過去からの希望 ~プロローグ~
パラパラパラ・・・・・。
紙をめくる音のみが静かな部屋に響く。
「・・・あったぞ!!」
「ありましたか!?ゼルガディスさん!!」
白い法衣をきて、じっと、資料を探していた彼の言葉に、黒い髪の女性が反応する。
「たぶん、これに間違いない。」
だん!!
分厚い、資料。
セイルーン王立図書館。
彼ら二人が、そこで、資料を探しても、お目当てのものは、みつからなかった。
それなら、
「もしかして、城の中にある図書館かもしれません。」
という少女の言葉を頼りに。
王族以外は、立ち入り禁止のこの部屋で、男性と、女性は、調べものをしていた。
手がかりをみつけるために。
「まさか、禁止文書の中にあるとは、思いませんでしたね。ゼルガディスさん。」
「まあな。一体、何が書かれているのか・・・。」
大切な、仲間の消息の手がかりが、この国にある。
と、聞いて、調べいるゼルガディス=グレイワーズと、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。
一応、これでも、この国、セイルーンの第二王女であるアメリアの口利きで、彼らは、禁止文書となっている資料をみているのである。
辺りには、二人以外、誰もいない。
「というか、さすがだな。ここの資料は・・。」
あるいみ関心しているゼルガディス。
何しろ、かなり昔からの資料まで、そろっているのである。
中には、彼らが読めない文字のものもあったりする。
「ゼフィーリア、重要人物一覧・・・。これでいいんですかね?」
「一般の人物一覧に載ってなかったからな・・・。」
膨大な資料の中から。
ようやく、探し始めて一ヶ月後、これを見つけ出した。
門外不出とされているそれを。
「さて・・・何が、書かれているか・・・。」
ぱらり。
意を決して、その資料をあける。
「・・この文字は?」
「古代・・神聖文字に近いですね・・・。」
「でも、名前くらいなら、読めますよ。」
みたこともない、文字をみつつ。
探している名前を目次から調べてゆく。
「・・・あ、これじゃないですか?」
アメリアが、指差した、その目次の場所には。
―リナ。
かろうじて、読み取れる文字が。
「ふむ、一万二十五ページからか・・。」
どがっ。
そのページを開く。
そこには、彼らの知っているリナより、かなり、綺麗な人物の肖像画が描かれていて。
そして、下の方に、また読めない文字がずらり・・と並んでいた。
「??これって、リナさん・・ですよね?」
「みたいだが・・。これ・・・何年前の資料だ?」
絵をみつつ、そんなことをいっているアメリアとゼルガディス。
「すくなくとも、千年前には、すでにありましたよ。この材質からいくと・・・。」
『・・・・・・・・・・・・。』
たがいに顔を見合わせる。
―覚悟がいるからね♪―
ふと、ストリッジ・シティで言われた言葉を思い出すゼルガディス。
「ちょっとまて・・。」
ゼルガディスが、懐から、メモ帳らしきものを取りだす。
この文字に、見覚えがあったのだ。
昔、まだ、曽祖父が、狂ってないときに、一緒に、覚えさせられた文字。
「転生における・・・リナさ・・・ま・・・の、名前・・・いち・・・・らん?」
文字をなぞりつつ、ゼルガディスが読み上げる。
リナ様?
