まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
こんにわ♪
  エデンの園も、第7話♪
  今回は、旅の出発偏です♪
  ではでは♪



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エデンの園  ~第7話~

「それでは、父さん、いってきます!!」
  「おう!!気をつけてな!!」
  ・・・・・。
  城を出発する五人。
  黒髪の少女に、銀色の髪の少年。
  金の髪の男性に、ストレートの黒髪の女性。
  そして、栗色の髪の女性・・・・。


  「正義の仲良し五人組♪」
  アメリアが歌いながら歩いている。
  「・・ねえねえ。ちょぉぉと、聞くけど・・。
    ・・・・公式行事に・・いくのよね?」
  思わず目が点になっているリナ。
  「そうだが?」
  ちゃっかりと、リナの隣にいるガウリイ。
  「普通・・お供とか・・いるんじゃない?」
  それでなくても、自分が降臨するのも、ルナがよく、
  護衛をつけろだのなんだのとよくいうが・・。
  「・・・で?なんで、あたし達だけ・・なわけ?」
  そう。
  公式行事である、会議に出発するというのに、
  出発しているのは、この五人のみ。
  「いつものことですよ。リナさん。
     アメリアさん達って・・・お供とか、そういうの嫌うんですよ。」
  「ふぅん、そーなんだ。ま・・気持ちは・・わかるわね。」
  シルフィールの言葉にあっさりと納得するリナ。
  せっかく、ハメを外すのに、誰かがいると、それができない。
  というのは、リナにも解っていたから。
  リナに関しては、いても、やるときはやるのだが・・・・。
  「でも!!今回は、リナさんも入ってますから!!
     うれしいです!!!」
   にこにことスキップしているアメリア。
  いつもは、ゼルガディスとガウリイ、そして、自分。
  ときどき、シルフィール。
  この四人だけなのだが。
  今回は・・新たな仲間であるリナさんがいる。
  それがアメリアにはうれしかった。
  「まあ、アメリアがハメを外しすぎないように、監視するのも、俺の役目だからな。」
  ゼルガディスが、そんなアメリアを優しくみつつ、いっている。
  空は、今のこの状況が嘘のように、透き通るほどに、晴れ渡っている。
  「ま、いっか。五人旅・・ってのも、楽しそうよね(はあと)」
  リナがにこにこというと。
  「そうです!!!リナさんも、正義の仲良組の一人なんですから!!」
  ガッツポーズで力説するアメリア。
  「だから・・アメリア・・それは・・やめろ・・・・。」
  ぽかっ、
  ゼルガディスがアメリアを小さくはたいた。
  くすっ。
  なんか・・本当に、安らぐわね・・・。
  ここは・・・・。
  リナは、そんなやりとりをほのぼのとした気持ちでみていた。

 

 

