まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
こんにちわ♪連続打ち込み♪三日連続の打ち込みだ♪(まて!)
  さぁて、エデン世界、一応のクライマックス(?なのか!?)なのです♪
  オリーブ、最後の賭け!!(まて!)
  それでは♪



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エデンの園  ~第13話~

―・・・・何をもたもたしている?
   「そ・・・それは!」
   ―もういい。貴様は・・・。
    そこの世界は、我らが直々に・・・。
   「ま・・まってください!!今一度チャンスを!」
   ―後はないぞ?
   ふっ。
   通信が掻き消える。
   唐突に、投げかけられた通信会話。
   ぎり。
   歯を食いしばり、手を固く握り締める。
   ばっ。
   マントをたなびかせて。
   その場からきびすを返す。
   「・・・本気で上層部は・・・・。
     ・・・・・もはや、なりふりはかまっていられない!!」
 
   『全員に継ぐ、奮起せよ!!!!!』
どんっ!!!!!!

   きしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
この日。
   この太陽系にて。
   空気が全て振動した。
う・・・・・。
   いや・・・だ・・・。
   ・・・・いくな!!
   ・・・・頼む!!!!
   「リナ!!!!!!!!!」
   がばっ。
   「はぁはぁはぁ・・・・・。」
   ベットから飛び起きる。
   全身に汗をびっしょりとかき。
   「・・・・・・ま・・・さ・・・・か・・・・・・。」
   声がかすれる。
   ここ、数日。 
   毎晩のように見るようになったゆめ。
   ・・・・・リナがいなくなる夢。
   いやだ。
   考えたくない。
   意識を集中し、リナの気配を探る。
   「・・・・・・いた。」
   ほっ。
   安堵のため息。
   自分が見る夢は、何を指し示しているか・・・・。
   「・・・・・予知夢・・・・・。」
   ぽつりと、汗を全身にかき、ベットに半起きになりながら、
   茫然自失と、ガウリイはつぶやいていた。 
   「いや・・だ・・いやだいやだいやだ!!!
      せっかく・・せっかく会えたのに!!!!」  
   嗚咽が漏れる。
   今までは、夢の中でしか会えることなどなかった。
   だけど。
   現実に、リナとであったのだ。
   気まぐれでも。
   それでも、この世界に、ちゃんとリナは存在している。
   リナがこの世界に来てから・・・。
   もう、一年が経過しようとしている。
   以前にも増して、どうしようもなく、リナに対する想いは。
   どんどん強くなっている。
   今、リナは、自分の立場を忘れているかのように、
   完全に、一人の女の子として、遊んでいる。
   しかし。
   いつかは、リナは、自分のいるべき場所に戻るであろう。
   そうしたら・・・・。
   ・・・・・自分の力では・・・会いにいけない?
   ・・・・・ずきり。
   「・・・・いやだ!!!リナ!!側にいたいよ・・・・リナ!!!」
   誰にも見せたことのない、涙が、知らず知らずに、
   ガウリイの瞳からあふれ出ていた。
   始めは、ただ、リナの笑顔を見ているだけでよかった。
   ・・でも。
   リナを知れば・・知るほど。
   ずっと側にいたい。
   そう思える自分がいた。
   リナの側にいると・・・。
   ただの、一人の男として、接している自分がいる・・・・。
   欺瞞かもしれないが、
   自分達といると、リナの瞳の奥にある、寂しさは。
   微塵も感じられない。
   いつも、寂しさと孤独をその瞳の奥に光として佇ませていたリナ。
   それを消し去りたかった。 
   リナが、自分をただの女の子。
   としてみんなが接しているのを喜んでいるのもわかっていた。
   「リ・・・・ナ・・・・。」
   顔を手で覆い、しばし、涙を流すガウリイ。

   ざぁ・・・。
   ザァァァァァン・・・・・。

   外からは、船が進む証拠の、波の音が聞こえるのみ・・・・。

  

   ―ガウリイ!!!!!!

