まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
登場人物:リナ=インバース
           正式名称:リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメア
            参考:深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお深き存在
               混沌を抱擁する存在 母なる海の妹にして
               この世界の海を創造せし存在
               『深淵なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)』
               金色の王の妹。この世界の混沌そのもの。
          登場人物名前:ガウリイ=ガブリエフ
            正式名称:ガウリイ=ガブリエル
                (ガウリイ=ナファレス=ナイト=ロード)←後々に(笑)
              参考:リナを心配した(孤独をみた)
                 エル様と、ルナが、リナを思ってたら、
                 その思いの反動で、生まれでた魂。
            おまけ?設定:
               エリアンヌ(エリー):リナとガウリイの長女(妹)
                (リナにくりそつ・・爆!)
               カウリイ:リナとガウリイの長男(兄)
                (ガウリイにくりそつ・・爆!)二卵性の双子です(笑)
               リナス:エリーとカウリイの妹
                  (両親を助けるために、未来からやってきてます・笑)
                   リナ譲りの栗色の髪に、瞳の色は、ガウリイ譲り。
                   性格は・・リナそっくりです(笑)
              登場人物名前:ルナ=インバース
                正式名称:ルナティック=スィーフィード
                  参考:深遠の真の王の補佐官&側近。
                     この世界に命が誕生した際に、
                     金色の母が、リナにお祝いとして、与えた存在
                     (とゆーか、それように、創り出した)
    
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

   はぁぁぁぃv
   ちなみに。
   この当時。ガウリイ=ガブリエル、二十ニ歳。
   ゼルガディス=グレイワーズ。二十二歳。
   アメリア=ウィル=ラナ=セイルーン。十八ですvv
   ちなみにいうと。
   シルフィール=ドナ=ネルス。二十一・・・・。(暴露!)

   フィリオネル=フォン=ウル=セイルーン。
   ぎゃぁぁぁあ!
   何と!
   あの!フィルさんがナーガの息子ですぅぅぅぅ!!!(滝汗!)
   え?ナーガの相手?
   ・・・・・面倒なので考えてません!(こらまて!)



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エデンの園  ~第28話~

「おまちなさい!悪に手を貸す愚かな者達よ!
    このアメリアが来たからには、好き勝手はさせないわ!」
   ガウリイとゼルが酒場から出て。
   今だに町にとたむろしている敵対する国などが作り出した兵器。
   ―生体兵器(バイオ・ウェポン)達に向かって。
   斜め向こうの一番高いつくりのその屋根の上から。
   月影を背にして。
   高らかに言い放っている一人の少女。
   そんな言葉に思わず頭を抑えている黒い髪の男性。
   その艶やかな髪がつき明かりにと怪しく艶やかに光っている。
   そして。
   「ガウリイ様ぁぁぁぁ~!!(はあと)」
   元気のいい、女性の声。
   いいつつも。
   バシュ!
   光の柱が当たりに炸裂し。
   その周りの異形の者達が消滅していっているのはどういうわけか。
   とう!
   屋根の上から飛び降りる、肩の辺りで髪を切りそろえている黒髪の少女。
   「・・・はぁ・・・。」
   すたすたすた。
   まるで分かっているかのように。
   ある程度その家から少し離れた所で立ち止まり。
   すと。
   くるり。
   飛び降りてくる少女を抱きとめて。
   きちんと大地に足を付けさしているゼルガディス。
   「ああ!ゼルガディスさん!ありがとうございます!」
   にっこりとそんな自分を支えてくれたゼルガディスに微笑んでいるのは。
   この国の第二皇女。
   アメリア=ウィル=ラナ=セイルーン。
   そして。
   もう一人は。
   「ガウリイ様!また、ウェポンたちが!」
   ぱたぱたと、巫女の服をなびかせて。
   走ってくるのは。
   やはり、セイルーン王室お抱えの巫女である、女性。
   その長く黒い髪が似合っている女性である。
   名前をシルフィール=ドナ=ネレス。
   副巫女頭を務めている。
   ちなみに、巫女頭はアメリアである。
   ふと。
   シルフィールの視界に。
   栗色の毛並みが映り込むが。
   それはすぐに辺りの物陰にと隠れて行く。
   ・・・・あら?
   ・・・・また・・・あの子猫?
   その毛並みの色がかなり珍しく。
   よく見たことのあるシルフィール。
   いつも、必ずガウリイの周りにといるその子猫。
   ガウリイの側にいるときには。
   絶対に視界の中には入ってこないが。
   ガウリイから離れていると。
   まるでいつも見守るようにと側にいるその子猫のその特徴ある毛並みが。
   「とりあえず!ここで戦っては、町に被害がでます!」
   『ギャギ゛ャギ゛ヤ!』
   すでに、一番排除すべき敵を認識して。
   ガウリイ達の半径一キロ以内に集結し始めている生体兵器(バイオ・ウェポン)達。
   その材質というか材料はかつて人であったものや。
   子供であったもの。
   または犬、猫といった小動物。
   様々であるが。
   この兵器の特徴は―。
   自我を崩壊させて。
   ただ、破壊のためだけにと生きることを刻み付けられた―人工的な生命に過ぎない。
   そして。
   崩壊したその自我は。
   それに合成された魔の力となり。
   二度と復活することはない。

