まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
登場人物:リナ=インバース
           正式名称:リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメア
            参考:深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお深き存在
               混沌を抱擁する存在 母なる海の妹にして
               この世界の海を創造せし存在
               『深淵なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)』
               金色の王の妹。この世界の混沌そのもの。
          登場人物名前:ガウリイ=ガブリエフ
            正式名称:ガウリイ=ガブリエル
                (ガウリイ=ナファレス=ナイト=ロード)←後々に(笑)
              参考:リナを心配した(孤独をみた)
                 エル様と、ルナが、リナを思ってたら、
                 その思いの反動で、生まれでた魂。
            おまけ?設定:
               エリアンヌ(エリー):リナとガウリイの長女(妹)
                (リナにくりそつ・・爆!)
                  正式名称:エリアンヌ=ドナ=ラビスティア=ナイトメア。
               カウリイ:リナとガウリイの長男(兄)
                (ガウリイにくりそつ・・爆!)二卵性の双子です(笑)
                 正式名称: カウリイ=ウル=ユリティス=ナイトメア。
               リナス:エリーとカウリイの妹
                  (両親を助けるために、未来からやってきてます・笑)
                   リナ譲りの栗色の髪に、瞳の色は、ガウリイ譲り。
                   性格は・・リナそっくりです(笑)
                   正式名称:リナスレイヤー=トゥェル=ウル=ナイトメア。
              登場人物名前:ルナ=インバース
                正式名称:ルナティック=スィーフィード
                  参考:深遠の真の王の補佐官&側近。
                     この世界に命が誕生した際に、
                     金色の母が、リナにお祝いとして、与えた存在
                     (とゆーか、それように、創り出した)
                『深淵の補佐官(アビス・ラズ・ポート)』
            別名、『紫蒼の朱玉(パール・レッド・ラズリ)』
何気に。
   今回の転生話の設定です。
     舞台。少し昔の西洋のような感じを連想してください(こらこらこら!)
     場所。スカイピア王国。
    双子の王女&王子。トゥラ&レペス。
マルス=レーヴェ=フォン=サフィス公爵。(リナ父)
     フローディア=ラナス=ウル=サフィス。(リナ母)
     (旧姓。ラナス=ウル=アスティアラ)
     リナ=ルピス=ドナ=サフィス。
 
     ガウリイ=ファレス=ラ=ガブリエフ。
     エディス=デ=パロ=ガブリエフ。(ガウリイ父)
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
今日、久方ぶりに、とある小説を頭の中で反復してたら。
  気分がブルーになった私です・・・・。
  (というか、とっとと早くそれをうちこみましょう・・汗)
  うーん・・。
  投稿を始めるきっかけになった、『書き殴り』さんに。
  次に投稿するつもりの小説なんですけどねぇ(あはは・・)
  ちなみに。
  ハッピーとアンハッピーがあるという・・(かなりまて!)
  まあ、何はともあれv
  エデンの続きぃv
  ・・・・またまた死に別れ・・あう!(滝汗)
さて・・・・・・・。
  ・・・・・・今日中に打ち込みできるか・・・・(汗)
  あうあうあう・・・。
  (他のを打ち込んでるから・・・まてぃ!



