白雲の世界。
それは、まだ、できて間もない世界だが。
大自然は、かなり豊かで、とても心やすらぐ世界。
まだ、主だった知的生命体などは、誕生してないが。
といっても、人のような存在がいない。
というだけで。
今は、動物や自然の楽園と化している状態である。
その白雲の世界の中の一つの惑星に、二人は降り立つ。
「きゃああ!!すっごぉぉぉぃぃ!!」
リナは、その壮大な景色に見とれて、キャッキャとはしゃいでいる。
「リナ様!!走っては、危ないですよ!!」
はらはらする金色の髪の男性―スティルバイト。
「だって!!」
リナは、うれしくてしかたない。
こういうふうに、他の星にくるようなことは、
今まで、まだ経験したことがなかったから。
何しろ、リナが誕生して、まだ、二ヶ月あまり。
常に、赤の世界の、惑星ブラッドで、エルと過ごしているか、
または、エルの宮殿にて生活していたのだから。
たまに、エルが散歩。
と称して、リナを連れてでかけるが、
それは、いつもは、エルと一緒のこと。
エル以外の存在と、こういう風に、二人でというのは、まだ経験していない。
ブラッド星においては、よく、ルナやレイスといった、二人が交互に、リナの面倒を見てたりもするが。
それは、あの星に限ってのこと。
だからこそ、自分の目でみるもの、感じるもの。
全てが新鮮で、とても楽しい。
リナはかなりはしゃいで、走り回っている。
辺りには、木々が、乱れ茂り。
草木や、花々も生い茂っている。
小鳥などの小動物が、ちらほらと、遊んでいる様子がリナの目につく。
「・・あ・・。」 
「危ない!!」
すぅっと血のけがひくスティルバイト。 
ひょい。
間一髪、リナを抱える。
リナが、石に躓いて、転げそうになっているのを、かろうじて、受け止める。
じぃ・・・・
リナがとある一点を見つめている。
「ねえ?スティルバイト?あれ?何?」 
リナが指差した場所には、いがいがのついた物体がついている一つの樹。
どうやら、躓いたのは、それに目を取られていたからであるのだか。
「どれです?」
「あれ。」
リナが指を指した先には、一つの多きな樹。
それに、たわわに実っている茶色のイガイガとした物体。
リナは、こんなの、みたことなかった。
「ああ、これですか。」
もぎ。
一つをスティルバイトがもぎとり、リナにその中身を見せる。
「これはですね。この樹の、実なんですよ。この中に種があるんです。」
もぎゅ。
丸い棘棘のような物体を、手で、二つにわり、その中身をリナに見せている。
「あ!!リナ、これしってる!!確か、栗とかいうやつ!!」
中身には、リナの知識の中にある、
とある世界の栗という物体が入っていた。
「そうですよ。この、表の棘で、外的から、種を守ってるんですよ。」
「ふぅぅぅぅん。」
しげしげとそれをみているリナ。
くす。
「食べてみます?」
「食べれるの?」
そのままだと、苦いが。
あくもあるし。
だが、リナに、そんなのを食べさせるわけにはいかない。
「まっててくださいね。」
スティルバイトは、ふわり。
栗を上空に浮かべる。
そのまま、上空で、水を沸騰させ、浮かばせたまま、栗を湯がいてゆく。
ほんわり。
やがて、ほどよいぐあいに、それが茹で上がる。
「はい♡リナ様♡」
むきむき。
丁寧に、全ての外の皮と、中の薄皮をむいて、リナに差し出すスティルバイト。
「・・・?こんなのなんだ?」
初めてみる栗の中身。
こういうものは、リナは食べたことがない。
当然だが。
エルはリナに対しては、食事なども、関係ないのに、かなり気を使っているのだ。
別に食べなくても関係ないのに。
ぱくり。

