まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
登場人物:リナ=インバース
正式名称:リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメア
参考:深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお深き存在
混沌を抱擁する存在 母なる海の妹にして
この世界の海を創造せし存在
『深淵なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)』
金色の王の妹。この世界の混沌そのもの。
登場人物名前:ガウリイ=ガブリエフ
正式名称:ガウリイ=ガブリエル
(ガウリイ=ナファレス=ナイト=ロード)←後々に(笑)
参考:リナを心配した(孤独をみた)
エル様と、ルナが、リナを思ってたら、
その思いの反動で、生まれでた魂。
おまけ?設定:
エリアンヌ(エリー):リナとガウリイの長女(妹)
(リナにくりそつ・・爆!)
カウリイ:リナとガウリイの長男(兄)
(ガウリイにくりそつ・・爆!)二卵性の双子です(笑)
リナス:エリーとカウリイの妹
(両親を助けるために、未来からやってきてます・笑)
リナ譲りの栗色の髪に、瞳の色は、ガウリイ譲り。
性格は・・リナそっくりです(笑)
登場人物名前:ルナ=インバース
正式名称:ルナティック=スィーフィード
参考:深遠の真の王の補佐官&側近。
この世界に命が誕生した際に、
金色の母が、リナにお祝いとして、与えた存在
(とゆーか、それように、創り出した)
『深淵の補佐官(アビス・ラズ・ポート)』
別名、『紫蒼の朱玉(パール・レッド・ラズリ)』
更なる裏暴露設定(まて!)
エデン世界
大まかに、四つの大陸に分けられる。
ユグラシドル大陸・オーディル大陸・ジール大陸・
マナ大陸
この世界(リナが抱擁する世界)において、
初めてといっていいほど、命あふれる星。
まだ、ここまで、他の星達は発展してない。
魔王ユージン・神マナティスが治める世界。
ユグラシドル大陸第一皇女:
アメリア=トゥエル=ユグラシドル
オーディル大陸第一王子:
ゼルガディス=マナ=オーディル
ユグラシドル王家巫女頭:
シルフィール=ラナ=サイレス
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こんにちわ♪
ようやく『ルシファーの花嫁』打ち込み終わって完結したのでv
次はこっちを重点的に打ち込むのです!
・・え?
以前にも同じようなことを言ってた?
・・・・・・・ああ!すいません!
ついつい・・・!?
違う話が打ち込みたい病が発生するんです!
ま・・・・何はともあれ・・。
こっちもいい加減に終わらせないと・・。
まだまだ道のりは・・・遠いしなぁ・・・ふっ・・。
んではではvv
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エデンの園 ~第26話~
生活が傍目にも分かるようにガウリイの雰囲気からも何からもが一辺した。
「ただいまぁ!」
元気よく玄関から戻ってくるガウリイに。
「おかえり。ガウリイ。今日はガウリイの好きなピーマンの煮物よ?」
「・・・・・・・・・リナぁぁぁぁぁぁ!
それは、好きでなくて苦手なものじゃないかぁぁ!」
思わず情けない声を上げるガウリイ。
「何いってんのよ!好き嫌いはよくないわよ!