   すでにここ数年、ずっと続いている絶え間ない戦い。
   そんな中で人々や生きている存在達は。
   神に祈ることを忘れー・・。
   また、魔と神も。
   そんな存在達の思いに捕らわれて。
   狂いはじめている。
   すでにその凛変は見え隠れしている。
   上層部の方はリナが定めている通り。
   自らを高めるために純粋に戦いを行っているのであるが。
   すでに、下の方からは。
   互いの足を引っ張る戦いにと形勢が変化しているこの事実。
   それに漬け込んで・・というか。
   リナに反旗を翻している存在達が。
   こぞって、もぐりこみ、介入している結果。
   数多とある世界の大半が。
   その目論見の通りに、すでに腐敗を始めていたりする。
   水面下その奥深くで。
   

   「そうだな。アメリア!頼む!」
   「はい!任せてください!ゼルガディスさん!
    シルフィールさん!援護をお願いします!」
   「はい!アメリアさん!」
   歳が近いせいか。
   というかアメリアの姉とシルフィールが同い年であるせいか。
   かなり仲のいいアメリアとシルフィール。
   その姉であるグレイシアは。
   只今病の床についている父親の面倒をみつつ。
   ようやく一歳になったばかりの息子の面倒をみつつ。
   外交などに負われている。
   大概、その外交の席で。
   相手が言いくるめられているのはさすがであるが・・。
   グレイシアの一人息子であり、この王国。
   セイルーン王国の正統なる跡継ぎ。
   フィリオネル=フォン=ウル=セイルーン。
   すでに、その父親は。
   その自信の身をもって。
   この国の結界を強化するために。
   その身を捧げ。
   その命を落としたのは。
   まだ王子が誕生する少し前のこと。
   アメリアの呼びかけに伴って。
   シルフィールもまた。
   アメリアの横で呪文を唱え始める。
   そして。
   「我、セイルーンの血脈の元!我の望みいる場所にと!!」
   『聖壁瞬移動(ホーリィ・フェイス)!!!』
   アメリアの混沌の言葉(カオス・ワーズ)力ある言葉と。
   その要の言葉が発せられてゆく。


   ――カッ!!!!


   アメリアとシルフィールの言葉に応じて。
   アメリア達の周りから淡い白い光が周りを多い尽くしてゆく。


   次の瞬間には。


    シュン!!!



