まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
こんにちわ♪
  いくぞ!?
  ガウリイ達の転生話の第一弾!!!(まてこら!)
  では!!!



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エデンの園  ~第22話~

「ガウリイ様?」
  「・・・・・・。」
  「ガウリイさん・・怖いです・・・。」
  「まったく。お前は・・・・。」
  累々と広がる死体の山。
  ほんの一瞬のこと。

  この星は、彼らが生まれたときから、動乱の最中。
  それゆえに、こういった、戦いも日常的。
  彼らが出会ったのは、子供のころ。
  一人は、正義を広めるために、城を抜け出し。
  一人は、過去の遺跡に興味があり。
  一人は、神殿が、焼き討ちになりそうなときに、
  そこに来ていたガブリエフ一家に助けられ。
  一人は、探し物を探しつつ。
  すでに、名前と、おぼろげながらの姿しか思い出せないが。
  夢の中にでてくる幻の姿を追い求め。
  そして、彼らは、再び。
  出会いを果たし。
  この混沌とした世界を正すために。
  旅を続けていた。
あれから――――――――。
  ガウリイ達が転生してから・・・・はや、二十年余り・・・・。
彼らは、国々を荒らしまわる一つの集団を今。
  壊滅させたのである。
  「ガウリイさん、何もここまでしなくても・・。」
  アメリアがいう。
  すでに、そこには、形を止めてないかつて人だった者達の姿。
  「悪人なんだから、問題ないだろ?」
   ちん。
   血糊を払い、剣を鞘に収めてゆく。
  「あ・・・あの、ありがとうございました。」
  おずおずと、捕らえられていた少女がいう。
  「早く家に戻るんだな。」
  そっけないガウリイの言葉。
  「もう・・家は・・・。」
  しおれる少女。
  歳のころは、十三・四歳。
  「貴女、名前は?」
  黒い髪の少女、アメリアが優しく少女に語り掛ける。
  はだけた服をかきあわせて、少女は、震える声で。
  「私、エレナといいます。」
  栗色の髪に紅の瞳。
  でも・・・。
  「違う・・・・あいつじゃない・・・。」
  ガウリイの落胆したそのつぶやきは。
  風にのって、溶け消えてゆく。
始めは、乗り気ではなかった。
  いつものように、アメリアが、この集団のことを聞いて。
  壊滅するのが正義のためです!
  とかいい、成り行きで、退治を任されてしまったのだが。
  そこで、視界の先に見えたのは。
  荒くれ達に囲まれて、のしかかられ、押し付けられている少女の姿。
  いつもなら、あまり気にしないことであるが。
  その視界に、栗色の髪が見えたとき。
  ガウリイは、一瞬のうちに、彼らをなで斬りにし、
  壊滅にと押しやった。
  そして、少女を目にして。
  落胆する。
  ・・・・彼が追い求める少女ではなかったがゆえに。 
  姿、形は同じようである。
  あるが・・。
  「・・・・違う・・。」
  ガウリイのもとめている少女は。
  「・・・・違う・・・リナじゃない・・。」

  どこにいるのか、分からない。
  いや、漠然と・・・。
  近くにいるであろう。
  でも・・。
  近くであり。
  遠くに感じるその存在と、その気配。
  いつも、幼い、赤ん坊のころから、夢にみている少女。
  いつも・・・泣いている少女。
  ただ、笑って欲しい。
  こう思ったのは、昔もあったような気がする。
  ガウリイ達は、過去を・・前世を。
  覚えていない。

 

 

  「エレナさんですか。」
  「・・ガウリイ様が捜している女性では・・ないのですね。」
  ガウリイが、一瞬のうちに、男達を切り捨てたとき。
  彼女達は、その男達に捉えられている少女をみた。
  もしかして、ガウリイがいつも話している、というか、
  聞いたことのある女の子?
  そう期待を一瞬したのであるが。 
  確かに。
  ガウリイが話している容姿と、まったく同じ。
  栗色の髪に紅の瞳。
  でも。
  何となくだが、彼ら三人にもわかった。
  ・・違う、この女の子は、ガウリイ(さん)(様)が捜しているリナ(さん)
   ではない・・・・。と。
  「世の中には、そっくりな人が三人、いるっていいますからねぇ。」

  ガウリイがこのたびに同行している理由は一つ。
  『――――リナを、見つけ出したい。』
  ただ、その一つの思いから。
  そのために、家も全てすてて飛び出した。
  縁談が持ち上がったがために。
  夢の中とはいえ・・・。
  自分は、その『リナ』以外を愛する気にはなれなかったがゆえに・・。