   唐突に、ガウリイの精神に、悲鳴に近い声が届いてきた。
   ?
   「・・兄さん?」
   それは、ガウリイがよく知っている声。 
   ガウリイに兄にあたり、ガブリエル一族の、長の一族の長男。
   リュシュオン。通称、リュク。
   「?兄さん?」
   ―結界が!!!!!!
    ちっ!!もたなぃぃぃ!!
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!!!!!!!!!?
 
   どん!!!
 

   星、全体が揺れた。

 

 

 

   だだだっ!!
   ねまきのまま、看板の外に駆け出す。
   「ガウリイさん!!結界が!!」
   「ガウリイ!!」
   「ガウリイ様!!」
   「・・どーやら、本気になったようね・・。」 
   外に出ると、時を同じくして。
   アメリア、ゼルガディス、シルフィール。
   ・・・そして、リナ。
   もまた、船の看板に出てくる直後であった。
 

   

 

   「・・・・ぐ・・・・。」
   「おやおや、さすがは、ユージンとマナティス。
     しかし・・・・。
      いつまで、持ちこたえられるかな?」
   「させるか!!」
   「ちっ。ガブリエル一族の者か・・・。」
   手をかざす、褐色色の髪に、灰白色の瞳。
   今、ここに侵攻してきている、部隊隊長、オリーブ。
   緑の竜神マナティスと、蒼の王ユージンは。
   オリーブの前に苦戦していた。
   何しろ、先の戦いにおいての傷もまだいえてなかったのである。 
   いきなりの、総攻撃。
   「ここの、綻びから、聖域に入ってみせますよ。」
   にっこり。
   そう笑って。
   オリーブは、全身に、力を集中しはじめた。
 

 

   るおおおぉぉぉ・・・・。
   空気が振動している。
   「き・・・きゃぁぁぁぁ!!!」
   悲鳴、叫び。恐怖。 
   自然を通じて、巫女であるシルフィールに直に伝わってくる。
   ガウリイが、精神を集中させると。
   「・・・・・・星全体か!!!!」
   「ちっ!!オーディルにも大群が!!」
   「ユグラシドルにもです!!!」
   星、全域にわたって。
   潜んで、なりを沈めていた、侵略者が。
   一斉に、行動を開始したのである。
   王子であるゼルガディスは。 
   自分の国でもある大陸を見ることができる。
   そして、また、アメリアも。
   自分の国である大陸の様子を。 
   事細かに、どこにいても、知ることができるのである。
   四大大陸の王家は。 
   その大陸の、守護精霊のようなもの。
   というか、その役割を果たしているのである。

   ―ガウリイ!!聞こえるか!!

   虚空から声が聞こえる。
   「兄さん!?」
   ガウリイが空を仰ぐ。

   ―こっちは、父と、俺とで、ナマティス様と、ユージン様の援護!!
    ・・・この星の、聖域でもある、地域には、何者たりとていれささない!
    お前は、物質世界の方をたのむ!!
    一族も、すでに、散らばった!!

    ・・・・頼む!!
  「・・兄さん!!!?」  
  ぷっ・・・・。
  声が途切れた。
  
 
  「・・・・・星の核、エリュシュオン・・・・・。
    もし、そこに進入されたら・・この星は・・・・。」
  がくがく震えているシルフィール。
  「ふむ。一番力の波動が強いのは、・・・・四大大陸の中でも。
     ユグラシドル・・ね。」
  リナがふと、もらす。
  まあ、もう一人しか残ってないしねぇ。 
  ここに侵略してきていた、部隊の主力メンバーは。
  そんなことをリナは思いつつ。 
  こういうとき。
  自分が、人ではない。
  と、思い知らされる。
  この一年。
  楽しかった。
  自分の本質を忘れていた。 
  本気で。
  でも・・・・。
  「・・・・まあ、様子をみるって・・・決めたんだし・・・。」
  いいつつ、無意識にガウリイを見ているリナ。
  ・・・・・・・・・あたしがいなくなったら?
  ?何、考えてるんだろう?あたし?
  リナは、無意識の領域の、そんな不安を。
  ??という思いで、捕らえていた。
  

