まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
こんにちわ♪
  はい・・・・・。
  ガウリイ達・・死んじゃいました・・・(汗)
  残された、リナの決断は?(そーいう問題か!?)



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エデンの園  ~第21話~

「さて・・・・じゃ、けじめをつけにいきますか。」
   その目は、すでに、深遠なる真の王の瞳とその姿。
   自分が無意識のうちに、創り出してしまったあの存在。
   あれは、放置しておくわけには・・・いかない。
   ふっ。
   リナの姿は。
   謁見室から、パレスから解け消えた。
あたりは、深遠。
   「・・・・・ほう、自らくるとは・・・な。」
   声が響くと同時に。
   目の前に人形となった陰が浮かび上がる。
   朱金色の髪に漆黒の瞳。
   「・・・・・・どうして・・・・。」
   その存在の力に思わずアゼンとする。
   どうして、ここまで膨れ上がるのに、自分が気づかなかったのか。
   そういえば、最近、歪みがあまり出ないのは。
   これが関係していたからか。
   リナはそれを見据える。
   「貴様に、この我が倒せるかな?」
   「・・・・倒せるわよ。このあたしを誰だと思ってるのよ?」
   リナの目が金色に光る。
   「くく。深遠なる真の王、金色の王の妹にして、
     この混沌の世界の核となりし者。」
   淡々というその言葉には、恐れなど微塵も感じさせない。
   「・・・・分かってるじゃない。
     ま、このあたしの失敗ね。まさか、あたしの感情の揺らぎから、
      あんたのような存在・・誕生してたなんてね。」
   リナの低い声に。
   「くくっ・・・・。感情の・・揺らぎ・・ね。
     本気でそう思っているのか?くくくっ・・・・。」
   いらいら。
   「何がおかしいのよ!アザチェス!」 
   意味深げに笑っているアザチェス。
   その様子をみているといらいらする。
   「ともかく、あんたには、消えてもらうわ。」
   リナの栗色の髪が朱金色に光りだす。
   その近くにいた、他の反逆者達は。
   リナのその気配だけで、消滅していっていたりするが。
   威圧されるような、プレッシャーがリナより湧き出る。  
   リナが本気になっている証。
   「貴様には、無理だな。我を滅ぼすのは。
     我は何どでも、よみがえる・・・くくくっ・・・。」
   「何を!!二度とよみがえられないようにするに決まっているでしょうが!」
   リナがにらみつける。
   「ガウリイ=ガブリエルのために・・か?」
   びくり。
   その言葉にリナが反応する。
   「・・・・ガウリイは関係ない!!
     あいつを・・あんなに傷つけたあんたなんて!!」
   「くくっ・・・・。それが我の力となる・・・。」
   ???
   意味が分からないリナ。

   リナがガウリイを思うその強いまでの心で、誕生しているこのアザチェス。
   リナが、自分の心に気づかない限り。
   そして、その想いがすれ違う限り。
   永遠に、アザチェスには、リナとガウリイから力が補給されてゆく。
   リナはそれに気づいてない。

   「ともかく・・あんたには、消滅してもらうわ!!」
   ぶわっ!
   リナが、大鎌を取り出し。
   構える。
   「くく。少し、遊んでやろう・・。」
   「身の程しらずな!」
   ぷわっ!!
 

   混沌の力が吹きすさむ。

 

 

   「何なのよ・・・・何で、あんたは、簡単に消滅しないのよ!!」
   リナが息をつく。
   被害を最小限にしようとして、力をセーブしているためか。
   まったくといっていいほどに、ダメージが与えられていない。
   いや、ダメージは与えているのであろうが。
   すぐさま、ダメージが回復していたりする。
   リナは、こんなこと、初めてであった。
   「言っただろう?我は・・・貴様の感情より生まれしもの・・・・・。」
   くすくすと笑っているアザチェス。
   リナが自分の心に気づかない限り。
   そして、気づいても、結ばれるはずもない。
   と思っている限り。
   永久に無限にアザチェスには、力の補充が。
   リナも気づかぬうちに、アザチェスに補給されているということに。
   リナは、この時点で気づくはずもなく。
   「・・・・こうなったら、被害なんて、いってられないわ。」
   ガウリイ達は、まだ転生してないし。
   彼らが平和に過ごせる世界があればいい。
   まあ、余波などは、部下達が防ぐでしょ。
   防げないと・・・お仕置き決定だしね(はあと)
   などとリナは思い立つ。
   「ほぅ・・・。」
   意味ありげな笑いをするアザチェス。
   「―――――消えなさい!!!!永遠に!!!!!」
 

 

 

   ――――――――カッ!!!!!!!

