まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
登場人物:リナ=インバース
           正式名称:リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメア
            参考:深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお深き存在
               混沌を抱擁する存在 母なる海の妹にして
               この世界の海を創造せし存在
               『深淵なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)』
               金色の王の妹。この世界の混沌そのもの。
          登場人物名前:ガウリイ=ガブリエフ
            正式名称:ガウリイ=ガブリエル
                (ガウリイ=ナファレス=ナイト=ロード)←後々に(笑)
              参考:リナを心配した(孤独をみた)
                 エル様と、ルナが、リナを思ってたら、
                 その思いの反動で、生まれでた魂。
            おまけ?設定:
               エリアンヌ(エリー):リナとガウリイの長女(妹)
                (リナにくりそつ・・爆!)
               カウリイ:リナとガウリイの長男(兄)
                (ガウリイにくりそつ・・爆!)二卵性の双子です(笑)
               リナス:エリーとカウリイの妹
                  (両親を助けるために、未来からやってきてます・笑)
                   リナ譲りの栗色の髪に、瞳の色は、ガウリイ譲り。
                   性格は・・リナそっくりです(笑)
              登場人物名前:ルナ=インバース
                正式名称:ルナティック=スィーフィード
                  参考:深遠の真の王の補佐官&側近。
                     この世界に命が誕生した際に、
                     金色の母が、リナにお祝いとして、与えた存在
                     (とゆーか、それように、創り出した)
                
          更なる裏暴露設定(まて!)
              エデン世界
                大まかに、四つの大陸に分けられる。
                ユグラシドル大陸・オーディル大陸・ジール大陸・
                マナ大陸
              この世界(リナが抱擁する世界)において、
              初めてといっていいほど、命あふれる星。
              まだ、ここまで、他の星達は発展してない。
              魔王ユージン・神マナティスが治める世界。
            ユグラシドル大陸第一皇女:
              アメリア=トゥエル=ユグラシドル
            オーディル大陸第一王子:
              ゼルガディス=マナ=オーディル
            ユグラシドル王家巫女頭:
              シルフィール=ラナ=サイレス
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

    上記の説明は。
    小説暴露設定でも言ってます(お゛い゛!)
    ・・・・・・・・エデン。
    どんどん暗くなっていきます・・・。
    ・・・いい加減に終わらせないとなぁ・・これも・・(汗)
    あ・・あはは・・・・。
    とりあえず、唯一ほのぼの?に近いお話ですvv
   (なぜか、ネクストを隣の部屋で再生しつつの打ち込み・・・笑)



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エデンの園  ~第24話~

ドシュ・・・・。
    鈍い音と共に。
    鮮血が飛び散る。
    が。
    剣を構えている男性には。
    その返り血一つすら、かかっていない。
    きられたほうも。
    何が起こったのか、理解するのは不可能であろう。
    それほどまでの早業。
    その金色の髪が、遠のくと。
    ―ドサ・・・。
    その後には。
    彼がすれ違った数十名の人間達のすでに、物言わぬ物体が。
    そこに転げていた。


     カララン・・・・。
     静かに、グラスの中の氷が、はぜ割れる音が響く。
     カウンターに腰掛けている、
     金髪碧眼の男性の姿。
     「よう、ガウリイ、寝ないのか?」
     声をかけてくる、黒い髪の男性。
     その言葉に。
     「・・・ゼルか。まあな。」
     いって、グラスに入っているブランデーを煽ってゆく。
     「・・・・どうせ、寝ても、熟睡なんてできないからな・・。」
     いいつつ。
     一気にグラスの中のブランデーを飲み干してゆく。
     「・・・・・まだあの例の夢・・見るのか?」
     「・・・・ああ。」

     物心つく前から。
     幾度となく、繰り返してみている夢。
     深い霧に覆われた、その向こうで。
     誰かが、泣いている夢。
     ―ただ、夢の中の自分は。
     その人に笑って欲しい。
     という希望のみ。
     それでも。
     その声の聞こえるほうにと、歩いてゆくたびに。
     その、霧の中の姿は掻き消える。
     気配で、女性だ。
     というのは分かる。
     ―寝れば、必ず見る夢。
     目覚めた時の無力感。
     ―ドウシテ、自分は、彼女に笑顔をあげられないのか。
     という自分に対しての、無力感にさいなまれ。
     夜、ゆっくりとは寝られない。
     だからといって。
     夜をつぶすのに。
     娼婦などを相手にしても。
     その気になれずに。
     本当のタダの暇つぶし。
     彼に言い寄ってくる女性たちは。
     後を絶たないが。
     そのどれも、彼は、今まで。
     本気になったことなどなく。
     大概、一度っきりの関係。
     それでも。
     心の空白が、埋まるわけでもなく。
     その心の空白を埋めるかのように。
     彼は。
     闇の世界にと足を踏み入れ。
     もう、しばらくたつ。
     裏の世界で。
     彼の名前を知らないものはいない。
     ―ガウリイ=ガブリエル。
     その、冷たいまでの、碧色の瞳に。
     金の髪。
     その、表情すらつかめない彼についたあだ名が。
     金色の死神。