何でも食べないと体・・元通りに回復しないわよ!」
リナの心配ももっともであるのだが。
何しろ。
いきなり、王宮の剣術指南を始めるといって。
今までの裏家業から綺麗さっぱり足を洗っているガウリイ。
リナとしては、それでなくても、ガウリイを狙っているのが。
どうしてまだ存在しているのかは分からないが。
それでなくてもやっかいな相手、アザチェスであるというのがあるからして。
人間の世界の中でも結構危険な仕事をこれ以上続けて欲しくはなかったので。
―ま、ガウリイの人生なんだから好きにすればいいんじゃない?―
と。
賛成をした結果なのであるが。
そんなこんなで数ヶ月。
はっきりいって。
「だぁ!いやだぁ!」
「ほら!文句を言わずにとっとと食べる!」
そういいつつ、スプーンを片手に。
手渡しでガウリイの口に運んでいる様子など・・。
どこからどうみても、新婚さんのじゃれあいでしかない・・・。
そんなリナが隣にいるのがうれしくて。
わざとガウリイはリナを少し困らせるような行動をとっているのであるが。
リナはまったく、そのことすらにも気付いてなかった。
いくら、この世界、そのものともいえる核ともいえるリナ―
―深遠なる闇の王(ギャラクシーオブナイトメア)たるリナであっても。
ガウリイのことに関してだけは。
その本質を視ることができないのであった。
かさり・・・。
「今日は、お昼は何かな?」
指南の練習中の昼の休憩時間。
こまめに、家にと戻っているガウリイ。
まわりからかなりからかわれていたりするのだが。
それでも、のろけているのだから。
まわりとしては、たまったものではない。
逆に。
リナにそれをいうと。
何馬鹿なことをいってるのよ!?あんた達は!?
といって、一部のものでしか使えないはずの。
―魔力を使ってくるのだから・・。
あまり、リナをからかうような度胸のある人間などはすでにいないが・・・。
ぴたり。
家路に着く道のりの中で。
ふと。
ガウリイは足を止める。
そして。
鋭いまでの殺気を放ち。
「・・・・・出てきたらどうだ?」
一辺した辺りの様子のその気配の中心を睨みつける。
『―へぇ・・・・気配がつかめるんだ・・。』
ゆら・・・。
白い・・・果てしなく白いといっても過言でない。
一人の少年がその場にと出現する。
だが、その身にまとう雰囲気からして。
普通の人間でないのは明らかである。
白い肌に白い髪。
そして、異様にその白い肌に赤い唇と黒い目が目立っている。
『ふふ・・。アザチェスさまの手を煩わすことも・・・ないからね。
僕が君を始末してあげるよ・・・・。
そうすれば、いずれあの人も僕の物になってくれる・・・。』
赤い舌をぺろりと舐める。
「・・・・・・貴様・・・・それで、リナから反逆したのか!?」
すっと、剣を抜いて。
ひたりと構える。
『おや、そういう言い方はないんじゃないの?
僕はあの御方を手に入れるために・・・アザチェスさまの元に下ったんだよ?
―ねえ?ガウリイ=ガブリエル?
君がいたら・・・邪魔なんだよ!僕達にとっては!』
リナが、ガウリイの前でだけは。
はっきりいって、完全に女性となっているのが疎ましい。
かつて、リナの元で部下として過ごしていたときは。
彼女は彼等にとっては高値の花。
そんな雲の上の女性のもとで働いていることが誇りであった。
だが。
そんな彼女が一人の、しかもタダの人間に心を奪われている。
どうやら、本人はまだそのことに気がついてないようだが。
ならば。
そんな邪魔者は排除するのみ。
誰もがリナを独り占めしたいと思うのは。
心に秘めている事実。
崇高すぎる存在だから。
全てが心の奥底で思っていただけのこと。
だが―。
人に奪われるくらいならば・・。
自分にもチャンスがあるはず。
と、無謀にもそう思い立ち。
かなりの数の世界を任されし、リナの部下ともいえる。
リナが作り出していた子供達というか存在は。
ほとんどのものが、アザチェスにと乗り換えをし。
リナに反旗を促しているのであった。
「ふっ・・・・。
貴様などにやられるか!」
キィィィィン!
『な゛!?』
いきなり精神世界から精神体に攻撃を仕掛けたものの。
あっさりと、しかも、どうやってか。
剣にて、その精神世界の干渉を断ち切っているガウリイに。
驚愕の声を上げる。
『へぇ・・・一筋縄ではいかないってわけ?
ふふ・・でも・・・。』
ざわっ!