リナが、ゆがかれた、それを口に運ぶ。


はじめて感じる触感。
そして、ふんわりと広がる甘み。

「おいしぃ!!」

リナは、無心に、口をもぐもぐさせている。
ここの栗は、少し変わっていて。
かなり、甘みがある。
かといって、濃い甘みではなく、さっぱりとした、それでいて、しつこくない甘みが。
「くれが・・くゅり・・。」
もぐもぐもぐ・・。
たべつつも、リナの目は、スティルバイトに、もっとちょうだい?
と、おねだりモード。
「くす。はいはい。」
リナにいわれるまま、栗を湯がいてゆくスティルバイト。
時々は、アレンジして、他の料理につかうと、こうなりますよ?
とかいって、ケーキを作り出したりして。
そのたびに、大喜びしているリナ。

子供は、甘いものが、大好きであるがゆえに。

「食べた!!ごちそうさま!!」
ぺこり。
ちゃんと、おじぎをするのが、何ともかわいらしい。
しかも、容姿は、エルの姿のままの、子供バージョン。
くぅぅぅぅ!!!
・・・抱きしめたい!!
その衝動に駆られてしまうスティルバイト。
・・・誰でもなるであろうが。
このリナのかわいらしい、子供の姿を見ていれば。
ふと、リナの視線が、茂みに映る。
リナの視線に映ったのは・・。
「ちょっと、リナ。遊んでくる!!」
ウサギをみつけて、それを追いかけてゆくリナ。
「ああ!!リナ様!!遠くにいかないでくださいよ!」
スティルバイトはあわてるが。
子供は、じっとなどしていない。
すぐに、そのまま、見つけたウサギを追いかけて、きゃっきゃとはしゃぎながら進んでいってしまう。
森の奥深くへと・・・。


この星は。
何を考えているのか。
とある一つの反逆者達の組織の一つが。
・・・・避暑地にしている場所であったりするのだが・・・・。
リナがそんなことを知っているはずもない。
スティルバイトも知らない。
何しろ、ここの神と魔王が知らせてないのだから。
・・・というか、気づいてない。
というのが正しいのだが・・・。
エルは、当然知っている。
そして、リナも。
だが、リナは、そんな知識の応用を・・知る由もない。
知識はあっても・・意味がわからなければ・・・どうしようもないのである・・・・・・。



       未来への希望  AST-13





――ばたん。
また、あいつの出てゆく気配がする。
今度は、ドアからでなく、窓から・・。
あたしが気づかないとでも思ってる?
・・・ガウリイの・・馬鹿・・・・。
「・・・疲れた・・ちょっと、散歩・・してこよ・・。」
あたしは、いつのまにか、日が傾き始めている、
夕焼けの中のストリッジ・シティへと足を伸ばす。
部屋に閉じこもってだと・・。
いやな考えばかりが脳裏をよぎるから・・・・。
ちら。
ガウリイの部屋を覗いてみたけど、やはりガウリイはいない。
その代わり、あたしの部屋にガウリイからの置手紙が一つ。
―ちょっと、野暮用ででかけてくる。夜には戻るから。―
と。
何よ、人には、自分の側を離れるなって・・いっておいて・・。
あいつ・・何を考えているの?
・・・・分からない・・・。
・・・・ガウリイが・・・・。