     「そういう、ゼルはどうしたんだ?」
     「いや、何。ちょっと・・な。」
     彼もまた。
     ガウリイの同僚でもあるが。
     彼は表では。
     宮廷に支えている剣士。
     ということになっている。
     彼の名前をゼルガディス。
     ゼルガディス=オーディル。
     彼の仕える国は。
     セイルーン。
     遥かな過去、大寒波に耐え、生き残った王国である。
     

     かつて、この星を。
     大寒波が襲い狂った。
     そんな中で。
     唯一、生き残った歴史ある国でもある。
     その大寒波の原因は。
     人が、自分の器にあわない力を求め。
     気象を自らがいじり。
     その結果。
     歪みが生じて。
     自らの首を絞めたからに他ならないのであるが。
     何代もの、時を得て。
     ようやく、落ち着きを取り戻してきているこの星。
     彼等はいう。
     この星の名前を―エデン・・と。
     だがしかし。
     かつての過ちをまた繰り返そうとする輩は。
     存在するわけで。
     また。
     一つの国が、統一しているのに反感を持つものも少なくない、このご時世。
     それゆえに。
     ゼルガディスなどは、表向きは、宮廷に仕える剣士であれど。
     裏では、そういった輩の裁きを受け持っていたりする。
     そして。
     ガウリイは。
     普段は、タダの傭兵として暮らしているが。
     その実情は―トツプクラスの暗殺者に他ならない。
     
   
     一つの国が、治めているとはいえ。
     やはり、それを納得しない人々も多々といる。
     その結果。
     無数に独立国なども存在し。
     そして。
     実権を握ろうと。
     隙あらば、攻撃を仕掛けてくる国なども。
     多々とある今の現状。
     ゼルガディスは。
     そんな国の侵略者達に、両親を殺され。
     孤児になったところを。
     今の国王に拾われ。
     そして、今に至っている。
     ガウリイは、そのうまれたときに。
     原因不明の襲撃を受け。
     かろうじて、うまれたばかりの我が子を地下に隠して。
     両親そのものは、すでに他界している。
     彼が、成長できたのは。
     そんな彼を引き取り。
     育てた、王宮に仕える神官が居たからこそ。
     そして、今。
     彼は、首都から離れた小さな家で。
     一人暮らしをしている。
     それというのも。
     名前が知れ渡り。
     彼を殺して、名前を売ろう。
     という馬鹿な輩が多々と存在するがゆえに。
     ―恩ある人達に迷惑をかけないために。