 

 

 

   この場を。
   いや、この辺りの空間全てが。
   リナの放った光に多い尽くされてゆく・・・・・・・。

 

 

 

  「我は・・・・死なぬ・・・・何どでも・・・よみがえる・・・・。
     くくくくく・・・・・・・・・。」
   ゆらり・・・・・・・・・・・。
   姿が解け消え。
   そのまま、姿が掻き消えてゆく。
 

 

   はぁはぁはぁ・・・・・・・・。
   「よみがえられて・・・・たまるものですか・・・。」
   何なのよ・・・・あいつは。
   なんで、そこまで、タフな存在になってるのよ??
   まああたしの感情の揺らぎから誕生していたにしろ。
   ・・・・・でも、攻撃するのがためらわれたあの一瞬。
   「・・・・・・何で、あいつの・・・気配があれからするのよ!!!!」
   リナの紅の瞳に溜まる涙。 
   確かに。
   滅び行かせんとした攻撃の一瞬。
   アザチェスから、ガウリイの気配がしたのだ。
   それで一瞬ひるんだリナ。
   「・・・・あたしが、あいつの気配で手加減するとでも・・思ったの?
      って・・・消滅したやつにいっても・・仕方ない・・か。」
   ぽたり。
   「っ・・・・て・・あれ?どうして、あたし、泣いているの?」
   知らず知らずに、涙があふれ出る。 
   あんなやつに・・ガウリイが傷つけられた・・・。
   ゴメン・・・・ガウリイ・・・・。
   心で何ども謝りつつ。
   ごしっ。
   「よし!!あとは、あいつが平和に暮らせるように手配するだけね!」
   涙を吹きとり。
   リナは、その場から掻き消えた。
 

 

 

    「おお!!アザチェスさま!」
    どよどよどよ・・・・。
    深遠なる真の王に消滅させられてしまった!
    アザチェス配下の生き残っている存在達がざわめく。
    ―我は、滅びん・・・・。
    「おおおおおおおお!!!!」
    歓喜の声がこだまする。
    ―だが・・・・復活には・・・・時間がかかる・・・・・。
    「それでは、我々は?」
    ―しばし、休暇を取らす・・・・。
     「御衣。」
    ―我は眠ろう・・・・。力がみなぎるそのときまで・・・。
 

 

    確かに。
    リナは、消滅させたのだ。
    だが。
    アザチェスの核の部分は。
    消滅などはしていなく。
    リナがガウリイを思っている限り。
    ガウリイがリナを思っている限り。
    そのすれ違う感情がある限り。
    アザチェスは・・・・・消滅することなど・・・ありえない。

 

 

 

 

    「まさか、自分より、子供の方が先に死ぬとはなぁ・・・。」
    ガウリイの気配が消えたのを察知して。
    ガブリエル一族では、一族の中で、話し合い。
    ガウリイの父であるラウリィがいう。
    「どうやら、反逆者の駆除をしていてのようですね。」
    まったく。
    不器用なやつ。
    苦笑するしかない兄である。
    ガブリエル一族の長の一族、長男。
    第一継承者、リュシュオン。
    通称、リュク。
    リュクがいうと。
    「ともかく、しかし、報告によれば。
      世界中から、全ての反逆者が一瞬のうちに、駆除されたとか。
       これから、本格的に、各世界において、進化が進行する。
        という緑蒼の王と緑の竜神様たちからお達しがあった。」
    長老が口を開く。
    パリサイト=ウル=ガブリエル。
    『おおお!!』
    どよどよと周りからどよめきが起こる。
    「すると、ユージンとマナティス様は!?」
    一人が意見する。
    「そろそろ、この星だけでなく。
      この区域全体にいかれる所存。」
    紡ぎだされる言葉に。
    「すると、我らは、分断して、御仕えするべきですね。」
    リュクがいう。
    「あと、百年かそこらで。
      この星から、別の場所に拠点を移す所存。
       各自、それを心に留め置くように。」
    パリサイトがそこまでいうのと同時に。
 