#####################################

エデンの園  ~第51話~

「デミオン様。伝書鳩が・・。」
   ぱたぱたぱた・・・。
   白い、白い、宮殿の一室に。
   飛んでくる、一羽の鳩。
   「・・・・うん?」
   いつもの、報告の時間とは、異なるが。
   そう思いつつ、黒い髪を長く伸ばした、端整な顔立ちの、
   見た目、まだ二十歳そこそこの男性。
   飛んできたその鳩にと手を伸ばす。
   「クルックルッポ。」
   鳴き声をあげて、そのまま、腕にと止まってくる鳩。
   その足にくくりつけられているのは、小さな包み。
   「―ほう、どうやら、リナに相手ができたらしい。」
   その包みを鳩の足から外し。
   中に入っていた手紙を取り出す。
   「ほう、それはめでたいですな。
     して・・・他には何と?」
   「・・・・ふむ・・・・・・・何!?」
   ガタン!
   そのまま、音をたてて、玉座から立ち上がる。
   「デミオン様?」
   不思議がる側近たち。
   「すぐに出発の用意をしろ!!!すぐにだ!」
   顔面を蒼白に変えて、すぐさま伝令を飛ばす。
   ・・・・だから、母親・・フローディアが死亡したときに!
   こちらにこいといったのに!
   手紙をわなわなと握り締め。
   「・・・・もし・・・リナに何かあってみろ・・。
     ・・・あのスカイピアは・・・許さん!」
   その紅の瞳を燃やし。
   わなわなと震えるのは。
   この辺り一体・・・いや、すでに、この大陸全てといっても過言でないが。
   この、大陸―アスティアラ大陸を納めている、
   デミオン=トゥラ=アスティアラ。
   ここ、二、三十年続いた、内紛も。
   どうにか収まり。
   国外に避難させていた、血筋のものを。
   呼び戻すためにいろいろと執り行っていた矢先のこと。 
   ここ、アスティアラ王国の王族の血筋は。
   普通の人間と比べて、その寿命が少し長いせいか。
   その歳をとる割合も他の人間などとは多少異なる。
   この、見た目、どうみても、まだ二十代にしか見えない、
   この大陸の王―デミオン国王は。
   実はすでに五十を軽く超えている。
   内紛が始まった時に、身分違いの正妃は。
   その動乱に巻き込まれて、暗殺されそうになることしばし。
   それを怖れて、別の大陸に避難させていたのである。
   その、妻の一人娘である、フローディア。
   彼の一人娘でもある。
   その、娘の子供―。
   フローディアが死亡したと連絡があったのは、今から、
   約、数年ほど前。
   そのときから、残った孫娘には、再三、
   こちらに戻って来いと使者を送ってはいるものの。
   ―気になる人がいるから。
    離れたくない。
   そういって、そのまま、一人で生活していた孫娘。
   そして。
   今、その孫娘たるリナから送られてきた手紙には。
   好きな人が出来て、将来を誓い合ったということと。
   ・・・・・・・・・魔女疑惑を掛けられて、
   今から、国外に逃亡する・・といった内容であった。
   二、三十年間、続いた内紛で。
   すでに、彼の身内は、リナを除いて他にはいない。
   まだ見た目は若いのだから、後妻を迎えれば。
   という声も少なくないが。
   彼としては、孫娘とその夫に、この国を任せる所存であったがゆえに。
   娘から送られてくる、定時的な連絡と、そして・・。 
   母親・・つまりは、彼の娘が死亡してからは。
   その娘たるリナがその提示報告を常に伝書鳩にて伝えてきていた。
   「すぐに兵士達を集合させろ!いそげ!
     リナに何かあってからでは遅い!」
   『はっ!!!!』
   国王の伝令と共に。
   すぐさま、船の用意がなされ。
   あわただしく、異なる大陸―スカイピア王国がある、
   その大陸に向かって、海を走り、船を向かわせてゆく。
   「――リナ!!」
   精霊の映像にてしか見たことのない孫娘。
   娘と同じく、栗色の髪の・・。
   やはり・・・嫌がっても、無理にでも連れ戻っているべきだった!
   国王自ら。
   船に乗り込んで。
   目指すは・・・リナがいる、スカイピア。
 

 

 

   「――!!!!!リナさん!」
   スローモーションのように倒れているのが。
   自分達の幼馴染であると。
   すぐには理解ができなかった。
   声の限りに叫んで、走り寄って来るのは。
   ここ、セイルーン王国、第二王女。
   アメリア。
   そして。
   「くっ!誰か!早く医者を!」
   「はっ!」
   周りにいる兵士に指示を飛ばしているのは。
   隣接する、グレイワス王国、皇太子、ゼルガディス。
   「・・・そ・・・・な・・。」
   そっと、脈を震える手で握り締めるが。
   すでに・・・。
   片方の金髪の男性―ガウリイの体からは温もりが消えかけて。
   そして・・栗色の髪の女性・・リナからも。
   「そ・・・な!嘘だといってください!
     リナさん!ガウリイ様ぁぁぁぁぁぁ!」
   叫び声を上げているのは。
   セイルーン王室に仕えている巫女であるシルフィール。
   この、リナ、ガウリイ、アメリア、ゼルガディス、シルフィール。
   この五人は、昔から、よく遊んでいたいわゆる幼馴染といった関係。
   

