「あ・・ぁあぁぁあ!!ルナたちに連絡しなきゃ!!」
おもわず、アゼンとしていた、スティルバイト。
今、リナが一度みただけで、その力の使い方を完全に覚えたことに。
いそいで、彼は、ルナ達に、連絡を送る。
「リナ様ぁぁ!!」
―ルナ!!レイス!!リナ様は、保護した!!
リナを探しているルナとレイスに。
スティルバイトより、精神感応で、声が伝わってくる。
つまり、テレパスで。
こんなに探していないとは・・もし、エル様に知られたら・・。
ぶるっ。
ルナとレイスが、二人して、顔を見合わせていたときと同時であるが。
「本当!!スティルバイト!で、リナ様は・・どこに!?」
目を輝かして、テレパスで、彼に語りかけているルナ。
―ここは・・・。
スティルバイトたちがいるのは白雲の世界。
白雲の竜神マスコバイドと、白雲の魔王セリサイトの世界。
―えっと・・白雲の世界だ。どうやら、リナ様は、眠っている間に、また、無意識に、空間転移したらしい。
「またぁ!?・・・で!?リナ様は無事なんでしょうね!」
とにかく、リナの無事が大優先である。
スティルバイトの連絡に、ほっとしつつも、ルナが語りかける。
その間、きょとんとした表情で、リナはスティルバイトを見ているのだが。
何やってるの?
という表情で。
「ああ、大丈夫だ。それは。」
キョトンとしているリナの頭をなでながら、スティルバイトは、連絡をつづける。
くすぐったいような表情をして、なでられるのを、遊んでもらっていると思っているリナは、キャッキャと喜んでいるが。
―そう・・よかった・・。
ルナから安堵のため息がもれる。
「それで?スティルバイト、リナ様は、何て?」
レイスが間に割ってはいる。
―そういえば?
「リナ様、戻りましょうか?」
スティルバイトがリナにいうと。
「やぁぁぁ!!リナ、せっかくだから、ここの世界みたいの!」
「リナ様ぁぁぁぁ!!!(涙)」
「・・・何か、リナ様がごねてるみたい・・。」
通信に割りいってくるリナの言葉。
―リナね!せっかくだから、ここの世界みたいの!
―だぁ!!何いってるんですか!そんな格好で!!・・じゃない!!エル様が心配しますよ!!
―えぇ~。でも・・。初めてきた世界なのにぃ・・。見たい、見たい、見たい、見たいぃぃぃぃ!!!!
「・・・・らしいな。」
その通信は、レイスも聞いている。
リナがごねたら、てこでも、意見を曲げない。
というのは、二人は身に染みて知っていた。
二人の額から、冷や汗が流れ落ちる。
「見たいのぉぉ!!!くすん・・駄目?くすん・・。」
か・・かわいいぃぃ!!
何しろ、容姿は、エルとまったく同じで、エルの姿の幼女バージョン。
そして、そのエルと瓜二つの容姿を持っているリナが、
大きなその金色の瞳に、涙をうるうるとウルませて。
はっきりいって。
この表情で、どんな存在もイチコロである。
純粋無垢。
それでいて、とても愛らしいその動作。
口にちょこんと、指をもっていって、しゃぶっているのが、よりいっそう愛らしさを引き立てている。
リナの姿は、俗にいう、二歳程度。今は。
「はぁ・・。」
さすがに、この攻撃(笑)には、耐えられなかったスティルバイト。
いつも、この方法で、リナは、ルナやレイスに、わがままを通しているのだが。
リナはそれに全然気づいてないが。
「わかりました・・。分かりましたから・・・。じゃ、あとで、ちゃんと、エル様に許可もらったら・・。つれてきてあげますから・・ね?」
先に折れたのは、やはり当然のことながら、スティルバイトの方。
「本当!!わぁぁぃ!!じゃ、りな、もどる!!」
・・・はぁ。
疲れたように、いうスティルバイト。
しかし、嫌がってない証拠に、顔が完全に緩んでいるが。
「じゃ、戻りましょ?リナ様?」
「わかった!!」
しゅん。
そのまま、二人は、そのまま、かき消えた。
というか、スティルバイトがリナを抱き上げて、移動したのだが。
リナが、だっこをせがんできたがゆえに。
「あ・・どうやら、リナ様・・戻ってこられるわ。」
通信などで、どうにか、リナが戻ってくるのを知って、ほっとするルナ。
「・・みたいだな。」
同じく、レイスもほっとする。
「よかったわぁ。もし、エル様に気づかれたら・・。」
「・・だな。エル様に気づかれる前で・・。」
ルナとレイスが、ほっとして、安心して、話し始めると。
「・・・・♪誰に気づかれるって?」
・・・・びしぃぃぃ!!
