まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
登場人物:リナ=インバース
           正式名称:リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメア
            参考:深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお深き存在
               混沌を抱擁する存在 母なる海の妹にして
               この世界の海を創造せし存在
               『深淵なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)』
               金色の王の妹。この世界の混沌そのもの。
          登場人物名前:ガウリイ=ガブリエフ
            正式名称:ガウリイ=ガブリエル
                (ガウリイ=ナファレス=ナイト=ロード)←後々に(笑)
              参考:リナを心配した(孤独をみた)
                 エル様と、ルナが、リナを思ってたら、
                 その思いの反動で、生まれでた魂。
            おまけ?設定:
               エリアンヌ(エリー):リナとガウリイの長女(妹)
                (リナにくりそつ・・爆!)
                  正式名称:エリアンヌ=ドナ=ラビスティア=ナイトメア。
               カウリイ:リナとガウリイの長男(兄)
                (ガウリイにくりそつ・・爆!)二卵性の双子です(笑)
                 正式名称: カウリイ=ウル=ユリティス=ナイトメア。
               リナス:エリーとカウリイの妹
                  (両親を助けるために、未来からやってきてます・笑)
                   リナ譲りの栗色の髪に、瞳の色は、ガウリイ譲り。
                   性格は・・リナそっくりです(笑)
                   正式名称:リナスレイヤー=トゥェル=ウル=ナイトメア。
              登場人物名前:ルナ=インバース
                正式名称:ルナティック=スィーフィード
                  参考:深遠の真の王の補佐官&側近。
                     この世界に命が誕生した際に、
                     金色の母が、リナにお祝いとして、与えた存在
                     (とゆーか、それように、創り出した)
                『深淵の補佐官(アビス・ラズ・ポート)』
            別名、『紫蒼の朱玉(パール・レッド・ラズリ)』

         
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

   こんにちわ。
   ということで(だから何が?)
   今回は、『赤の竜神(フレアドラゴン)』誕生です。



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エデンの園  ~第29話~

『う・・・・ううん・・・・。』
     ふと、気がついた。
     どうやら、三人とも、何らかの形で気を失っていたらしい。
     頭をふりかぶりつつ。
     起き上がる。
     その視線の先は。
     どこか見たことのある部屋の中。
     だが。
     記憶にあるそれより。
     かなり、殺伐とした感じがする。
     「・・・・・気がつきましたか?」
     その紫がかった青い髪。
     蒼い色調の上下に分かれたワンピース。
     ところどころに紫や銀の刺繍が入っている。
     その体にとフィットした服を着こなし。
     その目がかなり赤く腫れているのは。
     気のせいではないであろう。
     その問いかける声も。
     気のせいではなく。
     かすかにかすれている。
     『・・・・・ルナ・・・・さん?』
     目の前に立っているその女性に。
     彼等は覚えがあった。
     リナの―深遠なる真の王(ギラクシーナイトメア)の。
     補佐官である、ルナティック=スィーフィード。
     別名、通り名を。
     『深淵の補佐官(アビス・ラズ・ポート)』
     または、『紫蒼の朱玉(パール・レッド・ラズリ)』とも呼ばれるその彼女。
     体を起こし、起き上がる。
     この場所は、精気に溢れていたはずなのに。
     ここまで寂しいのはどういうわけか。
     「―リナ様の最後の願いです・・・。
       あなたたちの住んでいた星は・・・今、眠りに入りました・・・。」
     淡々とかすれる声で説明するルナの言葉に。
     『な゛!?どういうことですか(だ)!?』
     同時に叫ぶ、アメリア、ゼルガディス、シルフィール。
     今、『最後』と言わなかったか。
     この女性―ルナは。
     果てしなく、不安がよぎる。
     「・・・・・・・リナ様は、そのご自身の力と意識。
      ―深遠なる真の王としてのその御力を。
        完全に封じられました。・・・・それゆえに。
         ・・・リナ様の力は、この世界そのものでもあります。
          そのために、かなりの世界が崩壊しました。」
     かろうじて残ったのは。
     本質を見失わないで。
     どうにか向上を重ねていた存在(もの)たちのみ。
     それでも。
     多々と発展していたこの宇宙の各世界にては。
     その数をもはや、数えるくらいにまでリナが力を閉じたその一瞬に。
     全てが消滅している事実。
     「・・・・・・・それは・・・。」
     ルナの言いたいことは何となく分かる。
     分かるが。
     ―では、なぜ。
     自分たちや、ルナ。
     そして、この場所が残っているのかという疑問も起こる。
     が。
     そこまで冷静に判断する力は。
     今のアメリア達三人には残っていない。
     「・・・・でも、リナ様は・・。
      世界を壊すために封印してのではありません・・・。
       あのものを助けるために・・・。
       ・・・・・・リナ様は・・・・世界よりあのガウリイという存在を選んだ・・結果です。」
     ガウリイがいる世界だから。
     これ以上、自分のせいで・・・・傷ついてほしくないから。
     自分の力が一つの原因ならば。
     ―たとえ、何ものにも代えても・・と、リナはガウリイを選んだのだ。
     「・・・・かろうじて、リナ様の力の封印に対して。
      残った世界は数個。リナ様が最後の力で。
       あなた方の星も閉ざされました・・。
        ・・・・世界が安定するまで。あなた方には、
         しばらくここにいていただきます・・。」
     「・・・・・・・・・・リナさんは・・・・。」
     アメリアの声が力なく問いかける。
     ここに、いれば。
     すくなくとも、リナの気配を感じ取れるはず・・であるはずなのに。
     この・・・・パレスのどこからもリナの気配が感じられないのに。
     果てしなく不安がよぎる。
     目の前で。
     アメリア、シルフィール、ゼルガディスの前で。
     リナが、その身を貫いたのを。
     その目に焼き付けている彼等。
     首を静かに横にふる。
     「―・・・・・・・・時がくるまで・・。
       ・・・・・・・・・二度と、深遠なる真の王(ギラクシーオブナイトメア)様には・・。
        ・・・・お目にかかることは・・・ありません・・・・。」
     そう・・・・二度と。
     いくら、力を封印し。
     そして、普通の存在として。
     ガウリイを守ると誓ったとしても。
     ―ガウリイの性格と、リナの性格からして。
     ・・・・・・・・想いが交錯し、なかなか結ばれないのが目に見えている。
     ―そして・・。
     このたびのことでよくわかったが。
     ・・・・・・・・・リナは、きっと・・・。
     ガウリイが死亡するたびに。
     ・・・・・・・・後を追ってゆくであろう。
     そのたびに、その心に傷をおいつつ。
     その傷の蓄積は・・・・やがては。
     リナの自我、そのものを完全にと崩壊させ。
     閉じているリナ自身、そのものの力である世界そのものたる核たるリナを。
     ―完全に消滅させるには・・・・十分である。
     それを・・・・聞かされたから・・。
     「・・・・あなたたちには、ご紹介します。
       ―リナ様の姉で。この私の創造主。
        リナ様であるこの世界を創りだした御方ー
         『金色の王(ロードオブナイトメア)』様を・・。」
     そういって。
     ルナが後ろを振り向くと。
     