声と同時に。
周りに出現する気配。
かるく見積もっても数百ダース。
『ふふ・・・・さあ、これら全てを相手に・・何処までやれるかな?』
「俺は早く戻ってリナの料理を食べるんだ!」
『・・・・・・状況・・・分かってる?君?』
叫ぶガウリイに思わずあきれた声を出す。
さすがに。
その台詞に、周りにいた存在全てが。
一瞬呆気にとられているが・・。
「ああ。とっとと早いところ終わらせて、
でないと、リナの手料理が冷めちまうからな!」
『・・・・・・お゛い゛・・。』
そのガウリイの台詞に。
その場にいる存在全ての声がハモル。
こめかみを押さえつつ・・。
『・・・・と・・・ともかく!君には死んでもらうよ!ガウリイ=ガブリエル!』
カッ!!!
言葉と同時に。
一斉にガウリイに攻撃が繰り出されてゆく。
な・・・・何なんだ!?
この人間は!?
さすがに驚愕の色が隠せない。
ほんのしばらくの間に。
すでに、精神世界から。
あれほどいた仲間が。
ことごとくにやられている。
対するガウリイの方はというと。
あまり息も切れてはいない。
・・・・・・・・タダの人間じゃ・・ない?
そう思い始めたその矢先。
ザワ・・・。
辺りの空気そのものが振動する。
「・・・・・・・・くっ!」
ざっ!
ガウリイがその場から飛びのくのと同時に。
ユラ・・。
パシュ・・。
ガウリイが今いたその位置を。
闇が侵食し始めてゆく。
ガウリイがその闇の濃い部分を睨みつける。
そして。
「―出て来い!アザチェス!!!」
闇に向かって叫ぶ。
「―ほぅ・・・さすがにかなり力が回復というか。
使いこなせているようだな・・。」
見覚えのあるその姿。
『あ・・・・アザチェスさま!?』
ガウリイを襲っていたそれらが。
驚愕の声を発するが。
「―皆、引け・・・こいつは、この私の獲物だ・・・・。」
朱金色の髪に漆黒の瞳。
―忘れようにも忘れられないその姿。
「・・・・で?またまた幻影でお出ましか?
貴様は?」
はき捨てるように言い放つガウリイ。
「・・・ふっ。今の貴様ならこの姿で十分だからな・・。
それに・・。貴様には、我は攻撃できはしまい?」
にやり。
口元をゆがめ笑う。
「―できるさ。」
構えるガウリイ。
剣をその場にと投げ捨てて。
その手に、青白い刃を出現させる。
いや、青白いというか、その瞳と同じく。
碧色の剣を。
ガウリイの精神で作り出されているいわゆるガウリイの一部でもある、
碧玉剣―。
「ふはは!分かっているのであろう!?
以前貴様が我にかけた術で!
我への攻撃は、全て貴様への攻撃にもなるということに!」
高らかに笑うアザチェス。
「ああ・・・・でも、貴様にもダメージを与えられるのは、
間違いないだろう?」
そんなアザチェスににやりと笑みを浮かべる。
かつて。
これと初めて対峙したときに。
ガウリイは、この存在が。
自分とリナの感情によって産まれた存在だと理解した。
そして。
それゆえに、自分とリナを消滅させようとしていることも。
だが。
元となるのが、リナとガウリイ、二人の感情から生まれた、このアザチェス。
それゆえに、このアザチェスは。
二人の感情などに敏感にと反応し。
さらに力を付けてゆく。
永遠に結ばれないであろう。
その感情によって。
その、リナが理解してない部分に自らの一部を連結させ。
その力となしていたアザチェス。
アザチェスを傷つけること。
それ即ち、リナとガウリイをも傷つけることとなっていたのであるが。
初めて対峙したあの戦いの折に。
ガウリイは、そのリナとアザチェスが繋がっている場所を。
アザチェスの中にて、自らの力で干渉し。
その余波も全て、自分が負うようにと。
術をかけたのである。
簡単に説明すると。
―アザチェスを傷つけると。
アザチェスの意思によって。
簡単にその同じダメージがガウリイにも襲い掛かるのである。
「ふふ・・・・・。無駄なことを・・。
素直に我にと取り込まれて・・・。
消滅し、ギャラクシーオブナイトメアと共に・・。
永久に消え去るがいい・・・・。
この世界ごと・・・な・・・・ふふふふ・・・。」
完全に勝利を確信している笑みを浮かべる。
「リナには、指一本・・・・触れさせない!」
キン!