何か、宿を出たとき、一瞬、薄い膜のようなものが見えてたけど。
そんにあたし、泣いてたのかな?
少し、視界がかすむ。
「ええぇぃ!!あたしらしくないぞ!リナ=インバース!!」
あたしは、自分に活をいれて、
夕焼けでそまった町へと繰り出してゆく。
気分がもやもやしたときには、散歩にかぎるから。
辺りは、夕飯のためか、うろうろとしている主婦や。
子供達が、帰り始めて、結構にぎわっている。
ぼぉ~。
あたしは、何となく、宿から、百メートルくらい離れた食堂に足を伸ばす。
そういや、昼ごはん・・。
食べてないのよね・・。
―からん。
「いらっしゃい!!」
あたしは、食堂のテーブルにこしを降ろす。
「おばちゃぁん、メニューのここから、ここまで!!十人前ね!!」
あたしは、ざっとメニューに目を通して注文する。
んっふふ♪  
ご飯、ご飯vv
やっぱり、もやもやしたときには、食べるのも、一番よね♪
とりあえず、ここは、先払い制なので。
お金を先に支払うあたし。
「ひゅう♪一人かい♡リナちゃん♪」
・・むかっ!!!
昨日と同じ声がする。
「気安く呼ぶなァァァァァ!!!!インバースロイヤルクラァァァァシュ!!」
―ばごめぎゃ!!
これぞ、インバース家直伝。
ロイヤルクラッシュ。
あたしの、もろの足蹴りが、そいつの顔面に決まる。
「うぅぅん、つれないなぁ♪リナちゃん♪でも、あきらめないからな♡」
ぞわっ!
何・・こいつ・・マゾ?(汗)
足跡くっきり残して、それでも、めげずに、あたしの席・・。
つまり、さすがに、あたしの前は、この前でこりたのか、横のテーブルに腰かけているそいつ。 
「・・・はいはい。」
こういうやつは、無視するに限る。
お調子者なのね。
こいつは。
あたしが、完全に無視を決め込んで、運ばれてきた食事を食べていると。
ぽそりと、そいつ・・キルとかいうやつがつぶやいた。
「そういや、ガウリイによく似たやつが・・。女性らしき人とあるいてたなぁ・・。」
・・・・ぴくっ。
あたしの手が止まる。
「まあ、あいつも、ちょくちょく、ここに来てたくらいだし。恋人の一人くらいはいるだろうがな。あれ?どうした?リナちゃん?」

・・・・・・・・いや!!!

がたん!!

あたしは、そののまま、席を立っていた。
自分で、自分が分からない。
もったいなくも、一人前ほど、あたしは食事をのこして。
そのまま、食堂を飛び出していた。

・・・・何・・何・・何!!!?

今の・・あいつの・・・台詞・・・何!!!!!!!!?
 不安がどんどん大きくなってゆく。

あたしは、気づかなかった。
いや、気づいていたのかもしれないけど。
ガウリイのことで、頭が一杯で。
そいつが・・人と異なる気配を持っているのに・・・。



ばたん!!
かぎをかけ、部屋に閉じこもるあたし。
どさっ・・・。
昨日よりも、かなり深い不安が襲ってくる。
まるで、深淵の闇に迷い込んだような・・絶望にも近い・・孤独感が。
何?何?あいつがいったこと・・。
・・ガウリイの・・過去?
ガウリイに・・・?
―くるしい・・・・。
ぼすん。
またまた、ベットに顔をうずめるあたし。
―何よ、あいつは、・・別にあいつは・・ガウリイらしき人が、女らしき人と・・・・歩いてたって・・そういった・・だけじゃない・・・。
ただの人違いかもしれないじゃない・・。
―けど。
『この町、何回か来た事あるし』
ガウリイの台詞が、頭の中で、エコーを繰り返す。
どうして・・どうして、ガウリイは、ここに来ようって・・いったの?
ガウリイが自分から、どこかにいく。
といったのは、これで二度目。
一度目は、あたしの実家でもあるゼフィーリア。
そして、二度目は、ここ。
ストリッジ・シティ。 
―どうして?
・・・大切な・・人が・・いるから?
ずきん!!
「・・・・・くるしい・・・苦しいよ・・・ガウリイ・・・。」
胸の痛みはどうしようもない。
一人になるのは・・・いや。
あいつと・・ガウリイと・・ずっと一緒にいたい・・・。
・・・・くるしい・・・・。
ガウリイでなければ、こんなに苦しい想いをしなくてすんだのかな?
ガウリイの・・代わりに・・。
誰か・・この苦しさ・・のけてくれる人がいるの?
・・そんなの・・・考えられない・・・。 
あたしは・・・あたしには・・・・あいつが・・全て。
・・・でも。
あたしに何か隠して行動しているガウリイ。
あたしに・・隠し事しないで・・。
何が起こっているのか・・教えてよ・・。
ガウリイは、あたしに気づかれてない。
と、思ってるようだけど。 
あたしは、ガウリイから、その・・残り香を感じ取っている。
人の・・死という、どくとくの残り香・・。
何が起こっているの?
あなたに?
何で、あたしには、何もいってくれないの?  
どうして・・どうして・・・。
あたしが・・子供だから?
・・だから・・何もいわないの?
頼りないから?
そして、彼方の大切な人を守りたいから?
・・・あたし以外の、彼方の本当の大切な人を?
ずきっ!!
するどい痛みが全身を駆け巡る。
「あたし・・・こんなに・・いつのまにか・・・・」
あたしは、あたしは・・・
いつのまにか、あいつを・・
あの脳ミソくらげミジンコ剣術馬鹿のあいつを・・・
こんなにも・・好きに・・愛していたんだ・・・
今さら、あたしは、再認識する。
それに気づいたのは、冥王の一件のときだったけど。
それをさらに、確証づけたのは、ルークの一件。
あのとき。
ガウリイが死んでたら・・・。
あたしは、きっと、世界そのものを道連れに。世界ごと、滅びを望んでしまっただろう。
・・・・ルークと同じように。
ガウリイでなかったら、こんなに苦しい想いをしなくてすむのかな?