     カツン・・・・。

     辺りを神々しいまでの光に包まれて。
     その存在感だけで圧倒される。
     その感覚は、リナが力を発揮したとき以上。
     比べ物にもならない、その圧倒感。
     床にと響く、靴の音。
     それが、その『女性』が、はいている、かかとの少し高い、靴によるものだと。
     理解するのも出来ないほどに。
     そして。
     見紛うばかりの、その光を放つ中心たる人物は・・。
     床にまで届く、長いストレートの凄烈なる金色の髪。
     そして、完全にと整った、顔立ち。
     その目の色もまた、凄烈なる金色の瞳。
     まず、一目みて。
     一瞬、虚無よりも深い闇にと捕らわれた感覚と。
     それでいて、まるで包み込まれるかのような抱擁力。
     それにもまして―全ての思考を停止させるのには。
     十分過ぎるほどの・・・・表現できないほどの絶世の金色にと輝く美女が。
     そこにはいた。
     見たところ、歳のころは、二十代か、またはその辺りくらいであろう。
     だが、そのまとう雰囲気で『彼女』が人でないことを物語っている。
     

     そして。
     その金色の瞳に憂いを称えて。
     『―我が妹・・・・リロードは自らの力を閉じて。
       精神も力なきそこだけを切り離し。
        ・・あのものと共に生きることを・・・選んだ。
          あのものを守るために・・。
           これ以後、リロードが目覚めるそのときまで。
            ―我がここの管理をする。』
     言い放たれるその声も。
     響くようで、それでいて、威厳があり。
     表現できないほどの威圧感を受ける。
     ―これが・・・。
     リナの姉たる・・・・金色の王・・。
     伝承の中でだけ。
     かつて、彼等は知っていた。
     今は転生しているとはいえ。
     さきほどその事柄を思い出したばかり。
     リナを創りだした。
     深遠なる真の王の上をゆく・・・さらなる崇高なる存在―・・・・・。
     