   アメリア達は。
   生体兵器(バイオ・ウェポン)達全てと共に。
   町からかなり離れた開けた空間。
   広い原っぱにと出現してゆく。



   これは、瞬間移動の応用で。
   特定のものをつれて。
   その力量に応じて、周りにいる指定した全ての形あるものであれば。
   一緒に同じく移動できるという術。
   かなり、一歩使い方を間違えれば危険な技にもなりかねないので。
   王族にしか伝わっていない術。
   いわゆる、神魔融合呪文なのであるが。
   

   一年と少し前。
   とある事件をきっかけに。
   そして、半年ばかり前に。
   ようやく恋人未満友達以上にと発展し。
   一応、周りから公認とされている、アメリアとゼルガディス。
   この二人。
   そして。
   その事件をきっかけに。
   ガウリイもまた王室にと出入りをすることが度々となっている。
   というのも、剣術指南役として。
   剣士のうちでは、ガウリイはかなり力ある人物として。
   一目置かれているのだが。
   そのために。
   将来を約束されたも同然と。
   群がってくる女達も数が知れない。
   本人がまったくなびかないので余慶に女達はやっきになる。
   だが。
   さすがにしつこく付きまとっていた数名の女性たちは・・・。
   しらないうちにと行方不明となっている現実がある。
   それは。
   何を考えたのか。
   ガウリイを狙ってもリナがことごとくに先に仕置きしているので。
   周りにいる人物で八つ当たりをしよう。
   という、ガウリイの命を狙う輩の仕業なのであるが・・・。
   一応、リナは危なそうなので。
   あまりガウリイには近づかないように。
   と、猫の姿でなく。
   彼女達の夢の中で、その人としての姿で。
   語りかけてはいるのであるが・。
   それは余計に女達を奮起させている結果となっている今の現状。
   

   だが、それでも。
   やはり、この半年ばかりで。
   かなりのガウリイを狙っていた女性たちが。
   ことごとく。
   しかも。
   目撃者のある目の前などから掻き消えていたりするのだからして・・。
   さすがに恐怖を感じたのか。
   あまり、ミーハーな女性たちは最近はあまり近づかなくなってきている。
   それでも。
   そのミステリアスのところがいい!
   といって言い寄ってきている女性もかなりの数であるのだが・・・。



   「サンキュ。アメリア。シルフィール。
    さて・・・・・・出てきたらどうだ!?アザチェス!!!!」
   いきなり。
   ガウリイが剣を鞘にと収め。
   何もない虚空を見つめ、叫びだす。
   『ガウリイ(さん)(様)??』
   ガウリイは気付いていたのだ。
   リナも気付いてなかったその気配に・・・。
   だからといって。
   街中でそれが出現したら・・・どうなるか。
   いやでも分かる。
   被害は・・・莫大なものになるであろうことも。
   今の自分のこの肉体をもってしての力だと・・。
   かつてのように結界を張ったりすることは。
   殆ど皆無に等しい。
   ・・・精神世界にのみの結界は魂の干渉によるものなので可能だが。
   (―え!?)
   リナがそんなガウリイの様子に。
   その視線の先を見ると・・・・。


