シュン。
眠れる竜の大陸の、主要都市。
魔法都市としての別名ももつ、首都、ジール。
そこに、スティルバイトはやってきていた。
ぴたり。
道行く人々(とくに女性)が、彼の姿に見とれて。
あっという間に人だかりができあがる。
「あの!!どちらにいかれるんですか!?」
「よろしければ、私が、この町、案内しますが!?」
「何か、用事がないのであれば、ご一緒しませんこと!?」
にっこり。
それを気に留めることもなく。
「いや、用事がありますので。失礼。」
そのまま、かるくやりすごす。
それでも、ぞろぞろぞろ・・・。
彼の後ろには、女性たちの長打の列が出来ているが。
それをまったく気にせずに。
「ええと・・・・エル様・・・。本当に、気配隠して居られるから・・・・・。エル様の店、通常の方法では、みつけられない・・か。」
ふと、目をつむり。
自分の魔力をたどる。
リナがもっているマスコットの魔力の波動を頼りに。
「・・こっちだな。」
ふいっ。
スティルバイトが路地にはいる。
『あ゛!!』
彼を追いかけていた女性たちが。
あわてて、路地に入ってゆくと。
そこには、行き止まりの路地があるだけで。
彼の姿はどこにもなかった。
・・・・絶対に、またあってみせるわ!!!!
ある意味、頑固の女性たちは。
あんなに綺麗でハンサムな男性。
そう、簡単にあきらめて、たまりますか!!
と、彼をゲットすることに、夢中になっていたりするが・・・・。
それより、姿が消えたのに、驚かない。
というのが、さすがに、ジール・シティの住人である。
ここは、様々な種族が。
入り乱れて、生活している町でもあるから。
「え・・・と。ここ・・・か。」
エル様にしては、こじんまりした店だな。
一角に、力がある程度なければ、見つからない特殊な結界がほどこされている。
路地の一角にあるそのお店。
金色の王と宇宙の姫が、共同経営している魔法道具屋(マジックショップ)エル。
一見すると、普通の店。
看板に、エル。
という文字がシルバーオリハルコンで作られた掲示板が、ゆらゆらと揺れている。
カララン・・・・
とててててて!!!!
「わぁぁぁぁぁぃ!!!!!すてぃるばいとだぁぁぁぁぁ!!!」
しかっ。
店に入るなり、リナが、いきなり、抱きついてくる。
リナはここでは、誕生して、まだ、三ヶ月程度なのだが。
とりあえず、実体を一歳程度にエルがするように。
と、指示している。
店にやってくる人々に。
いきなり、成長したリナの姿を見たりして、疑問を起こさせないためである。
まあ、三ヶ月で、一歳程度の姿になる。
というのも、かなりの疑問が起るだろうが・・。
そんな、細かいことは、この町の人々は、あまり、気にしない、おおらかなのである。
「あら、早かったわね。スティルバイト。」
リナの相手をしていたルナがいう。
「まあな。はい、リナ様、お土産です♡」
「わぁぁぁぃ!!!すてぃるばいとのでざーとだぁぁ!!ははさま、ゆにっとねーさま、るな、いっしょにたべよー!!」
くすり。
『はいはい。』
ぴょんぴょんと飛び跳ねるリナをみつつ。
くすり。
と、その場にいた、全員が笑っていた。
んぐんぐんぐ・・・・。
「ほらほら、リナ様、あわてなくても・・・。」
くす。
頬についた、クリームをぬぐっているスティルバイト。
紅茶を優雅に飲みながら、ユニットと会話をしているエル。
リナは、おいしいので、急いで、食べているのである。
「思ってたけど・・。スティルバイト、あんた、子供とか、弱いものには、結構まめよねぇ・・・。」
ルナが、かいがいしく、リナの世話をしているスティルバイトにいう。
彼は、結構、子供には甘い。
まあ、怒ると、それは、関係なくなる。
というのもあるのだが。
「だって、純粋なる、喜びの感情って、結構いい味してるぞ?ルナ?」
「まあ・・そーだけど・・・。」
どこか視点がずれてるスティルバイト。
「それはいえてるわね。」
彼らの食事は、世界の漂う感情といった力ある思い。
それが、彼らの動力源にもなり、そして、
世界を発展させてゆく、原動力にもなっているのだ。
エルが静かにいう。
さすがに。
この二ヶ月。
エルに呼び出されて。
チョクチョク、この店の手伝いをしていたルナは。