  「というか、その『リナ』本当にここの星にいるのか?」
  「・・・・・・いないと・・・思います・・・。」
  とある遺跡で発掘した、ガブリエル一族の映像。
  なぜか、懐かしく、彼らには、その文字が読めた。
  そして・・・また。
  その遺跡の奥に隠されるようにあった、神殿。
  それは、ここに転生してくるであろう、弟である『ガウリイ』に向けての、
  リュクからのメッセ~ジが添えられていた。
  ガブリエル一族の長男であり、ガウリイ=ガブリエルの兄。
  唯一、ガウリイとリナの恋愛を応援していた人物でもある。
  その彼からの、メッセージ。

  すでに、彼らは、この星以外。 
  この星のある銀河以外にとその拠点を変えている。
  それは、転生してくる、ガウリイ達を巻き込まないように。
  というユージンとマナティス達の話し合いによって決まったこと。

  

  今、この星には。
  魔王も竜神もいない。

 

 

  その映像を見たとき。
  彼らはとても懐かしかった。
  以前、確かに出会ったことがある。
  そう、四人とも確信ができた。
  その映像から。
  『多分、リナ様のことだから、君たちの記憶、消しているだろうから。
    少しでも、手伝えるように、この記録、残しておくね。』
  と、ガウリイに雰囲気の似た男性が紡ぎだした言葉。
  かつての、四名のこと。
  そして、リナのこと。
  ガウリイのこと。
  そして・・・・・。
  リナが彼らを転生させたこと。
  などを。
  前世。
  そういわれても、普通ならば納得できないだろうが。
  彼らはすんなりと納得した。
  そして・・・。
  そんな大切な記憶ならば、思いだしたい。
  と、切実に願っている。
  しかし、断片的にしか思い出せず。
  その苦悩が。
  ガウリイをさらに、孤独にさせてゆく。
  会いたい・・・・でも、会えない・・。
  その、心の葛藤は。
  やがて、彼を死神。
  と呼ばれるまでに、変化させていっていた。

 

 

 

  彼に狙われたら、最後。
  生きては・・・いられない。
  この混沌とした世界で。
  裏の世界で有名になってゆくガウリイ。
  それを止めるための目的もあり、この旅をしている、
  アメリア、ゼルガディス、シルフィールの三人。
  子供のころから仲のいい、ガウリイが。
  闇に染まってゆくのを、黙っていられなかったのである。

  闇に染まる。
  その表現は的確ではないものの。
  彼らの一族、ガブリエフ一族は。
  この混沌とした世界において。
  あだをなすもの。
  として人間達から迫害を受け始めるのは、そんなに時間はかからなかった。
  だからこそ、彼らは、自分達の力を封印していたにもかかわらず。
  ガウリイがもつ力は、尋常のものではなく。

  人は・・・自分にない、力をもつものを駆除する傾向がある。

  そのために、確実に、迫害はひどくなってゆき。
  ついには、今、この現状では。
  かつての、『魔法』と呼ばれるものを使える者達は。
  『魔女』『魔王』とか呼ばれ。
  徹底的に、とある大陸では、狩りが行われ始めていたりする。

  殺伐とした中で。
  生きとし生ける存在達は。
  自然の恵みを一部の者達は忘れ。
  ただ、ひたすらに、利益を求めるようになってゆく。




  

  かろうじて、セイルーン王国が、竜族や、他の種族との。
  つながりを保ちつつ、間に入り、何とか保っているのが、今の状況。
  だが、その王国を好ましく思わない人々や存在達も多々といる。
  それゆえに。
  この星では、いたるところで、戦乱が巻き起こっていた。

 

 