ガウリイから放たれる殺気の刃。
『ひい!?』
その殺気の余波だけで。
かなりの数のその場にいたガウリイを抹殺しようとやってきていた存在が。
完全に無に戻ることもなく、完全消滅しているが。
「ふははは!やってみるがいい!」
「貴様に、リナを傷つけられて・・たまるか!」
バシュ!
カキィィィィィン!!!!
その言葉と同時に。
ゴオォォォォウ・・・。
辺りを漆黒の闇が渦巻くようにと多い尽くしてゆく―。
・・・・どくん。
「・・・・・何!?」
何か胸騒ぎがする。
「リナさん?」
「?どうかしましたか?」
すでに、この数ヶ月。
日常となっている。
一時の語らいに。
ガウリイの家にとやってきていたシルフィールとアメリアが。
いきなり。
椅子から立ち上がるリナに声をかける。
リナの脳裏に。
パッ!
一瞬。
映像が浮かび上がる。
「・・・・・っ!!!!―ガウリイ!!」
ふっ!
叫ぶと同時に。
カチャン・・・。
持っていたコップがテーブルにとたどり着くより早く。
リナの姿はうららかな昼の一時。
お茶を飲んで女の子のコーヒータイムを楽しんでいたリナ、アメリア、シルフィール。
この三人が座っていた丸い白いテーブルから。
リナの姿は瞬く間にと掻き消えていた。
カチャ・・ん・・。
静かに持っていた人物がいなくなったために、
リナが今まで持っていたコップが音をたてて。
テーブルの上にと落ちてゆく。
「・・・・は!?まさか、リナさんの今のあわてよう!?」
アメリアがはっとし。
「まさか・・ガウリイ様に!?」
シルフィールも顔を真っ青にして。
そのまま。
二人、顔を見合わせて。
ダダダダ!
次の瞬間には。
ガウリイの家を飛び出してゆく。
・・・・・・・・・・・・い・・・・や・・・。
「・・・・い・・・・いやぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!?」
「ば・・・・・・来るな!リナ!」
シュン・・。
気配を辿り。
瞬時にとガウリイの元に瞬間移動したものの。
リナが目にしたのは・・。
全身から血を流し・・・。
そして、対峙しているそれもまた。
かなりの怪我を負っているのが見て取れる。
リナがいきなり出現したのに気づいて。
声を上げるガウリイ。
ガウリイのその血まみれの姿に。
リナの精神が悲鳴を上げる。
「が・・・・ガウリイ!?」
そのまま、あわてて、ガウリイにと駆け寄る。
視れば。
肉体だけの怪我ではない。
精神からもかなりの攻撃を負って。
精神そのもの、つまりは、魂にまで。
攻撃により、傷が目立つ。
つまりは・・・。
「あ・・・た!何、無茶してるのよ!?」
思わず叫ぶ。
攻撃を繰り出すたびに。
ガウリイもまた傷を負っているのに気付くリナ。
「ふふ・・・。まさか・・捨て身でこの我を滅しようとするとは・・・な・・。
だが・・いつまでもつかな?ガウリイ=ガブリエル?
我は、貴様と深遠なる新の王の感情がある限り・・。
永久に不滅だからな・・・・ふふふふふ・・・・。」
ごぶっ。
その口から。
血であろう。
黒い液体というか、自らを構成している精神の一部を吐き出しつつ。
こちらもまたかなりのダメージを追っているにも関らずに。
余裕そのもののアザチェスの姿。
きっ!
そんなアザチェスを睨みつける。
「あ・・・ん・・・た・・わぁぁぁ!