  からん。
  五人が食堂へと入ってゆく。
  「さて、ご飯vvご飯vv」
  全員が席につく。
  出発してから、しばらくして。
  そろそろ、昼時だからというので、近くの町の食堂にやってきている五人。
  「おっし!!いつものやろ!!!」
  ガウリイがアメリア達にいう。
  「ええ~!!!それって、いつも反則ですよぉ~!!!」
  アメリアが抗議する。
  「何?それ?」
  リナがシルフィールに聞く。
  ちょっと思考を覗けば解るであろうに。
  「それはですね。食事競争ですわ(はあと)
    負けたものが、何か一つ、かった人のいうことを聞くんです。
     とうぜん、お勘定も、負けた人払いなんですが。」
  シルフィールが丁寧に説明する。
  「ガウリイ・・お前、いつも、一人がちじゃないか!!」
  ゼルガディスもいうが。
  「ちっちっちっ。ゼル達があまり食べないから、いけないんじゃないか♪」
  おかまいなしのガウリイ。
  「ふぅん・・・・。面白そう・・ね(はあと)
    よっしゃあ!!あたし、それ乗ったぁぁ~!!」
  「ええ!!!リナさん!!!止めた方がいいですよ!!」
  「そうだぞ!!リナ!!このガウリイ、むちゃくちゃに食べるぞ!!」
  リナの言葉に、アメリアとゼルガディスが止める。
  「そうこなくっちゃ!!あ、おっちゃん、メニュー、
    片っ端から、とりあえず、五十人前分以上は頼むから、
     お願いな!!」
  ガウリイが声をかける。
  「んっふふ♪ガウリイ・・負けないわよ(はあと)」
  リナがナイフとフォークを握る。
  「こっちこそ(はあと)」
  ガウリイもスタンバイオッケー。
  『はあ・・いっても無駄ですね(だな)。』
  完全に勝負する気のリナとガウリイをみて。
  ため息ついているアメリアとゼルガディス。
  「では、今回は、私が仕切らせていただきます。」
  どん!!
  「はいよ!!おまたせ!!」
  どでっとテーブルに数々の食事が運ばれてくる。
  「よぉぉぉぃ、始め!!!!」
  ばばばばばばばっ!!!
  ばくばくばく・・・。

  「あっ!!結構やるわね!!ガウリイ!」
  「そっちこそ!!」
  ・・・あぜん。
  あのガウリイさんと互角ですぅ・・・・・。
  目にも留まらぬ速さで、次々と食事を平らげているガウリイとリナ。
  リナの方は、きっちりとマナーを守って食べているのだか、
  その動きが光の速度を軽く超えているもので、アメリア達にはそれはわからない。
  ただ、風が動いたかと思ったら、つぎつぎと空になってゆく食器の数々。
  「やるな・・だが!!」
  「あ!!まけるか!!」
  結構、意地になり、完全に楽しんでいるリナ。
  そのうち、マナーも何もあったものがなくなり・・・。
  完全に、争奪戦いにと発展してゆく・・・・・。
 

  「よっしゃぁぁぁぁ!!!!勝ったぁぁぁぁ!!!!」
  「ヒィフィミィ・・・・くそぉぉ!!!まけたぁぁぁぁ!!!!」
  リナがガッツポーズをとっている。
  すでに、テーブルは、お皿が積み上げられて、座っているもの同士ですら、
  顔が見えなくなっている。
  「・・・うそ・・・あのガウリイさんに・・勝った?」
  呆然としているアメリア。
  「・・・ふっ。ガウリイに食欲で並べるやつがいたんだな。」
  ふっと笑っているゼルガディス。
  「勝負あり!!リナさん、二百五十六皿!!
    ガウリイ様、二百五十五皿!!一枚差でリナさんの勝ちです!」
  シルフィールがはたと、正気に戻り、勝敗をあげる。
  すでに、他にいた客は・・ガウリイとリナの食事風景をみて。
  勝手に、もりあがり、どっちが勝つかをかけてたりもしてたりするが。
  食堂の主人たちは、材料がなくなる・・と気をもんでいたのだが。
  リナとガウリイ。
  二人だけで、その食堂の材料を全て消化してしまっていた。
  「くっそぉぉ!!」
  リナに勝って・・一つだけ頼みを聞いてもらおうと思ったのに・・。
  そんなことをガウリイは思ってたりするが・・。
  リナに勝つなどと、無理である。
  天地がひっくり返っても。
  どんなことにしろ。
  「んっふふ♪勝った♪勝った♪じゃ、そーいうことで(はあと)
    今後の旅の出費は、全額ガウリイが払うことに決定(はあと)」 
  「あ!!それいいです!!」
  すかさずリナの意見に同意するアメリア。
  「それいいな。いつも、ガウリイの食費には、結構かかってたからな。」
  こちらも納得しているゼルガディス。
  「じゃあ、どんどんお土産買ってもお金の心配はいりませんのね!!」
  たかることをすでに前提にしているシルフィール。
  結構、いい性格をしている。
  「リィナァ~!!!(涙)」
  ガウリイがだくだく涙を流して抗議しているが。
  「何よ?負けた人が勝った人のいうこと聞くのでしょ?
    はいvv決定(はあと)やぁ、これで、資金の心配はいらないっと♪」
  完全にリナの勝ちである。
  「しくしくしく・・・。」
  結局、なきながら、勘定を済ませるガウリイ。
  いや、まだチャンスはある!!
  どうにか勝負にもっていって、絶対にリナに勝ってみせる!!
  そして、俺の願いを一つだけ・・リナに聞いてもらうんだ!
  ガウリイが願うこと。
  ・・それは、ずっとリナに側にいて欲しいということ。
  いつ、なんどき、リナがいなくなるかもわからないこの状況。
  だから・・確実なものが欲しかった。
  ガウリイは気づいてない。
  それが、かなりの無茶な願いだということには。
  何しろ・・リナは、死なないのだ。
  この世界そのものが、消滅・・つまり、リナの精神でもある核が消滅しない限り。
  でも・・ガウリイは、リナに常に側で笑っていてほしかった。
  側にいるのが無理なら、リナにいつも笑っていてくれ。
  そう頼む気だった。
  だから・・勝負をもちかけた。
  ・・・・次こそ!!
  無謀なことを思っているガウリイ=ガブリエルの姿がそこにはあった・・・・。
 