  「ちっ!アメリア!とりあえず、被害が広がる前に!!
    頭をつぶすぞ!!」
  ゼルガディスとアメリア、そして、ガウリイ、シルフィールは。 
  力の波動からして、
  今、どこに、一番強いやつがいるのか。
  自然が教えているのもあって、
  理解していた。
  ゼルガディスの言葉に。
  「よしっ!!なら、このまま、移動するぞ!!」
  ガウリイがつぶやき。
  『ループ(精神空間移動)!!!!』
  アメリア、ガウリイ、ゼルガディス、シルフィールの言葉が一致していた。
  ループ。
  精神世界を応用した、瞬間移動方法。
  空間移動ともいうが。
  ま・・いっか。
  ふい。
  リナは、ガウリイが包み込むように、その力を発動させたので。
  別にリナ自身が力を使う必要などなかったりする。
  「う~ん・・・。あたしでもできるのに・・・・・。ま・・いっか。」
  そんなことをリナはつぶやきつつ。
 
  
  空がどんよりと曇り。 
  日光すらも、地面に届かない。
  いや、この星自体に、光が届いてない。 
  星を包み込むようにして、暗雲が立ち込めている。

  ざわり。

  世界各地で。
  いきなり、活動を始めた侵略者に対して。
  攻防が繰り広げられていた。
  ガブリエル一族の人々も。
  世界に散らばり、何とかしのいでいるものの。
  オリーブが、下っ端にも力を与えた。
  ということもあり。 
  かなり、苦戦を強いられていた。

 

  「・・ひどい!!」
  「シルフィール!!怪我人の手当てを!!」
  「はい!!」
  「・・・・ここまでやらなくてもいーでしょーに・・。」
  アメリアが、その惨状を目にして、絶句する。
  ゼルガディスが、怪我人の手当てをシルフィールに依頼する。
  リナは、やりすぎなのでは?
  という思いをみつつ、 
  皮一枚で繋がっている存在達などの惨状をみていた。
  自分もよくやっている。 
  というのは、この際、関係ないらしい。
  リナは、しかし、無防備な存在には、理由がない限りは、無茶なことはしない。
  ・・・まあ、世界ごと消滅させる。
  というのはよくやってるが・・・。
  無数とも、無限とも、いえない、力を吸い取られた存在達が。
  ごろごろと辺り一体に転がっていた。
  
 

  「ほぅ・・・・。来たな・・・・。」
  リナ達が、人々を助けつつ、しばし進んでゆくと。
  聞き覚えのある声がした。
 

 

  ふぁさ。
  リナは髪をかきあげつつ。
  「まったく。あきないわね。あんたも。
    そんなに、消滅したいわけ?燐銅鉱♪」
  いやみを込めていうリナ。
  「何の恨みがあって、こんなことをするんですか!」
  アメリアが言い募る。
  その場に・・いや、精神世界に、佇んでいたのは。
  そして、リナに一瞥されて、出てきたのは。
  ジール大陸で、出会い、そして、数ヶ月前。
  二度目のたくらみをリナ達が阻止した存在。 
  侵略者。
  リペナイト。
  「その名前でよぶな!!
   ふん!貴様らもこれまでだ!!」
  少しばかり、力がアップしたので、欺瞞になっているリペナイト。
  「・・・・ほう・・・。なるほど・・・・な・・・。」
  ざわり。
  その場が、一瞬のうちに、冷たい空気に覆われた。
  「あんたは・・・!!
    ここの指揮官の!」
  ガウリイがそれをみていう。
  「ほぅ。ガウリイ=ガブリエル。ガブリエル一族の中で、
    最も力のある存在よ。この我を覚えているとは・・・。
      うれしいぞ。」
  褐色の瞳に、灰白色の髪。
  

 

 

  「くぅ!!きりがない!!」
  数日。
  倒しても、倒しても、どんどんわいてくる。
  「・・・こうなったら・・。」
  もはや、藁にもすがる思い。
  会議のとき、リナが言っていた台詞を思いだいす、会議に参加していた一人の人間。
  ここ、マナ大陸と、ジール大陸。
  ほぼ、 同時に。 
  同じことを考え付いている。
 
  そして。

   すぅ・・・・・・。  

  『フォリッシュ!!!!!!!』

  声の限りに叫んでいた。

 