ひゅう♪ 
らっきぃ♪
今、リナ=インバースは一人じゃないか♪
かままわず、キルは、行動を開始する。
あくまでも、お調子ものの行動で、リナに近づいてゆく。
「ひゅう♪一人かい♪りなちゃん♪」
リナ=インバースが一人なのは、好都合。
ま、ここで、さらに不安を煽ってやる♡
キルは、そう判断する。
ガウリイが結界を張っているのは、リナ達が止まっている宿屋から、半径百メートル以内。 
ちょうど、ここは、境界線。
ガウリイの結界にかからないように、結界の外。
つまり、リナ=インバースの席の隣に腰をかける。
リナが座っている席が、ちょうど、ガウリイのかけた、結界の分岐点なのだ。
その席と席との間が。
「気安く呼ぶなァァァァァ!!!!インバースロイヤルクラァァァァシュ!!」
―ばごめぎゃ!!
・・・へへ。
俺には、物理攻撃は効かないさ。
まあ、少しは痛みは感じるが。
何しろ、この身体は、不死の契約を結んでいるとはいえ、人間のまま。
顔にリナ=インバースの顔面蹴りが決まる。 
・・効かない・・はずなのに・・。
・・・ぐぅ!?
こ・・これは!?
・・・かなり・・効くな・・この顔面蹴り・・・・。
まあ、ここで、くじけては、計画が台無しである。
キルはそう即座に判断し。
「うぅぅん、つれないなぁ♪リナちゃん♪でも、あきらめないからな♡」
「はいはい。」
うっ。
完全に無視してやがる!
ふふふふ。
いつか、その目を・・その躰を・・俺がいただいてやるからな・・リナ=インバース。
俺を無視した罰として・・・ふ・・・ふふふふ。
ぺろり。
まじかで、明るいうちに見るリナ=インバースの肉体は。
まずまずである。
・・・欲望を満たすには、十分すぎるほどに。
おもわず、舌なめずりをしてしまう。 
その、高飛車な、態度がどう変化するかな?
でも、今は。
不安を煽ることが先決。
「そういや、ガウリイによく似たやつが・・。女性らしき人とあるいてたなぁ・・。」
・・・・ぴくっ。
思ったとおり、リナ=インバースの食事をしていた手がとまる。
身体がこきざみに震えている。
・・もう一押し♪
「まあ、あいつも、ちょくちょく、ここに来てたくらいだし。恋人の一人くらいはいるだろうがな。あれ?どうした?リナちゃん?」
ふっ。
嘘だけどな。
あいつが、いまだかつて、女性に興味をしめしたことは、一度たりとてない。
だからこそ。
ガウリイが大切に思っているこの女性。
リナ=インバースだからこそ。
犯す価値があるというもの。
それに、今の台詞は、嘘ではない。
ガウリイが一緒に歩いていたのは、あいつの従兄弟。
ピュービル=パロナ=ガブリエフ。
ガウリイの従兄弟であり、
そして、今は、ピュービル=パロナ=イガーズ。
という名前らしいが。
かなりの有名なデザイナー。
ガウリイと同じく、見た目は、どうみても、女だし♪
男の格好をしてなく、アクセサリーでもつけてたら。
まず、間違いなく、男性陣がいいよっている。
結構端整な顔の男性だから。
キルは、内心ほくそえむ。
嘘ではないが、真実でもない。
これは、彼のもっとも得意とする戦略。
それで、相手を混乱に導いてゆく。
―がたん!!
案の定、リナ=インバースは、不安にかられて、そののまま、席をたち。
店を飛び出していった。
「おや、残したんだね。」
店のおかみがそれを下げようとするので。
「あ♪今の俺のつれだから♪できれば、残り、食べとくよ♪」
「そうかい?」
簡単に信じて、それを俺のテーブルへと運んでくる。
ふふ。
リナ=インバースの食べかけの食事・・ゲット♪
ざまみろ。
ガウリイ。 
これで、俺は、リナ=インバースと、間接キスだ♪
ガウリイに優越感を感じながら、リナの食べかけの食事に、手をつけているキル=レイピルの姿がそこにはあった。