  

  「深淵斬滅(アビヌスレイブ)!!!!」
  ちゅどぉぉぉぉんんんん!!!!!
  闇夜に、攻撃の音が鳴り響く。
  リナの放った、深淵の闇が当たりを凪ぎはらう。
  リナはアレンジして、黒い炎の形態に見せかけているが。
  威力もほどほどにしてある。
  「さあ、観念するのです!!悪党ども!!」
  ぴっと、指をさしているアメリア。
  『しゃらくせぃ!!』
  わらわらとつっかかってくる、いかにも、盗賊。
  何を考えているのか・・・。
  リナは、ちょっぴしあきれている。
  何を考えているのか、
  反逆者の一人が、何考えているのか、人の盗賊を結成し。
  悪事を働いていたりする。
  たまたま、たちよった、とある村で、
  盗賊に困っている。
  しかも、どうやら、それに侵略者が関っているみたい。
  と聞いたアメリア達。
  当然、アメリアがほっておくはずもなく。
  結果。
  五人で、その盗賊を壊滅にやってきているのだ。
  「星極塵(スターライトダスト)!!!!」
  無謀にも、リナに向かおうとしていた反逆者の一人。
  それに、リナはだ、簡単に一言だけいう。
  力ある言葉を。
  「リナ!!」
  ガウリイは、リナの横で、しっかりと、リナに向かってくる盗賊や、
  反逆者をなぎ倒して言っているが。
  ガウリイが、ちょっと、他のそこそこに出来る相手と相対していると、
  リナに向かってゆく侵略者が一人。
  何しろ、ガウリイが全力でやると、この辺り一体は、
  簡単に消失してしまうので、力を抑えて戦っているのだ。
  ガウリイは。
  まあ・・リナに関しても同じことがいえるのだが・・・。
  そのとき。
  すぅ。
  とゼルガディスの顔から・・血の気が引いたのは。
  リナは気づいてないが。

  かっ!!