未だに緊張はしているものの。
どうにか、それを表に出さない程度には、表面上をつくろうことを習得していた。
つまり。
この店では、エルの正体は、絶対に、秘密vv
他言無用ねvv
というエル達の命令によって。
「ねえ!まだないの?」
リナが、じっと、スティルバイトをみつめる。
「部下ST、台所、貸してあげるから、リナにもっと、満足するまで作って上げてね♡」
「は・・はい!!」
「りなもそばでみてるぅ!!」
とてとてとて。
スティルバイトのズボンの端をつかんで。
リナも彼についてゆく。
「・・・・リナ様、かなり、なついてますね。」
ルナがぽつりという。
「そうね。どうやら、彼の金の髪がかなりのお気に入りらしいしね♡」
そういって、微笑むのは、母の顔。
・・・こっきぃぃぃん。
今だになれないルナは。
しばらく、凍り付いていた。
「確か・・・この辺りにスティルバイト様の気配がしたのですが・・・・。」
ふわっ。
レース状のドレスをふわりとなびかせて。
教会の屋根に出現するエメラーダ。
さて・・と。
ふわり。
まるで、ゆうがのごとくに、地面に舞い降りる。
「・・・・天使・・・。」
それを偶然に目撃していた人達は。
その美しいまでの、優雅な姿に。
天使では!?
と、期待しているのだが。
すとん。
「さて・・。」
ざわり。
エメラーダが地面に着地した直後。
これまた、主と同じように、あっというまに、人だかりができていた。
こちらは、老若男女を問わずだが。
「まったく・・・時間が無駄になってしまいましたわ。」
しつこい、人々を、眠らせて。
町を歩いてゆく、エメラーダ。
はっきりいって、かなり目立っている。
蒼いレース状のドレスに、緑の髪に緑の瞳。
首には、大きな、エメラルドを細工した、首飾り。
手にも、ブルーダイヤや、スリーゴールドであしらった、宝石がちりばめられた、ブレスレット。
髪留めには、緑に映える、ルビーの花柄の髪留めをして。
歩くたびに、緑の髪が、ふわり。となびいている。
道行く人々が、感嘆なため息をついているのは。
全然気にする様子もない、エメラーダ。
「ほらほら、リナ様、危ないですよ!」
おやつタイムが終わり。
散歩の時間だというので。
スティルバイトが、リナをつれて。
町に散歩にでている。
リナは、かなりはしゃいでいる。
何しろ、ここで、彼と一緒にでかけるのは、初めてなのである。
「あのね!いつもはね!るなかれいすがいっしょなの!!かうりいがいつしょでうれしいの!!」
くす。
「はいはい。はしゃぐところびますよ?」
本当に、かわいいよなぁ。
リナ様は。
この無邪気なまでの、精神を。
ずっとこのまま・・・守りたい。
そう、スティルバイトは思っているが。
「おや、リナちゃん、今日は、別の人がおともかい?」
「うん!!!」
「リナちゃん、はい♡これあげる♡」
「ありがとー!!!!おばちゃん!!」
すでに、リナは、この辺りの人気もの。
まあ、ここまで、かわいいのだから、当然だが。
んしょんしょんしょ。
エル手作りの、腰掛鞄に、貰った品々を詰めているリナ。
子供は、何でも、入れたがる。
異次元式の鞄なので、どれだけ入れても問題ないのだが。
・・・小さな鞄に、メロンとかを入れようとするのは・・どうかと(笑)
「あっれぃ?はいらないなぁ?」
首をかしげているリナ。
入り口より、大きいのだから、当たり前。
ひょい。
「リナ様、鞄の口より、これの方が大きいのですから。それは無理ですよ。こうやってですね・・。」
少し力をスティルバイトが加えると。
鞄の口が、大きく開く。
リナにも、本当は出来ることなのだが。
今だに、リナは、この鞄を完全に使いこなせていない。
つまりは。
力を加えると。
鞄の口は、果てしなく、大きくなるのである。
品物を入れると、また元の大きさにもどるのだが。
一目みて、それの本質を見抜いているスティルバイトは、流石だが。
はたり。
とてててててて。
ぴょん。
リナが、とびつく。
「・・・・え?」
いきなり。
何か、小さなものが、足元に飛びついてきた。
「・・・だぁれ?すてぃるばいとのちからがかすかにかんじられるよ?」
見下ろすと、むちゃくちゃにかわいい、幼子の姿。
「・・・・はい?」
何?
