まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
登場人物:リナ=インバース
正式名称:リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメア
参考:深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお深き存在
混沌を抱擁する存在 母なる海の妹にして
この世界の海を創造せし存在
『深淵なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)』
金色の王の妹。この世界の混沌そのもの。
登場人物名前:ガウリイ=ガブリエフ
正式名称:ガウリイ=ガブリエル
(ガウリイ=ナファレス=ナイト=ロード)←後々に(笑)
参考:リナを心配した(孤独をみた)
エル様と、ルナが、リナを思ってたら、
その思いの反動で、生まれでた魂。
おまけ?設定:
エリアンヌ(エリー):リナとガウリイの長女(妹)
(リナにくりそつ・・爆!)
正式名称:エリアンヌ=ドナ=ラビスティア=ナイトメア。
カウリイ:リナとガウリイの長男(兄)
(ガウリイにくりそつ・・爆!)二卵性の双子です(笑)
正式名称: カウリイ=ウル=ユリティス=ナイトメア。
リナス:エリーとカウリイの妹
(両親を助けるために、未来からやってきてます・笑)
リナ譲りの栗色の髪に、瞳の色は、ガウリイ譲り。
性格は・・リナそっくりです(笑)
正式名称:リナスレイヤー=トゥェル=ウル=ナイトメア。
登場人物名前:ルナ=インバース
正式名称:ルナティック=スィーフィード
参考:深遠の真の王の補佐官&側近。
この世界に命が誕生した際に、
金色の母が、リナにお祝いとして、与えた存在
(とゆーか、それように、創り出した)
『深淵の補佐官(アビス・ラズ・ポート)』
別名、『紫蒼の朱玉(パール・レッド・ラズリ)』
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$
ふと思うこと。
何で人様の小説読んだ後って・・・余韻が残るんでしょうねぇ・・・。
あ゛あ゛・・・。
続きが気になって・・気になって・・・・。
・・・・・・・・・その表現力がうらやましい・・・。
つまりは、それだけ読者を釘付けにしているってことですよね?
うーん・・・。
私はまだまだだな・・・・あうあうあう・・・・・。
まあ、とにもかくにも。
はたまた続きです。
さて(爆!)何日続けて更新できるか!?この話し!?(こらまて!)
んではではv
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エデンの園 ~第37話~
闇夜をかけてゆく、金色の残像。
その間にも彼女に何かあったらと思うと・・・。
それだけで、全身の血が凍りつく。
もし・・・・・・リナがイナクナッテシマッタラ?
その言葉が脳裏に浮かぶたびに。
やるせない感覚に襲われる。
―そんなのは・・・・・いやだ!もう・・・二度と!
どうしてそういう風に感じるのかは分からないが。
ともかく。
絶対に失いたくない。
この身と引き換えにしてでも・・・絶対に!
ドンドンドンドン!
深夜というのにも関らずに。
目的の家にとたどり着き。
扉を叩く。
「こんな夜更けに?」
強くノックされる音に。
寝着のまま、そのまま、扉に近づいてゆく、家の主人。
「誰ですかな?」
警戒しつつ、問いかける。
「すいません!エルクさん!夜分遅く!
―シルフィールいますか!?・・・・・急病人なんです!!」
その切羽詰まった声に思わず驚く。
この声からすると。
間違いなく・・彼であるはずなのだが・・。
こんなに感情を表している切ない悲鳴に近い声など。
聞いたことなど一度もない。
「??お父さま?どなたですか?」
そういいつつ。
同じく、寝ていたこの家の一人娘。
その長い黒い髪が印象的な女性が出てくる。
シルフィールが出てくる直前に。
鍵を開けて、扉を開くシルフィールの父親エルク。
「まあ!?ガウリイ様!?一体!?」
見るからに、蒼白になっている顔は。
普段のガウリイからは想像などできはしないであろう。
「―頼む!こんな時間で非常識なのは分かってる!
