まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
こんにちわ♪
  よっし、とりあえず、過去のこの話をキリのいいところまでおわらすぞ!! 
  と、いうわけで、第19話です。
  リナ、全ての歪みを駆除&吸収して、深い眠りに入りました。
  のこされた、ガウリイ達は??



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エデンの園  ~第19話~

「・・・・・一筋だな。」
   さすがにあきれ返って、苦笑しているガウリイの兄。
   「いけないか?」
   「・・・いや。」
   あれから、すでに十数年以上が経過しているというにも関らず。
   毎日のように、リナの元に。
   パレスに通いつめているガウリイ。
   未だにリナは目覚める気配すらもみせない。
   「まあ、ギャラクシーオブナイトメア様が、
     眠りに入られている状態でも、補佐官殿が、厳しいからなぁ。」
   くすり。
   各自の仕事に追われている魔王と神をおもいつつ苦笑している。
   ルナは、リナが目覚めたときに、わずらわしいことがないように。   
   と、より厳しく提出の遅れている世界などに、
   通達やそれなりの仕置きを行っている。
   「・・・・俺はそれより、気になることがあるんだよ。」
   ガウリイが空を鋭い眼差しでみつつ。
   小さくつぶやく。
   ・・・・誰も気づいてないみたいだが。
   あのルナさんでさえ。
   確かに、リナの中から・・・・深遠なる空間の中から。 
   いやな気配というか、リナに災いをなす感じがする力が。
   大きくなっているような気がする。
   いや、世界の歪みなどをそれが吸収している。
   といっても過言でない、その尋常ならざる力。
   リナですらまだ気づいてない、その存在を感じ取っているガウリイの感は。
   さすがとしかいいようがないが。
   「ま、どうやら、父さん達も、お前に長を任すのは、ようやく諦めたようだからな。」
   くす。
   苦笑いしつつ笑みを返す。
   「母さんは、孫を抱きたい。とかいってるが・・な。」
   くすくすくす。
   「―孫?そんなもの・・・・いらない。俺は・・・・リナの・・・・。」
   リナの笑顔がもう一度みたい。
   あの、輝くばかりのあの笑顔が。
   気づけば、リナを欲している自分がいる。
   心の奥底では、リナを自分だけものにしたい。
   という欲望をもっていることも、ガウリイには分かっている。
   リナがリナであるからして。
   リナがリナである限り。
   全てにおいて、リナの代わりに、わずらわしいことを自分で引き受けて。
   リナにはいつも笑っていて欲しいと。
   切に心の奥底から願っているのが自分の願い。
   「まあ、頑張れ。」
   くすくすくす。
   というか、あのリナ様も、ガウリイのこと。
   はっきりいって。
   あの様子だと、好きになってるしな。
   本人、自覚ないようだが。
   はっきりいって。
   リナが気づいてないだけで。
   リナの態度から、リナがガウリイに対して。
   特別な感情を持っている。
   というのは、すでに、リナとガウリイをみたことある存在であれば。
   だれでも一目瞭然である。
   気づいてないのは、リナばかり。

   「それは、そうと、そろそろ・・・じゃないのか?」
   リナが眠りにつき。
   平和になったこの世界で。
   変わったことといえば、ゼルガディスとアメリアが結婚し。
   子供を儲けて。
   すでに、孫までいる状況。
   それほどまでに、長い年月が経過している。 
   ガブリエル一族は、その特殊な一族がら。
   寿命は、他の人間達とくらべて。
   極端に長い。
   大概、一千年の周期で、輪廻転生を繰り返している。
   普通でありながら、人でというよりは、精霊部族に近い、アメリア達。
   このエデン世界の王家の人々も。
   寿命。
   というものは確かに存在する。
   シルフィールなどは、マナ大陸の王宮に勤めている、
   そこの王室神官長と結婚し。
   その血筋は、はるかに、巫女として、神官として。
   ゆるぎのないものとなっている。
   しかし。
   全員のきがかりなのは・・・・。
   リナのこと。
   

 