「リナ?どうしたんだ?リナ!!」
どんどん。
ガウリイがあたしの部屋をノックする音がする。 
どうやら、戻ってきたようだけど。
「夕食、食べに行かないのか?リナ!!」
ドアをノックする音がする。
「・・・いらない。」
「えええ!!!リナ!!!具合でも悪いのか!!?」
―ばったぁぁぁぁん!!
・・・まてこら!!
勝手に乙女の部屋に入ってくるな!
いつものあたしなら言い返すところだけど。
今のあたしには、そんな気力もない。
ひょい。
「リナ?」
ものすごく、不安げに心配そうに覗きこんでくるガウリイの顔。
あわてて、あたしはそっぽをむいて、顔をそらす。
そんなに・・やさしく・・しないで・・。
「いい!!今は食べたくないの!」
布団をつかみ、そのまま、もぐりこむあたし。
こんなかっこ悪い姿・・見られたくないから。
今、あたしの顔は、涙でぐしゃぐしゃである。
「ん~・・・じゃ、何か、スープでも、もらってきてやるから。―まってろよ?リナ。」
ばたん。
ガウリイが、部屋から出てゆく音がする。
・・あれ?
そういえば、何で、あいつ・・・。
あたしの部屋に入ってこれたんだろ??
あたし・・かぎ・・かけてたわよね?
疑問があたしの頭に浮かぶ。
ばたん。
ドアが開く音がする。
あわてて、あたしは、布団に包まる。
「リナ、食事、ここにおいておくから。・・・ちゃんと食べろよ?」
いつも、子ども扱い。
・・・・しってる?
ガウリイがあたしを子供扱いするたびに、
あたしは・・心が張り裂けそうになってるって・・。
いつまで、こんな想いを抱えていればいいの?
お願い・・。
好きな人がいるんなら・・はっきりいって。
そして・・・あたしをすっぱり振って。
多分・・あたしは、彼方以外は・・好きには・・永遠になれないだろうけど。
でも、何よりも、ガウリイの幸せは・・願っているから・・・。
だから・・・・。
お願い・・・そんなに・・優しく・・しないで・・・・・