  上空に、星の光が収束する。
  そして、矢の形状をなし、次々と、反逆者や、盗賊に向かって、
  突き刺されてゆく。
  リナの今の力ある言葉によって。

  ちゅどどぉぉぉぉぉんんんんん!!!!・・・・・・・・

  すぐに静寂が辺りを支配した。
  「あら、あの程度で、死ぬなんて。根性ないわよね(はあと)」
  リナはいいつつも、しっかりと、彼らのお宝を没収し始めている。
  それを当然のように、手伝っているアメリア。
  シルフィールも面白がって、手伝っている。
  ガウリイとゼルガディスは、事後処理をしているが。
  「ねえねえ、リナさん!!今の呪文(スペル)!!教えてください!!」
  アメリアが瞳をきらきらさせながらリナにいう。
  「え?今の?別にスペルってものじゃ・・・。
    ただ、空間に漂っている、光の粒子を収縮させて、それを物質形状に、
     置き換えて、濃縮した粒子と原子を組み合わせて、
      やっただけだし・・。」
  目には見えないが粒子は、しっかりと辺りに漂っている。
  それを利用しただけ。
  まあ、その利用したのが、この星の外の粒子を利用してたりする。
  という点もあったりするが。
  リナの説明に。
  「リナさん、よくわかりません。でも・・私にも出来ますよね!!」
  きらきらというアメリア。
  「正義を懲らしめるのに、まるで、星の光をもって悪を裁くようで、
     いいじゃないですか!!!これぞ、正義のヒーローって感じて・・。」
  うっとりと自分に酔っているアメリア。
  「星の光・・ねぇ。・・あ、じゃあ、これなんか、教えたゲル(はあと)」
  リナがアメリアに、作業をしながら、とある構図を教える。
  基本概念とその応用を。
  「あ!!いいです!!それ!!」
  「リナさん・・・。それ・・失敗したら?」
  シルフィールがいう。
  「あ?ああ、別に、失敗したら、その呼び寄せた隕石が、
    そのまま、落っこちるか。または、摩擦で流れ星となるか。
      別にそんな被害はないわよ。」
  リナにとっては、被害はなくても。
  星にとっては、かなりの被害である。
  ちょっとした、隕石が、外から入ってくる。
  しかも、そのまま、入れば。
  直系数メートルもあれば、この星の生態系を完全に破壊するほどの威力をもつ。
  「まあ、これだったら、誰でも簡単にできるって♪」
  「これで、正義に一歩近づきました!」
  喜んでいるアメリア。
  リナがアメリアに教えたもの。
  それは、この星の外から、石などを呼び込むというの。
  完結に隕石とよばれている代物を術によって、人為的に織り成す技。
  完全にコントロールしないと、摩擦であっさりと溶けるか。
  下手すると、そのままの普通の隕石としての効用を発するか。
  隕石落とし(メティオフォール)の術である。
  応用によっては、一つの惑星や、
  土地、国などはあっさりと・・壊滅できたりするのだが。
  「ありがとうございますぅぅ!!!リナさん!!」
  素直に喜んでいるアメリア。
  ・・この程度でこんなに喜ばれたら・・何か、くすぐったいわね。
  リナは、そんなアメリアをみて、くすりと笑っていた。

 

  五人が旅たったから、はや五日。
  夜間は夜間で盗賊いじめをしっかりとこなし。
  彼らが向かうは、港街。
  ケミスト街。
  そこから、ジール大陸の王国に向かうのだ。
  精神世界を応用し、移動すれば、早いのだが。
  この会議。
  なるべく侵略者には、秘密裏に行いたいがために。
  あえて、その移動は遠慮願いたい。
  という意見であるがゆえに。

  

 

 

  「船がでるぞぉ!!!!」
  何事もなく、ときどき、またまた競争し。
  今まで、全てリナの一人勝ち。
  アメリア達は、そんなリナを尊敬し。
  ガウリイにいたっては、まだまだ!!
  といって、ぜんぜん懲りてない。
  何事もなく、無事に港につき、船に乗り込む五人。

  

  ざざぁぁんんんん・・・・。

  静かだった。

  とてつもなく。

  