 

  「・・・・何!?」
  ふと、悲鳴が、オリーブの耳に届く。
  そして、リペナイトにも。
  「あら♪あの言葉、使ったのね♪」
  リナがくすくすと笑っている。
  「リナさん?そういえば、あの言葉の意味って・・何ですか?」
  アメリアが、戦いつつも、リナに疑問に想っていたことを聞いている。
  リナが、会議のときに言った台詞。
  ―ヒント。フォリッシュ。彼らは、絶対に、この言葉・・嫌うわよ♪―
  「え??ああ。彼らの中の言葉でね。
    怠け者、もしくは、厄介者、大ばか者。
     つまり、役に立たないって意味をもってるのよ♪」
  一応、精神生命身体でもある彼らには。
  役に立たない。
  という精神攻撃は・・結構聞くのである。
  その侮辱に耐えられないやからも多々といたりするのは。
  力のない存在達だけなのだが。
  ゆえに、下っ端ごときだと。
  その言葉だけで、精神ダメージを受けて、死ぬ。
  情けないことだが。
  「なるほど・・・・。
    その言葉を知っているとは・・・・。
     やはり、油断はできぬな・・・。」
  キン。
  空気が凍りつく。
  と。
  辺りに、兆単位が束になっているダース単位の雑魚たちが出現する。
  「おおっと。ちょうどいい。
    貴様をここで、倒して、とっとと、けり・・つけさせてもらおう。」
  ガウリイがつい。
  と前にでる。 
  オリーブが自ら前線に出てくることは。
  まずなかった。
  いつも、幻影のみを飛ばして、指揮をしていたから。 
  隠れ場所を捜して一族、神魔族総出で。
  捜していたものの、居場所がつかめなかった存在。
  「ほう、我も、貴殿とは手合わせ、してみたかったからな。」
  上の連中や、他の組織が欲しがっている。
  というこの存在。
  どれほどの実力を秘めていることか・・。
  ガウリイを見据えているオリーブ。 
  一方。
  「マナティル!!!!」
  「エディファン!!」
  アメリアとシルフィールの、神魔融合呪文が飛び交い。
  並いる雑魚を片っ端から、片付けていっている。
 
  「・・・さて、ちょっと、あたしも遊びますか♪」
  リナもまた。
  アメリア達に参戦して。
  少しばかり、楽しむことにしていた。
 

 

  二日後。
  「ふぇぇぇぇぇん!キリがなですぅぅ!!」
  「なきごというな!!アメリア!くるぞ!」
  「はぁ・・はあ・・。」
  息を切らせているシルフィール。
  倒しても、倒しても、後から、後からわいてくる雑魚侵略者。
  「・・まったく。力の加減具合を分からないからって・・・。
    あんなに手加減しなくてもいいでしょうに。」
  リナは、くすり。
  と、雑魚をいたぶりつつ、ガウリイの方をみている。
  ガウリイは、今だに、オリーブと対峙していた。
  というのも、どこまで、力を解放すればいいのか。
  今、下手に力をつかうと。
  それでなくても、一族の力で、この惑星の結界が保たれている力のバランス。
  それを壊したらいけない。 
  という思いからなのだが。 
  それゆえに、実力のほどが、オリーブと同等程度にしか、発揮できていないらしく。
  互角の勝負を繰り広げているのである。
  

  「♪アビヌス・スレイブ♪」
  どどぉぉぉぉぉぉ!!!!
  リナの一言により、なぎ倒されてゆく、雑魚たち。
  「さってと♪そろそろ飽きてきたし、そろそろ一層しようかな?(はあと)」
  リナが静かに、笑いつつ言いながら。
  そっと、目を閉じた。

  

  ・・・・チャンス!!
  リナが何をする気なのか、分かってないリペナイト。
  リナが目を閉じたのを好機とばかりに。
  リナに向かって、力を放っていた。
  「・・・・・・・危ない!!!!リナ!!!!」
  ふっ。
  いきなり、オリーブの前から瞬時に消え去り。
 
  「・・・・ぐわっ・・・。」
  

  「・・・・・・は?」

 