    ゆらり。
    辺りを朱金色の光が多い尽くす。

    やがて、それは、一つの人の形となりゆく。

    「・・・・あら?会議中だった?お邪魔だったかしら?」
    ふわ。
    栗色の髪がたなびく。
    『な゛!!!!!!?
      深遠なる真の王(ギャラクシーオブナイトメア)様!!!?』
    その人物の正体をしっている長や長老達の声が驚愕に満ちる。
    その言葉に。
    あわてて、膝をつく人々達。
    「ちょっと・・・いい?」
    こくこくこく。
    汗を流しつつ。 
    うなづく人々。
    「ガウリイ、アメリア、シルフィール、ゼルガディス。
      この四人、ここの輪廻の輪にいれたから。
        一応、報告しておこうと思ってね。」
    ふっとリナの瞳に寂しさが宿る。
    ここでなら・・・・きっと、幸せになれるから。
    「リナ様が自ら・・ですか?報告に?」
    目を見開く長や長老。
    一人うなづいているリョク。
    ―ガウリイ、片想いでは・・ないよ。
     やっぱり。お前とリナさまは・・・。
    そんなことを思いつつ。
    「そ。このあたしに関って、命を縮めたようなものだからね。
      ちょっとはサービスしないと・・・ね♪」
    リナがにっこりと微笑む。
    その表情に、その場の全員が見惚れて思わず絶句する。
    ―深遠なる真の王とは・・こんなに綺麗で素敵な女性だったのか・・・。
    中には、心惹かれてしまっている存在もいたりするが。
    リナはそれにはまったく気づいてなかったり。
    「あ、ユージンとマナティスには、すでに了解とってるから。
      それじゃ、用件はそれだけ。」
    じゃね♪
    それだけいって、出現したのと同等に。
    いきなり、姿が掻き消えている。

    

    しばらく静寂が辺りを支配する。

 

 

    「・・・・綺麗だな・・・・。あれが・・・。」
    「いっとくが?リナ様に手出ししようとしたら。
      完全消滅だぞ?」
    リュクが苦笑しながらいう。
    そういう存在を少なからず、数名は知っている。
    「ま、リナ様には、想い人がいるしな。」
    『誰だ?』
    全員の声が一致する。
    「本人、まったく気づいておられないけど。
      ―・・・・・・・・ガウリイ。」
    どよっ!!!
    一瞬、どよめきが立ち込める。
    「確かに、リナ様、ガウリイのやつといると。
      完全に乙女の表情してたな・・。
       とゆーか、ガウリイのやつの想いも無駄になってない・・・ということか?」
    それですませているガウリイの父。
    ガウリイが子供のころからずっと。
    リナのことを夢に見続けて。
    思い続けていたのは知っている。
    それが何を意味するのかまではわからないまでも。
    「とすると、転生してくるガウリイが不幸になったりでもしたら?」
    一人がいう。
    「ここも、消滅なんじゃない?vv
      何しろ、ガウリイが死ぬ原因となった相手との戦いで、
       リナ様、その相手との戦いの余波において、少なくとも、
        十個の世界を消滅させたようだし。」
    回ってきた世界情報の情報誌にそれが載っていた。
    「この世界・・・・リナ様が結界を張っていたので・・。
      無事だったに過ぎないからな・・・・。」
    疲れたような表情の人物がいきなり出現する。
    『うどわっ!?ユージン様!?マナティス様!?』
    そこに出現したのは。
    この世界の神と魔王。
    「釘を刺されたからな。
       もし、彼らが平和に暮らせなかったら・・・・。
         それなりの覚悟はしてもらう・・・と。」
    魔王ユージンの実感がこもった言葉。
    手小でもおこなう。
    ということは、部下である自分達がよぉぉぉぉく分かっている。
    「そういうことで。ここで、我らが戦うと。
      影響が出る可能性がある。
       ―ゆえに、拠点の移動を早める。
        その用に心がけていてくれ。」
    「私たちは、その胸をこの世界の精霊王たちに話をするからして。」
    淡々と真っ青になりつついう竜神と魔王の言葉に。
    一体・・・・リナ様のお仕置きって・・・(汗)
    その場の全てが、その様子から、とてつもないのだと。  
    理解し、冷や汗かいていたりするが。  
    「分かりました。では、我らも、そのように手配しましょう。」
    リュクが采配を振るう。
    『頼むぞ。』
    