あいつを・・・あいつを助けてくれ!!」
そのまま、がばっと地面に手を付く。
今まで、誰にも平伏したことなどない彼が・・である。
その様子にただならぬものを感じ取り。
「・・・お父さま、私、いってまいります。
少しまっててください。今すぐ用意しますから!」
くるっ。
だっ!
そういうが否や。
そのまま、部屋にと向かって走ってゆき。
服を着替えて。
道具を持ち出す。
「お・・・おい!?シルフィール!?ガウリイ様!?」
おろおろするエルクに。
「ガウリイ様!お待たせしましたわ!」
「―すまん!」
ひょい!
そのまま、馬にまたがって、その後ろにとシルフィールを乗せて。
そのまま、馬で駆けてゆく。
横から見えるガウリイの顔は。
今にも壊れてしまいそうで。
切ないほどに悲鳴を上げているのが見てとれる。
ガウリイがこんなに感情をあらわすなどとは。
一体何があったというのか・・・。
やがて。
「こっちだ!リナ!!」
叫んで部屋の中にと走って入るガウリイを見て。
「―リナ?」
もしかして・・・ガウリイ様の想い人に何か?
そんなことがふと頭をよぎるが。
「いけない!それよりも!」
あのガウリイの様子で何かあったのは。
間違いがない。
そのまま、ガウリイの家の中にと入ってゆくシルフィール。
ガウリイが駆け込んだのは、寝室。
思わず唖然とする。
暖炉には、これでもか!
というほどに薪がたかれ。
部屋の中がかなり温められ。
しかも。
その窓脇にと位置しているベットに。
ガウリイが持っている服の全てが積み上げられているのは・・・。
ガウリイは、こういう性格なので。
換えのフトンも―服すらもあまりもっていない。
そのために。
リナを少しでも暖めようと。
家の中にある布という布全部。
リナの上にと積み上げているのだ。
・・・・この布の海の中から・・どーやって対象を探せと・・。
思わずあきれるシルフィール。
「リナ!」
ガウリイがそういって。
その手を握らなければ。
まず、その布の海の中にと沈んでいる小さな少女などには、
気付くことなどできなかったであろう。
「・・・・頼む!意識が・・ないんだ!!!」
悲鳴ににたガウリイの声。
・・・・この子が?
・・・・・・・・・この、子供が、ガウリイ様に光を取り戻した子?
見れば。
そこに横たわっているのは。
どうみても、七歳か八歳かそこらの少女。
その栗色の髪が少しは珍しいが。
一瞬、とまどうが。
すぐさま、そのリナと呼ばれた少女の顔が。
顔面蒼白で、血の気がなくなっているのを見てとり。
「出来るだけやってみます!」
急いで気持ちを切り替える。
そして。
ベットの端で祈りを捧げているガウリイに。
・・・これにも絶句するが。
ガウリイは、今まだ、祈りなど、一度たりとて捧げたことなどがないゆえに。
「・・・・・・ガウリイ様?」
「・・・・・リナ・・・・・。」
「が・う・り・い・様!!!!」
「・・・・・・・・・・・・・リナ・・・・。」
「ガ―ウ―リーイ~様!!!」
強く叫ぶ。
「・・・・・・・・・・・・あ?」
まるで精気がないその碧の瞳。
「・・・診察しますから出て行ってください!!」
―バタン!
そのまま。
ガウリイを部屋の外にと押し出しすシルフィール。
「まったく・・・。
・・・・・・。・・・・・・こんなに布かけてたら、診察もできなしないわ・・。」
バサバサバサ!
そうぼやきつつ。
ベットの上にと重なるようになっている服ゃ布を床にと投げてゆく。
やがて。
フトンの中に、毛布にくるまれるように横たわっている、
少女の全身が見えてくる。
その少女が着ている服が。
どうしてガウリイの上着だけなのかが疑問だが。
だが、それよりも。
その蒼白な痛々しいまでの表情が、胸を締め付ける。
「・・・・・さてと。力の限り頑張りますか!」
そういって腕をまくり。
リナの診察にと入ってゆく。
引き裂かれている薄い青色のワンピース。
以前ガウリイが買ったと、調査の最中に判明しているものと一致する。
そして。
「・・・・・・・・・・・・・こんな・・こどもに・・・誰が・・。」
引き裂かれた下着をみて。
思わず絶句する。
―ガウリイ様?
