まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
登場人物:リナ=インバース
           正式名称:リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメア
            参考:深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお深き存在
               混沌を抱擁する存在 母なる海の妹にして
               この世界の海を創造せし存在
               『深淵なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)』
               金色の王の妹。この世界の混沌そのもの。
          登場人物名前:ガウリイ=ガブリエフ
            正式名称:ガウリイ=ガブリエル
                (ガウリイ=ナファレス=ナイト=ロード)←後々に(笑)
              参考:リナを心配した(孤独をみた)
                 エル様と、ルナが、リナを思ってたら、
                 その思いの反動で、生まれでた魂。
            おまけ?設定:
               エリアンヌ(エリー):リナとガウリイの長女(妹)
                (リナにくりそつ・・爆!)
                  正式名称:エリアンヌ=ドナ=ラビスティア=ナイトメア。
               カウリイ:リナとガウリイの長男(兄)
                (ガウリイにくりそつ・・爆!)二卵性の双子です(笑)
                 正式名称: カウリイ=ウル=ユリティス=ナイトメア。
               リナス:エリーとカウリイの妹
                  (両親を助けるために、未来からやってきてます・笑)
                   リナ譲りの栗色の髪に、瞳の色は、ガウリイ譲り。
                   性格は・・リナそっくりです(笑)
                   正式名称:リナスレイヤー=トゥェル=ウル=ナイトメア。
              登場人物名前:ルナ=インバース
                正式名称:ルナティック=スィーフィード
                  参考:深遠の真の王の補佐官&側近。
                     この世界に命が誕生した際に、
                     金色の母が、リナにお祝いとして、与えた存在
                     (とゆーか、それように、創り出した)
                『深淵の補佐官(アビス・ラズ・ポート)』
            別名、『紫蒼の朱玉(パール・レッド・ラズリ)』
        
         
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

   2003年2月7日。一周年に、小説&イラストを二名様より頂きましたv
   でも、時間があまりないので、休みの日にでも作業します・・。
   とりあえずは、普通の日は小説を中心的に・・・・・。(こらこらこら!)
   んでもって、今日は10日ですが・・(お゛ーい゛!)



#####################################

エデンの園  ~第35話~

「・・・・・・・・・・攻撃・・・ですか?」
    呼び出され。
    軍会議で。
    ガウリイにと用件が述べられる。
    「・・ああ。ここのところ、ここからは、近くではないのではあるが。
     メネシス王国の動きが怪しくてな・・。
      しかも、この国の近くに隠れるように布陣を敷いているとも聞く。
       それの壊滅とそして、真偽を確かめてくれ。
        金の死神ならば、たやすいであろう?」
    その言葉に。
    ふと、リナの顔が脳裏をよぎる。
    「・・・・すぐに出発ですか?」
    そんなふうに、聞き返してくるガウリイなど。
    初めてのことで。
    いつもなら、すぐに言わなくても出発するというのに。
    「まあ、用事があるんならそれを先に済ませてでもいいぞ。」
    少し、何かを悩むように、感情を表に出すガウリイをみて。
    多少驚きつつも。
    依頼をしてきた、この国の第一部隊将軍。
    この国。
    オーディル大陸には、主に七つの部隊がある。
    一つは、王室を重点的に警護するために。
    そして、あとの六つは。
    この国を守るべく。
    上からみれば、布陣の様子が、六績星にと形づくっているのが。
    見てとれるが。
    「・・・・では、3日後に出発します。」
    かたん。
    それだけいって。
    場所を聞き取り。
    その席を外してゆく。
    
    「・・・・・・まさか、あの死神が感情を表に出すとはな・・。」
    しばらく。
    今、ガウリイが見せた表情が信じられなくて。
    しばし、将軍は固まっていた。