ぎ・・ぎぎぎぎぎぃぃぃ・・・。
二人にとって、信じたくないような、声が後ろから聞こえてきた。
おそるおそる振り向くと・・。
そこには。
『え・・・・エル様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』
みごとに、ルナと、レイスの叫びが一致した。
腰がぬけて、その場に座り込む二人。
「まったく、何で、リナが空間移動したのに気づいて、すぐにあたしに知らせないの?んっんっんっ?♡」
というか、エルは気づいていたのだが。
だから、リナが白雲の世界を一度、全てを虚無にもどしたのも知っている。
そして、リナがスティルバイトの力で、その力の使い方を覚えたのも。
視ていたから。
ずざぁぁぁぁぁ!!
一気に、顔いろが悪くなり、姿が薄くなってゆく二人。
にっこりと笑っているエルからは、笑顔しかみえないが。
その笑みの後ろにあるものを。
二人は、よぉぉぉく知っていたゆえに。
「あ!!ははさまだぁぁあ!!!!ただいま!!」
・・・・助かった!!
ちょうど、エルが二人に一歩近づいたところで。
リナがスティルバイトと共に戻ってきた。
「よっと。」
スティルバイトが、肩車しているリナをおろす。
リナにせがまれてやっていたのだ。
それを。
ちょん。
リナの足音がかわいらしく響く。
とてとてとてて!
エルの元に一生懸命走りよってゆく姿も、また、よりいっそう、リナの愛らしさを引き立てている。
「リナ!まったく・・心配かけないの!」
「はぁぁぁぁい。でも・・・なんでりな、あんなところに?」
まだ、理解してないリナ。
「リナはね。まだ、力のコントロールが完全じゃないからよ。力と精神が追いついてないの。
ま、じきになれるわよ♡何か、あったら、あたしをよびなさい!!すぐに駆けつけるから・・ね♡」
リナをぎゅっと抱きしめていっているエル。
「うん!!わかった!!ははさま!!」
リナもそんなエルにしがみつく。
何とも、ほほえましい母と娘の動作である。
―が。
これは、彼らのような、精神生命体には、ちょっと、その衝撃が強すぎる。
故に、そのまま、凍りついた状態に全員がなっていたりする。
単なる雑魚に過ぎなければ。
まず、確実に永久消滅するほどの、信じられない、光景が広がっているがゆえに・・・・。
「あのね。母様、リナね、白雲の世界にいってみたいの!!リナが、初めて、自分で、世界を直したのよ!」
直したというか、その世界を消滅させた原因もリナなのだが。
エルにつれられ、姿を十くらいの子供の姿に変えて。
エルに子供服に着替えさせてもらっているリナがエルにいう。
「そうねぇ。よくやったわ♡リナ♡さすが、あたしの娘よねぇ♡」
なでなでなで。
エルが頭をなでるたび、とてもうれしそうな表情をするリナ。
母様にほめてもらった♡
それが、リナには、とてもうれしい。
まあ、今回の、スティルバイトの力の使用は見逃してあげますか♪
リナの手助けになったことだしね♪
エルはそんなことをおもいつつ。
「白雲の世界・・いっちゃ・・だめ?」
しばし、エルは考える。
「そうね。じゃ、あたしは一緒にいけないから。ルナ達にでも、頼みましょうか?」
「うん!わぁぁぁぁぃ!!」
結局。
リナに一番甘いのは・・・。
金色の母である。