  「あ・・・あの、助けていただきまして、ありがとうございます。
    えと・・。アメリアさん、ゼルガディスさん、シルフィールさん。
     そして、ガウリイさん。」
  ぺこり。
  お辞儀をするエレナ。
  ―ガウリイ!
  ふと、その表情に、夢の中でみる少女が重なる。
  「俺を呼ぶな!!」
  ぴくっ!
  「す・・・すいません!」
  いきなり怒鳴られて、びくりとするエレナ。
  「その顔で・・俺を呼ぶな・・・。」
  確かに、同じなのに。
  顔や容姿は。
  でも・・・。
  彼女ではないのだ。
  リナではないのだ。
  それが、自分が彼女にいまだに会えない。
  というのを強く実感してしまう。
  ぽんぽん。
  泣きそうになっているエレナに。
  「すまんな、エレナ。ガウリイのやつの好きな女が、
    あんたと同じ姿をしているんだ。
     だから、つらいんだよ。あんたに名前を呼ばれたら。」
  ゼルガディスが軽く肩を叩く。
  「??私と同じなんですか?」
  「そうなんですよ。」
  エレナの言葉に、アメリアがうなづく。
  「私と同じ姿って・・まるで、『深遠なる真の王』ですね(はあと)
    私が生まれたとき、かつて、マナティス様の神殿に使えていたという、
     曽祖父たちが、私に、その御方の名前の頭文字から、頂いて。
      『エレナ』という名前をつけてくれたそうなんですよ。
        深遠なる真の王の頭文字というか呼び名が・・。」
  ぴく。
  エレナの言葉に。
  四人が四人とも反応する。
  『リナ(さん)』
  「リナ様というそうですので。」
  みごとに、重なるエレナとガウリイ達四人の声。
  ひどくびっくりするエレナ。
  驚愕の表情で、彼らをみやる。
  「あれ?知ってるんですか?
    結構、神族や魔族の上層部しか知らない名前だって聞いてましたけど?」
  シルフィールにもらったマントで体を覆いながらエレナがいう。
  「まあ・・な。」
  ちらりと、ガウリイをみるゼルガディス。
  アメリア達もガウリイをみると。
  ガウリイは、手を固く握り締めて、血をその拳から流していたりする。
  ――名前だけは、聞くことができるのに・・・。
  「で?あんたの曽祖父はどうしたんだ?」
  「数年前に亡くなりました。」
  「そうか・・。」
  もし生きていたら、リナのいるという、『ギャラクシーバレス』
  そこにいく方法もわかったかもしれないのに。
  ゼルガディスたちはがっかりする。
  リュクの情報から。
  リナがいる場所は分かっている。
  そして・・。
  かつて、リナがこの世界に降りていた。
  という事実も。
  そのときに、彼らと接触があったということも。
  だから、虫のいい話かもしれないが。 
  もしかしたら・・・。
  また、この星に降りてきているかもしれない。
  その万が一にもありえないであろうが可能性に賭けて、
  旅をしながら、リナを捜しているガウリイ。
  そんなガウリイについていっているアメリア、ゼルガディス、シルフィール。

 
  言いたいことがある。 
  あの情報だと、リナが自分達の記憶を消した・・・とあった。
  どうして、そんなことをする必要があったのか。
  そして、消されているにも関らず。
  どうして、ガウリイが、リナの名前と姿を覚えているのか。
  どうして、眠りに入っていったのか。
  リュクの情報では、リナは眠りにはいった。
  そう最後がくくられていた。
  その理由を確かめたい。
  ――もしかしたら・・・。
  リナも・・・。
  なぜか、そう断言できる。
  だからこそ、リナに会う必要がある。
  アメリア、ゼルガディス、シルフィールはそう三人とも。
  その心と決意は同じである。
 

 

  殺伐とした世の中。  
  戦いに明け暮れる四人の姿。
  しばらく、この星が。
  安定するのは、かかりそうである。
  しかし、このくらいは、いいほうであろうが。
  大概、神々や魔が撤退したあとには。
  一度、全ての文明が滅び去る。
  それが、今まで、他の星などでの常識であったのだからして・・・。
 

 

  

 

  「・・・・・・・・何で・・・・覚えてるのよ・・。」
  ぽつり。
  みてはいけない。
  でも、誘惑にまけて、覗いた世界では。 
  間違えのないその容姿、そのままに。
  自分を捜し求めている中間たちの姿・・・・。
  「何で・・何で・・・・何で・・・ガウリイ・・・記憶・・消した・・のよ?
    あたし・・は・・。あたしのことなんて・・・忘れて・・・。
     幸せになってもらうため・・に・・・・。」
  パレスの最深部。
  自身の自室で。
  虚空に映し出された、大切な中間たちの姿。
  今は、転生し、かつてとは違う生命となっているものの。
  その魂の輝きと、その容姿は。
  かつてとまったく同じ、そのままに。
  「忘れなさいよ!!!!馬鹿ガウリイ!!」
  それは、自分に言い聞かせる言葉。
  「・・・・うっ・・・・。会いたい・・・よぉ・・・・。
    でも・・・あっちゃ・・いけなぃ・・・・。」
  リナは、ガウリイ達が転生した。
  その直後に、目覚めはしている。
  そして、忘れるために、がむしゃらに。
  天地創造や部下を作り出してはいるものの。
  自室に戻ると・・
  見てはいけないのに、見てしまう。
  ・・・・どうしても。
  「何で・・・このあたしともあろうものが・・。
     たかが、一人に会いたいのよぉぉぉぉぉ!」
  そのまま、枕に顔をうずめると。
  絶え間なく、涙があふれ出てくる。
  そして。
  「・・・・何で、自分から危険に入ってゆくのよ・・。
    馬鹿ぁぁぁ・・・・。」
  そのまま、衝動に駆られて。