  目を見開いたリナの目に飛び込んできたのは、
  リナを庇うようにしてリナを押し倒しているガウリイの姿。
  「ちょっ!?ちょっと!?何やって!!!??????っ!!!!!」
  リナの手に、べっとりと、血がついていた。
  ガウリイをのけようとして。 
  「ちょっ!?がうり・・ガウリイ!!!!?」
  リナは気づいてない。 
  悲鳴に近い声になっているということに。 
  「よ・・よかった・・・。無事か?リナ?」  
  リナが無事なのをみて、にっこりとするガウリイ。 
  「な・・何考えてるのよ!あんたは!!
    あたしに攻撃なんて、皆無なのに!!」 
  そう。
  リナに攻撃が当たるはずもない。 
  だからこそ、リナは、ノンビリと、目をつむり。
  どの程度、暴れようかな?
  と、考えていたところだったのだ。
  飽きてきたので。
  この攻撃に。
  「いや・・リナが危ないって思ったら・・・・。つい・・・。」
  「・・・・馬鹿!!!」
  ガウリイは無意識だった。
  ただ、リナが狙われている。 
  そう気づいたら。 
  ただ、リナを庇うために、身体が動いていたのである。
  理解はしている。 
  リナには、攻撃などは、通用しない。
  ということは、頭では。
  しかし・・。
  感情は・・・別。
  大切な存在が、傷つけられようとしているのに、
  黙っていることなど、彼にはできるはずもなかったのである。
  「・・ガウリイさん!!!!?」
  「・・ガウリイ様!!?」
  「・・ガウリイ!!!!」
  アメリア、シルフィール、ゼルガディスが、リナの方にと走り寄って来る。
  「・・・馬鹿・・・なんだから!!」
  「大丈夫・・これくらい・・・・・。ぐっ!」
  ガウリイがうめく。
  リペナイトが放った攻撃。
  それは、彼らの上司から・・メタリアから授けられた、
  精神を蝕む力が含まれている攻撃だった。
  普通なら、かすっただけで、精神は、崩壊し、彼らの力となってしまうのだが。
  ガウリイには、さすがに、精神力が強いだけのことはあり、
  すぐには効果はでていない。 
  「・・・ガウリイ!」 
  リナは、ガウリイを膝にのせて、手をかざす。
  と。
  一瞬のうちに、ガウリイの傷はふさがるが。
  「・・ちっ。精神にまで入り込んでるじゃないのよ!」
  ガウリイの精神の一部は。
  その力に蝕まれ始めていた。
  さすがに、ガウリイの力の方がつよく、免疫として、抵抗を繰り返しているのだが。
  それが、より一層に、ガウリイに苦痛を与える結果となる。
  肉体的には。
  このままじゃあ!!
  リナの奥深い部分の心が悲鳴を上げる。
  ・・・・死なせたくない。
  なぜか、リナは、分からないが、そう思った。 
  ・・・たとえ、自分の正体が・・分かってしまっても・・・・・。
  

  ふあわぁぁぁぁぁぁ・・・・・。

 

 

  リナとガウリイを淡い、光よりも眩しく、そして、闇よりも暗い光が、
  二人を一瞬のうちに多い尽くしていた。

 

  『リナ(さん)!!!』

 

  アメリア達が、リナとガウリイの元に、雑魚をかたづけつつ、近づくと。

  そこには。

  先ほどまでとは、打って変わった気配のリナの姿がそこにはあった。

 

  ほっ・・・。
  もう、大丈夫。
  とくん。
  とくん。
  ガウリイの心臓の音が心地よい。 
  蝕んでいた力は、全て取り除いた。
  回復も早いから、すぐに復活できるでしょう。
  ほっ。
  とした。
  なぜか、リナは。