のわけがない。
ならば?
ガウリイが蒼白になっていた理由もそれであろう。
・・・・この少女は乱暴されかけたのだ。
未遂であるのは、女性ならではこそよくわかる。
大人の女性でも屈辱的な行為を。
受けかけた少女の気持ちを想うと・・苦しく、切なくなってくる。
その蒼白なまでの白い肌。
血の気もなくぐったりとなっている少女。
「・・・・こ・・・れ・・・は!?」
脈を取り。
瞳孔などを確認し。
診察にと入ってゆく。
『魔法医』といっても、本当に魔法が使えるとかいうのでなく。
魔法に近い形の、いわゆる人の精神によって、
出来うる限りのことを病気や怪我に出来るだけ、
どのように利用できるか?
という程度のもの。
高位の魔法医ならば。
伝説では、死人すら生き返らせることができたとか。
―その命と引き換えにだが。
修行を積むことによって、自らの精神力を高めて。
その精神の力を他人に分け与えたりして。
いわゆる奇跡を起こすことも可能な、『魔法医』。
今のシルフィールの実力では。
せいぜい、ヒビが入っているであろう、骨などをつなぐのがやっと。
それでも。
それを使うと一日以上は疲れてしまうのだから。
まだまだといえるだろう。
うろうろうろうろうろうろうろうろうろ・・・・・・・。
そわそわそわそわそわそわ・・・・・。
ぐるぐるぐるぐる・・・・・・・。
追い出されたが。
心配で、心配で。
そのまま、うろうろと部屋の中を無意味にぐるぐる回っているガウリイ。
―カタン。
やがて、リナが寝ている寝室から。
シルフィールが、
『―ふぅ。』
溜息をつきつつ出てくるのを認めて。
「シルフィール!!リナは!?どうなんだ!?」
そのまま、シルフィールの肩を掴む。
「駄目ですわ。ガウリイ様。」
・・・・・・だ・・・・メ?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だ・・・・め?
「そ・・・・・・な!リナ!!!駄目だ!駄目だ!駄目だ!
駄目だぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
かなり狼狽するガウリイ。
「・・・・ですから。」
「そんなの・・絶対に!」
「・・・あの?」
「リナぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
・・・・・・・・ふぅ。
その先を言いかけようとするシルフィールだが。
ガウリイがわめいていてどうにもならない。
思いっきり溜息をついて。
パッチィィィィィィィィィン!!!!!
手を振りかざして。
ガウリイの頬を叩く。
「・・・・・・・・・シル?・・・・・・・・・本当なのか?」
へたん。
そのまま、全てを失ったように、崩れ落ちるガウリイ。
じんじんする頬の痛みもまったく感じない。
「・・・・・はぁ。ガウリイ様。確かにあの子供は駄目ですわ。」
・・・・そんな・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・リナがいないんだったら・・・もう・・。
ぼんやりとリナを追って死のうか?
などと考えているガウリイに。
「ガウリイ様?一体?あの子、どんな食生活をしてましたの?」
・・・・・リナ・・俺もすぐそばに・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?
シルフィールの言葉にふと顔を上げる。
自分で気づいてないがかなり傷つき、我知らず涙がガウリイの瞳からは、
こぼれているが。
「・・・・・・・はぁ。あの子は、極度の疲労。それに、急激な栄養不足。
・・・・・・見たところ数日以上・・何も食べてないようですけど?」
溜息交じりのシルフィールの言葉に。
まだぼんやりとしているガウリイ。
「で・す・か・ら!!!!命がどうとかではないです!
そりゃ、もう少しあと数日遅ければ命にも別状あったでしょうけど!