   「・・・・ガウリイか。」
   彼ら、王家の人々は。
   ある程度までいくと、老いることがない。
   それゆえに、民からは、神聖扱いを受けているという理由もあるのだが。 
   「・・・ガウリイさん。」
   ベットに横たわる、親友二人。
   その周りには、彼らの子供達と、孫たち。 
   そして、ひ孫たちやおもだった重臣たち。
   「すまないな。さすがの俺にも、寿命ばかりは・・な。」 
   寿命が尽きようとしている親友に語りかけるガウリイ。
   ここは、ユグラシドル大陸の、王宮の中の離宮。
   アメリアの姉である、グレイシアは、竜族に嫁いでいった。
   王位を継承し、息子たちにそれを託し。
   今、アメリアとゼルガディスは、今回の寿命をいままさに、
   まっとうしようとしているのである。
   「気にしないでください。ガウリイさん。
     それより、肉体がなくなったほうが、身動きがとりやすいです!」
   今にも寿命がつきかけている。
   というのに、口調は、あいかわらずのアメリア。
   「・・・・なあ、ガウリイ、お前からも何かいってやってくれ・・・・。」
   傍らで、半分体をおこしつつ。
   頭を抱えているゼルガディス。
   「アメリアのやつ、魂だけになったら、
     リナのとこに居候でもして、無理やりにでも、リナを起こす。
      といってるんだが・・・。」
   「当然です!!リナさんが、このまま、ガウリイさんと、
     会えないままで、ガウリイさんの寿命が終わってしまったら!
      それは、正義じゃないです!」 
   死に掛けているというのに。
   ガッツポーズをとっているアメリア。
   「・・・・・ガウリイ様、万事、アメリア様は、この調子ですわ。」
   あきれるやら、ほほえましいやら。
   二人がこの調子なので、
   悲しい雰囲気などこの場には微塵も感じられていない。
   もうすぐ、二人の寿命が尽きようとしている。
   というのにも関らず。
   老臣が苦笑しつつ、ガウリイに話しかける。
   「・・・・でも、リナ、俺が毎日のようにいってるけど・・・。
      未だに目覚める気配は・・ないぞ?」
   そう。
   あれから、ずっと、毎日のように通いつめている。
   リナが君臨しているギャラクシーパレスに。
   しかし。
   あれから、ずっと、リナの気配は弱いまま。
   ルナ曰く目覚める兆候すらも見当たらない。
   というのだから。
   「きっと、リナさん、ガウリイさんがいるから、照れてるんですよ。」
   ずばり。
   図星を言い当てているアメリア。
   ある意味正解。
   ガウリイにもしあってしまったら。
   どういう顔をしていいのか。
   どうしようもなく不安なリナ。
   だからこそ、このまま、ガウリイが寿命をまっとうするまでは・・。
   と。
   かたくなに目覚めを拒んでいるのである。
   リナ自身、そのことに気づいてないのが、疎すぎるというか・・・。
   「アメリア曰く、ガウリイの声だと、リナがでてこない可能性がある。
     とかいうしな。」
   まあ、あのリナだからなぁ。
   それもありえるな。
   苦笑せざるを得ないゼルガディス。
   とことん、照れ屋なリナだというのは。
   共に行動した仲間としての時間が物語っている。
   「・・・・俺って嫌われてるのかなぁ・・。」
   『まったく逆です(だな)。』
   少しうなだれるガウリイに、すかさずつっこむアメリアとゼルガディス。
   「すでに、シルフィールさんは、あちらで、手伝いをしているようですし。」
   数年前。
   先に、寿命を終えたシルフィールもまた。
   リナのことを気にかけて。
   転生部署の人員を説得し(脅して)パレスのルナの元にと今はいたりする。
   ときどき、死してもなお、交流はある。
   彼らにとって、魂でも、何でも、それは、器があるかないか。
   というだけで、転生するために、輪廻に入る前までは。
   ずっと、つながりを持ち続けるのが普通であるがために。
   「きっと、リナさんを引きずり出して見せます!!!」
   何か意気込んでいるアメリア。
   「・・・ま、そーいうことだ。寿命がなくなったからといって。
    ・・俺はまだまだ当分にアメリアの保護だな。」
   くすっ。
   苦笑するゼルガディス。
   だがそれがとてもうれしいというのが、
   その表情をみても手に取るように明らかである。
   「・・・・あ、そろそろ・・・。」
   そろそろ、器となっている肉体の時間がなくなってゆく。
   「ガウリイさん、またです。」
   「またな。ガウリイ。・・・次もまた会えることを祈ってる・・・・・。」
   転生し、記憶をもったま。
   といのは、稀である。
   というのは分かっている。
   それでも、次の生でも、また、この仲間たちとは。
   ・・・再び会いたい。
   それは、全員の気持ちの一致するところ。
   「お爺様。」
   「お父さま!お母様!」
   一族に見守られて。
   アメリアとゼルガディスは息を引き取った。
   「じゃ、俺、アメリア達を案内してくるわ。」
   これもまた、ガウリイ達一族の役目でもある。
   寿命を終えた彼らを。
   この世界の輪廻を担当する部署に。
   迷わずに送り届ける。
   という役目。
   魂となった、アメリアとゼルガディス。
   だが、肉体がなくなったからといって。
   まったくといっていいほどに、違和感を感じてない二人。
   「うーん、体が軽いですvv」
   「・・・・喜ぶな・・・。」
   はしゃぐアメリアに頭を抱えつつも、笑ってみているゼルガディス。
   いつまでたっても、愛らしい妻の顔。
   永遠にみていても飽きないであろう。
   そんなことをゼルガディスは思いつつ。  
   「じゃ、いくか。アメリア、ゼルガディス。」
   ガウリイに連れられて。
   アメリア達は、この世界を担当している、
   輪廻転生を扱っている担当部署に移動してゆく。