  「リナさん!」
  シルフィールがリナに近づく。
  アメリア達も。
  「みんな、ガウリイをお願い。」
  「ちょ・・ちょっと!!リナさん!!」
  ガウリイをそっと、浮かべて、アメリア達に託す。 
  がし。 
  そんなリナを気丈にも、意識を取り戻しかけたガウリイがつかむ。
  「い・・いくな!リナ!!
    お前が・・お前がやる必要は!!」
  「・・・・・・・・いいから、あんたは、まだ寝てなさい。」
  「・・・リ・・!」
  いくな!
  リナ!!
  ガウリイの声はすでに声にならない。
  ガウリイには分かってしまった。
  リナが何をしようとしているのか。
  そして・・・・・。
  それをやったら・・・・・。
  リナは、正体がばれたから。 
  もうここにはいられない。 
  というのも・・・リナの性格からして・・・・。
  分かってしまったのだ・・・・。
 
  「リナ!」  
  『リナさん!!』
  アメリアとシルフィール、そして、ゼルガディスが、
  リナの雰囲気が一辺した理由を。
  何をしようとしているのかを察知する。
  「・・・・巻き添えは・・食わさないから・・。」
  ぽつり。
  リナはそれだけいって。
  四人の周りに、特殊な結界を張っていた。
  自分が今からすることに巻き込まないがために。
  ゆらり。
  リナは立ち上がる。
  

  「何だ!!!?」
  「貴様は!?」 
  ただの、人間の女と思っていた存在が。 
  いきなり、雰囲気から、気配から一辺した。 
  この女を守るために、ガウリイが、自ら、怪我を負ったのは。 
  彼らにとっては、好都合だったのだが。
  それが、リナの無意識の領域の怒りを招いていたのである。
  

  「傍観・・・ただ、するだけのつもりだったんだけど・・・。
     気が変わったわ・・・・。
      あんた達は、このあたしが直々に滅ぼす!!!」
  ぶわっ!!
  リナが手を掲げる。
  と。
  銀の縁取りと、金の縁取り。
  その柄には、紅い文様が刻まれて、大きな鎌を出現させる。
  リナの身長よりもおおきな大鎌を。
  鈍く、銀色とも、金色とも、そして、深淵の闇ともいえない、光を放つ鎌。
  リナがふっ。
  と、空を見上げる。
  それと同時に。 
  星の上空に。
  今まで、光すらも、差し込まなかった空に。
  全体に、黒い太陽が出現していた。

  

 

  ぎ・・キ゜ャアぁぁ!!
  「助けて!・・・・え?」
  世界各地で。 
  侵略者に襲われていた存在達は。 
  いきなり、襲っていた侵略者が。 
  もがき苦しみだしたのを目の当たりにした。
  ふと。
  誰ともなく、空を見上げると、そこには、黒い太陽。

  ぐ・・くわぁ!

  太陽に手を伸ばし、そして。
  ギュゥゥゥゥ・・・・。 
  バシュウ・・・・・。

  その太陽に、吸い込まれるように、次々と消滅してゆく。

  「・・一体?」

  不思議がる存在達は何が起こっているのか理解できるはずもなく。

  ただ。

  侵略者達のみが。
  空に浮かんだ黒い太陽と同時期に、まるで、それに吸い込まれるかのごとくに。
  消滅していっていた。

 

  別に、空に、稲妻が走るわけでもない。
  ただ、空にぽっかりと、黒い太陽が出現しているだけのこと・・・。

 

 

  リナから発せられるプレッシャー。
  「き・・貴様!?まさか!?」 
  この気配は!?
  覚えがあった。
  かつて。
  彼らにとっては、最大の宿敵。
  そして・・・。
  最も、恐れ、そして、手に入れたい存在。
  たしか、ユークロライトが、この女をあれとそっくりだ。
  と、いっていた。
  「・・・・まさか!!」
  声を荒げるオリーブ。
  「オリーブさま!!」
  リナから発せられた、深淵の闇を防ごうと、
  分かってない、恐怖に駆られたリペナイトがリナに突っかかってゆく。

  ―が。

  「ぎ・・・ぎぁぁぁゃゃぁぁ・・・・・・・。」

  ものの見事に、リナが放つプレッシャーに勝てるはずもなく。
  そのまま、彼らが滅んだときにいくことになっている、
  そういうふうに創っている混沌に位置するとある支部にへの直行便となっていた。

  

  ごう・・・・。

  精神世界で、そして、物質世界で。
  精霊世界で。
  この世界すぺてにおいて、反逆者達のみに発動する。
  深淵の竜巻が巻き起こっていた。

 