 

   「アメリア姫様!ゼルガディス皇太子!
     逃げ出した男を捕らえました!」
   「うわぁぁ!」
   ガウリイを手にかけた、その村人の男を。
   捕まえて連行してくる兵士数名。
   「―!」
   突っかかっていこそうなアメリアを制して。
   「連行しろ。詳しい話が聞きたい。
    ・・どうして、リナに魔女疑惑が掛けられたのか。
     徹底的に聞きだせ!手段は選ばん!」
   「はっ!!!」
   ゼルガディスの指示に。
   敬礼をし。
   「うわぁぁ!いやだぁぁ!」
   わめく男を、そのまま連行してゆく。
 

 

 

   「・・・・どーして・・こ・・な・・。」
   すでに、血が出きってしまったのであろうか。
   その首筋にどす黒い塊を残して。
   それでも、涙を浮かべつつ、どこか安らかな表情をしているリナをみて。
   そっと、その血を腰に下げている筒の水で布を浸して。
   綺麗にとぬぐってゆく。
   全員、リナとガウリイがいずれは結婚するものだと・・。
   そう、心待ちにしていたのだ。
   ガウリイがリナのことを想っていたのは。
   リナ以外、全員が気付いていた。
   昔から・・そう、昔から。
   ガウリイの背中に無数にある傷跡が。
   リナを庇ってできたのは、用意に否めない。
   涙でぐしゃぐしゃになりつつ。
   血でぬれてしまっている二人の体を
   静かに拭いてゆく、アメリアとシルフィール。
   ゼルガディスは、兵士に指示を出して。
   馬を用意させているが。
   ―二人のなきがらを運ぶために。
   丁寧に綺麗に血をぬぐってゆく。
   綺麗に血をふき取って。
   そっと、壊れ物でも扱うように。
   二人の体を放さないように、そっと。
   馬に引かせた馬車にと乗せて。
   ごとごとと。
   セイルーンの首都、セイルーン・シティにと無言で彼等は戻ってゆく。
 

 

 

 

 

 

   「・・・・・せめて・・。」
   「ああ、そうだな。」
   セイルーンに戻り、そして、初めて。
   伝書鳩から、アメリア達が出発してから、手紙が届いていることを知り。
   そこに、ガウリイと将来を誓い合ったという。
   リナとガウリイからの手紙。
   ぽたりと。
   涙が零れ落ちる。
   ―折角、想いが通じ合ったのに・・。
   その誓いを果たすことなく、リナを庇って死んだガウリイ。
   そんなガウリイを追って自害したリナ。
   二人の想いは、よくわかるから。
   ―だから。
   「・・・・リナさん、せめて、あの世で結婚してください。」
   「あの世で結ばれろよ・・ガウリイ・・リナ・・。」
   アメリアとゼルガディスが二人に語りかける。
   二人の服をアメリアがリナを。
   ゼルガディスがガウリイを。
   その、すでに血で濡れきっているその服を。
   脱がし、タキシードと、リナには真っ白なウェディングドレスを着せ。
   「・・・これより、リナ=ルピス=ドナ=サフィス。
     ガウリイ=ファレス=ラ=ガブリエフ。
      ふたりの結婚式を執り行います・・。うっ・・。」
   こみ上げる涙をこらえて。
   せめて、埋葬するときには。
   夫婦として、埋葬を。
   その願いを父親に申し出たところ、特別に。
   すでに死亡しているにも関らずに許可がでた。
   少しお化粧を施し。
   そして。
   「汝、ガウリイ=ファレス・・う・・。
     リナ=ルピスを・・・生涯・・その・・永遠の・伴侶と・・。」
   ポタリと、零れ落ちる涙に巻き上がる嗚咽。
   本当なら、二人の幸せの結婚式を誰よりも、
   彼等は望んでいた。
   それなのに・・。
   今、その二人は・・・もう・・・・。
   温もりを称えていない。
   左手の薬指にはめられているその指輪は。  
   二人が想いを伝え合ったときに、ガウリイがリナにプレゼントしたもの。
   ガウリイは、常にその指輪を持ち歩いていたのだ。
   その指輪だけがむなしく輝く。
   主人公の花嫁と花婿は、すでに物を言わない骸。
   それでも、形式上にのっとって。
   きちんと、アメリア達の手によって。
   二人の結婚式は、正式に執り行われてゆく・・。