    
    「・・・・・・・・・なあ、リナ、しばらくこれそうになくなった。」
    ぴくり。
    その言葉に。
    ガウリイの持ってきたタルトケーキを食べていたリナの手が止まる。
    「・・・・・・ふぅぅん・・・。」
    そっけなくいい。
    そっぽを向く。
    「怒るなよな。すぐに戻ってくるから。」
    「知らない!別にいつも毎日来てくれなんてあたしいってないもん!」
    そういいつつ。
    そっぽを向いているリナの顔を。
    ぐいっと自分の方に向けて。
    みれば。
    やはりといったところか。
    その紅の瞳に少し涙が浮かんでいる。
    「五日たったら、必ずまた来るからさ。」
    「だから!別にあたしはさみしくないってば!
     今までだって一人で・・!」
    そう叫ぶリナを。
    そのまま、つよく小さな体を抱きしめる。
    「―絶対にまた来るから。」
    「・・・・・・・・・・・・・・・うん・・・。
    強く抱きしめられて。
    か弱くつぶやくリナ。
    彼がいたから。
    両親の姿が見えなくなっても。
    今まで頑張ってこられた。
    言わなくても、なんでか毎日会いにきてくれていたから。
    それが。
    しばらくこれなくなった。
    そう聞いただけで。
    ―また、大切なものがなくなってくの?
    その感覚にリナは捕らわれたのだ。
    そんなリナの小さな頭をなでつつ。
    「とりあえず、3日間は。
      リナとずっとここにいるからな。その間の穴埋めにv」
    「本当!?約束だよ!?」
    その言葉に。
    目を輝かせて喜ぶリナ。
    今ないた子供が何とやら・・・・。
    見ていてあきない。
    その表情の変化も。
    その全ても―何もかもが愛しい。
    

    
    「・・・・・・ガウリイさん、何処にいったんでしょうか?」
    王宮から依頼があったのは、知っている。
    そう父から聞かされたから。
    「・・・・ガウリイ様が買われた、馬も見当たりませんし・・。」
    あのガウリイが。
    依頼を受けて、すぐに出発しなかった。
    というのは、驚きと共に。
    あっというまに兵士達や王室の中にも伝わっている。
    いつも、ガウリイは、後でもいい。
    というのにもかかわらず。
    まるで死に場所を求めるかのように。
    止めるのも聞かずに出発していたのである。
    それを聞いて。
    すぐさま、ガウリイの家にと駆けつけるが。
    そこは、すでに誰もいなく。
    「きっと、ガウリイさんの想い人の所ですよ!
      ああ・・・・。あのガウリイさんに感情を取り戻させた人って。
       一体どんな人なんでしょうか?(はあと)」
    そういって、うっとりしているアメリア。
    「・・・・・やっぱり・・そうなんですかね・・・。」
    いくら、自分がガウリイを想っても。
    振り向いてもらえないというのは。
    やはり寂しい。
    でも、それでも、友人として付き合ってくれるだけでましと思わないといけないと。
    シルフィールはよく理解している。
    ―自分では、ガウリイ様の心の隙間を埋められないから。
    そう何となく漠然と感じ取れるから、よけいに。
    「何でも、ガウリイさん、町の北の方によく出かける。
     という情報がありますし。」
    アメリアの情報に。
    「・・・・・北・・・ですか?」
    そう聞いて、少し顔をしかめる。
    少し離れて、町から数日いったところにあるという。
    迷いの森。
    そこは、今では『ギアナの森』と呼ばれている場所がある。
    噂では、そこには、人の命を食べる魔女が住んでいるとか。
    噂でなく、実際に、その森に、ギアナが繁殖しているという事実。
    肉食獣、ギアナ。
    並大抵の剣などでは太刀打ちできないその皮膚の硬さ。
    その生えた二本の角と。
    その裂けた口に無数にと生えそろう尖った歯。
    かなり凶暴で、普通の剣士などでは太刀打ちができない、その獣が、
    繁殖している森―。
    「・・・あの辺りには・・村は一つしかないですけど・・・。」
    北にある人が住んでいる場所は一箇所だけ。
    それも、ギアナの森の近くに。
    あまり、いい噂は聞かない。
    その村に関しても。
    曰く、若い女達を自分たちの身を守るために。
    盗賊に売り渡して、村を守っているとかという噂もある。
    事実、ぼろぼろになって、発見された若い女性は少なくない。
    だが、どうみても、人の手によるものであるのと。
    どう見ても、乱暴を受けていた痕跡があるにも関らずに。
    『魔女の仕業だ』と言い切る村人達。
    幾度、調査隊を差し向けようと、証拠が出ないために。
    その村人達を裁くことができない今の現状。
    どうも、村全体でそういうことに関っているような感じではある。
    そう、掴んではいるものの。
    「とりあえず、調べてみませんか?」
    そのシルフィールの言葉に。
    「そうですね・・。」
    そういいかけるその言葉を。
    「それだけは止めておけ。あの村には近づくな。」
    そんな二人の背後から。
    聞き覚えのある声がする。
    「あ!ゼルガディスさん!」
    目を輝かせるアメリア。
    血脈を守るために、生まれたときからの婚約者。
    普通の一般の兵士として働いているその彼は。
    実は、オーディル王国の血を引いている。
    それが表に出ないのは、庶子であるから。
    先代の国王が民家の娘に手を出して。
    そして、生まれたのが、ゼルガディスの母。
    アメリアが生まれたときに。
    このオーディル王家の血筋を守るためにと。
    家が勝手に定めた関係であるのだが。
    本人たちは、そんな思惑とは関係なく。
    確実に、真実の愛をはぐくんでいっている。
    「どうやら、あの村は、きな臭い。・・・・何か匂いがする。」
    『?????匂い?』
    「ああ。匂いだ。・・・・何かあるぞ。近いうちに・・。」
    この感は。
    血がなせるものなのか。
    この手の感は、はっきりいって外れたことがない。
    「・・・・一体、何があるというんでしょうか・・・・。」
    空を見上げて、アメリアはつぶやくが。
    その問いに誰も答えれるはずはなかった。