    会議の後。
    このエデンの世界における。
    この世界の中心たる惑星エデンから。
    彼らが拠点移動することになるのは。
    数十年以上後のことであった。
    完全に混乱しないように、配慮した結果にて。
    ここまで年月がかかったのである。

 

 

 

 

 

 

    「・・・リナ様?」
    「・・・何もいわないで。ルナ。」
    何かしていないと。
    あいつを思い出すから。
    でも・・・・・。
    「う・・・・・・ルナ・・・ねぇ・・・・。
      何なの?この心の苦しさは・・・・苦しい・・・・・。」
    二度とあってはいけない。
    そう自分に言い聞かせるたびに。
    リナの心が悲鳴を上げる。
    それを払いのけるかのように。
    リナは、急激に。
    世界を創造してゆく・・・・・。
 

 

    

    ・・・・・きゃあ・・・・ホギャァァァァ・・・・・・・。

 

 

    魔王達が撤廃する直前の時期。
    今、惑星に、一人の赤ん坊が産声を上げていた。
    それに続き、三名もまた・・・・・・。
 

 

 

 

 

    ぽう・・・。
    浮かび上がる映像。  
    見てはいけない。
    けど・・・。
    みずにはいられないから・・・・。
    リナは、転生した彼らの様子を。
    映像にと映し出し。
    その映像をみる。
    「・・・・ね?ガウリイ・・・?
      こんどは、幸せになってよ・・・ね?」
    ぽたり。
    なぜか、リナの瞳から。
    溢れるばかりの涙が零れ落ちた。
    「リナ様、失礼したいます。」
    はっ!
    ルナの声に映像をかき消すリナ。
    「リナ様、一応報告しておきます。
      無事に、ガウリイ=ガブリエルは転生を果たし。
       このたびの名前は・・・」
 

 

     ガウリイのこのたびの名前。
     普通の存在として。
     平和に。
     それがリナの望みであったがゆえに。
     しかし、一応、ガブリエル家の分家にあたる。
     ガブリエフ家。
     

     金色の髪に碧い瞳の男性は。
     すでに、一人で反逆者に挑んだ英雄であるガウリイの名前をとって。
     この星では、ガウリイの名前をつけるのが。
     一般的になっていた。

 

 

     「・・・・・・・・・ガウリイ・・・・・ガブリエフ・・・・。」

 

 

     「リナ様?いってもいいのですよ?」
     はっ!
     その言葉に、リナは目を丸くする。
     「な・・・なななななに言ってるの?
       あたしには・・・・かんけい・・・・ない・・・・。」
     「リナ様・・・・。」
     真っ赤になって涙を浮かべているリナ。
     どうして、こんなにあいつのことを考えるだけで。
     苦しくなるの?
     あたしがあたしでなくなるほどに?
     リナは胸を押さえつつ。
     「ともかく、ガウリイが転生したあの世界。
       ・・・・何も起こらないように・・しといてね。」
     ガウリイを限定して言っているのにリナは気づいてないが。
     はぁ・・・。
     ルナはため息一つ。
     「・・・分かりました。
       ・・でも、しばらく、あの世界、混乱を極めますわよ?」
     「・・・・わかってる。」
     ギリっ。
     歯をかみ締める。
     いきなり、神と魔がいなくなるのである。
     残る、それなりの神族や魔族はいるとしても。
     上層部で、それなりの対応ができているにしても。
     一般の存在達にとっては。
     しばらく、混乱がつづくであろうことは。
     それは、どの世界でも同じこと。
     上層部が拠点を移動するときには。
     すくなからず、何かしらが起こる。
     だが。
     それを乗り越えれば。
     いたって緩やかに。
     他の場所で発生した、自らの世界の魔王と竜神の光と闇の融合の力によって。
     発生した力を吸収し、緩やかに進化していくのであるからして。
     「・・・・せめて、もう少し後に・・・。」
     リナがぽつりという。
     だが。
     ひとたび、輪廻の輪に乗せたガウリイ達は。
     自分が近づくことをしたくなかった。
     記憶を消したのに・・・。
     離れたくない、自分の感情というか心があるのがわかっているから。
     それがなぜなのかはわからないけど。
     ・・・・だから。
     そのまま、関らないようにリナはしていたのである。
     会えば・・・・そのまま、離れたくなくなるから・・・。
     「・・・・大概のことは、ここから、操作するわ。」
     「リナ様・・・・。」
     リナの強い決意の現われ。
     「・・・・今度こそ・・・・ガウリイには・・・・。
        幸せになってもらいたいの・・・・。
         ね?ルナ、協力・・して・・・ね?」
     「分かりました。」
     ぎゅ。
     そのまま、リナを抱きしめるルナ。
     「ルナ?」
     でも、それがうれしくて。
     そのまま、ルナにしがみつく。
     「・・・・どうして、あたし・・・あいつのこと・・。
       考えたら・・・・まるであたしがあたしでなくなるみたい・・・。
        変なの・・苦しいの・・・・・。ルナぁ・・・・。」
     「リナ様、気づいてください・・ね?」
     そのまま、リナの髪をなだめるように、なでてゆく。
     そのまま。
     言葉にならない、嗚咽をしばらく。
     リナはルナの胸の中で響かせていた。
 