 

 

 

   

   ばたばたばたばた!
   にわかに、王宮が騒がしくなる。
   「大変です!王!いきなり!」
   ばたばたする兵士達や城の住人たち。
   「騒ぐな!・・・・・・・いらっしゃったか・・。」
   その手に握られているのは・・。
   リナがいつもその身に着けていた・・短剣。
   その、紋章が何なのか。
   知らないものなどまずいない。
   リナは、滅多にというか、まったく。
   それを外部には見せなかったので。
   その身分が知られていなかっただけのこと。
   そのまま、無言で立ち上がる。
   「―フィリオネル国王!」
   バタン!
   顔面を蒼白として、真っ青になりつつ。
   うろたえる兵士達をそのままに。
   その数名の側近を従えて、王の間にと入ってくる、
   一人の人物。
   「―ようこそ。お越しくださいました。
     アスティアラ国王―デミオン様。」
   そういいつつ、床にとひざまづく。
   「・・・こちらに・・リナがいると・・・聞いたのだが・・。」
   声がかすれている。
   大陸に上陸し、すぐに状況を確認させた。
   すると、リナと、その相手とかいうガウリイという男性は。
   どうやらスカイピア王国をどうにか無事に逃げ出して。
   セイルーン王国に避難したらしい・・・と。
   セイルーンに入ったのなら、無事だろう。
   ほっと胸をなでおろしたのもつかの間。
   次に入ってきた報告は―。
   彼にとって、一番信じられないものであった。
   それゆえに。
   無礼を承知で、何の取次ぎも、連絡もないままに。
   いきなり、王宮にと乗り込んできたのだからして。
   「―どうぞ。只今儀式の途中です・・。」
   「・・・・儀式?」
   「・・・・・・せめてもの・・。」
   そういいつつ、無言で。
   その手にもっていた、リナが常に身に着けていた、短剣を目の前にいる、
   男性―デミオンにと手渡す。
   「・・これ・・は・・。」
   こびりついている血が。
   リナの身に何が起こったのか。
   真実味を増してくる。
   デミオンが、妻に持たせて、避難させた短剣。
   アスティアラの王国独自の紋章が組み込まれている、
   その、精巧なる細工が施された・・その銀色の鞘の短剣を。
   震える手で、ここ、セイルーン国王、フィリオネルの手から。
   それを受け取るデミオン。

   

 

 