  何ど、彼らの元にいってしまいそうになったか。
  しかし。
  それをすると・・・。
  二度と、離れられなくなってしまいそうな気がする。
  なぜだか。
  ガウリイの横は、とても安らげる場所で、リナにはあるがために。
  

  ―とくん。
  ―我は滅びぬ・・何どでも・・・・。

 

  「・・・・・・え??(汗)」
  ふと、自分の中・・つまりは、抱擁している世界に。
  自分が消したはずの、存在の声が聞こえたような気がする。
  「まさか・・・・あれは、あたしが直々に・・消した・・。」
  リナは自分に言い聞かせる。
  そんな馬鹿なことがあるはずが・・・・ない。
  「うう・・だぁぁぁぁ!!
     おきてるから見たくなるのよ!!
      こうなったら、ガウリイが死ぬまで寝ててやるぅぅぅぅ!」
  それでいいの?
  心の中で自分が何か問いかけてくる。
  仕方ないじゃない。
  このままだったら。
  間違いなく、あたし、ガウリイの元に走ってしまう。
  それは、できない。
  どうして、そんなに思うのかもわからないけれど。
  でも、ガウリイを求めている自分はわかるから。
  何でかわからないけれど。
  だから・・。
  それは、してはいけない。 
  ガウリイには、ガウリイの人生があるんだから。
  それに、自分には、自分の役目。
  この混沌の世界をより良く進化させて。
  導いていくのが自分の使命。
  たかが、一つの存在に心惑わされているわけには・・いかない。
  だから・・。
  いいの・・・。
  「ま、百年くらいだし・・。
    ルナには、また苦労かけるけど・・・。
     ・・・・ゴメンね?」
   そのまま。
   ―――――――くぅ・・・・・・・。
  布団にもぐりこんで。
  寝てしまうリナの姿が。
  パレスの最深部の一番奥のリナの自室。
  そこにて見受けられていた。

 

 

 

 

 

  「リナ様、いつも隠れて、泣いてるよね?」
  この間、作り出されたばかりの部下。
  「いつも、同じ人物たちを隠れてみてて、その後・・だよね?」
  「リナ様を泣かすのは、彼らが悪いやつらからじゃない?」 
  「だよね?僕たちで、何とかできないかな?」
  「あ、だったら、自分達、今、能力の実験中だし。
    実験兼ねて、彼ら・・殺さない?(はあと)」
  『異議なし!!!』
  エルセナルヘルラーダ。
  エターナルイスラーダ。
  ヒルフィシルミルラーダ。
  ヘルシータネスラーダ。
  リナが創り出した世界の、一つ。
  そこを任されるべく修行中の彼ら。
  彼らは・・・ゼルガディスたちのことは・・知らない。
  

 

  「リナ様が寝ているときに、やっておこうね(はあと)」
  「そだね♪」
  なぜ、リナが泣いているのか。  
  その理由を知らない彼らは。
  こともあろうに、ガウリイ達の暗殺を。
  リナのためにと。
  企てて、実行に移そうとしていた―。

 

    

                          -続くー

 

#####################################

 

   あとがき:
      薫:今回は短め♪
        とりあえず、次回。
        リナ、再会?(一瞬のみ)
        そして・・・・。
        ・・・・・・・はははははははは(汗)
        はい(汗)
        アザチェス。
        ガウリイ、狙いはじめます・・・(汗)
      姫:・・しかし、これでもまだ自分の感情・・。
        リナ・・・・気づいてないのね・・・。
     エル:・・ま、リナだからねぇ・・。
     ルナ:・・・そーですわね(汗)
      薫:・・・・ま、リナですし・・・。
        ま、とりあえず、ま、じゃ♪そーいうことで♪
        では♪
 

 

   ああ・・暗くなる一方だぁ・・・・。

 

 

  ま、次の転生話が・・・唯一、ほのぼの・・かなぁ・・(汗)

 

 


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