 

 

 

     ・・・・泣かないで。
     ―とくん。
     ―とくん。
     泣き顔が近い。
     泣かないで・・・笑って・・・・。
     笑って・・・・・。
     君は・・・・・笑ったほうが・・・・・・。
     ふと。
     目をあけると。
     天井。
     「だぁぁ!」
     「あ、彼方、目をあけたわよ!」
     この人は?
     「おお。お前に似て、かわいいなvv」
     「まっ(はあと)アナタッたら(はあと)」
     ・・・・そうか。
     この人達は・・・・。
     俺の両親・・・・。
     でも・・・・。
     意識の奥底で泣いている少女は・・・・。
     ・・・・・泣かないで・・・・。
     頼むから・・・・・・。
     泣き顔が離れない。
     「ふ・・・・ふぇぇぇぇぇぇ!!!」
     何かを忘れている。
     彼女の名前すらも。
     ・・・・・忘れたくなかった、大事な名前・・・。
     泣いている少女の名前・・・・。
     会えたはずなのに・・・・。
     泣かせてしまい、別れてしまった・・・少女の名前・・・・。
     ・・・・思い出したい。
     ・・・・会いたい。
     「あらあら、ぐずりだしちゃった。眠いのかしらね?」
     「お前は、ガウリイ。ガウリイ=ガブリエフだ。
       これから、よろしくな。わが息子よ(はあと)」
     ひょい。
     抱きかかえられ。
     高く掲げられる。
     ・・・・ガウリイ?
     そう・・・・。
     確かに・・・自分の名前は・・・・。
     ――ガウリイ!
     明るい声が唐突に浮かぶ。
     泣いていた少女の明るい笑顔。
     ――僕・・・俺は・・・・・・・・・。
       あいつを・・・・・・・・・。
       あいつに笑ってほいしために・・・・。
       ・・・・そして・・・・・。
       ・・・・どうした?
     それから先が霞みのようにかかり。
     分からない。
     思い出したと想ったとたんに。
     掻き消えるように消えてゆく。
     再び、まっさらの状態になるかのように。
     ―とくん。
     忘れない・・・・絶対に・・・・・・・。
     彼女のことは・・・・・。
     そのまま、転生したガウリイは目を閉じてゆく・・・・。
      脳裏に、今までのことが一瞬、フラッシュするが。
     それもすべて解け消えてゆく。
     ―が。
     ・・・・・・・・・絶対に、忘れて溜まるか!!!!!!
     ―――――――――――リナ!!!!!!

 

 

     それほどまでに。
     ガウリイのリナに対する想いは・・・・。
     深い。
     そのまま、ガウリイは眠りに落ちてゆく・・・・。
     リナ・・・リナ・・・。
     忘れてしまいそうになる、その名前を何ども反復しながら・・・・。

 

 

 

 

     やがて。
     しばらくの後。
     ぎゃあ・・・・・。
     ほぎゃぁ!!
     「まあ!!かわいい女の子ですこと!」
     「彼方、この子の名前は?」
     「シルフィールというのはどうだ?」
     かつて、ユグラシドルの巫女頭をしていた女性の名前。
     大いなる、その巫女としての能力が高く。
     神聖化されているその名前。
     「いいですわね。
      じゃあ、この子の名前は、シルフィール=ネルス=ラーダ。」
     「ラーダ家の、この神殿の長女だな。」 
     父親であるラルクの言葉に。
     母親はにっこりとベットの上から微笑んでいた。
 
 

 