    「もしかして、アメリアと喧嘩でもしたのか?」
    くすりと笑うガウリイの台詞に。
    「・・・・やめくれ。」
    先日。
    ゼルガディスが、裏で、罪人の処罰をしていることを。
    初めて知ったアメリア。
    彼とは、幼いころからの付き合いであり。
    彼にとっては、妹のような存在であったのだが。
    いろいろあって。
    今では、恋人同士。
    という間柄にと発展している。
    ちなみに、親認定。
    アメリアとそういう仲になってからの彼は。
    今はもう、暗殺。
    ということは行ってはいないが。
    とはいえ、闇討ちなど。
    瀕死の状態にまでは追い詰めているのだが。
    アメリア=テスラ=セイルーン。
    ゼルガディスを拾い育てた、セイルーン国王。
    フィリオネルの二番目の娘であり。
    そしてまた。
    ガウリイを育てたエルク神官の。
    仕える王でもある。
    「そうじゃない。・・ガウリイ。
      最近、貴様が倒している刺客達の中に。
        人でないものが含まれている。という話しを聞いてな・・・・。」
    いいつつ。
    カラン。
    同じく、グラスにブランデーを注ぎ。
    軽く回しているゼルガディス。
    「ああ、そういえば、居るな。
     気配からして、そいつらは、ここの世界の住人ではない。
      俗にいう、精霊とか、魔族とかといったものでもない。
       まったく別なものだがな。」
    昔から、それらは自分の周りに徘徊していたが。
    最近。
    それらが、自分を狙って行動を開始していたりする。
    しかも、小さな独立国などに潜入し。
    国を操り、戦争などを起こさせようとしたり・・と。
    かなり、派手にと動き始めている。
    何となくだが。
    物心ついたときから。
    漠然と、気配で、それが。
    『何』なのか。
    理解できているガウリイ。
    だから、彼は。
    どんな攻撃を受けようとも。
    たとえ、どんな相手でも、今まで、まけ知らず。
    「・・・・別のものって・・一体、それは、何なんだ?」
    ゼルガディスの問いに。
    「さあ・・・な。」
    だが。
    その共通する事柄が一つある。
    それは、漠然とだが。
    覚えている気配。
    あったことはないはずなのに。
    かつて、まるでうまれる前に経験しているのであろうか。
    その、それらを指揮している存在の気配を。
    漠然とした直感が継げている。
    ―葬り去るべき敵だ・・と。
    「それより、ゼル、あまり遅くなったら。
      アメリア達が心配するぞ?」
    いいつつ。
    時間を指差すガウリイ。
    「・・そうだな。だが・・気をつけろよ?ガウリイ?」
    たわいのない話を一時交し。
    やがて。
    それぞれの帰路にとついてゆく二人の姿。




    すたすた。
    ―ビタリ。
    ザワワワ・・・・。
    周りの木々がざわめくのと同時に。
    ガウリイは足を止める。
    「出てきたらどうだ?」
    いって。
    何もない、虚空の一点を睨みつけてゆく。
    『―ほう・・・・気がつくとは・・さすが・・・・。
       転生しているとはいえ、やはり、ガウリイ=ガブリエルは、
         ガブリエルだな・・・・・。』
    声と共に。
    ゆらり・・・・。
    そこに。
    朱金色の髪に、漆黒の瞳の色をした。
    一人の人物が、空中に佇んでいた。
    だがしかし。
    驚愕するのは、そのことではない。
    間違いなく。
    ―ドウシテ、この目の前の存在から。
    自分の気配も感じられるのか。
    ということ。
    それと―夢の中に出てくる、霧にかすんで姿が見えない彼女の気配も。
    「―貴様・・は・・・。」
    ふと。
    脳裏に一つの言葉が浮かび上がる。
    「・・・・・・・・・・・・・・・・・アザ・・・・チェ・・・・ス・・・・。」
    我知らず。
    ガウリイは、それに向かってつぶやいていた。
    「ほう、覚えているのか。
      ふ。ギャラクシーオブナイトメアが、記憶を封印している。
       というにも関らずに、我のことを覚えているとはな。
        まあ、いい。楽しませてもらうぞ。」
    いって。
    すい。
    手を前にとかざしてくる。
    反射的に。
    すぐに横にと飛びすがると。
    その刹那。
    ―バシュ!
    小さな音と共に。
    今まで立っていた場所が。
    忽然と掻き消えていた。
    ・・・・呪文による攻撃がくる。
    突発的に、判断ができる。
    それを。
    「はぁ!」
    ザシュ!
    剣を一振りする、余波で。
    霧散させてゆくガウリイ。
    そして。
    剣を交わすが。
    ザシュ・・。
    スゥ・・・。
    目の前のそれに。
    傷を負わすたびに。
    自らにも攻撃を受けたわけでもないのに。
    傷が入ってゆく。
    「ふふ・・・。
     貴様が、掛けた術だ・・。
      我と貴様は、繋がっている。
       貴様が願ったことだ・・。
         深遠なる真の王に向かうはずの痛みも。
          自らが受け止める・・ということは・・・な・・。」
    その台詞に。
    何かが引っかかる。
    思い出しそうで。
    だが。
    その台詞で。
    自分が、かつてこれと。
    対峙したとき。
    確かに、『彼女』を守るために。
    その、余波が、全て自分に向くようにと。
    力の限り何か施したような記憶が漠然とよみがえる。
    その、彼女とは誰なのか。
    本当に直感であるが。
    それは。
    ―いつも、夢の中で泣いている女性に他ならない。
    というのを。
    目の前の刺客―アザチェスとの会話の中で。
    全てではないが思い出してゆくガウリイ。
    「・・・だが。今の貴様では勝てんな・・・・ふふ・・・。」
    潜在能力はともかくとして。
    かつてのような戦い方は。
    今のこの転生したガウリイには、出来ない。
    ということを。
    彼―アザチェスは、知り尽くしている。
    だからこそ。
    「ふふ・・・・・。
     貴様を殺し、我が取り込もう・・・。
       さすればその後に・・・深遠なる真の王も・・・な・・・・。」
    「誰が、殺されるか!」
    いって。
    殺気をみなぎらせ。
    間合いを取るガウリイ。
    だが。


    ドシュ!!!!!