   『ほぉぉぉぅ・・・・・気付いていたとは・・・さすがだな・・・・。
    あれでも気付かれてなかったというのに・・・・・・・。』

    ゆら・・・・・・・。


    そこに。
    アメリア達がまったく見たことのない。
    朱金色の髪に漆黒の瞳。
    男とも女ともいえないその容姿。
    見た目はかなり綺麗な人物・・なのであるが。
    そのまとう殺気は並大抵ではない。
    『・・・・ほぉぅ・・・あの四大王国の血縁のものたちも・・同時に転生・・か。
     これはいい・・・。我が取り込み力としよう・・・。』
    くすくすと笑いつつ。
    その白いまでにと輝く手を伸ばす。
    「ガウリイ様!?こいつ・・・何なんですか!?」
    思わずその存在感に圧倒されつつ、叫んでいるシルフィール。
    この感覚には・・・覚えがある・・。
    そう・・・・何度も・・・・。
    「何か・・・・あったこと・・・・が・・・ありま・・・す?」
    アメリアも困惑気味。
    確かに会ったことがある。
    どこかで。
    ―そう、遠い遠いいつかの過去(とき)の中で。
    「ちっ!・・以前にも増して・・・力を・・つけてるな・・・。」
    一目見ただけで。
    睨むその目はそのまままに。
    それを見ていっているガウリイ。
    『―当然であろう?我は―滅ぼされるたびに力を増してゆく・・。
      そう・・そのたびにあれの感情が高ぶるからしてな!
       我が究極の目的のため・・・・貴様には・・我と同化し消滅してもらうぞ!』
    「ミャァァァァァァァァァァァ!!!」
    ダッ!
    キッ!
    猫の姿のまま。
    そんなガウリイとそれの間に立ち塞がる。
    『ほぉぉぅ・・・・。ちょうどいい・・・。まずは・・。』
    その姿に目を細め。
    手を突き出す。
    「・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!リナ!!」
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え????
    ドシュ・・・・・・。
    ・・・・・・ドサリ・・・・。
    鈍いひどくいやな音・・・・。
    「ガウリイ様!?」
    「ガウリイ!?」
    「ガウリイさん!!!!!!?」
    シルフィール、ゼルガディス、アメリアの悲鳴。
    あ・・・・・あ・・・・・。
    「い・・・・・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
     が・・・・・ガウリイイ!」
    カッ!
    まるでスローモーションのように。
    猫である自分の前に立ち塞がり。
    自分に向けられた攻撃をまともに受けたガウリイの体が。
    猫の姿をしているリナの横にと倒れこんでいる様子を。
    リナは目を見開いてみるしかなく。
    ほんの一瞬の出来事。
    叫ぶと同時に。
    光がリナとガウリイを包み込み。
    光が退いたその後に。
    ガウリイを膝の上にと抱きかかえているリナの姿。

    『―え?』
    猫さんが・・人で・・・って・・・・えと・・。
    それに・・・あの姿は・・。
    記憶の端に残っているその姿と。
    その表情・・・・・。
    