もう・・・・・絶対に許さない!!!!!!」
カッ!
リナのその栗色の髪と紅の瞳が。
朱金色と、金色にと輝き始める。
リナが本気になったときに起こりえる変化。
それは―。
金色の王の妹として、金色の王の代わりとして。
この世界の核となっているそのものの。
本来の力のあるべき姿の形の具現化。
そんなリナの姿をみて、にやりと笑いー。
「ふふ。ギャラクシーオブナイトメアよ・・いかれ・・そうすれば。
我はもっと力を得る・・。
貴様がそのものを特別の感情で見ている限り・・・・。
我は、不滅だからな!ふはははははははは!!」
「―消えなさい!!!!永遠に!!!」
カッ!!!!!!!!!
リナが抱擁しているこの世界そのもの。
この混沌の世界そのものが。
リナのその声とともに。
朱金色の光にと包まれてゆく。
「ふはは・・・・。
だが・・・もう・・そのものは・・・・ふはははは!!!」
笑い声を残して
その光の中で消滅してゆくアザチェスの姿。
・・・は!
「・・・ガウリイ!」
急いでガウリイにと駆け寄る。
「まってて!」
そのまま、大怪我を負っているガウリイに。
回復の術を掛けてゆく。
淡い朱金色の光がガウリイの体と。
魂を包み込んでゆく―が。
「・・・い・・・や・・いやよ!
あんた・・・何でこんな・・無茶をして!?」
その魂事態が。
すでに、かなりのダメージを受けている。
下手に一気に回復させようものならば・・。
二度と、魂は。
ガウリイ以外のものになるであろうほどに。
ガウリイの自我というか精神を瓦解させるには十分なほどに。
それに気付き。
魂の回復を留めるリナ。
「・・・・リナ、なくなよ・・。
リナに何もなくてよかった・・。」
ぽたり・・。
・・・・・何で・・・あたし・・泣いているの?
知らないうちに。
リナの瞳からは。
かなりの大粒の涙が溢れ出していた。
「・・・・・・馬鹿!あたしのことより・・あんたは!」
自分のことより、自分を心配しているガウリイが。
切なくて。
なぜか、それが苦しくて。
「―いいんだよ。俺は、誰にもリナを傷つけさせたりは・・しない―。
いくら、リナが大丈夫だっていっても・・これだけは。
俺も譲れないからな・・・だから・・・泣くなよ?
な?笑ってくれよな?リナ?」
回復をかけても。
それでも。
やはり魂からのダメージは肉体にまで及び。
あとからあとから。
体の細胞のいたるところから。
血がにじみ出る。
「・・・・・馬鹿!あんたに・・・あんたになにかあって!
何であたしが笑っていられるのよ!?
馬鹿ガウリイ!そんなくだらない理由で消滅なんて・・しないでよ!
絶対に・・・・許さないんだからね!」
リナは、自分で何を言っているのか理解してない。
ただ。
守ると誓ったはずなのに。
気付くのが遅れて。
そして―また・・・。
目の前で下手に手が出せないほどに、
ダメージを追っているガウリイに。
ただただ。
何かをいわないと気がすまない。
「リナがいるから・・・消滅は・・・絶対に・・しない・・さ・・・・。」
パタン。
ガウリイの手が静かに落ちる。
「・・・・・ウリイ?・・・駄目!