「え?しかし、エル様、私やルナには、提出が明日にせまっている仕事がありますが?」
ちっ。
そういえば、雑用をおしつけてたんだった。
エルが舌打ちする。
かといって、仕事とリナの面倒。
というのは、リナには、全力で、リナ一人だけをかまってもらいたい。
といって、仕事の期限を延ばすなんて、もってのほか♡
部下S・・つまり、レイスの言葉に。
エルは、内心舌打ちしていた。
・・・ま、いいでしょう。
「じゃ、リナ、ごめんだけど、スティルバイトと一緒に、二人でいってらっしゃい。・・いい?」
エルがリナの顔をのぞきこみながらいう。
「うん!!わぁぁぁぁぃ!!!お気に入りの髪の人vvスティルバイトと一緒♪でも、母様もちゃんと、用事がすんだら、くるよね?」
始めは、はしゃいで喜びながら、それでも、母に来て欲しいと願うリナ。
がしぃぃ!!!
「いくにきまってるじゃない!!リナが大切なんだからね!!」
「わぁぁぃ♪じゃ、リナ、いい子で、スティルバイトと一緒に、世界見学してる♪」
スティルバイトの意見など、どこえやら。
彼の意見など、一言も聞かず。
スティルバイトは、リナの子守をまた、押し付けられていた。
「じゃ、早くいくからね♡」
エルがリナの頬にキスをする。
くすぐったい表情をしているリナ。
「うん!!母様!!いってきます!!」
「いい!!部下ST!!リナに何かあったら、承知しないからね!!しっかりと、面倒みてよね♪」
いいつつも、エルの手には、愛用の大鎌がいつのまにか握られていたりする。
「わ・・わかってます!!!!!!!!!」
すぐさま、返事をしているスティルバイト。
「じゃ、いってきます!!母様!!」
「いい子でまってるのよ!!」
かくして、初めて。
リナとスティルバイトの、二人旅のようなものが。
ここに一時ほど、開始されていた・・・。
未来への希望 ACT-12
チュンチュンチュン・・・・。
「ん・・・・。」
ごろん。
あたしは、寝返りをうつ。
・・・結局、気になって、あまり寝られなかった・・。
いや・・ナーガのこともあるけど・・。
それ以上に・・ガウリイのことが・・・・。
「えええい!!!こんなのあたしらしくない!!」
じゃあ、どんなのがあたしらしいの?
それすらも、あいつのことになると、分からなくなる自分がいる。
「・・・・起きよっと・・。」
バシャバシャ・・・。
あたしは、鏡台の前で、桶で顔を洗い、そして、髪をすく。
なぜか、髪をときながら、流れる涙。
もし・・・・。
その不安があたしの中にわだかまり、残ったままで・・。
「お早う。リナ、あれ?どうしたんだ?」
かちゃ。
あたしが部屋からでると、ガウリイが、ちょうど、部屋から出てくる。
・・・くん。
何かが、かすかににおう。
・・・・ガウリイから・・血の・・におい?
巧みに消してあるけど、あたしの鼻は、耳と同様、結構性能がいい。
「どうしたって・・何がよ?」
あたしがガウリイに、いつもの様子でいうと。
「いや・・なんか、リナ、お前・・・元気がないようだし・・。」
ぴと。
か・・・かぁぁぁぁ!!!!!/////
ガウリイがあたしの額に手をあてて、片方を自分の額にあてる。
「ふむ。熱はないようだな・・って・・リナ?だんだんあつくなってるぞ?」
心配そうにあたしを覗きこむガウリイの顔。
だ・・だれのせいだ!