  夜。

  リナはなんとなく、看板の外にでる。
  空には、満点の星の海。
  「ふぅ・・。なんか・・気持ち・・いいわよねぇ・・・。」
  そのまま、目を閉じる。
  目を閉じれば、自分の中の様子が手にとるようにわかるから。
  あ・・・・。
  まぁた、あれに負けたわね・・・。
  あいつらは・・・・。
  ・・・ま、いっか。
  今、一つの世界がまた、反逆者に敗れ去った。
  ―ルナ、そいつらの指導(はあと)お願いね(はあと)―
  心の中で、側近であるルナに語りかけているリナ。
  すっと目を開けると。
  「あ・・流れ星。」
  この前、消滅した世界の破片の残りの光が。
  今、この世界に届いていた。
  空に無数の光の筋が多い尽くす。
  シュン・・。
  ちいさな、ちいさな音をたてて。
  世界が消滅した際の、塵や残りの破片が、この世界の太陽の熱や、
  この星の摩擦で、今、燃えているのだ。
  「・・・・星からみると・・けっこういいわよね・・。
    ・・この景色も・・。」
  埋め尽くす流れ星・・流星郡を見ながら。
  リナはのんびりと眺めている。

  客室では。
  そんな流れ星をみながら、眠っているアメリアとゼルガディスが、
  抱き合うように、外の風景をロマンティストに眺めている。
  なぜ、一つの部屋にいるのか。
  それは、大胆にも、アメリアがゼルガディスの部屋に、
  流れ星が綺麗だから。
  といって、ゼルガディスに言いに言っているからに他ならないが。
  まあ、そこまで、雰囲気がお膳立てされれば。
  とうぜん、ゼルガディスも行動にでるわけで・・・。
  結果。
  二人して、ベットの上から、その風景を窓から眺めているのである。

 