    そんなガウリイの周りから。
    朱金色の闇の槍が。
    出現し。
    ガウリイの体を貫いてゆく。



    「・・・・・・ぐわっ!!」

    のけぞり、倒れるガウリイ。




    倒れる瞬間。
    ガウリイは、視界の端に。
    栗色の髪を捉えていた。



   ふと、胸騒ぎがして。
   見てはいけないのに。
   再び、ガウリイの転生した姿を。
   がむしゃらに、世界の創造を行っていた最中。
   ふと、のぞく。
   そこには。

   「・・・・な・・・・・・・・・・・・で!?」
   驚愕に目を見開く。
   栗色の髪に紅の瞳の女性。
   確かに・・確かに、あのときに!
   あたしは、消滅させたのに!!!!!!!!!
   悲鳴に近い驚き。
   だが。
   それ以上に。

   それが狙っているのは・・・・・・。
   
   ・・・一番、怖れていたこと。


   覗き始めたその刹那。



   ドシュ・・・・・。


   体を赤く染めて。
   大地に倒れてゆく金色の髪に碧い瞳の男性の姿。



   「・・・・・・・・っ!!ガウリイ!!!!!」


   そのまま。
   その場から―パレスから、掻き消えている女性の姿。


   とさ・・・・。
   地面に倒れる直前に、抱きとめた。
   背中から、胸から。
   大量に血を流している男性の姿。
   服が血に染まるが。
   そんなことはどうでもよかった。
   「!!早く直さないと!」
   すぐさま。
   自らの力を使い。
   その、外傷を治してゆくガウリイを受け止めた女性。
   魂のうちにも。
   蝕まれる攻撃を仕掛けられているのが分かるから。
   それも。
   自らの気を吹き込んで。
   どうにか霧散させる。
   ―絶対に、死なせはしない。
   そのまま。
   そっと。
   自らのマントをその場に敷いて。
   ガウリイをその上にと横たえてゆく。


   「・・・・・ほう、やはり、来たな・・・・
     深遠なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)よ・・・・。
       ふふ・・・。感じるぞ・・貴様の怒り・・・恐怖・・。
         貴様の感情こそが、この我にさらなる力を与えてくれるわ・・。」
   その様子を。
   ただ、笑ってみていたアザチェス。
   その言葉に。
    紅の瞳を朱金色にと輝かし。
    きっと。
   ガウリイをそっと、優しく横たえた後に。
   睨み付けてゆく。
   「何で、あんたが、まだ存在しているのよ!!
     アザチェス!あんたは、このあたしが!
      直々に消滅させたのよ!!!!!?」
   それにも驚かされるが。
   それ以前に。
   どうして、自分が完全に消滅させたはずのこいつが。
   まだ生きていた。
   ということのほうに戸惑われる。
   「・・・・・ふふ・・。貴様のその感情がある限り。
     我は滅びん・・・何度でもよみがえる・・そういったであろう?
       ふふ・・・・。」
   ただ、その場に、佇んで。
   何か意味ありげに笑っているアザチェスを見据えて。
   「―今度こそ、完全に消滅しなさい!!」
   いって。
   深遠の闇の球を。
   アザチェスにと投げつけてゆく。
   それに吸い込まれるようにして掻き消えてゆくアザチェスの姿。

   ―ほう・・・。ガウリイ=ガブリエルが絡むと。
     どうやら、思考が鈍るようだな・・。
     その我の姿は・・・たかが、残像たる、分身に過ぎない。
      深遠なる真の王よ。
       我の力が満ちたそのときが。
        貴様に真の恐怖と絶望を与えてやろう・・・・。
         その男・・ガウリイ=ガブリエルを殺してな!
           ふはははははははは!!!!―