   
    「へっへっへっ・・・・。これは・・・・上玉・・・だな。」
    舌を嘗め回すいやらしい目をしている男が数名。
    「でしょう?ギアナの森の入り口付近で見つけましてね。
      なぁに、あの森に言ったが最後。
       いつものように、魔女の仕業とすればいいことですよ。
        これは、いつもの通りに・・。」
    「いや!離してぇぇ!」
    わめくうら若い女性に。
    「よくわかった。・・・・・村長によろしくな。
      へっへっへっ。来な。お前は今から俺達の慰みものだ。」
    「・・・・・・・・・!!!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
    わめく女性を抱えて。
    下卑た笑いをしつつ。
    笑いつつ、立ち去ってゆく男達。
    さて。
    金貨を受け取り、ほくほくしている、男性は。
    「・・・・あの娘から聞いたことで・・。
      どうやら、ダブルで金儲けが出来そうだな。」
    にやり。
    思わずほくそえむ。
    ―それは、偶然。
    偶然に、ある廃屋の近くを通りかかったときに聞いた話し。
    ――栗色の魔女と呼ばれるものに、かなりの大金がかけられている。
    ・・・・と。
    今までの経験から、ギアナの森から無事に出てこれた子供や、
    女性などは。
    まず、ギアナの魔女に助けられているのが殆どといっても過言でない。
    安心させて―あの女から話しを聞きだした。
    すると、どうやら、ギアナの魔女も栗色の髪をしているらしい。
    まあ、まだ幼い子供であるという話しだが。
    そんなことは。
    彼にとってはどうでもいいことなのである。
    「さて・・・・・。問題は、どうやって、あの森から。
      ギアナの魔女を連れ出すか・・・だな。」
    あんな森に入ってゆけば。
    命がいくらあっても足りないから。
    「・・・・うまく、陽動するか。」
    そういって。
    にやりと、何かを思いついたようにと一人ほくそえんでゆく。





    「・・・・・・・・・・・・いっちゃった・・・。」
    ガウリイがしばらく、これないといった期限は。
    十日間。
    それが、無償に寂しい。
    今までは、一人が普通だったが。
    今は、毎日のようにガウリイが来てくれるので。
    それが普通になっていた。
    何か、ガウリイの隣にいると、心地よくて。
    それでいてくすぐったくて。
    リナは、この感情を知らない。
    しばらく、何もする気になれずに。
    ただ、ぼーと。
    空を眺める。
    「・・・・・あ、ガウリイの瞳と同じいろだ・・・・・。」
    ガウリイから貰った服を着て。
    ぼんやりと空を見上げる。



    その夜。
    ゴォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!
    「・・・・・・何!?」
    いきなり、湖の水が赤く染まってゆく。
    何事かと思い。
    湖のそこの家から外に出ると。
    目の前を炎が覆っている。

    そして。
    聞こえてくる声。
    『魔女を殺せ!生け捕りにしろ!』
    ワー!
    数名の男達の声。
    何が起こったのかは、理解ができない。
    ―が。
    「・・・・・・は!花畑!」
    リナの家族の墓を作っている場所が心配である。
    リナの力で、消化は出来るのか。
    そんなことは試したことがないが。
    それでも。
    やってみないことには分からない。
    「フリーズ!」
    叫びつつ。
    その手から、氷の粒を出現させて。
    走ってゆくその先にと向けてゆく。
    そして。
    炎から逃れる森に住む動物たちに。
    「逃げて!!!早く!!」
    リナが叫ぶと同時に。
    飛べるものは、空高く舞い上がり。
    そして。
    走れるものは。
    リナが氷で閉ざした炎が届いていないその道を選んで。
    走ってゆく。
    