  「・・・寝られないのか?リナ?」
  リナがぼんやりと空を眺めていると後ろから声がした。
  「・・・ガウリイ?」
  そこにいたのは、金髪の碧瞳をしている男性。
  「ん~・・。そういうんじゃないんだけど・・・。
    ・・ただ・・綺麗だなぁ・・・って思って・・。」
  ノンビリと空を見ているリナ。
  こういう風に、のんびりと世界を・・自分の中を見たことって・・。
  ・・・そういえば、やったことなかったわよね。
  リナはそんな風に思いつつ。
  すとん。
  何もいわずに、リナの隣に座るガウリイ。
  「・・・確かに、綺麗だな・。」
  「・・でしょ?」
  ガウリイの言葉にリナがいう。
  ガウリイにしてみれば・・空に輝く流星郡よりも、
  隣で空を見上げているリナの方がよっぽど綺麗なのだが。
  真紅の瞳に、光が反射して、その奥底にある金色の光が見え隠れしている。
  そして・・・その奥にある孤独というさみしさも・・・。
  ぐいっ。
  「ち・・ちょっと!?ガウリイ!?」
  リナを引き寄せるガウリイ。
  「そんな薄着で・・外にいたら、風邪ひくぞ?リナ?」
  ふわり。
  自分が来ていたマントをリナにかぶせているガウリイ。
  「・・・くすっ。」
  本当に、この人間って・・面白いわよね。
  「あたしはいいのよ。別に病気なんてしないんだから。
    それより、ガウリイの方がするでしょうに。」
  リナがいって、それをもどそうとすると。
  「いいんだよ。俺は・・。」
  ガウリイがかまわずにリナに押し付ける。
  そういうわけにもねぇ。
  そだvv
  ふわり。
  「ほら、これなら、問題ないでしょ?」
  マントを自分とガウリイにかけるリナ。
  言ってもどうやら、聞きそうもないし。
  かといって、自分のせいで、この人間が病気にでもなったら、
  それこそ面白くない。
  リナは気づいていない。
  その行動は・・リナとガウリイをより密着させている形になるということに。
  「―リナ?」
  「だって、結構、人にとっては、この気温、寒いほうでしょ?
    あたしにマントを渡したせいで、あんたが病気にでもなったら、
     後味わるいじゃない?あたし・・病気なんて関係ないんだから。」
  ガウリイがリナをみると、いたずらっぽくリナがいう。
  リナは病気などはしない。
  存在が存在ゆえに。
  「・・そっか。じゃあ・・お言葉に甘えて。」
  ぐいっ。
  「ち・・ちょっと!?ガウリイ!?」
  リナをさらに自分の方に引き寄せるガウリイ。
  「だって、もっとくっつかないと、寒いぞ?リナ?」
  「あたしは、寒さなんて関係ないの!!」
  リナはいうが。
  なぜか、攻撃をかまそうとまでは思わなかった。
  自分でもわからないが。
  「まあまあ、くっついてれば、寒くないって。
    ほら・・・綺麗だよ。リナ、空が。」
  ガウリイがリナを抱きかかえるような形でいう。
  ・・・まっ。
  いっか。
  それですましてしまうリナ。
  別に、問題あるわけでもないし。
  小さなマントにくるまれて、のんびりと空を見上げている二人。
  「明日も早いんだから・・ちゃんと寝とけよ?リナ?」
  ガウリイが心配そうにいう。
  くすくすくす。
  この人間って・・自分のことより、常になぜかあたしのことを心配するのよね。
  くすくすくす・・・。
  本気でいっているガウリイの言葉に、くすくす笑い出すリナ。
  「そういうガウリイは?」
  リナがいうと。わらいをこらえつつ。
  「俺は・・リナの隣で・・番・・だな?」
  「―は?」
  「・・このまま、寝てもいいぞ?」
  くす。
  面白い・・・。
  ま・・・・いいか。
  なんか、この人間の側にいると・・・・安心するのよね・・・・。
  なぜか。
  「そうね・・・あんたの側にいると・・・なんか、エル姉様と一緒にいるような、
     安心感・・があるし・・ね。」
   くすりと笑うリナ。
  なぜか、この人間の側にいると、常にエルお姉様が隣にいてくれるような、
  いや、それいじょうに、包まれているような錯覚を感じているリナ。
  まあ、当然なのだが。
  ガウリイがルナと金色の王がリナを心配した心より生まれ出た魂ゆえに。
  「・・・別に寝なくても・・関係ないからね・・あたしは・・。」
  そんなリナに、本気で、心配しているガウリイの瞳が覗きこむ。
  「寝ないと・・からだに毒だぞ?」
  「ぶ・・あはははははは!!!!!!!!
     ・・・・そうね・・・じゃ・・・そうさせてもらうわ。
     ・・・・おやすみなさい・・・ガウリイ。」
  「お休み、リナ。」
  そのまま、看板で、ガウリイにもたれかかるように、意識を閉じてゆくリナ。
  なんか、こいつの側って・・暖かいのよねぇ・・・。
  そんなことを思いつつ。
  リナのもつ、絶対防御壁もガウリイには発動していない。
  存在が存在ゆえに、無意識のうちに、全てを排除する防壁が。

  空には、未だに、満点の星が輝き、埋め尽くすように、流星群が降り注いでいる。

  リナはことのき。
  自分が・・深淵なる闇の王であるという事実を。
  いっときでも忘れて、そのまま、ここちよい眠りについていった。

 

  すぅ・・。
  自分の隣で座ったまま、もたれかかるように眠っているリナ。
  「・・・・・リナ・・・いつまでも・・俺の側に・・いてくれ・・。」
  ガウリイは、そんなリナの髪を一掴みして、かるくキスをする。
  夢ではなく、たしかに、今、ここにリナが存在しているのだから。
  リナの存在の意味などはどうでもいい。
  リナは・・リナなのだから。
  せめて、ここにいる間だけは・・・リナ。
  お前はただの女の子なんだから・・・。
  優しいまなざしでリナを見つめるガウリイ。
  夢の中の少女は・・・・今。
  確かに、ガウリイの横で、その温もりを感じさせていた。