   カツン・・・・・。
   「・・・・あ、父様・・・その人は?」
   「・・・・・まさ・・か!?」
   「・・・・・・・え?」 
   アメリアは、その人物を見たことない。
   ゼルガディスはその立場上。
   いく度か国に出向いたときに、遠めに拝見している。
   シルフィールは、どこか、リナににた雰囲気を纏っている、
   フィリオネル国王の後ろにいる男性をみて、
   声を漏らす。
   「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・リナ!」
   その、祭壇に。
   金色の髪と栗色の髪の女性が。
   仲良く並べられ。
   その姿は、タキシードにウェディングドレス。
   名前を呼びつつ、その祭壇にと駆け寄ってゆく。
   足ががくがく震える。
   ・・・こんな形で・・孫娘に出会うなど・・。
   「・・・・・・・・・セリルに・・・似てるな・・。」
   ぽたり。
   その眠っているかのようなリナの上に。
   デミオンの目から涙が零れ落ちてゆく。
   もっと・・もっと早くに、国に呼び戻すべきだった。
   後悔しても、後悔しても・・悔やまれてならない。
   「・・?父さん?この人は?」
   アメリアが、その目にまだ涙を湛えたまま。
   父親であるフィリオネルにと問いかける。
   「・・・・紹介しておこう。
     リナ殿・・いや、リナ王女の実の祖父。
      アスティアラ帝国、国王、デミオン殿。
       デミオン=トゥラ=アスティアラ。
        そのご本人である。」
   『――え?』
   その説明に小さく声を上げるアメリアとシルフィール。
   「―関係者だというのは知っていたが・・。
     ・・・・まさか、デミオン国王の・・実の孫娘・・リナが・・。」
   以前、リナの母親が生きていたときに。
   その独特の文様の刻まれた短剣を目にしたことがあるゼルガディス。
   それゆえに、リナの母親が。
   大国、アスティアラに関係している人物だとは思っていたが・・。
   まさか、純粋なる王家の一員だったとは。
   流石に動揺を隠せない。
   大国であるがゆえに、敵も少なくない。
   そんな、輩から身を守るために、身分を明かしてなかった、
   リナの祖母とその母。
   ガウリイは、そんな祖母と母から、信頼を受けていたので。
   全てを告白されて、真実のその全てを知っていたが
   周りには一切そのことを漏らしてなかったガウリイ。
   それも全てリナの身を守るために・・。
   「・・・・フローディアが・・いや、その夫たる、
     マルス公爵が死亡した・・と報告があったときに・・。
     無理にでも連れ戻っておくべきだったな・・・・。」
   当時は、アスティアラは、別の国から戦争を仕掛けられていた。
   そして、周りに跋扈する暗殺者なども。
   そんな状況だったので。
   呼び戻すことなどできなかったのである。
   ようやく落ち着いても、まだ国内が不穏な動きに満ちており。
   ―落ち着くまで戻りません!リナのためにも!
   フローディアの固い意志によって。
   今日まで・・。
   そっと、ドレスに身を包んでいるリナの髪をなでる。
   「・・・・せめて、あの世で夫婦に・とおもいましてな・・。」
   フィリオネルがそんな孫娘の髪をいとおしそうに、何ども、
   何どもなでている、デミオンの姿をみつつぽつりとつぶやく。
   「・・・・・感謝する。」
   このものが。
   ・・・リナが、気になる人がいるから戻りたくない。
   といっていた相手・・。
   フローディアの手紙にもよく語られていた・・。
   リナの幼馴染・・
   ガウリイガウリイ=ファレス=ラ=ガブリエフ公爵。
   ガブリエフ公爵家の長男・・。
   隣にいる金髪の男性をみて、つぶやくデミオン。
   

 

   「・・・・・・詳しく、教えていただけますかな?」
   無言で淡々と言い放つ、そのデミオンの言葉に。
 

  

   ガウリイを殺した男から聞き出した。
   その全てを。
   国境を越えて、侵入してきた隣の国の兵士を捕まえて、聞き出した。
   一体、何がどうしてこうなったのか。
   その経緯を・・。
   静かに、デミオンにと説明してゆく・・・・・。

 

 

 

 

 

   「・・・・・・・・・・・・・つまりは・・。」
   「・・・・・リナさん・・・あのレペス王子に・・。
     ・・・目を付けられたようなんです・・。」
   レペス王子の悪行は、よく耳にしていた。
   だからこそ、リナを一人で住まわしておくことなど。
   ましてや、リナの父親が死んでからは。
   護衛をつけるというその言葉も。
   そんなことをしたら、身分がばれてしまうからいい!
   と、突っぱねたリナの母親。
   再三、文書にて、それとなく、王子の所業が。
   海を隔てた大陸にも響いてくると注意を促したことか。
   それでも・・。 
   全て無視され・・・
   その結果・・・最も愛する孫娘が・・その毒牙にかかりかけて・。
   命を落とす結果と成り果てようとは・・・・。
   「・・・・・・・・ゆるさん。」
   許せない。
   魔女として、リナを迫害した人々も。
   そして・・・・イマダニ、古い、迷信ともいえる、
   魔女を信じて・・いや、人にない力や物事を行うもの、全て。
   魔女として扱う人々も・・。
   そして・・・何より、息子の悪行を知っていつつも。
   それを保護している・・・国王、いや、その国そのものも。
   紅い瞳がどす黒く燃え上がる。
   「―我がどんな行動しようとも。
     ―手出し無用に願います。セイルーン王国とグレイワス王国には、
      特に!・・・リナをあのものと一緒に・・埋葬してあげてくれ・・。」
   リナからの手紙にも、よく幼馴染の彼等のことが書いてあった。
   それゆえに。
   ・・・・この二つの王国とは戦いたくはない。
   「・・・・・・・戦争を・・・始める気ですな・・・。」
   かすれる声で呼び止めるフィルの言葉は、無言で返される。
 