    ―パシリ。

    三人の中の枷が。
    その時。
    同時に解き放たれる。

    アメリア、シルフィール、ゼルガディスの脳裏に。
    押し寄せる記憶の波。
    前世の様々な記憶。
  
    『ふふ・・・やはり側にいたな・・・・
     ・・・深遠なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)よ・・。
      どうだ?目の前でそやつがまた傷付けられるのを見た感想は?
       ふふ・・・ふはは!感じるぞ!貴様のその感情!怒り!悲しみ!
        負の感情!それら全てが我の力となる!』
    そう高らかに笑うアザチェスを涙を浮かべ怒りの表情で・・・。
    「な・・・・・で!?何でいつも・・あんたは!!!!!?
     どうしてあたしでなくて!?ガウリイを狙うのよ!!!!!」
    そう叫ぶ声は怒りと涙で震えている。
    どうして・・。
    ・・・どうして・・・・。
    ・・・・・・・・・・・・どうして、あたしのせいで・・・・。
    いつもこいつが・・・・傷つかなきゃいけないの?
    守りたいから・・側にいたのに・・・。
    油断していたつもりはなかった。
    でもまさか。
    攻撃を直前でかわして、たたき戻そうとしていたのが仇となった。
    まさか、ガウリイが、猫である自分を庇ってくるなどとは。
    「・・・り・・・・ナ?怪我・・・は?」
    目を開くと、そこに。
    恋焦がれていた栗色の髪がさらりとガウリイの頬をなでてゆく。
    そこにリナがいるのがうれしくて。
    自分が怪我を負っていることよりも。
    だから。
    「・・・・リナは・・手を・・・出すな・・。」
    「!!ガウリイ!駄目!」
    怪我を負っている体で。
    血を流しつつ。
    それでも起き上がり、アザチェスに向かっていこうとするガウリイに。
    リナは必死で静止をかけるためにと抱きついてゆく。
    「あ・・アメリア!シルフィール!ガウリイを・・止めてぇぇぇ!」
    リナの悲鳴に近い叫び。
    抱きつくリナを振り切ってでも。
    アザチェスを今度こそ。
    リナに害をなさないように消滅させるためにと。
    ガウリイはその自らの身を捨てても。
    その覚悟は出来ている。
    それは全て。
    リナの笑顔を見守りたいから―。
    ―そのために、たとえ、自分が・・・消滅しようとも・・・・。
    絶対に譲れない、その願い。
    ガウリイは、リナを傷つけようとする輩は。
    何人とて許せないのである。
    「や・・・・い・・・や・・いやよぉぉぉぉ!
      また・・・あんな・・・・あの時見たいに・・・傷を負ったら・・・。
        あんった・・今度こそそ!」
    その声に嗚咽が混じる。
    そんなリナをみて。
    にやりと笑い。
    『・・・・いいことを教えてやろう・・。
      ギャラクシーオブナイトメアよ・・・・。
        貴様がそうそのもの・・ガウリイ=ガブリエルを気にかけるたびに・・。
          その感情が強ければ強いほどに・・我の力は強くなる。
           我は貴様とそのもによって生まれた存在であるがゆえにな。』
    リナの心の悲鳴は。
    それ即ち。
    直接アザチェスの力となってゆく。
    そして、それに比例するかのように。
    リナには手出しできずとも―。
    かつて、ガウリイがかけた術を転じて・・・。
    『だから・・・・貴様のおかげで・・こういうこともできる。』
    ゴブッ!
    立ち上がり、必死でリナに言われて。
    止めに入っているシルフィール、アメリア、ゼルガディス、リナの前で。
    ガウリイが大量に血を吐いてゆく。
    ―血と魂を構成している・・精神の一部すらも。
    「ガウリイ!」
    「・・・・大丈夫だ・・・・。あいつとの決着は・・つけないといけないんだよ・・。
      俺の・・手で・・・な・・・。」
    悲鳴を上げるリナ。
    何か・・何かできることはないの?
    ただただ思考だけが空回りする。
    そんなリナに笑みを浮かべるガウリイ。
    その笑みは、愛するものにと向けられた笑み。
    その表情は。
    アメリア達はリナの前でしかガウリイのその表情を見たことがない。
    きっ!
    「駄目です!ガウリイさん!
     あまり無理したら!それこそリナさんに嫌われますよ!」
    「そうですわ!ガウリイ様!折角リナさんに会うことができたのでしょう!?」
    「・・・・って・・・・あんた・・・達?」
    そう叫ぶアメリアとシルフィールの言葉で。
    ようやくリナはアメリア達が自分のことを思い出しているのに気づく。
    それほどまでに、リナはかなり混乱しているのであるが。
    そのことにすら気付くこともできないほどにかなり混乱しているリナ。
    「―俺は大丈夫だから・・・だから・・泣くな。」
    ぽん。
    リナの頭に手を置いて。
    それでも、回復する間もなく、内部からアザチェスが。
    ガウリイにと攻撃を仕掛けているので。
    一向にと治る気配を見せない。
    ガウリイが以前アザチェスにかけた、術の応用。
    そのつながりを利用して、逆に。
    アザチェスからガウリイに攻撃ができるのである。
    ―リナの感情が爆発すればするほどに。
    それは、アザチェスにとって用意なことでしか他ならない。
    『ふはは・・・。我に消化される覚悟が・・できたようだな・・。
      ガウリイ=ガブリエルよ・・。
       深遠なる真の王よ・・・。目の前でこやつが我と同化する様を!
        何もできずにみているがいい!
          そして・・その次は・・貴様を!この世界そのものを全て無に!』
    ・・・・・・ガウリイが・・・・いなくなる?
    ・・・・・・・・・・・・・・・・そんなの・・・・・・・・・・いや!
    ・・・・・・・・・・どんなことをしても守ってみせる・・・・。
    こいつだけは・・・・・。
    たとえ・・・・・・・・・何と引き換えにしようとも・・・・こいつ・・・・だけ・・・・は。
    高らかに笑うアザチェス。
    『アビススレイブ!!!』
    ドゴガァァァァン!