そこで、疑問に思うが。
かまわずに読み続ける。
ゼフィーリア、王国誕生。
リナ様のカモフラージュ。
エル様とともに、この国を創りたもう。存在を隠すべく。
始めの人としての、修行。
下記、過去の名前、一覧まで。
そういう内容なのだが、完全には、読み取れていない。
「何々?」
― リナ=スレイヤー。
― リナ=インバース。
― リナ=ナイトメア。
― リナ=アビスロード。
― リナファレス=カオスネオロード。
― リナファレス=エターニナル。
「・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・どういう・・・意味だ?」
リナの名前が、確かに、出ている。
だが。
リナ=インバース。
リナは、いま存在している人物である。
まあ、昔に同じ名前があっても過言でないが。
「ええと・・付記事項がありますよ?」
アメリアが、一点を指していう。
【エルスィ=カオス=ナイトメア。】
悪夢を統べる存在の、リナ様と降臨してきているときの名前。
人としての・・・。
と、書かれているのだが。
「・・・・エル・・・か・・・お・・す?」
そこまでしか、彼らには、読み取れなかった。
「カオス?・・・混沌?」
『・・・・まさかな(ですよね)』
二人、同時に、顔を見合わせる。
混沌。
この言葉を聞いて思い出すのは。
リナが使えることができる、力の源。
金色の魔王の存在。
「他には・・・・。」
ゼルガディスは、伝う汗を気づかないふりして。
先を読み進めてゆく。
直、この国いる存在の全ては・・・リナ様を守るべく創り出されし存在。
ある程度の期間がすぎると、赤子へと帰りゆき、新たなる生をむかえんリナ様。
これは、ランダムで決定する・・。
なぜ、こんな資料がここにあるのか。
というと、千年前に、ここに嫁いだ、王妃が、ゼフィーリアの人間だったから。
彼女が、ゼフィーリアにある資料をコピーして、この国に保管しているため。
「・・・期間・・・赤子への・・・回帰??」
「・・どういう意味でしょうか?」
アメリアが首をかしげる。
「まあ、コレ以上、調べても、分からないな。」
ぱたん。
「ゼルガディスさん!!ゼフィーリアにいってみましょう!!!きっと、答えはそこにあります!!」
アメリアがいう。
「・・・・だな。」
ストリッジ・シティを最後に。
まったく、消息不明の二人。
リナ=インバースと、ガウリイ=ガブリエフ。
ゼフィーリア王室から、正式に、行方不明。の発表も、でた矢先。
・・・・何かが、絶対にある。
くすぶる、不安と、希望を抱き。
アメリアとゼルガディスは、ゼフィーリアに出発することにした。
「キャキャキャ♪」
無邪気に喜んでいるリナ。
「・・・・・リナ・・・・。」
ぎゅ。
抱きしめる手に、力が入る。
「ほらほら、スティルバイト・・じゃなかった。ガウリイ。お店の手伝い・・しっかりね。」
「わかってるよ。」
リナを守るために。
ガウリイは、リナの実家。
つまりは、インバース商会で、今は、手伝いをやっている。
いつ、リナが、目覚めてもいいように。
側につねにいるために。
「ふぇ・・・」
ガウリイがリナから離れると、リナがぐずり始める。
「・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・リナ、おんぶして手伝って・・・。」
「そうだな。」
ルナの言葉に、ガウリイは、リナを背負う。
それだけで、安心して、眠っているリナ。
彼が常に側にいないと。
かなり、ぐずっている。
あれから、数週間。
リナはやっぱり・・・・
赤ん坊の姿のままである。
「なぁぁんか、リナ様を始めてしったときを私・・思い出すわねぇ・・」
「そういえば、あのとき、リナは・・・・。俺の髪をつかんで・・放さなかったっけ?」
くす。
思い出し笑をしているガウリイ。
リナと二度目に出会ったとき。
リチェスィと二度目に出会ったときの、甘い記憶。
あのときは、リナを一人の女性として、愛するとは、夢にも思ってなかったが。
ただ・・・・守りたかった。
何をおいても。
自分の全てと引き換えにしてでも。
強大なる力とはうらはらの、その危ういまでの、純粋なる精神・・・魂を。
リナが、無邪気に、自分になついているのがうれしかった。