 

 

  リナは、ゆっくりと目を見開く。
  栗色の髪は、力を使っているときの特徴に、朱金色と化し。
  紅の瞳も、今は、金色がかっている。
  その姿は。
  まぎれもなく。
  『深淵なる真の王(ギャラクシー・オブ・ナイトメア)』
  の、姿―。

  「簡単には・・・消滅なんて・・させない・・。」
  「ふ・・ふはは!!貴様をここで倒せば!!」
  リナの実力・・もとい、真実を分かってないオリーブ。
  リナは、ただ、静かに見つめている。
  力を放とうとするが。
  オリーブは、その手が、瞬く間に、消滅してゆく。
  「・・・何!?」
  リナは、自分には、何もしていないはず!?
  分かってないオリーブ。 
  すでに。
  この星には、リナの力でもある深淵の力が、満ち溢れ、多い尽くしていた。

 

  「このあたしの、休暇を兼ねた、息抜き、邪魔した罪は・・・・。
    ・・・重いからね・・・・。」 

  リナが静かにいって。

  鎌をオリーブの方にと突き出した。

 

 

 

  ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンンンンンンンン・・・・。

 

 

 

  音ともいえない、轟音が、星を、この太陽系を、
  そして、銀河を覆い尽くしていた。

 

 

 

 

   きらり。
   光が差しこむ。
   星のいたるところに。
   立ち込めていた暗雲は、すっかりと晴れ渡り。
   空気が、澄み切り、精霊達も喜んでいる。

   ・・・が。

   

 

   「・・・・・リリリリリリリリリリリリリリリナさま!!!」
   「リナ様!!!!?」
   攻撃をしのぎ、結界を維持するしかできなかった。
   この世界の神と魔王。
   緑の竜神マナティスと、蒼の王オーディルが。
   リナの今の気配を感じ取り、あわててやってくる。
   ガブリエル一族の主たる者達も。

 

   すたすたすた。
   アメリア達の方にちかよって行くリナ。
   そして・・・・。
   「・・・ごめんね。黙ってて・・。
     その・・あたし・・・・。」
   リナが、今まで、友達として付き合ってくれた。
   というお礼を言おうとすると。
   「知ってましたよ。リナさん、私達、全員。」
   アメリアが、何を今さら。
   という表情でリナにいう。
   「ガウリイも知ってたぞ?
     というより、ガウリイは、昔から、リナ、お前のことを知っていたからな。
      生まれる前から、お前を知っていたらしい。」
   ゼルガディスもまた、今までと同じ口調。
   「・・・・・・は?」
   思わず、目が点になっているリナ。
   「リナさんが、深淵なる真の王・・だというのは。
     私達、全員、ガウリイさまから聞いて、知ってたんですよ。」
   「・・・・・・・はいぃ?ちょ・・ちょっと!?しってて!」
   知ってて、普通に接してくれてたの?
   リナがそういおうとすると。
   「リナさんは、リナさんでしょ?たとえ、その存在が何であろうとも。」
   「そうそう、リナさんは、リナさんです。私達の大切な・・・・・。
     仲間であり、友達であり、親友ですわ。」
   「別にいいじゃないか。リナはリナだろ?」
   交互にいうアメリア、シルフィール、ゼルガディス。
   「う・・・リ・・・ナ・・・。
    ・・頼む・・・いかないでく・・・れ・・・・。」
   まだ、肉体と精神の傷が癒えていないガウリイ。 
   癒えてはいるのだが、いかんせん、その過負荷が大きすぎて。
   回復に時間がかかっているのである。

