まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
こんにちわ♪
  ついに、エデンの始めのクライマックス!?(まて!)
  リナ、アメリア、ゼルガディス、シルフィール、ガウリイ。
  さて・・・リナとガウリイの行方は!?(だからまて!)



#####################################

エデンの園  ~第17話~

「・・・・あんた達、許さない!!!!」
ぷわっ!!!!!!!
リナが、本気の、混沌の渦が巻き起こった。
よくも、よくも・・・・。
  よくもガウリイに怪我・・させてくれたわね!!
それに・・・・。
  唯一の、友達である・・・アメリア達にも!!
リナの中にあるのは。 
  ガウリイが怪我する前に間に合わなかった自分への後悔。
  そして・・なぜか、ガウリイを失うかもしれない。
  という恐怖という名前の感情。
  ・・・それらに当の本人は、まったく気づいてないのだが。
「簡単に、消滅させるものですか!!!」
 

   リナの怒りに満ちた力が。
   彼らを捉えてゆく・・・・・・。

  

  星を、混沌の力が覆ってゆく。
  だが、それは。
  星のいたるところにいる、反逆者をあっという間に、吸収し。
  消滅させてゆく。
  元々、この世界にいた存在達には、一切危害などを加えずに。

 

  

  カルス、ファントム、メタリア。
  彼らが力をとして、結界を張っても。
  当然、リナの力にかなうはずもなく。
 

  切り刻まれて、血まみれになり、それでも、原型を止めなくなっているにも関らず。
  鋭利な刃物で傷つけられるがごとくに。
  それでいて、虚無が辺り、所々消滅しているのにも変わらず。
  死ねない・・滅べないカルス達。
  それをうすく笑いながら、笑みに怒りという名前の神秘さを漂わせて。
  朱金色の女神のごとくに。
  リナは、深淵の闇と化しているこの空間で。
  光輝いている。

  

 

  『ぐ・・・・ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・。』

 

 

  やがて、数時間後。
  彼らは、苦痛を味わいながら、滅び行かんとする。

 

 

  さぁ・・・・・・・・・。

 

 

  星に、一声に光が差し込む。
  「・・・・はっ!!ガウリイ!」
  あわてて、リナが鎌を仕舞い、ガウリイの元に駆け寄る。
  アメリア達に抱きかかえられるように、
  ガウリイは眠っている。
  「・・・だい・・丈夫・・よね?」
  そっと。
  ガウリイの胸に手を当てるリナ。
  とくん。
  心臓の音が心地よく手を通じて伝わってくる。
  ・・・・・・・・ぺたん。
  そのまま、力なくその場に座り込むリナ。
  「よかった・・・・・・・・。」
  ぽろぽろぽろ・・・・。
  なぜか、頬が冷たい。
  「はい。リナさん。」
  すっと。アメリアがハンカチをリナに差し出してくる。
  「・・・え?」
  リナがわけがわからずにキョトンとしていると。
  「リナさん、涙を拭いてくださいな。ガウリイ様は大丈夫ですわ。
    リナさんのおかげで。」
  にっこりと、シルフィールがリナに語りかける。
  あの風景を直視していたにも関らず。
  三人ともまったく、怯えた様子も、欠片もみえずに。
  「え・・?」
  いわれて。
  初めてリナは、自分が涙を流しているのに気づく。
  「・・・・・どうして?」
  分からない。
  分からないけど、ガウリイが無事だとわかったとたん。
  何か、糸が切れるように、熱い何かが、自分の中からあふれ出したのは理解できた。
  だが、それが何なのか、リナは理解できていない。
  「・・??何で、あたし・・泣いてるの??」
  首をかしげつつ、涙を拭くリナに。
  互いに、顔を見合わせるアメリア、ゼルガディス、シルフィール。
  (・・・・リナさん、自分の感情に・・気づいてない・・)
  三人が、そのことに気づくのも当たり前。
  「何で・・何で、ガウリイがこんな目に・・こんな目にあわないといけないのよ・・・。」
  消え入りそうなリナのつぶやき。
  そして。
  悲しい瞳でガウリイを見つめる。
  ・・ただ、会えた。
  それだけで、何かとっても、暖かい気持ちになる。
  ・・どうして??
  「ともかく、リナさん、お帰りなさい(はあと)」
  にっこりと。 
  アメリアとシルフィールがリナに手を差し伸べる。
  しばし、ガウリイを見ていたリナ。
  「あ・・・・。ゴメン・・あたしのせいで・・・。」
  分かってしまった。
  アメリア達がこの攻撃に巻き込まれたのは。
  少なからず、自分と親しいから。
  という理由があったということに。
  そして、アメリア達が。
  自分のために、自ら、歪みの訂正をするために、
  反逆者と対峙している・・ということも。
  「・・ごめん・・・皆・・あたしが・・あたしが・・。」
  あたしが、彼方たちを友達だ・・と、知り合ってしまったばっかりに・・。
  うれしかった。
  普通に接してくれる彼らが。
  そして、何よりも、ガウリイの側にいると、自分が自分でいられるようで。 
  どこか、安心し、甘えていた。
  はやく、気づくべきだったのだ。
  アメリア達が、反逆者に注記される前に。
  「何いってるんですか!リナさんは悪くないです!」
  「そうですわ。それより、リナさん、お帰りなさい。
     私達、ずっと、リナさんをまってたんですのよ?(はあと)」
  「そうだぞ。リナが謝ることなんて、一つもない。」
  「ガウリイさんも・・リナさんをずっと待ってて。
    パレスにも度々いかれてたんですよ?」
  アメリアの言葉に。
  はっとなるリナ。
  だけど。
  このままだったら・・・・。
  彼らは・・また・・・。
  自分のせいで、攻撃を・・・。
  それが苦しい。
  そして・・ガウリイが傷つくのが・・・。
  とてもいやだった。
  もし、死んでしまったら?
  そのまま、彼の魂は、次の輪廻に入るだけ・・・
  リナにとっては、些細なことのはずなのに。
  それが、とても苦しく感じる。
  