くすぐったかった。
それゆえに。
自分が、リナを愛している。
と、気づいたときは・・・リナとであって・・三年が経過していた。
リナには嫌われたくなかった。
だから・・・。
感情を押し殺し、リナを守り抜こう。
と、決意した。
リナがあまりに無邪気で、何もしらないがゆえに・・・・。
つい、本音がでて、告白したときも。
リナは、その意味を・・理解してなかった。
それが、彼には、とても・・愛らしくうつり、よりいっそう、リナを守ろう。
と、固く、心に誓った。
リナを傷つけるものは、すべて削除して。
リナがいつでも笑顔でいられるように。
無意識に、リナに初めてリナが意識のあるときに、キスをしたのは・・。
リナが誕生して13年目のこと。
あまりに、リナが綺麗だったから。
このとき、すでに、リナの心は、彼で占められていたのだが。
それを・・リナは、理解してなかった。
リナを狙い、反逆者の中でも、けっこう力のある存在が、リナを狙って、やってきたとき。
リナを庇って、スティルバイトは、怪我をした。
たいした怪我でもなかったが。
それでも、リナは、寝ずの看病をした。
リナの存在を隠すべく、この四界の世界に結界を張るべく。
カモフラージュを兼ねて、衝突した、スィーフィードとシャブラニグドゥ。
実際は、結界における、力を創りだすためと、その維持のために。
まあ、これは、かなりの上層部にしか知られてない事実だが。
アザチェスの・・反逆者の中では、上層部の地位にある、彼の来襲もそのとき、あったが。
その余波で、どうにか、撃退した。
金色の王が、店をやっていた、眠れる竜の大陸は、このとき消滅した。
結界の維持を保つべく。
神族も、魔族も、そこは、聖域と化した。
下っ端は、竜神と、魔王が、最終衝突して、できた、と思っているが。
他の一般の存在も、それが事実だ。
と、知らされていたりする。
事実は、リナを隠すべく。
星の外に配置されている、トラップによる影響を、防ぐべく、魔王が七つに分身し、スィーフィードも同じく分身した。
それぞれの分身を、星の安定を保つべく。
カモフラージュに選んだのが人間。
この星では、人が、幅を利かせていたから。
本体は、ゼフィーリアの近くに留まり。
星の至るところに、散らばった。
一般で、この世界で有名な、神魔戦争。
その事実。
千年前、何を考えてるのか、スィーフィードの部下の一人が。
反逆者に言いくるめられて、ゼフィーリアに襲撃を定めた。
当然、それは、食い止めたが。
まさか、自分達の上司が、間違いをしているとは思わずに。
素直に従う、その配下の者たち。
だから。
人として、眠っていた・・眠っていた振りをしていた、シャブラニグドゥは・・覚醒した。
そして、対策を練った。
リナがいるのは、ゼフィーリア。
ここを統治しているのは・・・・・。
神側では・・水竜王・・ラグラディア。
竜神(フレアドラゴン)スィーフィードは、リナのことを知っている彼女に話をもちかけ・・・
そして、起る降魔戦争。
何しろ、しっぽがつかめなかった。
反逆者の下っ端は、いろいろな国や、存在の中に入り込み。
リナを手に入れるべく、
あらゆる手段を用いていたのだから。
それゆえに。
魔王は、冥王に命じて、輪廻に入ってない人物を割り出させ。そこに魔族を送り込む。
その結果。
全ての存在を巻き込んだ、戦いが起こったのだが。
信頼できる部下にしか、リナのとこは、ルナもレイスも教えてなかった。
リナを守る為。
まあ、お仕置きが怖かったらしいが・・・。
またまた来襲した、アザチェスと対峙しながら、目くらましに、この区域に結界を張った。
これ以上、リナに干渉されないように。
言いくるめられて、反逆者の手足となった、火竜王からリナを守るべく。
当然、ルナは、火竜王には、謹慎処分を言い渡したが・・・・
納得できない、彼は。
結界の外で、世界を見守っていた、古代竜、エンシェントドラゴンを、滅ぼす。
といった、暴挙にでた。
さすがに。
彼が反省するまでは、ルナは、お仕置き部屋に閉じ込めたが。
それでも。
彼の態度は・・変わることがなかった。
力が、かつてのように、完全ならば。
とっとと、新しい火竜王を創りだすところであるルナ。