この子?
・・・・・ええと・・・・・。
どなたかに・・似ているような気が・・・・・。
「リナ様!!」
スティルバイトがあわてて、おいかけてくる。
リナにせがまれて、アイスを買いに行っていたのである。
「あ゛・・・・あ゛あ゛あ゛!!!エメラーダ!!どうして、お前がここに!!!!?」
「あら!!スティルバイト様!!みつけましたわ!!!」
驚いているスティルバイト。
エメラーダがにっこりと笑う。
くいくい。
「ねえねえ?だぁれ?この人?かうりい?」
リナが、きょとん、とした表情で、スティルバイトに聞く。
「・・・スティルバイト様?・・・隠し子ですか?」
「ちっがぁぁぁぁぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
これは・・かなりの逸材発見ですわ♡
エメラーダは、リナをみて、そんなことをたくらんでいるのだが。
「ああ・・ええと。俺の側近&補佐官として創り出している、エメラーダですよ。リナ様。」
スティルバイトが、リナを抱き上げつつ説明する。
「かうりいの?じゃ、すてぃるばいとのぶか?」
「ま・・・まあ、そんなことろです。」
「・・で?スティルバイト様?そのお子様、何ですの?」
「・・・・・聞きたいか?」
「ええ♡是非に♡こんなに、かわいらしい子供、みたことありませんし♡」
それはそうだろう。
「・・・・・・エル様の娘だ。」
こっきぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!!!!!!!!
その言葉に、完全に、エメラーダの思考は、停止した。
未来への希望 ACT-無限 エピローグ
かたん。
リナが椅子から立ち上がる。
「リナ?」
ゼルがリナの表情にはっとする。
「サンキュー。ゼル・・・。決着は・・・自分でつける。」
そう言い放ち、酒場をでてゆくリナ。
「お・・・おい!!!!リナ!!!!!?」
しまった!?
リナを一人にしちゃいけない!
自分のせいで、リナに何かあったら・・・。
まず、間違いなく、ガウリイに殺される・・・(汗)
それもあるし、何よりも、リナをこんな情況の中で、一人にするつもりは、ゼルガディスにはなかった。
あわてて、リナの後を追おうとする。
ずざっ。
そんなゼルガディスを数十名が取り囲む。
「ようよう、兄ちゃん、どこにいこうってんだ?」
「・・・のけ!!」
「そうは、いかないんだな。何であろうが、あの女の後をつけるやつは、殺してでもいいから阻止しろ。と、依頼受けてるもんでね。」
・・・・な゛!!!?
つまり、この酒場の中には、キルの手下が、ごろごろいたのだ。
大概は、金で雇われた人間だが。
だが、指揮を執っているのは・・・・・。
「くっ・・・・・エルメキア・ランス!!!」
ごうっ!!!