    炎は瞬く間に。
    森、全体を包み込んでゆく。



    決起は、単純であった。
    ただ、とある男が売り渡したあの女が。
    近くの町の領主の娘であっただけのこと。
    それゆえに。
    魔女に殺されたと、激怒した領主が。
    村に魔女討伐の命を出したのである。
    森を焼き払っても構わない・・・と。
    

   
    
    やがて。
    炎に包まれつつも。
    まだ炎に巻かれていない、小さな花畑にたどり着く。
    「・・・・ここだけは・・・絶対に燃やさせない!」
    リナと、両親たちの。
    思い出の場所でもあり・・・・家族が眠っているこの場所だけは。
    ぎゅ。
    そこに建っている、ガウリイが建ててくれた、両親の墓石の前に。
    座り込む。
    「・・・お願い・・・・・・ここを・・・・炎から守って!」
    リナが祈りのポーズをとり。
    腕を組み合わせて。
    その場に座り込んでしばらくすると。
    やがて。
    リナの小さな体から、ほのかな光が満ちてくる。
    ―こんなことはやったことがない。
    どこまで出来るか・・わからないけど。
    見れば、周りには、逃げ遅れた森に住んでいた小動物たち。
    ・・・・・・・・ここは、あたしが産まれた森なんだから。
    リナのその祈りにあわせるかのように。
    花畑を淡い朱金色の光が多い尽くしてゆく。
    まるで、花畑を覆うように。
    小さな球体をとるかのごとくに。





    「おおおおおい!いたぞぉぉぉぉ!!!」
    焼け落ちたはずの森の一角に。
    そこにあるのは、不似合いなちょっとした湖と。
    そして・・・。
    なぜか光に包まれている花畑。
    炎が消えると同時に、その光も収まり。
    焼け跡に、ぽっかりと、あまりに不自然に残っている花畑一つ。
    『ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!』
    ざざ!
    その花畑にいた小動物たちが、一斉に。
    近寄ってきた大人たちを威嚇する。
    まるで何かを守るかのように。
    その彼らの中心に見えるのは。
    横たわっている、栗色の髪の少女。
    歳のころならば、八歳程度であろうが。
    今は、そんなことはどうでもいい。
    リナは、使い慣れない力を使って。
    気絶してしまっているのである。
    そんなリナを守り、狐やウサギ、リスなどといった動物たちは。
    リナを取り囲んで守っているのだが。
    だが。
    「栗色の髪・・・間違いない!ギアナの魔女がいたぞぉ!」
    『おおおおおおおおお!!』
    その一人の男の声をかわきりに。
    手に弓や槍などを持って武装している村人達の姿。
    「油断するなよ!子供の姿をしていても、魔女には代わりないぞ!」
    そういって。
    気絶しているリナを。
    そのまま。
    ぐるぐるにと縛り上げ。
    担ぎ上げ。
    一人の少女を大の大人がよってたかって。
    引き連れて、その場を立ち去ってゆく―。


    

    「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
    目が覚めると。知らない場所。
    手と体に掛けられている縄で。
    人間が襲ってきたのだと理解する。
    とりあえず。
    動けないのは、嫌だから。
    「ウィン。」
    そう小さくつぶやく。
    その刹那。
    シュパっ!
    音を立てて、リナを縛っていた縄が切れる。
    「・・・・・・ふん、まさか、ギアナの魔女がこんな子供だとはな・・。」
    そういって、入ってくる、少し年をとった男性一人。
    「・・・・・・・・。」
    その視線にいやなものを感じて。
    視線をそらす。
    「ふむ。まあいい。どうせ、お前さんは、殺される。
      ―だが、わし等とて、非道じゃないからな。
        お前さんを助けてやろう。
         お前さんは、わし等の村を守ってくれるために。
           ある人達の所にといってもらうからな。」
    そういって、にやりと笑う。
    ―この村が、戦火に飲み込まれずに、
    こんな小さな村が助かっているのは。
    一重に、この村がとある夜盗達と手を組んでいるからに他ならない。
    そして―その交換条件が。
    女を差し出すこと。
    つまりは、生贄みたいなものである。
    そんな女達の末路を知っていながら。
    今までも。
    ギアナの森にと差し出された生贄全て。
    無事に戻ってきていたというのを隠して。
    その盗賊にと引き渡していたのだから。
    男達に乱暴され、陵辱されまくり、ズタボロにさせられて。
    薬を盛られて、その辺りの原っぱ。
    もしくは、川などにと捨てられているそんな女性たちの姿をみても。
    村の関係者は全て口をそろえて。
    『これは、ギアナの魔女の仕業だ』そう答えているのだ。
    森にギアナが生息し始めた、十年前から。
    確実に増え始めたのが、六、七年ほど前であるが。
    あの森には、昔から少なからずギアナが存在し。
    それゆえに、人は滅多とあの森には近づかなかったのである。
    ・・・・・・感じ悪い。
    同じ、男性なのに。
    どうして、この男の人は。
    あいつみたいでないんだろう?
    そんなことがふと疑問に思えるが。
    「ほら、食事だ。」
    そういって。
    食事を置いて。
    外に出てゆく。
    「・・・・・・駄目だぁ・・。
      この小屋・・・・あの物質が使われてるよぉ・・・・。」
    別に意識して作ったわけではないのであるが。
    リナにとっては、少し困った物質。
    魔力を抑える働きをするその物質が。
    この小屋の外装に使われているものだから。
    リナは、本調子がでない。
    そして。
    視線を食べ物に映す。
    ―が。
    「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すずらんの根っこが入ってる・・・・・。」
    出された全ての食事に。
    かすかながらに微量の毒を感じ取る。
    サバイバルで得た知識。
    それと、動物たちから得ている知識。
    それらによって、リナは毒草の知識と薬草の知識は豊富。
    見ただけでそれを見抜き。
    断固として食事をこぱむリナ。