・・・・そだ!時間をゆっくりにすることなら!」
魂のダメージと。
肉体のダメージ。
その物質においても、精神においても。
ダメージが強すぎて。
どちらもアンバランスに。
それでも。
普通ならば。
そのバランスが崩れた時点で。
完全にリナですら手が届かない位置で。
完全消滅をするところなのであるが。
さすがガウリイというべきか。
その、自我の崩壊、すれすれの所で踏みとどまっている。
魂の回復には。
一番手っ取りはやいのは。
肉体の内部にての休息。
それがリナには分かっているから―。
「・・・・絶対に消滅なんて・・させないんだからね!」
そのまま。
だんだんと冷たくなり。
それでいて、全身から血を噴出しているガウリイに。
自らの力を注ぎこむべく。
リナの顔が。
ガウリイの顔にと重なってゆく。
魂が瓦解するのを防ぐには。
数年のいくらなんでも休息が必要。
でも。
それまでに魂に負荷が少しでもかかったら・・。
危ういまでのかなりのダメージ。
リナは、自らの力と。
ガウリイの肉体の力を融合させて。
ガウリイの肉体をその魂がどうにか安定するそのときまで。
肉体の安定を図ったのである。
とはいえ。
魂が安定しても。
この肉体に留まったままでは。
やはり、魂が瓦解する危険性があるわけで―。
「・・・・リ・・・・ナ?」
暖かな感触に導かれ。
ガウリイが目を開ける。
しぃ・・。
「・・黙って・・・・。」
そのまま。
再びガウリイの口から。
直接自らの力を注ぎこむ。
やがて。
―・・・・ト・・ク・・ン・・。
肉体が普通に鼓動を再会する。
かりそめではあるが・・・。
「・・・・・っとーに・・・・馬鹿なんだから・・・。」
どうして、あたしを心配するばかりで・・。
自分の心配はしないのよ・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・馬鹿・・・。
安定した鼓動を打ち始めたガウリイの肉体を確認しつつ。
そのまま。
抱きしめるように。
―フイ・・・・。
リナは、ガウリイと共に。
その場から掻き消えてゆく。
はあはあはあ・・・・。
一瞬、世界が朱金色にと染まった。
―以前にも同じようなことがあった。
あのときは・・・。
「・・・リナさん!?」
「―ガウリイ様!?」
その一番光が強かったと思われるその場所。
そこに、アメリアとシルフィールがたどり着いたとき。
彼女達が目にしたのは。
その場にと落ちているガウリイが使っていた剣のみであった。
そっ・・・・・。
そっとベットに横たえる。
そして―。
「・・・・そだ!一応、ここと、あそこをつなげて!」
ばたばたばた!
あわてて。
部屋の一部にと扉を作り。
その扉と。
下界の一部。
とある小さな家とつなげる作業を一瞬のうちにと執り行う。
「・・・・はっ!何か作らないと!ガウリイの体力が持たないじゃないのよ!」
ようやく、思考が回り始め。
「・・・ルナ!ルナ!」
ばたばたばた!
あわてるリナの姿が。
今だかつて。
ルナ以外では、金色の王か、もしくはその友人たる存在しか入ったことのない。
―リナの自室。
そのリナの寝室のベットの上に。
ガウリイを寝かしつけて。
ばたばたと。
自らの側近であり親友でもあるルナを呼んでいるリナの姿が。
ここ。
リナの宮殿、ギャラクシーパレスにて。
見受けられていた。
本来ならば。
ここは、普通の肉体をもったままや。
単なる存在の精神体だけだとしても。
かなりの過負荷がかかり。
下手をすると消滅するであろう。
それほどまでに。
リナのその核たる中心に一番近い部屋―。
「リナさん!?ガウリイさんは!?」
バタン!