青白い光のやりが、一人に突き刺さる。
「ぐわ!?」
のぞける一人の男。
「ぐ・・こ・・この・・・。」
どろっ・・・・
男の姿が、呪文を受けて、溶けてゆく。
どろどろに。
『いゃぁぁ!!!!』
『うわぁぁぁぁ!?』
その姿に、他に酒場にいた、一般客が大混乱を引き起こす。
ゆらり。
溶けている人間の姿をしたそいつの周りに。
まるで、水死体のような、人間も虚空から出現する。
『うどわぁぁぁぁ!!!!!!!!』
店内、大パニック。
「ちっ!!」
ゼルガディスが、剣をかまえ。
「アストラルヴァイン!!」
剣に魔力を込める。
「・・・なぜ、分かった?」
溶けている人もどきが、ゼルガディスに問いかける。
「だてに、ガウリイの旦那たちにつきあってたわけじゃないからな。」
あいつらに、付き合って、何人の魔族と戦ったことか・・・・。
さすがに、魔王シャブラニグドゥ(でも7/1)を筆頭に。
魔竜王(カオスドラゴン)ガーヴ。冥王(ヘルマスター)フィブリゾ。
魔族トリガルヴ。魔族ディオン。
まず、普通に生きていたら、絶対にありえるはずのない事件に、自分も関ったのだから。
自然と、魔族に対する闘いも身に付く。
というもの。
ガウリイではないが、ゼルガディスもまた。
何となく、ガウリイがいってた。
雰囲気が違う。
それを下級のやつなら、見分けられるまでに精神が研ぎ澄まされていた。
くっ!!
こうしてる間にリナに何かあったら!!
気が気でない。
何しろ、リナにキルのことを教えたのは、自分。
もし、ガウリイが、リナに何かあって、それが自分が教えたせいだと、知ったら・・・・・。
考えるだけで、今後一切、朝が拝めないのは確実。
はっきりいって。
何しろ、闇の世界では、疾風の豹に喧嘩うったり、
目をつけられたりしたら、まず、生きてはいないのだから。
これは、有名すぎるほどの、まぎれもない事実。
まさか、あのガウリイがあの疾風の豹だとは、夢にも思わなかったが。
いや、信じられなかった。
リナと一緒にいるとは、ふりとはいえ、くらげに甘んじていたから。
ときどき、天然ボケもみせてたが。
その天然ぼけも、実際は、計算されづくされた演技だったりするのだから。
「ともかく、俺も、命がかかってるからな・・・。全力でいかせてもらう!!」
ゼルが唸る。
「生意気な!!人間ふぜいが!!!」
店に魔族による、結界が張られる。
これなら、多少暴れても大丈夫だな。
「アストラル・ブレイク!!」
ゼルガディスの放った術により、数匹の魔族(元は人間)が消滅してゆく。
多勢に無勢。
だが、彼らは、ゼルガディスの実力を・・人間と侮って、油断していた。
数時間後。
あっさりと、ゼルガディスの勝利で幕をおろす。
外に出ると、すでに夜が明けかけていた。
・・・どくん。
とにかく、いやぁぁな予感が果てしなくよぎる。
ゼルガディスに向かってこようとしていた、暗殺者や、ごろつきは、
ゼルガディスに立ち向かう前に、苦しみ、そして、姿が掻き消えていたのは。
その現場を目にしてないゼルガディスには、知る由もないこと。
ガウリイに対抗するために、無理やりに、下級魔族を憑依させられた、人間達の末路だったのだが。
――リナぁぁぁぁぁ!!!!
風に乗って、ガウリイの悲鳴がかすかに聞こえてくる。
「・・・・!?何かあったのか!?」
声のした方は、確か、町外れの草原から。
とにかく。
いそがないと!!
だだっ!!