   「リナ様!」
   はっ!
   リナが、彼らの言葉に、ふと、気が緩みかけていると。
   自分の名前を呼ぶ部下達の声。 

   みれば。
   あわててやってきた、この世界の魔王と竜神・・・。

   「リリリリリリナさま、申し訳ありません!
     御自らの手を煩わさせてしまいまして!」
   支離滅裂なことをいっている。
   「・・いーのよ。それより、あたし、戻るから。
     ここの、後の始末は、あんた達に任せたわよ。」
   リナがくるり。
   と、背を向ける。
   「リナさん!!!!?何処にいくんですか!?
     このまま、ここにいましょうよ!」
   アメリアが呼び止める。
   「・・・アリガト。皆。・・・・うれしかったよ。
       でも・・・・。知られたから・・・・。」
   自分のことを知っていても直、それでも、普通に接してくれていた。
   それが、リナにはとてもうれしかった。
   だけど。
   部下達にも、自分がいることを知られてしまったから・・・。
   それに。 
   今の自分の力の波動で。 
   他のヤツラもきづいたであろう。
   ・・これ以上、ここにいたら、他の反逆者を呼び込みかねないし・・。
   ・・・自分を普通扱いしてくれた、彼らを。
   これ以上、危険な目には・・・あわせたくはなかった。

 

  「ユージン、マナティス、とりあえず、報告書の提出。
     期限は、一ヶ月。それと・・・・。
        ・・・・彼らをお願い・・・。」
  ざっ。
  膝まづく部下にいっているリナ。
  「・・・ばいばい。アメリア、ゼルガディス、シルフィール。」
  ガウリイを抱きかかえている三人に向かってリナは背を向けたまま、
  言葉を出す。
  そして。
  ちらり。
  ガウリイの方をみる。  
  ・・・ありがとね。
  ・・なんか、あんたといると・・・・。
  とっても、やすらげたよ?
  「・・・・・・ガウ・・リ・・・・イ・・・・。」
  なぜか、ガウリイを見ると、なきそうになる自分に戸惑いつつ。
  『リナ(さん)!!!!』
  アメリア達が引きとめるにも関らず。

  シュン・・。

  リナは、その場から・・・。 

  その星から、世界から、姿を消していた。

 

  「リ・・・・リナぁぁぁぁぁ!!!!」

 

  もどかしく動かない体なのに、
  ガウリイの悲鳴に近い叫びが、星全体に響き渡っていた・・・・。

 

 

 

  「・・・・ただ今・・。」
  「リナ様、お帰りなさい。」
  にこにこと出迎えたのは、見知った顔。
  ほっ。
  でも・・・あいつとは違う・・。
  って・・何であたし、あいつのことを考えているわけ!?
  「・・まずいわね・・・・。
   ゴメン、ルナ、戻ってきたばっかりだけど・・・・。
    ・・・・あたし、ちょっと、精神・・落ち着けるのに・・・。
     ・・眠るわ・・・。」
  自分でわかる。
  なぜか、精神が不安定になっているのが。
  「分かりましたわ。」
  「・・ゴメンね。いつも。」
  リナの言葉に。
  「いえ、リナ様のことでしたら、喜んで(はあと)」
  にっこりと笑う女性に。
  「・・ありがと。」
  いって、リナは、
  自分の寝室に向かっていった。 
  リナの精神が乱れると。
  少なからず、リナの中でもあるリナが抱擁している世界に影響を与えるがために。
  リナは、精神を落ち着けるために。
  眠りについてゆく・・・・・。

 

  「・・・・・何・・・・で?」
  なぜか、浮かぶのは。
  ガウリイの笑顔ばかり。 
  そして。 
  楽しかった、アメリア達との、友達としての付き合いと。 
  ・・その旅のこと・・・。
  「・・・あたしらしく・・ないじゃ・・・ない・・・・。」
  つぶやきながら。
  自分でもわからない涙をながしつつ。
  リナは眠りに落ちていった・・・・。

 

                                          -続くー

 

 

##################################### 

  あとがき:
    薫:・・・・展開早すぎ!?というわけでもないです(爆!)
      とりあえず、次回は、残された、ガウリイたちの話ですな(汗)
      そーして、数年後の、メタリア達の襲撃・・と(汗)
      それから、誕生、アザチェス。
      そーして、物語・・闇の行方に入るプロローグの展開へと・・(汗)
      では・・・・・・・・。
 
     あ・・・時間が・・(汗)

 

    (・・やっぱ、つけたほうがはかどるかなぁ・・・冷房・・汗)
    (八時からやって、十二時に打ち込みが終わるなんて・・汗)

     


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