 

  しずかに、夜が明けてゆく・・。
  ガウリイもそのまま、リナにもたれかかるように、意識を閉じる。
  二人して、座ったままの状態で、眠りに入っているガウリイとリナ。
  いつもの夢は・・みない。
  隣にいる安心感があるから。

  いつもの寂しさは・・なぜか感じない。
  なぜか、自分の全てを包み込むような、暖かいまなざしがあるから・・。

 

  

  『・・・あららぁ・・・。リナ・・・やっぱり無意識に惹かれてるわねぇ・・。』
  「・・・ちょっと・・悔しいですわ・・。」
  自分は常に側にいるが。
  あの人間は短期間でリナ様に安らぎを与えているというその事実。
  からからから。
  からからと笑う金色の姿の女性。
  『まあ、リナは気づいてないわよ。あれは・・(はあと)』
  「気づいてもらってもこまります!!リナ様は、この世界そのものなんですよ!」
  それに抗議する紫がかった蒼い髪の女性。
  『うぅん、二人がこのまま、発展するようなら、あのガウリイ=ガブリエルって、
    いう存在。リナの安らぎにしようかなぁ(はあと)って♪』
  「エル様ぁぁぁぁ~!!!!!」
  『まあまあ、いいじゃない、ルナ。リナには・・常に、その全てを包み込む、
    安らぎが必要よ?』
  「う・・・それは・・まあ・・。
    でも!!私はいやです!!!
      あんなに簡単にリナ様の心をつかむこと自体が!!」
  『ふふふふふふ♪まあ、面白くていいじゃない(はあと)』
  「エル様ぁぁぁぁ!!!!!」
  深淵の奥深くのこの世界の中心で。
  そんなリナとガウリイの様子をみている二人の女性。
  しかし、そのまなざしは・・とても暖かい。
  まるで、ガウリイがリナを見守るのと同じ・・優しい目・・・。

 

 

  静かに、夜があけてゆく・・・・。

 

 

                           -続くー

 

 

#####################################

  あとがき:
    薫:・・・リナが乙女チックすぎ?(ご゛かぶっ!!!)
   リナ:何いってるのよ!?
      あたしの何処が!?
    薫:(だくだくだく・・)(自覚・・まるでなし・・・。)
   リナ:なぁんか、この世界にいると、あたし、自分の存在の意味・・。
      一時でも忘れて、笑えるのよねぇ。
      こんな気持ちって初めてだし♪
      ってことは、ここって、かなり楽しいってことよね(はあと)
    薫:(いや・・違うかと・・・)
   リナ:何処が?
    薫:・・・いーです・・・。
   リナ:ま、いいわ☆
      あたしは、深淵なる真の王としてでなく、リナとして行動するから♪
      ばれたら、楽しくないしね(はあと)
      さぁて、明日は、何をしましょうかね♪     
      あ、食事の戦い、またガウリイには負けないからね!!!
      じゃね♪(リナ、精神をもどしてゆく・・・)
    薫:・・・・気持ちに気づいてないとは・・・・・。
      ・・・・・まあ、リナさんですからねぇ・・・・。
   ルナ:・・・・・腹がたちますわ・・・・。
    薫:あ゛あ゛!!その、不機嫌をこっちにはやめてください!!
      プリーズ!!
   ルナ:・・・・むかむかしますわ・・。
    薫:で・・ですからぁ・・・ぎがしゃ!!!!・・・・・・・・・
 
   霧に巻かれて、消滅する薫・・・・・。
 
  ルナ:・・・ま、まあ、リナ様が休暇を楽しまれるのは・・いいことなんですが・・。
     ああ!!やっぱり、あのガウリイとかいう人間!!
     むかむかしますわぁぁぁ!!!!
 
  どっがぁぁぁぁぁんん!!!!

 

 

  後には、その場には何もなくなっている・・・・・・・。

 


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