  「・・・・リナ様!!!?」
  あわててやってくるユージン達。
  ふっ。
  と、リナが立ち上がる。
  「ううん。これは、あたしの責任・・・。
    ・・・・だから・・・・・。
     ・・・・さよなら・・・・。」
  悲しく、アメリア達を交互に見渡して。
  そして、
  「・・・・・・・・・・・ガウリイ・・・・・。
    ・・・・幸せになって・・・・・・。」
  つい。
  手を前に突き出す。
  「!!リナさん!!まさか!!!!?」
  シルフィールがリナの意図に気づき。
  抗議の声を上げる。
 

  「・・・ありがと。友達になってくれて・・・。
    ・・・でも、・・そのせいで・・迷惑・・かけたくない・・・・。」

 

 

 

  「リナさん!!」
  「いけないわ!リナさん!!」
  「リナ!?まさか!!!?」

 

 

  「ユージン、マナティス!!彼らに他言無用!!!!」
  凛としたリナの声が響くと同時に。

 

 

  アメリア達、四人の姿は。 
  その場から掻き消えていた。

 

 

 

  「・・・・リナ・・様?」
  「・・・よろしいのですか?
    ・・・・彼らの・・記憶を・・・。」
  おずおずと、リナが何をしたのか察して。 
  リナを見つめるリナの部下でもあるこの世界の神と魔王。   
  「・・・いいのよ・・・・。」
  自分と関らなければ。
  少なくとも、反逆者に命を狙われることも・・ない。
  特定に。
  ずき。
  忘れて・・・あたしのことを・・・・。
  覚えていて欲しい。
  けど・・・それは、自分だけが優しくなる記憶を持っていれば。
  この先、それを思い出しながら、統括していけるから。
  彼らは・・普通の・・そう・・・。 
  普通の生活を・・・・・。
  「いい?もし、何か聞かれても、知らないと答えるのよ?
     そして・・・・・。もし、彼らが寿命をまっとうできずに・・。
      死ぬようなことがあったら・・・・。
       ・・・・わかってるわよね?
        この世界もろとも、完全消滅だからね?」
  リナの瞳が本気だと物語っている。 
  どこかさみしそうな瞳で。
  はっとなるユージンとマナティス。
  『リナ様!!!』
  ふっ。
  顔を覆うように、リナの姿は。
  その場から掻き消えていた。
 

 

 

  あたしのせいで・・・普通の存在である彼らの・・生に影響がでるのは・・。
  ・・・・いや・・・・・・。

 

 

 

  ・・・・・・・・・・・・・・・・ガウリイ!!