まあ、今、その力は、ある程度あるので。
首にしよう。
と、決心しているルナなのだが。
まあ、神族の上層部も、それはすでに認めている事実。
知らないのは、火竜王ただ一人のみ・・・・
リナは、覚醒はしていない。
自分が本当は、誰なのかもわかってない。
でも。
その状態でも、リナは・・さすがというか、金色の王の力を駆使することができた。
それゆえに、
リナのことに気づかなかった、魔族や神族が、ちょっかいかけたりもしたが。
まあ、今は、魔族側も、それがわかり、ルナも、かなり釘を刺したから、以前のようにはならないが。
ただ一名。
リナをいぶかしく思っている存在・・・。
それは・・・火竜王ヴラバザード。
リナの隣に、常に側にいるガウリイ。
碧玉の王(スティファランス)スティルバイト。
リナを一人の存在として、深く愛し、そして、その身の全てをかけて、リナを守りぬく。
と、決意しているガウリイ。
リナの記憶を封印して、人とするのを聞いたとき。
彼は・・・。
自ら望んで、リナの側に、人として、リナを守るべく、今、ここにいる。
ただし。
元の姿に戻ったり、本来の力を使ったりしたら、即消滅、という条件で・・。
ガウリイが今使っているのは、彼の持っている力の、ほんの欠片しかない。
人となっても、力が強大すぎるので、やはり扱えていたのである。
「さて、じゃ、リナ、いこーか。」
後ろで、眠っている赤ん坊のリナを抱きかかえ。
ガウリイは、今日も、リナの側でリナを守りながら。
リナの目覚めをまっている。
思い出してほしい。
自分のことを。
でも、リナが幸せなら・・・・。
自分のせいで、赤ん坊になっているリナ。
もし、あのとき、リナの側をはなれずに。
いや。
指輪ができるまえに、ストレートに告白・・していたら?
後悔しても、後悔しても、ただ今は、リナが、赤ん坊になっているというこの事実のみ。
人としての、ガウリイの意識が罪にさいなやまれる。
本質を二人とも、思い出してないのに、惹かれあっていた二人。
そのまま、結婚。
となっていたら。
エルもあきらめたのだけど。
だが。
すれ違いの心が生んだ結果は・・・・。
リナの赤ん坊への衰退・・・・・・。
リナは、自分が嫌いゆえに。
素直でなく、彼の足手まといになるそうな自分がいやだったがために。
そして。
リナを馬鹿らしいお家騒動に、巻き込みたくはなかったがゆえに。
その互いの隠し事は、リナに不安をあたえ。
ガウリイの力になるために、一人で、ガウリイの暗殺を請け負っていた、人物と接触したリナ。
その先にあることを気づかずに・・・・。
今。
何も、意識のない状態で、まっさらな状態のリナ。
リナは、夢をみる。
目を覚ますと、忘れてしまう、過去の出来事を・・・・。
リチェウスィとしてのことと・・・リナ=インバースとしての出来事を・・・・。
アメリアとゼルガディスが、ゼフィーリアにやってきたのは。
まさに、そんなときであった。
-第一話へ―
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まえがき:
こんにちわ♪
ふふふふ♪
いくぞ!第二部♪最終♪希望シリーズ、過去からの希望♪
ふふふふふふ♡
ちなみに。ただ今、悩み中♪
スティルバイトの、過去の独白・・打ち込まざるか・・否か・・(笑)
ま、そのまえに、とっとと、過去話を打ち込みましょう♪
ではでは♪
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あとがき:
薫:さて・・♪二部開始♪二部は、ちょっびし短いです♪
次回が、アメリア達が、リナのことを知って♪リナが、一気に成長します♪
二歳程度にまで♪ふふふふふ♪なぜって!?リナの成長は、今回は、初めのころは、早いんです♪
でも、ぴたり。と、止まってしまいますけどね(汗)
それでは♪
姫:・・・・過去話の本編ともいうべき話しは・・?
薫:・・・ぎっくぅぅぅ!!!それでは!!!
あ、Lilyさん♪あの歌の情報♪感謝なのです♪
あれもとに、過去話、打ち込んでみますね♪
(いつになことやら・・・汗)
それでは♪るん♪
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