     言葉を失い。
     いや、言葉にならなかった。
     何をいっても。
     表現するにも。
     何も考えられなかったのだから。
     

     『・・・・・汝たちは、リナの唯一の友人たち。
       それゆえに―汝たちがいたあの星は。
         リナの力の封印による消失を・・・リナの最後の力で免れた・・。
          といっても・・。
           あの世界のもはや、神と魔は・・・消滅してしまっているがな・・。』


     そういって。
     ふわ。
     その金色にと輝く、透き通る白い肌を前にと向ける。
     ヴン・・・。
     そこに映し出されたのは。
     青く輝く星。
     だが。
     その星全てが、まるで水晶にと覆われるようにと。
     完全に闇の空間の中で。
     タダ、一つだけそこにぽっかりと佇んでいた。


     『―リナの瓦解とともに。命を失った者達以外。
       ・・・そのまま、閉ざされている。
        だが・・見ての通り。・・・・汝たちがいた、場所もまた。
         ・・・被害を受けてないわけではない・・。』


    本当に、ただ。
    闇の空間にその青く輝き、それでいて。
    水晶のようなものに閉ざされている星だけが。
    何もない、深遠の闇の中にとぽっかりと浮かんでいるのである。
    ―そう、何もなかった。
    彼等が見知っていた、月であるその星の上にと回っている、二つの月も。
    そして―。
    彼等が住んでいた太陽系、その太陽すらも・・・・何も・・。
    そんな知識を持っているわけではないが。
    大事になっているのは、何となく瞬時に理解する。
    

    闇にタダ一つ。
    取り残されている・・・・・青い星のみ。




    周りに輝く、星の輝きすら。
    まったく見えずに。
    光の速度からして、見える光はかなり前のものであるにもかかわらず。
    リナが力を閉じたことによって。
    ・・・・光すらも、その力を閉じているのだ。
    

    『―我、自らは世界を創造しない。
      ここで行えば、リナの世界に歪みを生じるからな・・。
       汝たちは・・新たにリナが創りだすつもりでいた・・。
        とある世界に汝たち星を移そう・・・・。』


    そういって。
    次に映し出されたのは。
    小さな光。
    その四つの小さな光。
    『―・・一番、歪みが発生せずに。
      受け入れられるのは、この世界。
       ここは、まだリナが光を統べるものを創りだしてはいなかったからな・・・。』
    そういって映し出すその光の中には。
    確かに。
    他の光は闇と光がバランスよく保たれているにも関らず。
    光はすでにないにも等しく。
    ほとんどその世界は闇一色にと染まっている。
    『この世界の闇を統治する存在は・・。
     リナが直前にと創りだしていた・・・者達の一人。
      赤瞳の魔王(ルビーアイ)レイ=シャブラニグドゥ。
       汝たちは・・・このものの世界に移動してもらおう・・。
        この世界に生命が誕生するまで。
         発展する、約そなた達の時間で・・・百五十億年の年月を要するがな・・。』
     世界は、光と闇の均衡と高めあいによって、発展してゆく。
     リナが彼等・・つまりは、光と闇を任せる存在達を創りだした時点で。
     それ彼らはまた。
     それぞれの世界を任されるべき、その世界にと属性を位置しているのである。
     ゆっくりと。
     今はまだ生み出されて間がなく。
     人の時間率では二十年と少し。
     とはいえ、これは、アメリア達がいた星での時間率。
     この宇宙的な時間率からすると。
     殆ど経過していないに他ならない。
     淡々と語られるその声に。
     迷いはなく。
     すでに決定事項だと物語っている。
     言葉もなく、ただ無言でそこに立っているアメリア達を前に。
     『―それまで、汝たちにも眠りについてもらおう・・。』
     それだけいうと。
    
     ―カッ!!

     アメリア達は、光と共に。
     淡い金色の水晶なような物にと包まれて。
     そして。
     その水晶は。
     ぽっかりと黒い空間にと浮かんでいる。
     その一つの星にと降り立ってゆく・・・・・。





     「・・・・・さて・・・・。まったく・・・・リナは・・・・。」
     リナが本来座っているはずべきの椅子。
     それをなでる。
     そんな彼女の前にひざまづいて。
     「―エル様・・・・・私をシャブラニグドゥの相手として・・。
       あの世界に組み入れてくださいませんか?
        ・・・・・・・・・・ここにいるのは・・・・・・・・私には・・・・・・。」
     誰もいない、この場所。
     ここに一人でいるのはつらすぎる。
     すでに。
     リナが力を閉じた時点で。
     このパレスにいた者達全てが。
     ことごとくに消失している。
     ―今、ここにいるのは。
     『紫蒼の朱玉(パール・レッド・ラズリ)』と『金色の王(ロードオブ゛ナイトメア)』
     この二人の女性のみ・・・・。