 

 

   アスティアラ王国を敵に回して。
   まず生き延びた国はいない。
   それほどまでに、アスティアラの軍事力は。
   他の国々と打って変わり、発展している。 
   それは、精霊の力をよく理解し、その破壊の力を、
   上手に利用しているからなのだが。

 

 

 

 

   ――布告!
     スカイピア王国!
     アスティアラ王女を死に至らしめたのは明白!
     それ、即ち、王国に牙を向くものなり!
     断固として、これに抗議するなり!
 

 

 

   空から突如として、声が響き渡り。
   次の瞬間には。

   ドォォォン!!

   海から、砲撃が飛び交い始め。
   ・・・・突如として戦争は勃発してゆく・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

    「ひっ!」
    逃げ惑う人々。
    なすすべもなく、その刃の下にと犠牲になってゆく。
    何がどうなっているのか。
    かろうじて、その理由を知った人々が。
    話しをつなげると・・・・・。
 

 

 

 

    彼等が、魔女として、先日。
    追いたて、・・・・そして、死に至らしめた、人物。
    リナ=ルピス=ドナ=サフィス。
    母親が死亡したのちには、薬剤師として生活をしていたその少女。
    ・・・・・そのものが。
    実は、アスティアラ国王、デミオン王の実の孫娘であった。
    ・・・・・驚愕の事実がそこに語られていた。
 
 
 

 

 

    「・・・・・ひぃ!」
    数日のうちに、あっという間に城も落とされる。
    逃げ惑う兵士や・・・国王。
    「―やれ!」
    ドシュ!!!!!
    掛け声一つとともに。
    その首は完全にとはねられていた。
 

 

 

 

    城に突入するとその地下に。
    閉じ込められている無数の女達。
    それら全てが裸なのは・・・。
    この地下室、王子の遊び部屋なのである。
    部屋に充満する、媚薬の匂いとアヘンの匂い。
    もう、クスリなしと、男なしでは、生きていかれなくなっている、
    女達の慣れの果て・・・。
    助ける方法などあるはずもない。
 

 

 

    ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

 

 

    一週間もたたないうちに。
    完全に、スカイピア王国は、瓦解していた。

 

 

 

 

 

    これより後。
    全力をもって、いまだに魔女狩り制度を行っている、
    国々にも、布告を突きつけて、それでもやめない場合は・・。
    実力行使にでる、デミオン国王の姿が。
    見受けられてゆく・・・・・。
 

 

 

 

 

    唯一の肉親であった、リナを失ったデミオンの悲しみは・・
    ・・・・・留まることを知らなかった。

 

 

 

 

    全ての制度をいまだに行っている国々を征服し。
    そして。
    その実権の全てを国民にとゆだね・・・・。
 

 

    デミオン国王は、やがて。
    リナが死亡してから、二十年後。
    静かに息を引き取ったのであった。

 

 

 

 

    後に残るは・・・。
    セイルーン王国とグレイワス王国・。
    その他数個の国々のみ・・・・・。

 

 

 

 

                        -続くー

 

 

##################################

 

  あとがきもどき:
      ・・・・・・・・二度目の転生も・・・死に別れぇ・・。
      ・・・・ちなみに。
      次回は、ルナ達視点から。
      ・・・すこぉし、リナの新たな転生も入る・・かな?
      んでは・・。
      ああ・・・・くらいぃぃぃぃい!
     (なら打ち込むな!とゆーかこんな話しを考えるな!)
 

   


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