 

 

  戻ってきたルナの目に入ったのは。
  まるで、生気がないリナの瞳。
  どこか、虚ろで。  
  「・・・・リナ様・・・・。」
  「・・・・ルナぁぁ!!」
  そのまま、ルナの胸に顔をうずめる。 
  「どうして・・どうして、どうして!!?
    どうして、あいつが・・せっかくできた友達なのに!
     あたしのせいであんな目にあわないと!
      ・・どうしてガウリイが狙われないといけないのよ!」
  嗚咽がリナから漏れる。 
  「・・だからって・・彼らの記憶を・・封じる・・というか消し去るのは・・・。」
  「・・他に方法がある?アメリア達のことだもの。
    ・・・覚えているかぎり、自分達から進んで・・・あたしの役に立とうとして。
     ・・関るのが目に見えているのに??
      命を落とすかもしれないのに?
       死ぬだけでなく、歪みに取り込まれて、消滅するかもしれないのに?
        ・・あいつが・・・あいつが・・いなくなるのは・・・・。」
  最後の台詞は。
  リナの無意識から出た言葉。
  「・・・・はぁ・・・・。
    ともかく、リナ様、気が高ぶっておられるようですね。
     お休みください。私も側にいますから・・。」
  「・・ありがと。ルナ。」
  涙に濡れた瞳でルナを見上げる。
  にっこり。
  「どうしたしまして。・・さ。リナ様。」
  リナの手を引いて。 
  ルナはリナの寝室へと入ってゆく。

 

 

 

  我らは・・・消滅するのか・・・。
  せっかく、深淵なる真の王の弱点を発見して・・。
  ・・これから・・というときに?
  カルスたちが、虚無に飲み込まれ、消滅しようとする刹那。
  彼らに声が響いた。 
  ―消滅したいか?
  そんなわけないでたろう?
  ―ならば・・・わが手足にならぬか?
  ・・誰だ?
  視界を凝らすと。
  闇がひときわ濃い場所がある。  
  ―我は、全てを無に戻すもの。
   全てを同化し、そして、全てをなかったものにするべく誕生せし存在・・・。
  濃い闇から声が聞こえる。
  ―我は・・・・深淵なる真の王を・・滅ぼすべく誕生した。
   ・・・我が手下にならぬか?
   さらなる力を・・・約束しようぞ??
  声の呼びかけに。
  顔を見合わせ。
  『・・・・このまま、消滅するよりは・・・。』
  ―懸命な判断だ・・・・・・。
 
  ゆらっ!!
 
  濃い闇が、一瞬のうちに、彼らを取り込んだ。
 
  ―我が名は、アザチェス。 
   深淵なる真の王の感情の歪みにより誕生した命なり・・・・・。
   我が使命、深淵なる真の王を滅ぼし・・・・・。
   そして・・・・ガウリイ=ガブリエルを滅ぼすこと・・・・・。
  

  ゆら・・・・。

 

  漆黒の虚無の空間から。 
  それは瞬くまに掻き消えていた・・・・・。

 

 

  

  リナがガウリイに対して、理解できない感情を抱いたとき。 
  その反動で、誕生した歪み。
  あまりに、想いが強すぎて。
  一つの生命にと発展するには、たやすいこと。
  歪みより誕生せし、リナに背くもの・・・・。
  ・・・・リナの心の闇の部分・・・・。
  リナの感情と対をなすもの・・・・・・・。
  リナがガウリイを想えば、想うほどに。
  そして、ガウリイがリナを思えば、想うほどに。
  成就されない、その思いの力は。 
  力を増し、そして・・・アザチェスに力をつけてゆくこととなる・・・・・・。
 

 

  リナに気づかれることなく。 
  確実に、歪みは、力を増していた・・。
 

 

 