   「・・・・な゛!?待ちなさい!」
   姿が掻き消える間もなく。
   声が当たりに響いてゆく。
   気配を追うにも。
   その気配すらもつかめない。
   ―どうして?
   出来ないことは、ないはず・・である。
   じっと。
   虚空を睨みつけつつ。
   今だに目覚めないガウリイの方にと向き直る。
   「・・・・・・・・・・・・・絶対に・・・・・今度は・・・・。」
   今度は、今度こそ、彼に。
   幸せになって欲しいから。
   だから。
   ―アザチェスには、手出しなんかさせない。
   ―彼は、あたしが守ってみせる!
   そのまま。
   彼を抱きこむようにして。
   栗色の髪に紅の瞳をしている女性は。

   ふっ。


   ガウリイを包みこむように、手を広げると。
   そのまま。
   二人の姿は。
   その場から掻き消えていた。


    次に出現したのは。
    とある小さな家の中。
    殺伐とした感じの家であるが。
    ―ここが。
    ガウリイが一人暮らしをしている、家である。

    そのまま。
    ベットを整えて。
    ガウリイを横に寝かしてゆく女性―リナの姿が。
    そこにはあった。


    ―気配を感じられない・・・・。
      なら・・・・。
      側で絶対に守ってみせる・・・・・。
  

   自分に言い聞かせていたはずだった。
   ―あったら、いけない・・・・と。
   だけど。

   それで。


   彼がまた、自分の関りのせいで。
   命を落とすことになったら。
   と思うと。
   

   どうしても。


   どうしても、行動せざるを得なかったのだ。


   ―彼のこのたびの生の期間は。
     始めの予定では、五十年と少し。
     だが。
    
   リナですらも、直せないような、小さな魂における傷が。
   蓄積していっているのにリナは気付いた。
   そして。
   「・・・・な・・・で・・・・。」
   何で、アザチェスに攻撃した余波が。
   こいつの魂に直結しているのよ!!
   心からの悲鳴。
   しかも。
   よくよく、魂を凝視してみれば。
   自分にもかかるはずの痛みも。
   全てガウリイは受け止めているのが見て取れる。
   「・・・・・・・・・あいつ・・・・は・・・・。」
   
   アザチェス。
   あれは、このあたしの感情の揺らぎから、誕生した魂ではなかっの?
   だから、そのつながりで。
   何かこういうことはできるとは思うけど・・。
   何で、ガウリイに手を出すのよ!
   心が悲鳴を上げてゆく。
   「・・・・・・絶対に、今度こそ・・・・・守ってみせるわ・・・。」
   あのとき。
   自分が記憶を消して。

   その後。
   眠りに入ったその直後。
   ガウリイが、死亡した。
   と聞かされたときには。
   心が張り裂ける想いがした。
   だからこそ。
   今度は、今度こそ、彼には幸せになって欲しくて。
   再び転生の輪にと乗せ。
   転生を彼等は果たしている・・というのに。
   リナはそんなことを思いつつ。
   ふと。
   ガウリイの額に手を当てる。
   「!いけない!体が冷え切ってる!」
   あわてて。
   湯を沸かし。
   部屋を暖めてゆく。
   肉体的の傷は、直している。
   そして。
   失われた血も。
   その体内に作り出しておいて。
   補充もした。
   だけど。
   精神が目覚めない。

   意識が戻ってこない。


   だからといって。
   魂が体から離れた。
   自らのところに戻ってくる。
   という訳でもなく。
   それなら、かなり話しは簡単であったのであるが。
   だが。
   ガウリイの深層意識の中から。
   ガウリイ自信の意識が戻ってこないことには。
   さすがのリナでも、手の施しようが・・・ない。

   「・・・・死んだら・・・・・・許さないから・・・・。」
   小さくつぶやき。
   献身的に。
   看病するリナの姿が。
   小さな家の中で。
   見受けられていた。




                                          -続くー

#####################################

  あとがきもどき:
         薫:ちなみに。リナがどうして。
           手が出せないのか。
           という理由。
           リナは、まだそういったところの手加減を知らないからです。
           初めての試みで・・何かあったら、それこそ。
           怖いですからねぇ。
           (得に相手がガウリイですし・・)
           リナ、無意識下で。
           ガウリイが傷つくこと、消滅することを。
           心から怖れてます。
           ・・・・・・・・・・・・気付きましょう・・(汗)
           自分の気持ちに・・・・。
           その、気付かない感情の揺らめきもまた。
           そんなリナの感情から誕生した。
           敵の大元vアザチェスに力をつけさせていってます・・・・。
           んではでは・・・。
           また・・・・・・・・。
      


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