     「ほぉぉぉぉら!高い、高い!!」
     きゃきゃきゃ!
     「まあまあ、彼方ったら、そんなにまだ首も据わってないのよ(はあと)」
     わらいつつ、二番目の娘をあやしている夫をみやりつつ。
     苦笑しているシルメリア。
     「ああ!!とーさま、ずるい!!なーがもやるの!」
     姉であるナーガと父親が赤ん坊を取り合っていたりする。
     ・・・・ぷちり。
     「いい加減にしなさいぃぃ!!!二人ともぉぉぉぉ!!」
     シルメリアの一括に。
     『はい・・・・。』
     シュンとなる長女であるナーガと父親であるフィリオネル。
     「まったく、さ、お昼ねの時間だから、
      寝ましょうね。アメリア。」
     アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。
     神々が撤収するに当たり。
     それに変わり、四大大陸の王家が。
     その地位につくことになり。
     それに変わる、分家でもある血筋から。
     それぞれの大陸に。
     国々ができ初めてから、はや数年。
     セイルーン王国、創始者。
     フィリオネルとその妻。
     シルメリア。
     まだ国は多少の混乱をしているものの。
     どうにか、落ち着きを取り戻してきている。
     これから、新たな時代にむけて。
     人々は、不安と期待を背負っているのである。
     それをよりよく導くのも、自分達の務めであるからして。
     アメリアは、今ここに。
     セイルーン王家の第二王女として。
     誕生していた。
 

 

 

 

     「おや、これは、これは。」
     にっこりと笑う、オーディル大陸のオーディル王国。
     お抱えであったレゾ。
     すでに、その籍を廃して、俗世に戻ってきているが。
     孫が生まれたのである。
     「これはこれは・・・・。
       まるで、ゼルガディス様と同じですねぇ。」
     そういいつつ、生まれたばかりの孫を抱く。
     「どうです?エリス?この子の名前、ゼルガディス様からとって・・。
      ゼルガディスというのは?」
     「あ、お爺様、それいいですわね。」
     レゾは、長生きをかなりしている。
     もう、籍を廃したので、そんなに長生きはできないであろうが。
     それでも、魔力を駆使すれば、あと、数百年は。
     軽いものであろう。
     「決まりですね。彼方の名前は、ゼルガディス。
        ゼルガディス=グレイワーズですよ。」
     にっこりと。
     その緑の瞳で、生まれた孫をみつつ。
     レゾはつぶやいていた。
 

 

 

     今、新たな物語が始まる・・・・・・。

 

 

 

                        -続くー

    

 

##################################### 

  あとがき:
     薫:・・・やっぱり、スピーカー・・めげたのかな・・・(汗)
       まだ買ってから一年と少しなのに・・・・(涙)
       ・・・・ま、パソの後ろで猫がよく寝てたしなぁ・・・・。
       気づいたら、コードをかじられてるし・・・・。
       スピーカーの・・・・(汗)
       あぅあぅあぅ・・・・。
       音がでないぃぃぃ!!!
       しくしくしく・・・・・。
      
       はっ!
       とりあえず関係ない話はおいとくとして。
       ついに、ガウリイ達が、転生を果たしました。
     姫:でも、この世界。
       まだまだ混乱を極めてるけどねvv
    エル:何しろ、上司がいなくなり、
       暴走する馬鹿な下っ端もいるからねぇ・・・・。
     姫:ま、星の出発っていうのは、そんなものよ(はあと)
       ここは、いいほうよ(はあと)
    エル:確かに。
       リナの怒りを畏れて。
       かなり、周到に土台を作って。
       撤退することを決定してるからね。
       ここの部下達・・・。
     薫:・・・・これから、
       二度目の物語の始まり・・です・・・。
       はい・・・・・。
     姫:・・・・リナも素直になればいいのに・・・。
    エル:ま・・・リナだからねぇ・・・・・。
     薫:・・・・・次の転生話は・・・ほのぼの・・なんですけどねぇ・・・。
     姫:リナ、結局、合流しないしね・・・・・。
       今回は・・・・。
    エル:ま、大人しく、反逆者もしてないけど・・・。
     薫:・・・・・。
       ま・・・まあ・・・・(汗)
     姫:ま、とりあえず、今日は、何遅くおきているのかな?(はあと)
     薫:・・・・ぎくっ!!
    エル:だから、作業が遅いのよね?(はあと)
     薫:・・・ぎくぎくっ!
       雲行きが怪しいので・・。
       それでは!!
  エル&姫:まったね♪
 


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