駆け出す足が、時間が。
果てしなく長く感じる・・・・・。
「リナ!!ガウリイ!!!!」
ざぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・。
町外れの草原。
そこに、たどり着き、目にしたのは。
無造作に無理やりに剥ぎ取られたのであろう。
確かに、リナが身につけていた、肩当に。
そして・・・・マント。
ところどころに、布切れの切れ端。
キルがリナの服を破ったときに、破れた破片。
だが。
その場には・・・誰もいなかった。
ふらり。
進んでゆくと。
―――ばっ!!
あわてて、身を翻す。
足を踏み入れようとした、その一角に。
周りとは、うって変わった、気配の場所が、一人の人間分くらい。
ぽっかりと、暗い空間と成り果てていた。
完全に周りの景色とも、雰囲気ともちがう。
「・・・この・・気配は・・・。」
ゼルガディスには、この気配に覚えがあった。
いや、忘れようにも、忘れられない。
旅をしていたときの、イルマートのとある入り江で。
サイラーグで。
そして・・・・アカッシで・・・・。
虚無の気配。
人一人分の大きさのその黒い空間は。
辺りの草原などとは、完全に異なり。
そこだけ、ぽっかりと、黒い穴が開いたように、全ての命を拒絶していた。
「・・・・リナ・・の、仕業か?」
というか、リナしか、ゼルガディスには思い当たらなかった。
人一人分。
ということは、あれを唱えたのではないだろう。
―ならば。
「・・・・ラグナブレード・・か?」
あれがどんな結果をもたらすのかは、ゼルガディスは、分かってない。
というか、リナも、魔族相手にしか、使ってないのだから、当然だが。
つまり、あれでも、十分に、相手を虚無で蝕むことができるというのは。
手を当てる。
―ぞくり。
身体が拒絶する。
強大すぎる、虚無の気配。
そのままだと、そのまま、虚無に捕らわれてしまう、それほどの力。
「・・・・リナと・・ガウリイは・・・・一体・・・。」
そよそよそよ・・・・。
呆然と佇み、空を見上げるゼルガディスの問いに。
風がそよそよと吹きぬけるだけで、誰も・・応えてはくれなかった。
それから、ゼルガディスは、二人について、調べまくった。
心当たりは、全て探した。
・・・だが。
それ以後。
リナ=インバースがどこそこの盗賊を壊滅させた。
とかいう、いつもの噂すら・・流れなくなっていた。
一週間、この町に滞在して、調べつくしても。
何の手がかりもなし。
まるで。
神隠しにあったかのように。
リナ=インバースと、ガウリイ=ガブリエフの消息は・・・。
ぱったりと途切れてしまった。
「・・・後は、この手がかり・・だけ・・か。」
ゼルガディスは、裏の世界のつてで、ガウリイの従兄弟がここにいるというのを突き止めた。
これで・・何も手がかりが得られなかったら・・・・。
こんこん。
「はい?・・ああ、何か用ですか?」
出てきたのは、はっきりいって、ガウリイによく似た、まるで、女性のような、金髪の男性。
見た目は、完全に女性なのだが。
声も高いし。
「・・・あんたが、ピュービル=パロナ=イガーズ・・か?」
でてきた、はっきりいって、外見は女性の彼に、
さぐりを入れながら、ゼルガディスが話しかける。
「そうだけど?・・ああ、もしかして、ガウリイのことで?」
にっこりという彼。
「・・っ!!知ってるのか!!!?」
ビンゴか!?
リナ達の行き先を知っているのか!?
ゼルガディスの胸が高鳴る。
だが、ゼルガディスの期待もむなしく。
「そうだね。でも、僕からは、詳しくは、いえないよ。ヒント。ゼフィーリアの人物一覧、調べてごらんよ。
まあ、いってもいいけど・・・・。何ぶん、ゼフィーリアの国家機密に関っているからねぇ・・。」
本当は、国家機密というより、この世界そのものの機密事項なんだけどね♪
真実を知っているピュービルは、くすりと笑う。
「・・・・国家・・機密??」
いぶかしく思うゼルガディス。
なぜ、リナ達の行き先にそれが関係してるんだ!?