「よっと。」
リナの気配は、ちゃんと部屋の中にある。
そろそろ、ピュービルのとこにでもいってみるか。
早く指輪仕上げてもらわないと。
あの、キルがここにいる。
それだけで、十分すぎるほどの理由だ。
精神を研ぎ澄ませて、あいつを探しているが。
どうやら、あいつと再会したときに、感じた、違和感。
あいつは・・どうも、魔族と不死の契約を交わしているらしく、なかなか尻尾をつかませない。
魔族の力によって、守られているようだ。
その、魔族の気配だけでも分かれば、こちらから、奇襲をかけることも、可能なのだが。
―ちょっと、野暮用ででかけてくる。夜には戻るから。―
リナには、ちゃんと、置手紙を残している。
まあ、宿からリナが出たら、分かるようにしてあるし。
それになにより、宿から半径百メートル以外から、出入りがあれば、俺にすぐわかるように、結界張っているし。
「よぉ!!ピュービル!!」
中通りに入ると、そこに、見慣れた通行人の姿。
あいかわらず、男性に口説かれているが。
「あ!!!ガウリイ!!お前からもいってくれ!!俺は・・男だぁぁ!!」
へきへきしている様子のピュービル。
「嘘だろ?」
しれっていっている周りの男性。
まあ、どうみても、この格好では・・男性には見えないよな。
ズボン姿なのだが。 
結構アクセサリーをじゃらじゃらとつけているし。
服も、かなり色彩豊かなもの。
本人曰く、出かけるときようの普段着・・。
らしいが。 
しかも、ピービルは、声のトーンが、少し高いし・・。
「まあ、夢を壊す用で悪いが。こいつ、本当に男だぞ?」
ぴたり。 
俺は、一人のやつの手をとり、ピュービルの胸に当てる。
「・・な?」
言葉と同時に、顔色を悪くして、立ち去ってゆくごろつき陣。
まったく。
あんなのばっかりだと、いいんだが・・。 

「いやぁ、助かったよ。ガウリイ。」
お礼を言ってくる俺の従兄弟。
ピュービル=パロナ=イガーズ。
「いや、ちょうど、お前に用があってな。」
「用?ああ、指輪のことか?あと、にさんにちで出来上がるぞ。
   ま腕によりをかけているから、心配するなって。
   何しろ、お前が、心底ほれた相手に渡す指輪だからな!♡」
何か、口調がからかっているように聞こえるのは、俺の気のせいか?
「それなんだが・・、もっと早くにならないか?」
「何かあったのか?」 
「いや・・・キルのやつが・・この町にいるんだ・・。」
「で・・でぇぇえ!?それやばいって!!!!ガウリイ!!リナ=インバースの側に、ずっと、張り付いてなきゃ!!」
「そうなんだよ。・・あいつ、何処にいるか・・・。噂でも・・知らないか?」
「・・・何する気だ?(汗)」
決まっている。
「先手必勝。・・リナに手を出そうとするやつを・・・・。・・生かしておくはず・・・ないだろ?」
にっこりと笑いつつ俺はいう。
なぜか、凍りつく、ピュービル。
そんなに殺気は出してないはずだが・・。
「おま・・・(汗)」
何かいいかけるが、そのまま、ピュービルは、口をつぐむ。
「いや・・何処にいるかは知らない。だが・・・。
  ・・・ガブリエフ家の長老の誰かが。裏の世界のとある人物にお前の暗殺を依頼した。
  という情報なら知ってるが・・。それが誰かまでは・・暗殺者も・・長老の誰かも・・わからない。」
脂汗を流しながら、ビュービルがいう。
「一族の長老の・・誰か?」
なるほど。
それが分かれば、こちらから、揺さぶりを賭けてやる。
「まあ、そういうことだから。・・・指輪は、急いで作ってやるさ。
   気をつけろよ?ガウリイ?キルのやつ、どうやら、魔族と手を結んだって・・。もっぱらの噂だからな。」
忠告してくる。
「ああ。」
その魔族の気配すらつかめたら、簡単なんだが。
この辺り・・。
結構、魔族・・うようよいるからなぁ・・・・。
誰も気づいてないようだが。
結構、普通の人間として、暮らしている魔族もこの町にはいたりするから。
かたん。
・・・ん?
リナが宿屋からでてたのは、知ってたが。
今、・・結界を一瞬・・突破しなかったか?
すぐに、結界の中に戻ってるが。
・・・何があった?
キルの気配は、俺が張っている結界の中にはない。
だが、心配だ。
「まあ、そういうことだから。指輪は、一刻もはやく、頼んだぞ。」 
「指輪なしで、プロポーズでもいいんじゃないか?」
俺が立ち去ろうとすると。
そういってくるピュービル。
「リナは・・疎いから・・・。品物を手渡して、ストレートにプロポーズしたほうが、いくらあいつでも気づくさ。」
そう。
疎すぎる。
だから・・指輪を依頼した。
リナに、ストレート勝負をかけるために。