    その間に唱えていたトリプル攻撃がアザチェスを直撃するが。
    「・・・・ええん・・聞きませぇぇぇん(涙)」
    「そんな!?リナさんの力を借りた術でも駄目なんて!?」
    「・・・・くそ!ガウリイ!早まるな!」
    隙をみて攻撃を仕掛けたアメリア、シルフィール、ゼルガディスであるが。
    アザチェスには傷一つ付けられないのを見て取り。
    冷や汗を流す。
    ふと。
    「・・・・・・・・・・わがまま・・・・ゆるして・・・・・くれる?」
    そういって。
    リナがふと、足を進める。
    「・・・・リナ?」
    そんなリナに気付き。
    疑問の声を上げるガウリイ。
    ・・・・・ぐぃ!
    いきなりのことでガウリイは目を丸くする。
    リナはガウリイの襟首を掴んで。
    自分の顔にと引き寄せて。
    そのガウリイの唇に。
    軽く自分の唇を押し当てる。
    ゆっくりと離れるリナとガウリイ。
    「リ・・・・ナ?」
    直後鋭い睡魔がガウリイを襲い来る。
    「・・・・あんただけは・・・・・絶対に・・・・守ってみせる・・・・。」
    そういって。
    力が抜けてゆくのをかろうじて根性で押し留めているガウリイから。
    そっと。
    何かを覚悟したようなそんな表情で。
    アザチェスの方にとゆっくりと歩いてゆくリナ。
    『―ほう・・・・しかし・・・・分かっているであろう?
     もう・・貴様にも?・・・貴様が我を滅ぼしても・・・我は消滅はせん。
      貴様のその力と貴様たちの感情がある限りな!
       それでも・・・・また同じことを永遠に繰り返すつもりか?』
    目の前にと立ち塞がるリナをみて。
    にやにやと笑っているアザチェス。
    「―終わりにするわよ・・・・。」
    ふわっ。
    そういって。
    リナは、その手に、鎌を出現させてゆく。
    銀色の縁取りに。
    金の細工。
    その鎌を。
    ゆら・・・。
    形状を変えて。
    長剣の形と変化させる。
    リナ、愛用の武器。
    『ほう・・・・それで我が倒せると・・・でも?』
    完全に勝利を確信しているアザチェス。
    今ここでリナがまた再び彼を消滅させても。
    幾度でも再生できるのだ。
    ―リナがリナである限り。
    深遠なる真の王が、その力の本質に気付かない・・。
    つまりは、その感情から生ずる歪みの力ゆえに・・・。
    「・・・・・ええ。倒せるわよ・・・。
      言ったわよね?あなた・・・・・私の力がある限り。
        何度でもよみがえるって・・・・・・だから・・・・こうするのよ!」



    くる。
    その手にした、剣の向きを変えて。
    くるり。




    ドシュ!!!!!!!!





    鈍い音が全ての世界というか、リナの内部そのものに。
    響き渡ってゆくのは。
    気のせいでは・・・・なく。




    「リ・・・・・・・リナぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
    ガウリイの叫ぶ声に。
    「リナ(さん)!!!!!?」
    驚愕の声を上げるアメリア達三人。



    ゴゥゥゥゥゥゥゥ!!!!




    空気が振動する。
    まるで一気に礎を失って瓦解するかのごとくに。



    『ま・・・き・・・貴様・・・・たかが・・・・一人のために・・。
      世界よりも・・・・そいつを・・・!?』




    ギャァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!




    ゴォォォォ!
    巻き起こる嵐の数々。
    それは、地割れなどにも発生してゆく。




    ・・・・・・・エル姉様・・・・。
    あたしの・・・わがまま・・・・お願・・・・・い・・・・・・・・・・・。





     ・・・・トサ・・・・リ・・・・・・・・・。
    軽く地面に何かが倒れる音。
    わめき叫ぶガウリイ。
    リナの名前を何度も叫びつつ。




    吹き荒れる天候異変と。
    そして。
    リナの世界そのもの。
    内部が一気にと瓦解してゆく。



    リナは、その身を。
    自らの剣で貫いていた。
    普通の武器ではリナに傷を負わすことなど不可能。
    だが―。
    この大鎌は・・・。
    リナの姉である金色の王からの贈り物・・・。
    リナの創造主たる金色の王からの・・・・。



    リナは、その鎌を変形させた長剣で。
    自らを貫くことによって。
    自らの『深遠なる真の王』としての力を。
    ―封じ込めたのである。



    それは―。
    この世界の核ともいえるリナが。
    いなくなったことを意味している―。



    カッ!!!