はっ!?
確か、リナの出身は、ゼフィーリアらしいな。
それと、何か関りが!?
はっとなるゼルガディス。
「全ては、そこから・・かな。ちゃんと、覚悟のいることだし・・ね。」
まさか、リナ様が、赤ん坊に衰退するとは・・・・。
覗いて、その事実を知っているピュービル。
彼とて、リチェウスィと、スティルバイトの仲は、公認していたのだ。
そして・・うらやましくもあった。
それが・・・・。
ガウリイに残された期間は、あまりに短い。
このまま、リナ様が・・覚醒・・もしくは、このたびのことを思い出さずに。
普通に成長したら?
不安がよぎる。
彼は・・ひそかに。
リチェウスィと、スティルバイトが、結婚するほうに、仲間うちで賭けていたりする・・・。
いきなり、ゼフィーリアにいるよ。
と、教えて、リナ様が、赤ん坊になってるのを知るよりも。
もしかして?
と、頭にあったほうが、なぜ、赤ん坊になっているのかが、納得いくものである。
だから。
「そうだね。じゃ・・もうひとつ。
セイルーンの王立図書館に、ゼフィーリアのこれまでの、人物明細が書いてある本が、納められてるよ♡
それで、調べれば・・・・何か手がかり・・つかめると思うよ?」
ピュービルのにこにことした言葉に。
「・・・・セイルーン・・の・・王立・・図書館?」
ゼルがディスの脳裏に。
――かならず迎えにいつかいく。
といって、別れた、懐かしい顔がよぎる。
あれから・・二年がたとうとしている・・。
ときどきは、顔をみせにはいっているが。
誘惑にまけて。
視界の先の方になった、ストリッジ・シティを尻目に。
「・・・・いくか。セイルーンへ。とりあえず・・・・。」
ゼルガディスは、セイルーンへと、進路を決定した。
二人の噂が掻き消えて・・半年もしないうちに。
『リナ=インバース崩御』
そんな噂がまたたく間に世間に流れていた。
だん!!!!!
「絶対に嘘に決まってますぅぅぅぅぅ!!!!!!」
「おちつけ!!アメリア!!!!」
「だって・・・だって・・父さん!!!」
「儂とて、信じている、あのリナ殿とガウリイ殿が、そうやすやすと、死ぬはずなかろう!!」
ぎりっ。
口をかみ締めて、娘をたしなめているどうみても、むさい野党の親分。
とんとん。
「失礼します。フィリオネル殿下。アメリア姫。客人がお見えです。・・・ゼルガディス=グレイワーズ殿が。」
「ゼルガディスさんが!!!?」
びゅん!!
目にも留まらぬ速さで、アメリアは、いきなり、部屋から飛び出していた。
「むぅぅ・・・・。娘を嫁には・・出したくないが・・。うむむ・・・。アメリアには幸せになってほしいし・・・・。
容姿とかは・・問題ではないのだか・・・。・・・いかんせん、周りの重臣たちが・・・。」
ゼルガディスの名前を聞くたびに。
苦悩している、フィリオネルの姿が、そこには、あった。
セイルーンの王宮中。
今や、ゼルガディスは、リナ達同様に、ここには、顔パスとなっていた・・・。
「ゼルガディスさぁぁん!!」
アメリアが、客間で待ってるゼルガディスに駆け寄ってゆく。
「アメリア!!久しぶりだな!!」
うれしそうなゼルガディス。
ここに、リナがいたら、まずからかわれるほどに、ほんのりと、顔が赤く染まっていたりするのだが。
アメリアがまた女らしくなっているがゆえに。
「ゼルガディスさん!!リナさん達が死んだって・・あの噂!!」
アメリアがゼルガディスの胸に飛び込んでゆく。
不安でしかたないのだ。
アメリアは。
そんなことあるはずない。
と、言い聞かせても。
リナ達が、魔族に狙われているのを知っているから。
いや、神族にも狙われても、不思議ではない。
何しろ、リナは、冥王を滅ぼし、闇を撒く者すらも、撤退させたのだから。
アメリアは知らないが、二度に渡り、魔王を滅ぼしているという事実もあったりする。
まあ、リナ・・リチェウスィに手をだそうとした、やつらが悪いということで。
「それを今、調べているところだ。・・・力・・貸してくれないか?」
一人で調べるよりは、二人の方がいい。
それに、リナ達の噂は、やはりアメリアの耳にも届いていたか・・。
あの噂を聞いたとき。
アメリアが、心配しているのでは。
と、気が気でなかった。
そして・・・まさか、リナ達が・・本当に?!