とにかく、今は、かなりの疲労がたまって。
完全に気を失っているだけです!」
・・・・・・・・・・・・・命が・・・・・どうとかで・・・・・・・・な・・・・い?
ぼんやりとその言葉が脳にと浸透していき。
「本当か!?リナは大丈夫なんだな!?
命に別状はないんだな!?」
がくがくがく!
「が・・・ガウリイ様!落ち着いてくださいぃぃぃぃい!!」
どげしっ!
肩を掴んでがくがくゆすってくるガウリイに。
思わず足蹴りを入れているシルフィール。
「あ・・あら。私ったら・・・おほほほほ(はあと)」
笑ってごまかしていたりするが・・・・。
こ・・・・こほん。
とりあえず、気を取り直して。
「とりあえず、水分と、暖かくするのと。
そして、消化のいいやわらかいもの。それを食べさせてあげてください。
・・・・あそこまで憔悴しているからには。
まだしばらくは、飲み物程度が無難でしょう。
・・・・・ガウリイ様?聞いていらっしゃいますか?」
リナ・・・・リナが・・・・!
「さんきゅ~!!!!!シルフィール!!!
シルフィールは世界一の医者だよ!リナ!!!」
だだ!
それだけ言い放ち。
そのまま、部屋にと駆け込んでゆくガウリイ。
・・・・・・しばし、呆然・・・・。
「え・・・・ええと・・・。
・・・・・何かガウリイ様・・人格・・かわってらっしゃいませんか?(汗)」
思わずつぶやくシルフィール。
当然の反応であろうが。
部屋に入ると。
先ほどよりは顔色がいいリナ。
「よかった・・・リナ・・・。」
ほっと息をついているガウリイに。
「・・・・・よくありませんわよ。
ガウリイ様?あんなに、服や布を覆いかぶせて・・・・。
その重さでかなり負担がかかってましたわよ?
・・・・・・まったく・・・・・・。」
そういって。
部屋の隅に山になっている布や服を指差すシルフィール。
「・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「ですから。ガウリイ様が掛けた布などで、
この子に負担がかかって。かなり苦しくなってたんですよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まじか?(汗)」
「おおまじです!」
・・・・・・たら・・・・。
その言葉に。
思わず額に汗が伝う。
「この子・・・リナちゃん・・・といいましたか?
顔色が悪かったのはそのせいです!」
きっぱり!
へた。
きっぱりと言い切れ。
その場に力なく崩れるガウリイ。
つまり。
ガウリイがリナの体が冷えないようにと。
かなり、あるだけの布や服を上にかけたのだが。
その重さで、小さなリナの体は苦しくなっていたのである。
ああ・・・・。
俺が・・・・リナを・・・・?
そんな・・・。
呆然とするガウリイに。
「ガウリイ様?」
手をぱたぱたと目の前でふってもまったく反応なし。
・・・・そんなに、自分がしたことで負担を掛けていたのがショックだったのかしら?
そんな呆然と呆けているガウリイをみつつ。
「・・・・・・・・はぁ。ガウリイ様も悪気があってやったんではないんでしょう?
とりあえずは、リナちゃんに、何か力のつく飲み物でも作ってあげてください。
・・・口に流し込んだら、大丈夫だと思いますから。」
シルフィールの言葉に。
「・・・そっか!先にリナを回復させるのが先決だな!」
がばっ!
起き上がり、そのまま。
台所にと掛けてゆくガウリイ。
そんなガウリイを呆気にとられてみつつ。
「・・・・・はぁ。よくあのガウリイ様を。
あそこまで感情豊かにしたものですわね。この子も。」
そういって。
寝ている栗色の髪をなでるシルフィール。
でも、どこか憎めない。
―初めてあった気もなぜか・・しない。
そして。
そんなガウリイをみて。
「・・・・・・・ガウリイ様って・・・・・・ロリコンでしたのね・・・・・。」
つぶやくシルフィールの姿が一人。
リナの寝ているベットの横にて。
見受けられていた。
とりあえず。
ガウリイにと送ってもらい。
その日は。
家にと帰ってゆく。
「リナ、早くよくなってくれよ?」
いいつつも。
リナの世話をするガウリイが。
その日から見られてゆく。
朝日が昇ると同時に。
ガウリイは朝市にと出かけていき。
大量の果物や野菜を買い込んで。
それらを全てすりおろし。
さらには、こしてから。
飲みやすいジュースにと工夫し。
リナに飲ませるガウリイ。
・・・・・・・・?