 

 

   「むちゃいわないでくださいぃぃぃぃ!!」
   根負けしたのは、やはり、部長の方。
   ここ、エデン世界を担当している輪廻転生部署の出張所。
   そこの所長と部長が、アメリアによって、いいくるめられている。
   にっこり。
   「じゃ、決まりですね(はあと)」
   「うう・・私達ですら、パレスには滅多と行かれないのにぃ・・・。」
   いきなり、パレスに案内してください。
   ルナさんに連絡取ってください!  
   と、言われた従業員はたまったものではない。
   それから、言い合うこと、すでに、かるく一年は経過していたりする。
   ここでは、時間は気にならないが。
   名前を確認してみると。
   どうやら、このアメリアとゼルガディスは。
   深遠なる真の王様の、知り合いらしい。
   ・・・というのが上層部より伝わり。
   かってにいけばいいのではないか。
   という思いもあることながら。
   やっぱり、形式を踏んで、尋ねたほうが。
   リナさんが目覚める可能性が高いです!
   というむちゃくちゃな理論のもと。
   アメリアが交渉を開始したのである。

   にっこりと。
   「さて、リナさん、まっててくださいよぉお!!
     かならず、リナさんを目覚めさせて見せます!!」
   がっつポーズをとるアメリアに。
   それを暖かく見守るゼルガディスの姿。
   そして、だくだくと涙を流しているその場の存在達。
   そんなほのぼのとした風景が。
   出張所でなく本部にて。
   執り行われていた。
 

 

 

   「・・・・ちっ。ここもか・・・。」
   このほど消滅したという世界を見に来ているガウリイ。
   だが、その消滅の歪みに生じて発生するはずの。
   『力』が微塵も感じられなく。
   それでいて、粘りを増している違和感。
   ガブリエル一族としてでなく
   ただ、リナの少しでも役に立ちたくて。
   リナが抱えているはずのわずらわしさを取り除きたくて。
   リナが眠りについてからも、こうして、たびたび、
   世界の修正を手伝っているガウリイ。
   手伝っているというのは過言ではないが。
   何しろ、ルナはやめてくれ。
   といっているのであるからして。
   もし、ガウリイに、それこそ何かあったら。
   今のリナ様の精神では耐えられないから・・。
   それを危惧しているのである。ルナは。   
   しかし、それでも、リナのためにガウリイは何かしたかった。
   それでなくても、ルナも気づいてない。
   確かに、強い力が、年々、いや、日に日に力を増していっている。
   その正体をガウリイはリナが眠りにはいってから。
   ずっと。
   追い続けている。
   しかし、なかなか尻尾をつかませない。
   そして。
   確かに、リナが反逆者はすべて駆除したにも関らず。
   今度は、世界を任されていたりした王たちや。
   各機関で働く存在達が。
   まるで、何かに入れ知恵されたように。
   こぞって、反逆を開始しはじめていたりする。
   その波動から。
   誰かに入れ知恵されて、力を与えられている。
   というのをガウリイは気づいていた。
   