という不安も。
頭から消えなかった、ゼルガディス。
「はい!!!喜んで!!!!」
二つ返事で、引き受ける。
「久しぶりだな。ゼルガディス殿。」
アメリアと一時送れて、フィリオネルが入ってくる。
全然似てないが、この二人、親子だったりするのだが。
アメリアは、母親にである。
フィリオネル=エル=ディ=セイルーン。
セイルーン王国第一皇子であり、第一王位継承者。
対して、フィリオネルの第二子。アメリア。
アメリア=トゥエル=テスラ=セイルーン。
第一子が、グレイシア=ウル=ナーガ=セイルーン。
ただ今、グレイシアの方は、道に迷って、今だに、一人旅を続けていたりする。
白蛇(サーペント)のナーガと名のりながら・・・・。
「フィルさん、すいませんが、リナ達の行方を調べるのに、アメリア、お借りします。」
丁寧に、一応断っているゼルガディス。
「がっはははは!!いちいちいわなくても、娘のことだから、勝手に貴殿についてくさ!!がっはははは!」
がしっ!!
「アメリア、正義の名の元に、きっと、真実を見つけるのだぞ!」
「はい!!!父さん!!」
かくして、アメリアと、ゼルガディスは。
互いに、新たに、旅に出る。
・・・リナ達の真実を見つけるために。
「まずは・・・王立図書館・・だな。」
「図書館・・ですか?」
アメリアが不思議がる。
「ガウリイの従兄弟がいってたんだ。・・・ゼフィーリアの人物一覧を調べてみろ・・と。何か、意味があるのかもしれない・・。」
「とにかく、何でも、調べてみましょう!!セイルーンの情報網をつかっても、リナさん達の足取り・・・・。
・・・・今だに、つかめないんです・・・。・・・ストリッジ・シティを最後に・・。」
ずきん。
ゼルガディスの心が痛む。
あのとき。
最後にリナとガウリイに出会ったのは・・・・。
・・・・他ならぬ、自分なのだから。
「とにかく、調べるにこしたことは・・ないだろう。」
「そうですね。少しでも、情報はあったほうがいいですし。」
アメリアとゼルガディスは、とりあえず、セイルーンの王立図書館に入り。
王室管理の図書館まで、入り、調べることにした。
そして。
二人は、少し、興味深い真実を知るコトトなる・・・・・・・・・・。
さて・・・・・。
あたしは、あの子を苦しめ、原因となったこいつに、しっかりと責任はとらせなくては。
ただ、消滅させたのでは生ぬるい。
いろいろ、実験などに利用して・・・。
簡単には消滅なんかはさせない。
仮にもあたしの欠片ともいうべきリナをあんな目にあわせたから。
あの子はまだ成長途中だというのに・・。
〃こいつ〃のいらない介入によって今に至るあの子。
――簡単には、許さない・・・・・・。
このキル=レイピルがぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!