何か口の中が・・甘い?
こくん。
無意識のうちに。
口に含まれるジュースを喉にと飲み込んでゆく。
あまりに、リナが反応なしなので。
ガウリイは口移しで飲ませているのだが。
「よっし!この調子で!」
リナが喉を鳴らしてジュースを飲んだのを見てとり。
何ども、何ども、ジュースを、
口移しでリナの口の中にと注ぎ込んでゆく―
「・・・・ここに間違いはないのか?」
焼け落ちた森にと佇む数名の人影。
「へい。あ、でも、ここに住んでいた魔女は。
今は別のところにいますので。
それで・・・・例のものは・・。」
「そこに案内しろ。」
「へい!」
かさりと。
灰と化している森を後に。
そして。
爆弾にて、跡形もなくなっている森にあった湖。
ただ、そこに森があったことを示すものは。
その焼け落ちている一角に小さく広がる。
花畑のみ。
「ここに間違いはないのか?」
村にたどり着くその手前。
「へい。魔女はこの村に連れて来られてます。
そういうふうに段取りをしてますから。」
そういいつつ。
にやにやと笑って手を突き出す。
「それで?あっしにいくらくれるんですか?」
「好きなだけくれてやるさ。」
その言葉に。
へへ。
やっぱり、俺はついてるな。
ギアナの魔女さまさまだぜ。
そんなことを思う一人の男性。
「・・・・・・・・・・・刀をな。」
「―え?」
ドシュ・・・・・・・・・・・・。
男が問いかける間もなく。
そこには、動かなくなったかつては人間であった男の死体。
言葉と同時に。
男の体は。
その背と胸を剣で貫かれていた。
「・・・・・さて。では、交渉を始めるとするかな。」
すっ。
そういって、周りにいる男達にと手をかざす。
その言葉に。
うなづき。
ばらばらと走り出す男達。
金色の髪が風にとたなびく。
「長老の家はここか?」
いきなり、入ってくる、金髪美丈夫の男性一人。
「ええ。そうですが?」
はて?
こんな人には知り合いなどおりはせんが?
首をかしげる村の長老。
「ここに、『ギアナの魔女』がいると聞いた。
いくらでもだす。我々に引き渡してもらおう。」
淡々とそう口調には。
感情がこもってない。
いつてみれば命令口調。
・・・・いくらでも?
にや。
これは、儲ける絶好の機会だな。
その言葉にほくそえみ。
「そういわれまして、はいそうですか。
というわけにはまいりませんな。
あの魔女は領主に引き渡す予定ですので。」
まあ、始めの予定ではそうだったのだが・・。
ドサ!!
目の前に積み上げられる麻袋が十個。
「こ・・・これは!?」
その中身が全て金貨であるのを見てとり。
思わず目を丸くする。
「これでもまだ足りないか?」
これは・・・。
かなり搾り取られる!
「へへ。若いお人。そう無理はいわないでくださいよ。
たかが、これっぽっちで、領主に差し出す魔女を、
見ず知らずの人に引き渡せるとでも?」
ここには、すでに魔女はいない。
あれからすでに一晩空けているから。
すでに、彼等の儀式を受けているころのはず。
それを承知でさらに値を吊り上げようとする村の長老。
「―いつまでそう虚勢が張れるかな?」
にやり。
目の前の金髪の男性が笑ったかと思うと。
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
家の外から聞こえてくる悲鳴。
「何事!?」
思わず家を飛び出すと。
ゴォォォォ!!