何となく予感がして。
剣を胸に。
ゼルガディスにも連絡を取り。
三人で。
ガウリイの家を尋ねる。
そこには。
ゆったりしつつも、体にフィットしている、
裏地が赤の黒いマントを羽織っている服を着こなして。
短いスカートのようでいてそれでいて体にとこれまた。
ぴっちりと合っているズボンをはいて。
見た目。
まるでどこかの女王か何か。
そういう雰囲気をかもし出しているリナの姿。
その栗色の髪にかなりマントがマッチしている。
そして。
特質すべきは。
リナが纏っているその雰囲気。
まるで近寄りがたいまでのその神々しさを放っている。
「あら、アメリア、シルフィール、ゼルガディス。
―ガウリイなら、ちょっと養生するために。
―このあたしの家に連れて戻ってるわ・・・・。」
宮殿てなく家と表現したのは。
アメリア達には自分の正体を教えてないが為。
とはいえ、アメリア達は思いだしているのであるが・・。
「―リナ、貴様のその表情からすると・・。
・・・・ガウリイのやつは、もってどれくらいだ?」
『ゼルガディスさん!?』
リナのその内に秘めた沈んだ表情を読み取っているゼルガディス。
その言葉に悲しく笑う。
「―あたしの力を使ったら・・・ガウリイがガウリイでなくなっちゃうから・・・。
・・・・それでも・・・・限度は・・・あと・・・・数年・・・。」
数年したら。
魂が危機を脱する。
それはつまり―。
ガウリイのこのたびの生が。
あと数年で終わりを告げる。
それを意味しているのである。
『そんな!?リナさんはそれでいいんですか!?』
思わず同時に叫ぶ。
・・くな・・・。
「いいわけなんて・・ないじゃないのよ!
何であいつ一人くらい・・・・完全に助けられないのよ!!!!
何で・・・・何でこのあたしの手が届かないくらいに!
あいつはダメージうけるのよ!しかも・・・あたしのせいで!!」
わっ!
そのまま。
シルフィールとアメリアに。
すがって泣き出すリナ。
それが本音。
自分は、ここでは何でもできるはずである。
それなのに。
何もできない自分がいる。
それがくやしくて。
切なくて。
しかも・・・・。
自分のせいでガウリイが傷つくのがくやしくて・・。
泣きじゃくるその姿は。
タダの女の子そのもの。
そんなリナをなだめるように。
かける言葉なく。
ただただ。
泣きじゃくるリナの髪を。
なでるしかないアメリアとシルフィールであった。
「―まったく・・・あなたは無茶しますね・・。
リナ様をこれ以上・・・泣かさないでくれなませんか?」
眠っているガウリイにと語りかけるルナ。
「―無茶・・・している気は・・ないんだがな・・・。
ただ・・・俺はリナをどんなことがあっても・・。
守りたいだけなんだ・・・。」
そんなルナに意識を取り戻したガウリイが顔を横にむけ。
ルナにという。
ふぅ・・。
「・・・・ガウリイさんの場合・・・度が過ぎてます・・・・・。
リナ様の気持ちも・・考えてください!
ま・・・まあ・・・リナ様、
まだ・・・御自身の感情に・・・気づいてないですけど・・・・。」
そういいっ、溜息一つ。
その紅の瞳にかげりが一瞬浮かぶ。
「リナがどうであれ・・・俺は俺である限り・・。
・・・・リナをどんなことからも守ってみせる。」
そう。
たとえ、自分が完全に消滅しようとも。
この思いだけは不滅だから・・・。
ガウリイはそう固く心に誓っている。
そんな会話が繰り広げられていることなど。
リナは知る由もなく。
しばし。
普通の女の子として。
友達に泣きついているリナの姿が。
しばし見受けられていた。
この日から。
数年間。
こちらのこの世界というか。
ガウリイの家を中心に。
かいがいしく、ガウリイの世話をやくリナの姿が。
パレスにて見受けられてゆく。
数年後。
ガウリイの魂が安定して。
次なる輪廻の輪にと入ってゆくその日まで―・・・・・・。
ー続くー
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あとがきもどき:
薫:・・・・ようやく次回は猫バージョン・・(汗)
ようやくだぁ(涙)
リナ、ついに新たな決意をば・・。
そーして。
この世界にては。
金色の王がリナの代わりに、
見守ることになっていきます・・・・。
・・・・・絶対に安定したのを許してくれないアザチェス・・(汗)
二人が自分たちの感情・・というか。
リナが気付いて、ガウリイを受け入れたら。
アザチェスも力を失うんですけど・・・ねぇ・・・(滝汗)
まあ・・・闇でも出てくるし・・こやつは・・・(涙)
んではでは・・・・。