     そんなルナを少しみて。
     目を細める。
     「―それは構わないが・・・・忙しくなるぞ?」
     その言葉の意味するところを。
     ルナはよくわかっている。
     これから。
     消滅したとはいえ。
     ゆっくりと。
     時間をかけて。
     新たに世界は誕生してゆく。
     リナが創りだしたシステムによって。
     干渉する力がないから、その発展はかなり遅いが。
     それでも。
     世界がある限り。
     新たに誕生してゆくのである。
     ・・・・・ぎりぎりの所で踏みとどまった、存在達によってだが・・。
     「・・・・何かしてないと・・・。
        ・・・・・・・気が狂いそうなんです・・・・・・・。」
     そういいつつ。
     ぎゅっと手を握り締める。
     ―何もできなかった自分がくやしい。
     ならば。
     少しでも、リナが友として唯一、認めていた彼等―。
     彼等が生活してゆく、その世界を。
     光の存在として見守ることが・・。
     ・・今のルナにできる唯一のことであるようにと思えたのだ。
     ルナには。
     そんなルナの様子をみて、軽く微笑み。
     「―分かったわ。こちらは任せておきなさい。
       ―でも、仕事はきっちりとこっちもやってもらうからねvv(はあと)」
     ふわりと、優しい表情で。
     思いつめたルナにと微笑みかける。
     全てを抱擁する母ならではの顔―。
     その言葉に、ぱっと顔をあげ。
     「あ・・・・ありがとうございます!」
     深く礼をとる。
     「・・・・でも、その姿だと・・・・あいつたちにすぐに知られるわよ?」
     あいつたち。
     それが誰たちを意味しているのか・・・。
     ルナはすぐさま理解した。
     「・・・私も伊達に、エル様に創りだされている存在ではないですから。
       ・・・エル様がリナの代わりに相対する存在として創りだした。
        ―そう説明してもかまいませんか?
         ・・・・・・私は、今から、名前を捨てます。
           あちらの世界での私は・・・・。」
     そういいかけるルナに。
     そっとその口にと指を当て。
     「別に名前を捨てる必要もないわよ。
        ―そうね。赤の竜神(フレアドラゴン)ルナ=スィーフィード。
         属性は暁の光。・・・・それでいいわね?」
     「・・・・・・・・・はい!!!」
     

     そのしばらく後に。
     ルナの姿は。

     少しいや・・見た目、まだ一歳程度の女の子の姿にと。
     変貌してゆく。



     『紫蒼の朱玉(パール・レッド・ラズリ)』としてでなく。
     『赤の竜神(フレアドラゴン)』ルナ=スィーフィードとして。
     怪しまれないように。
     今だに教育課程と、成長過程にある彼等・・・。
     他の七人の光と闇を統治する存在達とともに。
     自分も同じなのだと。
     そう認識させるために。
     


     ルナは、このときから。
     赤の世界。
     赤瞳の魔王(ルビーアイ)と対を成す。
     光の竜神。
     赤の竜神(フレアドラゴン)として。
     もう一つの顔をもち。
     リナがいなくなったそのさみしさを仕事で埋めてゆくように。
     ただ。
     がむしゃらに、気付かれないように、本来の仕事もこなしつつ。
     仕事に没頭してゆく―。




     「・・・・・・・・・・・・・・・一応、エリーに・・・あわせておきますか・・。
       ・・・・・ルナの精神がやばいからね・・・・。」


    流れの中で。
    存在する未来。
    未来と過去、そして現在。
    それらは全て繋がっている。
    本来のこのままでゆく時間率。
    そこにまだ陽炎のようであるが。
    確かに存在している未来がある。
    それに繋がるまでの道は―今、始まったばかりではあるが。



    彼女―金色の王は。
    そんな、正常な未来の一つから。
    一人の少女を呼び寄せる。



     エリアンヌ=ドナ=ラビスティア=ナイトメア。
     人としての名前を、エリアンヌ=ドナ=ガブリエフ。


      幸せになりえる未来の果てにと。
      誕生する。
      リナとガウリイの双子の妹であり初めての娘―。
      殆ど、リナに瓜二つであるその少女を・・・・・。
   

     この未来の存在を知りえて。
     ルナは、そのときを待ちわびつつ。
     長いときを過ごしてゆく―。
 


                                           -続くー

#####################################


    あとがき:
        薫:さて・・。
           次回で解凍するアメリア達が本来住んでいた世界というか星です。
           ・・・・・・リナとガウリイ。
           転生話に入っていきます・・・・。
           ・・・・・・ちなみに。
           このエデン・・。
           バットですので・・・ご了解を・・(滝汗)
           んではでは・・・・・・・。

 


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