  「・・よっし。」
  リナが涙をふき取り、顔を上げる。
  どこか、泣きはらした顔で。
  どこか、決意した瞳で。
  「ルナ、ちょっと、レイアースたちに、忙しくなるけど。
    我慢してねvvっていっておいて!」
  「・・それはよろしいですけど・・。」
  何をする気なのでしょぅか?
  リナ様は?? 
  ルナは首をかしげる。
  とりあえず、記憶をアメリア達から消しても。
  大本の存在達がいるかぎり。 
  どこからか、またガウリを・・アメリア達に危害を加えるやからが、
  でるかもしれない。
  ・・それは、防ぎたいから。
  ・・・そう。
  たとえ、それで、反動で歪みが後々に大きくなろうとも・・。
  それでも・・・。
  「・・・アメリア達が寿命ある間、
   これ以上、彼らにチョッカイかけないようにvv
    全ての歪みを元に戻しておくわvv」
  「ちょ・・リナ様!?」
  ふっ。
  リナは、全ての中心である、自分の核たる部分に直結している。
  とある場所へと移動する。
  「・・まだ、リナ様は、全ての歪みを吸収したら、精神が!
    少なからず、身動きが取れないのに!!」
  リナを心配するルナ。
  リナの精神では。
  全ての歪みの感情を吸収するには。
  リナは、あまりにも優しすぎ。   
  少なからずの影響を受けるのである。
  まだ、リナは非情に徹しきれないところがあるのである。
  それゆえに、今まで、世界が発展しないから。
  といって、数回やったことはあるものの。
  そのたびに、しばらく、具現化できないほどに。
  リナは、精神ダメージを受けているのが今の現状。
  最近は、殆ど、部下達に任せているので。
  そういったことは起こってないが。
  まだ、部署を創るまえ。
  よく、リナは寝込んでいたのである。
  寝こむという表現は適切ではないかもしれないが。
  そのたびに、このリナが抱擁する世界は。
  フリーズ状態になり、しばし、凍りついたように動かなくなっていたという、 
  現実が、以前にあったりするものだから。
  ルナの心配も当たり前。
  

  「さて・・・・。」
  アメリア達が、無事に生をまっとうするまで・・・・。
  わずらわしいのは・・のけとかないと・・・・。
  ・・・・ガウリイ・・・・彼には・・。
  ・・・・・??
  だから、なんで、あたし・・あいつのことばっかり考えてるわけ??
  リナは不思議に思いつつ。
  全ての力を解放した。
 

 

  リナから、淡い金色の羽が浮かび上がり。
  リナの全てでもある世界に淡い金色の深淵に近い光が。
  宇宙全体を一瞬、多い尽くしてゆく・・・・・。
 

 

  ぐら・・・・。
  「・・・!!リナ様!!!」
  いやな予感がして、ルナがその場に出現する。
  案の定。
  リナは、そのまま、倒れこむように、気絶してしまった。
 
  淡い光に掻き消されるように。
  リナの中から・・・。 
  全ての世界から。
  歪みから発生した存在は。
  全て、消え去っていた。

 

 

  「・・・・まったく・・・無茶を・・・。」
  それでも、まだ実体化できるというのは。
  以前と違い。
  力がついて来ている証拠ではあるのだが。
  「・・・・やっぱり・・・リナ様・・一人で全てをかかえこむのは・・。
    ・・・・無理なのですよ・・。」
  やはり。
  全てを分け合い、分断する存在が必要なのだ。
  と、ルナは切実に感じ取っていた。
 

 

  「うわぁぁ!!!!?何だ!?この多さは!?」
  更正の予知があると思われる。
  反逆者達は。
  こぞって、歪曲部署の中に位置する更正促進部署。
  そこに送られているのだが、一瞬のうちに。
  総責任総司令官、レイアース。
  彼の悲鳴が響いていた。
 

  

  「うん・・・・。」
  ちちち・・・・。
  小鳥のさえずりで目が覚める。
  何か、長い夢を見ていたような・・・・。
  「お早う、アメリア。」
  隣で優しく微笑むゼルガディスに。
  「お早うございます。ゼルガディスさん。」
  そして、ふと。
  ベットから起き上がる。
  「・・・・何か、夢を見ていたような気がします。」
  「アメリアもか!?」
  アメリアの言葉に。
  ゼルガディスが唸る。
  「ゼルガディスさんもですか?」
  確かに。
  何か、夢を見ていた。
  大切な何かを・・。
  「いえ・・・違う・・違います・・夢では・・。」
  何かを忘れている。 
  大切な何かを・・・。
  それが思い出せないのがはがゆい。
  「アメリア様、ゼルガディス様、朝食の支度ができております。」
  女中の声が扉の向こうから聞こえてくる。
  「あ、今いきます。」
  アメリアとゼルガディスは、急いで、ベットから起き上がり。
  互いの服を着始めた。
 