    それが、数日も続くと・・。
    さすがのリナの体力が尽きて。
    抵抗する力もだんだんと弱くなってゆく・・・・。



    「ほう。これはこれは・・・・結構上物だな・・・・長老?」
    にやり。
    笑みを浮かべるその顔は。
    まるで獲物を見つけた肉食獣の目。
    怪しく光っている。
    「まだこの通り、子供ですから。いかようにも染まりますよ?
     ―見たところ、まだ『女』にもなってないようですし?」
    そういいつつも。
    金貨の入った袋を数個。
    手渡されてほくほく顔の長老と。
    数名の村人達の姿。
    「―ほう。それは、調教のしがいがあるな・・。」
    ぞくり。
    その視線に何かいやな予感がする。
    「い・・・・いや!」
    身じろぐが。
    体に力が入らない。
    ここ3日間。
    何も食べてはいないのだ。
    唯一、口にしたのは、自らが魔法で作り出した・・水のみ。
    ひょい。
    そんなリナを抱え上げ。
    「では、この子は貰ってゆくとしよう。
     ―あとの始末はいつものようにそちらに任せるからな。」
    「ええ。それはもう。」
    い・・・・・いや!
    離して・・・・降ろして!
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガウリイィィィィィ!!!!!


    「五月蝿いがきだ・・。」
    口に何かを含まされて。
    リナの意識は遠のいてゆく・・・・・・・・・。





    「・・・・・・・・・・・・・・!?」
    何かに呼ばれたような気がした。
    あと少しで、これも終わる。
    なぜか。
    戦力が半減したのが数日前。
    ここぞとばかりに、奇襲をかけて。
    隠れアジトは壊滅させた。
    あとの処理は上がやること。
    「・・・・・・・後は頼む!」
    ばっ!
    そう叫んで。
    今だに転がる死体の中で。
    馬に飛び乗り、そう叫んで。
    手綱をとって、駆け出すガウリイ。


    ・・・・・いやな、胸騒ぎがする。
    ―――――――――リナ!!!!



    ガウリイの今いる場所からは。
    到底数日はかかるであろう。
    その距離を。
    まるで鬼人のごとくに、馬の手綱を取り、駆けてゆくガウリイの姿が。



    ちょうど。
    リナが夜盗に手渡されたその瞬間に。
    数キロ以上、放れているその場所で。
    みられていた。



    心が締め付けられる。
    ――確かに。
    リナが俺を呼ぶ声がした・・・・・・・。


    気が気でなく。
    ただがむしゃらにガウリイは駆けてゆく・・・・・・・。


                                    -続くー

#####################################


    あとがきもどき:
        さあ!ガウリイは間に合うのか!?
        まだリナは八歳にもならないのに手を出すのか!?
       夜盗達ぃぃぃい!(絶叫!)
       ・・・・・・・次回。
       リナ、かなりピンチです・・。
       ・・・・でも、リナを助けてくれた女性達の方が哀れかも・・・(涙)
       すいません・・・すいません・・・。ごめんなさい・・・・。

 


TOP
    BACK    NEXT
  
一覧1     一覧2    小説TOP
長編リスト  中編リスト  短編リスト