ふ・・・・ふふふふふふふふふふふふふ・・・・・。
さて・・・・。どうしてくれましょう♡
ふふふふふふふふふふふふふふふ・・・・・。
「エル♪私も参加していい?♡」
「もっちろん♪」
キルには、何が何だかわからない。
ただ、闇に捕らわれたかと思うと。
いきなり、何かに引っ張られた。
そして、目の前には。
絶世の美女ともいえる女性が、大鎌をもって、立っていて。
目が完全に据わって、笑っているし。
隣には、どうみても、まだ十代そこそこの黒髪ポニーテールの少女が、これまた、にこにこと笑っていたのだから。
・・・自分は・・死んだのでは・・ないの・・か?
だが、この疑問は。
すぐに解決された。
「ふふふふふふふふふ♡よっくも、リナをひどい目にあわせて、くれたわよね♪」
―ひぃ!?
ピュービルと一緒にいた、魔族が悲鳴を上げる。
そのまま、消滅しそうになるが。
「あら♪簡単に、消滅なんて、させないからね♡」
完全に怒っているエル。
ま、当然よね♪
「これから始まるのは、自業自得と思ってね♪何しろ、彼方たちは、エルの娘。
つまりは、ここの世界を創り出した、万物の王の一人娘&この世界の核そのものである、リナに手を出したんだからね♪」
私の言葉に。
理解できてない、ピュービル。
すぅ・・。
理解できた、雑魚の方は・・
―ま、簡単には、完全消滅なんて、生ぬるいことは・・しないわよ♪
ね♪エル♪
―当然!!!!!!
― こいつらには、未来永劫、無限に、その魂が尽きるまで。
― この世界がリナ自身が消滅するまで。
― 永劫に、お仕置きタイムよ!!!
― そうねぇ・・・。
― たとえば、部下達の技の実験材料にするとか。
― モルモットにしましょう♪永久に♡
エルの言葉に。
― じゃ、フェールもそうしましょう♪
― 当然♪
かくして、私とエルの意見が一致する。
リチェウスィ。
素直になりましょう・・ね♪
だって、私は、エルがうろたえるところ・・見てみたいし♪
かなりかわいいのよ♪エルがうろたえると♪
ふふふふふふふふふ♡
~一部終了~
~二部へ~
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こんにちわ♪
ついにきたぞ!!一部のエピローグ!!!!
くぅぅぅぅ!!!!悩んで、エピローグは、ゼル視点♪とラストはやっぱりスミレちゃん視点ですv
では♪
ついでにいうと、これ、もろに、二部に通じてます(汗)
ではでは♪
参考♪らんさんから、この話の過去話♪頂いてあります♪
読みたい人は、こちらから♪
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あとがき:
薫:一部、終了ですぅぅ!!!!(ぱんぱかばぁぁぁぁん!!!!)
姫:とかいって・・・・。まだ、また先にエピローグ打ち込んで。 最終話でもあるぜフィリーア偏、打ち込んでないでしょ?
薫:あ・・・あははははは(汗)
ま・・まあ、それはそれとして・・・(こらまて!)
姫:それに、前ぶりの過去話が・・まだよねぇ♡
薫:・・・・う゛っ!!!(汗)
姫:おまけでは、どこから始めるつもりかしらね♪
私視点でいくのか、彼方視点でいくのか、エル視点でいくのか♪その返事しだいでは♡
薫:だぁぁぁ!!出します!!出します!!絶対にぃぃ!!すみれちゃんは!!!エル様は当然ですけど!!!
姫:よろしい♡
薫:ぜぃ・・ぜい・・・・。あ・・・・時間が・・・・・。
それでは、明日も早く起きねばならぬので・・・。また・・・・・。
姫:あっ!!こら!!まだ話は終わってないのよ!!あの質問フリートークはどうする気!?
薫:では!!!!!(聞こえてない振りして・・逃走!!!)
姫:・・・ふふふ・・・。夢であばれちゃえ♡
それでは、皆さん、まったね♪
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