村の家全てが燃え盛り。
そして。
ドシュ!
見たことのない、どうみても、兵士の姿をしている男達が。
村人を槍や剣で貫いていっている。
「ナ゛!?」
絶句する長老の後ろで。
「かまいはしない。―・・・・・皆殺しにしろ。」
『はっ!!』
後ろにいる男の声に、反応し。
さらに。
村を襲撃してゆく男達。
「・・・・・・交渉する気がないのなら、仕方がない。
・・・・貴様を殺して後でゆっくりと捜すとするさ。」
その目と口調が本気だと受け止めて。
「ま・・・・まて!まってくれ!
金などいらない!助けてくれ!
魔女はここにはいない!
どこにいったか儂を殺すと分からないぞ!」
悲鳴を上げて後退る。
視界の端では。
転がる元村人達の死体の数々。
焼け落ちる家屋。
ひたり。
「・・・・ひぃ!」
つぅぅぅぅぅ・・・。
喉につきたてられた剣の側面で。
喉から一筋血が流れてゆく。
「なら、そこに案内しろ。」
「は・・・・はぃぃぃ!」
そのまま。
彼等を案内し。
村と取引を行っていたアザス一味のアジトにと。
向かってゆく。
「・・・・ここか?」
歩いてゆくその先に。
少し広い場所を見出して。
剣を突きつけている男性が問いかける。
「は・・・・はい!そうです!
昨日、引渡しましたので・・今ごろは、おそらく。
メンバーたちに廻されている最中かと・・・・。」
「案内ご苦労。」
すっ。
剣を喉元から引き離す。
―ほっ。
長老は胸をなでおろすが。
「もう貴様に用はない。」
「そんな!話しが!」
ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!!!
ザシュ!!!
ゴロン・・・・・・・・・。
一振りで。
その首から上にあった頭が地面にと転がってゆく。
「いくぞ。」
『はっ!』
進んでゆく先に見えるのは。
少しいくと、男の死体と。
そして、女の死体。
その辺りに、あった肉の破片は。
すでに、もう野生動物が食べているので存在していない。
ただ、地面のどす黒いしみが残っているのみ。
昨夜。
なかなか戻ってこない頭を捜して。
捜索するが。
発見されずに。
そのまま。
頭がいないのをいいことに。
全ての部屋の女達を出してきて。
乱交に明け暮れている男達。
昨夜のいきなりの攻撃には驚いたが。
その攻撃で死亡したのはほんの一部のメンバーに過ぎない。
残ったメンバーは。
そのまま。
女達を廻して、楽しんでいるのだ。
頭がいれば、こんなことなど許可なく出来はしない。
しかも。
戻ってきたメンバーが新人を連れていたりしているもので。
頭がいないんだったら。
というので初物味見としゃれ込んで。
そのまま、夜からずっとお祭り騒ぎが続いていたりする。
逃げた女を追ったメンバーが戻ってこないのは。
きっと、頭に隠れて、楽しんでいるからだろう。
そう判断して。
あまり気にはとめていない。
もう一人の女の死骸があったことで。
さらにその思い込みは確信にと彼等はなっているのだ。
「お!逃げたぞ!」
「へっへっへっ。おいかけごっこだ(はあと)」
「いやぁぁぁ~!!」
すでにボロと化している服を掴んで。
必死に走る女性が二名。
一緒に村が襲撃されて連れてこられた女達は。
中には、舌を噛み切ろうとして。
猿ぐつわをはめられて。
そのまま、男達にのしかかれたりしている。
すでに全裸といっても過言でない格好のまま。
全身にかなりのアザをつけて。
走ってゆく。
が。
体の痛みには抗えずに。
どうしても走りは遅くなる。
体がばらばらになりそうなほどに痛い。
それは、まだ彼女達が純潔であった証。
逃げる女達の視界に。
男達の影が映る。
その一人を除き、数名が兵士の格好をしているがゆえに。
「た・・・・助けてください!」
「お願いです!私達はあいつたちに攫われて!」
叫びつつ、助けを求める。
ギョ。
さすがに、兵士の格好をみて、数名の男達が息を呑むが。
「ここに、魔女がいなかったか?」
女を気にせずに淡々と話す男性。
「そんなことはしるか!その女達を渡してもらおうか!