  「・・・・う・・ん・・。」
  目が覚めると、いつもの、王宮の中の自分の自室。
  何か、大切なことを夢みていたようで・・。
  「・・・・何か、違いますわ・・。」
  シルフィールもまた。
  何か、心につっかえたように、わだかまりをのこしつつ。
  ベットから起き上がった。
 

 

  波に呑まれて、消えそうになってゆく記憶。
  ・・・・いやだ!
  忘れたくない!!
  忘れたくないんだ!!!
  ・・・・・・・・・リナ!!!
  遠くなるリナの姿。
  必死にそれに追いつこうとする意識の中のガウリイ。
  どうして・・・どうして?
  どうして、俺の中から記憶を消そうとするんだ!
  ガウリイの精神が叫ぶ。
  ふと。
  ―・・・・あたしのせいで迷惑・・かけたく・・ない・・・。―
  リナの声がしたような気がした。
  迷惑なんて、思ってない。
  それどころか・・俺を頼って欲しいのに!!
  リナ!!
  手を伸ばすと。
  リナは、そのまま、闇に解け消えるように、
  姿が掻き消えてゆく。
  「・・・・・絶対に忘れてたまるか!!!」
  がばっ!! 
  ガウリイは跳ね起きる。
  「はぁはぁ・・・・あ・・・あいつ・・!っ!!!!」
  ガウリイは瞬時に悟る。
  リナが自分の記憶を消そうとした・・ということを。
  そして。
  更に、悲しみにくれて眠りについた・・ということを。
  ガウリイは、リナを想う、その精神力で。
  リナが自分の記憶を消そうとするその力を。 
  跳ね除けたのである。
  深淵なる真の王であるリナの力を・・である。
  それほどまでに。
  ガウリイのリナに対する想いは。
  遥かに強くなっていた。

 

 

  「・・・はっ!まさか!?」
  予感がして、飛び起きる。
  そして、急いで、自室から、アメリアたちのいるユグラシドル大陸に渡るガウリイ。
  星には、先日まで、攻撃があった。
  というのを、全ての存在が、皆無に、忘れ去っていた。 
  ユージンとナマティスだけが、それを記憶しているだけ・・・・。
 

  もくもくもく・・。
  いつもの食事の風景のはず・・。
  だけど・・・・。
  がたん!
  アメリアが立ち上がる。
  「違います!!違います!これは・・これは!!」
  「どうしたんだ?アメリア?」
  アメリアの父であるフィリオネルが声をかける。
  かたん。 
  「アメリア様、私も何かが違うと思います。」
  「俺もだ。何かが・・おかしい。」
  何か、先日まで。
  何かがあった。
  だが城にいる全てが。
  町の全てが。
  何もなかったかのように振舞っている。
  「何かがあったんです。そして・・・・・彼女がいたんです!
    確かに!!」
  彼女。 
  アメリアの口から、無意識に漏れる言葉。
  バッキィィィィン・・・・。
  そのせつな。
  アメリアの中で何かがはじける。  
  「あ・・・・あああ!!!!!!!!リナさぁぁぁぁぁんんん!!!!!!?」
  どうして、忘れていたのか。
  無意識に出た言葉で。
  アメリアのリナに関する記憶がよみがえる。
  「正義じゃないです!!こともあろうに、私の記憶を消すなんて!!」
  その直後に。
  アメリアは、リナが自分に関する全ての記憶を消したのだ。
  と、理解する。
  リナ。
  アメリアの言葉で。
  「そうですわ!確か、リナさんが、戻ってきて・・それで・・それで!」
  あのとき。
  確かに、リナが戻ってきた。
  それから??
  シルフィールの封印も解ける。
  「それから・・リナが俺達を宮殿に戻したんだ・・・・。」
  その直後。
  この世界から、全ての歪みが解け消えたとは。
  今の彼らには知る由もないことだが。
  
  アメリア、ゼルガディス、シルフィール。
  彼らは、リナが想っているより、強く。
  本当に、リナを大切な友人として思っていたのである。
  リナの力が及ばないほどに。
  大切なことは、うわべだけ消えても。
  奥深くに残り、消えるものではない。
 

 