宿に戻ると。
部屋に閉じこもっているリナの姿。
・・・何か泣いてるようだが・・。
一体???
夕飯も食べたくないというリナに。
一階で、食事を作ってもらい。 
リナの部屋においておく。
まあ、リナが泣いている気配がして、心配で。
思わず、アンロックとかいう術を使ったのは。
まあ、よしとしよう。
かぎがかかっている状態で、リナの前で、壁抜けの術を使うわけにもいかないし。
かといって、鍵を壊したら。
リナに怒られるから。
一番無難な方法だな。我ながら・・うん。
 
結局、リナの泣いている気配は。
一晩中・・続いていた。



・・・・・何か・・あったのか??
・・・・キルの気配は・・なかったが・・・。
ひょっとして・・あの一瞬に?
これからは、常にリナの側にいよう。
・・・・何か、いやな予感がする・・・・・。


               -続くー


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まえがき:
こんにちわ♪あと、すこしぃぃぃ!!
ではでは、いくのです♪
希望、今回から・・ダーク・・というか、
リナが不安になりまくるのが・・(涙)
ガウリイ、リナに不安を与える行動はやめましょう・・(涙)
ではでは・・・・。
しくしくしく・・・・・。


####################################

あとがき:
薫:ふっ・・・しくしくしく・・・。何回訂正しても、カウンターが・・(涙)
   しくしくしく・・・・・(涙)どこが壊れているのでしょぅか?(涙)
   数字を変えたらいいのかなぁ・・・?(かなりまて!)
   でも、ちゃんと、丁寧に、説明のあるとこでないと、私のような、機械音痴には・・無理だし・・・・。
   しくしくしく・・・。ちなみに。
   今利用してるのは、トクトクのサポートページにある、寺小屋の中の、GCIなんですどねぇ・・・。しくしくしく・・・。
   あそこだと、初心者でも、丁寧に、分かりやすいように、解説つきなんですよねぇ・・・(涙)(無料ホームページ提供の所の)
   だって、属性変更とか・・いろいろあるじゃないですか・・(汗)
   んなの。何?それ?といっとような、ど素人だし・・・。
   しくしくしく・・・。なぜぇぇぇ!?
   今朝きたら、また・・・数字が一に・・・・しくしくしく・・・。
   ふっ・・・・。これは・・長期戦になるな・・(涙)
   だれか、いい、GCIのカウンター設置で、ド素人でも、丁寧に解説付き。って・・知りません?(涙)
   変えたほうがいいのかも・・しくしくしく・・・。
   あそこから、全部、ダウンロードして、圧縮解凍して、利用してるからなぁ・・・。
   しくしくしく・・・・。
   それか、解凍したのをそのまま、移動させて(コピーでなく)るのがいけないのか!?
   謎が謎を呼んでます・・・しくしくしく・・・。
   前回、一回なったときには、こんなに長引かなかったのに・・・。
   しくしくしく・・・・・。
   では・・・・。
   しくしくしく・・・・。

   カウンタァァァァァァ!!!!!!!!!!!(大涙)   


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