託していた指輪の入った箱が。
大地から吹き上げているマグマの中にと吸い込まれてゆく様子が。
「ああああああ!あれは、あそこでないと、とんでもないことになるのよぉぉぉぉお!!!!」
ただただ、むなしく、ルナの叫びが砂漠にと響き渡るが。
「?ルナおねーちゃま?」
そんなルナをみつつきょんと首をかしげるレナ。
そういえば、エルおねーさん、おかーちゃまたちのことをここのみずうみにうつしだすから。
それをみたら、レナもおかーちゃまのところにすぐにいってもいい。ってきょかでる。
といってたけど。
なにをそんなにルナおねーちゃまはさけんでるのかな?
レナは心の中でそんなことを思っているが。
レナは知らない。
どうしてルナがそんなに叫んでいるのか、ということを。
何か母たちが面白そうなことをしているから。
ただ、合流したいから、彼女の意見のままに従ったのみ。
その身の中に、万物の母たる力を兼ね備えていようとも、レナの本質はまだまだたったの一歳の女の子。
両親、特に母親のそばにいたい、ずっといたい。と思うのは当然の理。
「ああ!まって!るなおねーちゃま、れなもいくー!」
あわてて移動しようとするルナにむかって、レナの足元にまとわりつき。
涙を浮かべた潤んだ瞳で懇願する。
「…うっ!?」
危険な場所にレナをつれて行くのは…と、頭では理解ができる。
だからといって、このまま一人、レナをここに残して、リナの元にいったとする。
それ、イコール。
レナは間違いなくなき始め…そして、そのことは、間違いなく母親の耳に…自分の母の耳にと入るであろう。
「…母さんが怒ったら…ある意味、あの御方の次くらいに怖いのよね…」
そんなことをぼつりとつぶやいているルナではあるが。
― どういう意味かしら?まったく…後でじっくりとこれは話し合わないと。
そんな声がレナの頭の中にと響いてくるが。
レナには意味がわからない。
「だめ?」
今にも泣き出しそうなレナをみつつ。
「わかった!わかったから、とりあえず、手遅れにならないうちに…いくわよ!レナちゃん!」
がしっ。
とりあえず今は一刻の猶予もない。
足元にすがりついているレナを腰から抱え上げ。
次の瞬間。
「ああああ!まにあってぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!」
絶叫をあげつつ、そして。
シュ…ン…
次の瞬間にはその場から瞬時にして掻き消えてゆくルナの姿が。

後には、ただ、残された湖の水面上を風が走り、水面を波だたせてゆく-……




トプッ。
本来ならば、瞬時にそれはマグマの熱により、消滅、するのがそもそもの常識。
だがしかし、どうしてまるで何かにはまってゆくような音がするのか。
『???』
マグマの中に、指輪の箱がいまだに見えている。
そのまま、消滅することすらもなく。
「?このままマグマによって消滅するんじゃないの?」
マグマで消滅させられるからこそ、死の山に捨てにいくんじゃあ?
そんなことをリナは思いつつ思わず口にするが。
「うむ?…もしかしたら…あれを消滅させるのは、マグマの熱ではなかった、ということのなかのぉ?」
これから起こる出来事をまったく知らずにそんなことをのんびりといっていたりするこの二人。




かつて。
シャザード=グランディが作り出した、とされるその指輪は。
原理としては、周りの魔力を吸い取り、そしてそれらを増加させ、身につけたものの力を増幅させる、という代物。


―別に、それは、【生物】や形ある存在に対してに関するだけではなく…



ドクッン!

リナとマッケランの目の前で、大きくマグマがうねりを上げてゆく。


吹き上げるマグマの中に【指輪がある】ということは、すなわち。
マグマそのものが、その指輪を身につけている、ということにほかならず…

ドッガァァァァァン!!!!!!

『うきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!?』



次の瞬間。
リナとマッケランがいるその位置もろとも、というか、あたり数キロに及んで。
何の前触れもなく、突如としてところかまわず、溶けたマグマが大地より吹き上げ始め。
リナとマッケランの悲鳴とも、何ともいえない叫びが、そのあたりにこだましてゆくのであった…




シャザー=グランディが作り出したこの【指輪】は、それを包容するすべてのものの力をあげること。
今、指輪はマグマの中。
すなわち、火の力が指輪によって、増幅されているのである。
それが何を意味するのか…

下手をすると、惑星そのものすらも爆発せざらなくなる自体になっているとは。
いまだにリナもマッケランも気づいてはいない…



― さって、面白くなってきたわねvレイナ。後から体借りるわねv
― はーい!


移動するさなか。
そんな会話が、レナととある御方の間で、繰り広げられていることを…

まだ、誰も知らない……


                             -続くー



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まえがき:

日がたつのは早いものでもう明日が二月の終わり・・・・
うわぁぁぁん、やらないといけないお仕事終わってない(こらまてや)
あと、この調子だと…十九万ヒットまでにもRPG・・・完成しそーにないなぁ・・あはは(汗
しくしくしく・・・・。
などととにかくぼやきつつ。とりあえずいっきます・・・・。
これだけでも終わらしてやろ・・(つーか、狭間はあと確か二話くらいで完結なのでは?汗)
何はともあれ、いくのです・・・・

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あとがきもどき:

薫:ちなみに、小説で説明できなかったのでここで説明(おいおいおい!)
  つまり、噴火、というエネルギー。それは、いわゆるその星が生きている証拠、ともいえる活動なわけで。
  で、リナちゃんが何も思わずに噴火しているさなかの吹き上げているマグマの中に、【指輪】を投じたことにより。
  おもいっきり、噴火活動が活性化し、そしてまた。惑星そのものの活動も活発化。
  ―つまりは。安定していたはずの台地からですら、突如としてマグマが噴出す、ということです。
  はい。
  ちなみに、指輪がもたらす効果、それだけではありません…
  惑星そのものの力を増幅させてもいますが、それに伴い。
  【火の力】というか火の精霊にも力を与えてるんですよねぇ・・・これがまた。
  さあ、ここで問題です。
  火の精霊がその力を自分の中で処理しきれなくなったとき。
  そのエネルギーが向かう先は?
   その一。何事もなくエネルギーは別のエネルギーに変換される。
   その二。飽和状態によったエネルギーは解放を求め、惑星そのものが膨張を始める。
   その三。限界を超えた時点で何の前触れもなく、惑星消滅とともに、エネルギーは宇宙にと霧散されてゆく。
   さあ、このうちの、どぉぉぉれだv(・・・・って、一番以外はやばいじゃん・・・汗)
   さあ、どうなる、どうなる?この惑星?(だからまて!
   というわけで、次回に続く!さあ、ガウリイの活躍はあるのか!?(まてぃ!
   んではではv

      2004年2月28日某日


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