 

 

 

   しかし、そういう輩は、ルナによって厳しく弾劾され。
   もしくは、ガウリイによってずたぼろにされ。
   リナにとって、傷がないようにしているルナとガウリイ。 
   しかし。
   ガウリイがリナのために、活動すればするほどに。  
   入れ知恵させられた存在達は。
   こぞって、ガウリイを狙い始めているのが今の現状。   
   ガウリイは、簡単に全てを排除しているものの。
   今、ガウリイは、常に命を狙われている状況に陥ってはいるものの。
   ガウリイの実力にかなうものなどいるはずもなく。
   こうして現在に至っている。
 

 

 

   ガウリイが、深遠の暗い空間を探索していると。
   ふいに。
   何かの気配を感じた。
   見間違いのない気配を。
   「・・・・・ここが、隠れ家・・か?」
   巧妙に隠されたその一角。
   ルナでさえ、いまだに気づいてない、その隠れ家の入り口にあたる。
   空間の歪み。
   ガウリイは、ためらいもなく、その中にと足を進めてゆく・・・・・。
 

 

 

 

   ―ほぅ・・・・・・・。
   「アザチェスさま、ガウリイ=ガブリエルが、我らがアジトの一つに・・。」
   闇の空間に報告をする声が響く。
   ―・・・・必ず生きて生け捕りにせよ。それか、魂だけでも、・・な。
   「御衣。」
   闇に伏礼をし。
   きびすを返す、数名の存在達。
   姿は、人のそれであるが。
   人でないのを物語るように、翼が生えていたり。
   尻尾が生えていたり。
   そしてまた。
   冷たいまでのその眼差し。
   カツン。
   闇の空間に、彼らの各自の足音が響き渡る。
   

 

   『ガウリイ=ガブリエルが我らがアジトの一つ、
     第102エリアに侵入した。すみやかに、対処すべし。    
      深遠なる真の王への切り札だ。かならず魂には傷をつけるな。
       肉体はどんなになってもかまわない。
        あれを苦しめたければ、肉体も殺さずに、
         半殺しにして、生け捕りにせよ!』
 
 

   すでに。
   かなりの規模にと膨れ上がっている、アザチェス一派。
   ガウリイ=ガブリエル。
   確か、リナ様が、気にかけているとかいう存在・・・。
   ずるい。
   そいつがいなければ、自分達が・・・・・・・。
   リナに対して、そういう感情を抱いている輩は。
   ガウリイに対して、激しい嫉妬心とともに。
   そしてまた。
   リナを手に入れたいがために。
   アザチェスの誘いに乗り。
   ここに、リナもルナも未だに気づいてない、組織をアザチェスを主とし。
   創りあげていた。
 
 

 

   ―くく。
    さて・・・・・。
    あれが傷つくと・・・眠りに入っているとはいえ・・・・。
    深遠なる真の王はどう反応することやら・・・くくくっ・・・・。

 

   闇の中から、苦笑する声が漏れてゆく・・・・・・・。

 

 

   

   『リナ様をゲットするために、頑張るぞ!』
   『おう!!』
   無謀極まりない存在は。
   いつまでたっても、消えそうにない。

 

 

                            -続くー

 

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   あとがき:
     薫:よっし!
       よーやく、アザチェス、開始!!!
       ガウリイ、アザチェスと初めての対峙!!
       しかし・・・・・・(汗)
       すれ違いがもたらす力とは恐ろしいもので・・・(汗)
       ガウリイとリナの感情から生まれてしまっているこのアザチェス。
       これから、物語は・・・・。
       暗くなっていきます・・・・・・・・・・・・・。
       唯一の救いは。
       アメリア達が、ルナに頼んで。
       メンバーがばらばらに転生しないように、してもらった。
       ということ・・・かな?(汗)
       あぅあぅあぅ・・・・・。
       それでは・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

      次回。
      ガウリイ=ガブリエル。
      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・死亡。

 

      そして、物語は始まります・・・・・・・・・・・。

 


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