  「アメリア!!ゼル!シルフィール!」
  ふい。
  いきなり、虚空からガウリイが出現する。
  「まさか、リナのやつ、お前たちの記憶まで消してないか!?」
  開口一番のその台詞。
  「・・・ひょっとして、ガウリイさんも?」
  リナさん・・・ガウリイさんの記憶まで消そうとしたんですか!?
  そんなの絶対に正義じゃないです!!
  アメリアは内心、ガッツボーズを取っている。
  「・・・まあ!!リナさん、ガウリイ様の記憶まで消そうとしたんですか!?」
  シルフィールが目を見開く。
  リナさんは、ガウリイ様に特別な感情・・持っているはずなのに?
  リナさんは、気づいてないようでしたが?
  シルフィールが驚く。
  「リナ殿って・・おおっ!」
  ぽん。
  「そういえば、あの攻撃が気づいたら、消滅してたな!」
  「ま、平和になったのだから、問題ないが!!
   がっはっはっ。」
  ひとしきり笑うフィル。
  「父さん、私、リナさんに会ってきます!」
  「おお!!いって来い!!アメリア!
    リナ殿によろしくな。」
  リナ殿があの攻撃をまた回避してくれたのか。
  リナ殿は、この世界の恩人だな。うん。
  それで済ませているフィル。
  

 

  リナが、彼らの記憶を消したはずなのに。
  彼らは。
  リナのことをすぐに思い出していた・・・・・。
 

 

 

  「とにかく!!!リナさんに文句いわないと!!」
  シルフィールが憮然とし。
  「そうです!!コトもあろうに、自分が愛している人まで、
     記憶を消そうとするなんて!」
  とんでもないことを言っているアメリア。
  「だよなぁ。俺の記憶まで消すことないのに・・。」
  肯定しているガウリイ。
  ・・・ガウリイは、リナが自分に対して好意を持っているのを。
  ・・・・実は、気づいていたりする。
  だからこそ。
  それに気づいてないリナが愛しくて、愛しくて。 
  大切に守りたいのだから。
  「まあ、いきなり、記憶を消されたとあっては、だまってはいられないからな・・。」
 
  ふい。

  さすがに、何度も行き来していたせいか。
  ガウリイはアメリア達を連れて。
  肉体のまま、リナのいるパレスにと昼食が終わり次第。
  移動していった。

 

 

 

                                     -続くー

##################################### 

   あとがき:
     薫:・・・・リナの記憶消去が効かなかった・・この人達って・・(汗)
    エル:リナはいい友人をもったわよねvv
     姫:まあ、死んでも、怒鳴り込んでくるアメリアだから♪
     薫:・・・・今後の展開を・・(汗)
       ・・とりあえず、リナ・・・・。
       ・・・・・・しばし、行動不能に陥ってます。
    ルナ:・・・・リナ様があんなに泣いたの・・・。
       初めてですわ・・。
       感情をあらわにして・・・・。
     姫:張り詰めていたものが切れたんでしょ?(はあと)
    エル:それと、ガウリイが自分のせいで傷ついた。
       という無意識の中の悲鳴ね。
     薫:・・・・・どーして気づかないのでしょうか??(汗)
       そこまで想っているのに・・・。
     姫:・・・リナだし・・・・。
    エル:・・・・育て方・・間違ったかも・・・・・。
     薫:・・・・・・・・・・・・・・・。
    ルナ:リナ様をリナという一人の存在としてみる輩は。
       今まで皆無でしたから・・・・。
       エル様達や私を除いて・・・・。
     姫:あとは、リナに対して、邪な感情もつものとかくらいだったし。
    エル:あとはなぜか、リナを怖れて畏怖しているのよね・・・。
       それとか神聖化したりして(はあと)
     薫:・・・いや・・・。
       存在からして・・当然なのでは??(汗)
       ・・・・この時点で気づいて素直になってれば・・・・。
    ルナ:・・・確かに。リナ様があんなに傷つく必要も・・・
       なかったですのに・・・。
       でも・・・うう!!!
       どうして、あんなにリナ様の心をガウリイは占めるのよぉぉお!!
     薫:・・・焼もちやいても・・・コトの原因は。
       ルナさんとエル様の感情ですよ?(汗)
    ルナ:でもでもでもぉぉぉ!!
     薫:(・・・・過保護・・・・汗)
       で・・では、これにて♪

  後ろで、エル様とすみれちゃんが何やら話している・・・・・。

  ルナ、今だにガウリイに対して愚痴を言っている・・・・。
 

  


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