まだ、お楽しみの最中なんでね(はあと)」
ねちりとした笑いを返す。
「そうか―やれ。」
中心にいる金髪の男性がそういって。
手を軽く上げたかと思うと。
ドシュ!
「て・・・てめえたち!何しやがる!」
一人が弓にて貫かれる。
それに目を見開き抗議する。
「―いわないなら、全員殺して、捜すまでだ。」
「ラグール様!女達はどうします!?
結構いい女もいますが?」
「・・・・好きにしろ。だが、確実に・・・殺せ。」
「はっ!」
ドスジャシュ!
その言葉を受けて。
ラグールと呼ばれた金髪の男性と一緒にいた男達は。
一斉に、残りのメンバーにと襲いかかってゆき。
辺りに、血の匂いが立ち込めてゆく。
「あ・・ありがとうございます!」
感謝の言葉を述べる女達。
―だが。
ぐい。
「って・・・・いやぁぁぁぁぁ!!!!」
「お、こいつは結構(はあと)」
「いやぁ、ご無沙汰だったからなぁ。最近は(はあと)」
「おい、そっちも後でよこせよ?」
「なぁに、どうせ全員気が済んだら殺るんだ。
遠慮なくやろうぜ。」
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
切ない悲鳴が響き渡る。
「・・・・・ひっ!」
がし。
逃げようとする女二人を捕まえて。
「ふむ。では、我も少し楽しむとするか。
―感謝するがいい、我に相手をして貰えて、我の手で殺されることを・・・な。」
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
数時間後。
辺りに転がるのは。
うでに動かなくなっている物体のみ。
涙で完全にと濡れた女達の骸も。
そこにと横たわっている。
その姿からして。
何をされていたのかすでに明白すぎるほどに。
「―後くされなく始末しろ。」
パシャ!
一箇所に集められ。
その死体の山に赤い液体が注がれて。
シュ!
「・・・・ふぅ。」
葉巻に火をつけて軽く一服。
それをそのまま。
死体にと向かって投げ捨てる。
ゴォォォォォォォォ!!!!!!
勢いよく、死体が炎を上げて燃え上がる。
「・・・・あの液体は人の骨まで焼き尽くすまで。
炎が高まるからな。・・・・よし!捜せ!
目安は栗色の髪だ!」
『はっ!!』
殺した女達の中には、栗色の髪はいなっかった。
ならば。
どこかに隠されている可能性もある。
何しろ、相手は、『栗色の魔女』
―古の、力『魔法』を完全にと使いこなせる唯一の女性。
「ふふ・・・・。魔女の力を手にいれて・・・。
我が世界の王となる日も・・・遠くない・・・。」
一人ほくそえむ。
―が。
『駄目です!何処にもいません!』
「何!?もっとよく捜せ!」
だが。
そこに、魔女―リナがいた形跡はどきにものこっていなかった・・・。
「・・・・まあいい。この辺りには・・いるはずだ!
徹底的に捜せ!殺すな!生け捕りにしろ!」
『かしこまりました!!』
一日以上掛けて。
辺りを捜索するも。
一向に手がかりすらつかめなかったのであった。
-続くー
#####################################
リナちゃん・・・・栄養不足でした(こらこらこら!)
ちなみに。
・・・・・・リナちゃんを逃がしてくれた女性たち。
はい。全員死亡してます。
ついでに・・・今回の一件で・・・。
作戦に直接関ってないけど間接的に協力した女性たちも・・・。
え?このラグールって・・・誰かって?
それは・・・・v
今後の今回の転生におおきく関ってくる人物のひりとですv
ではではv
さあ・・・・次回からはほのぼのだv(・・・・多分・・・お゛い゛!)