    刹那。
    世界を金色の淡い光が包み込んでゆく・・・・・・。





    ねえ?
    エル姉様?
    ・・・・何なのかな?この想い?
    あたし・・・・何か変なの・・・。
    世界より・・・役目より・・・・ね?
    それより・・・・あいつに傷ついてほしくないの・・・。
    だから・・・・。
    あたし・・・・。
    今度は・・・あいつの側で・・・・あいつを守っていきたいの・・・・。
    ・・・・いいでしょ?
    人間の魂の期限なんて・・・・すごく短いって・・・エル姉様・・・。
    教えてくれたよね?
    ・・・・だから・・・・・・・・。
    あいつが過ごすこの世界。
    あたしが完全に消滅したら・・・あいつまで消えてしまうから・・・。
    あたしの力を完全に封じ込めるから・・・。
    だから・・・・・・。
    ・・・・・・・・・・それまで・・・・あたしの代わりに・・・この世界を・・・・・。
    ・・・・・・あたし初めてのわがまま・・・お願い・・・・姉様・・・・・。




    薄れ行く意識。
    力を閉じるということ。
    それは。
    リナの自我もまた。
    何の力も持たない普通の魂として。
    力をもった自分の魂の部分は。
    自らのその核の奥深く。
    それに結晶化して封じ込め。
    ―リナは、深い眠りに入ってゆく。




     深遠なる真の王としてでなく。
     今度は。
     お互いに同じ立場で・・・どうしてそういう行動に出るのか。
     自分でも理解できないままに。
     ただ・・・・・。
     ガウリイを守りたい―。
     その純粋なる想いのままに・・・・・・・。



     いつも感じていたリナの抱擁力・・。
     それが瞬く間に掻き消えるのを。
     ガウリイは直感で感じ取る。
     そして。
     リナの力が・・・二分されたのも・・・また・・・。
     リナを構成していたその魂が。
     掻き消えるようにか細い。
     「―くっ!誰が・・・・お前を一人で!!!」
     『ガウリイ(様)(さん)!!!!』
     ドシュ・・・・・。
     カララン・・・・・・・。

     アメリア達が止める間もなく。
     今自分たちの目の前で起こった出来事を理解するのに混乱し。
     リナにわめきながら走りよったガウリイが行った行動。
     それを止めることなど・・・。
     彼等には出来なかった。
     ほんの一瞬の出来事―。



     瞬くまに、赤く染まってゆく大地。
     リナの姿は、揺らめき形を整えていない。
     そんなリナに覆いかぶさるように―。
     ガウリイは、いまだにリナの手にとまだ霧散されずに残っていた剣を取り。
     その刃を―自らの胸にと押し当てていた。




     赤い血と共に。
     リナの姿と。
     剣と。
     ガウリイの姿は。
     まるで闇にと解けこむようにと・・・・掻き消えてゆく・・・・・・。





     『リナ(さん)ガウリイ(様)(さん)』
     叫ぶアメリア、ゼルガディス、シルフィールの悲鳴。



     瞬間。



     ――ピシ。




     世界が一瞬凍りつき。
     次の瞬間には。
     アメアリたちの姿もまた。
     その場所から掻き消えていた。
 

                                        -続くー

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   あとがきもどき:
         薫:・・・・・・・ノーコメントです・・・・。
           次回・・・・エル様・・・登場・・・・。
           ルナがスィーフィードになる下りです・・・(汗)
           リナ、ガウリイを守るために・・。
           自らが抱擁している世界よりも・・・ガウリイを選びました・・・・・。
           それでも・・・・。
           ・・・・・・・・自分のその感情が何なのか・・理解してないリナって(涙)
           理解しましょーよ・・・ほんとーに(涙)

 


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