「は・・はなせぃ!!」
ばっ!!
どうにか、ガウリイの手をあたしから離す。
まだ、心臓がばくばくいってる。
どうか、ガウリイに気づかれませんように・・・・。
「熱でもあるのか?リナ?」
「違うっ!!」
「・・・ほんとかぁぁぁ??」
本気で心配しているガウリイの顔があたしを覗き込む。
・・・あんたのせいだって!
聞きたい・・・。
でも・・・・。
・・・・怖くて・・聞けない・・・。
昨日・・どこにいってたのなんて・・・・。
「ほら!!何でもないから!!とっとと、朝食、たべに降りるわよ!!」
「ああ!!リナ、まってくれよぉぉ!!!」
あたしが、真っ赤になる顔をガウリイに悟られないように、
そのまま、走るように、一階の食堂に向かってゆくと。
ガウリイが、情けない声を出している。
・・・・あいつにとって・・・。
・・・・あたしって・・・何なんだろ?
パートナー?仲間?
ううん・・。
あたしは・・あいつに・・・。
一人の女性としてみてほしい。
あたしのわがまま。
だけど・・あいつにとっては・・あたしは、保護対象の子供。
この隔たりは・・大きい。
それに、あいつがあたしと一緒に旅をするメリットも何もないんだから・・。
かたん。
席につき、食事が運ばれてくるまで。
「・・・ねえ?ガウリイ、・・なんで、あんた、あたしと一緒に旅してるの?・・・命がいつくあっても足りないのに・・。」
自然と出てくる言葉。
声が震えているが。
「あ?だって、リナはほっとけないだろ?それに・・リナは、俺が一生、守るって・・永久に守るって・・・。俺自身で決めてるしな。」
ガウリイが水をのみながら、あたしの目をまっすぐにみていう。
「・・・永久って・・でも・・ガウリイに・・好きな人ができたら・・・。」
それ以上は、あたしはいえなかった。
そのまま、下をむくあたし。
「リナ?いまさら、何いってるんだ?俺達、パートナーだろ?」
ぽんぽん。
ガウリイがあたしの頭をなでてくる。
いつもの、子ども扱いの動作で・・。
ずきん。
ちがう・・。
あたしは・・・。
あんたとは・・・・。
また、心がちくりと痛む。
「・・・・昨日・・・キルってやつに・・あったのよ・・・・。」
ぽそりとあたしがいうと。
「・・・・!!!!!!!!?」
なぜか、ガウリイの目が、驚愕に見開かれる。
ぐいっ!!
「痛い!!」
「何もなかっただろうな!!リナ!!!」
なぜか、あたしの手を荒々しくつかんで、ガウリイが、
見たともないような、狼狽した表情でいってくる。
・・?
いったい?
「痛いってば!!」
「何もなかっただろうな!どうして、一人ででかけた!!」
強い口調のガウリイ。
「だって・・お腹すいたから!!!・・深夜だったから・・酒場でないと・・食事ができないって!!痛いってば!!離して!!ガウリイ!!」
つよく、あたしの腕をつかんでいるガウリイ。
こんなガウリイ・・あたし、見たことない。
まるで、何かにひどく恐れているような。
「何で俺にいわなかった!!よりによって・・深夜の酒場だと!? お前・・あそこが・・!!」
ガウリイがいいかけて、そこでなぜか止める。
「だって・・・ガウリイ、出かけてたじゃない!!」
シィィィィン・・。
しばらく、静寂が訪れる。
「あ・・・・ああ・・・・。まあ・・・・な。」
「・・・どこいってたのよ・・・。」
なぜか、視界がかすむ。
なんで?
「ふぅ・・。この辺り・・ごろつきが多くてな・・・。ちょっと・・・な。」
ごろつきと、出かけるのと、何の関係があるのよ・・。
「お!!リナ、料理がきたぞ!!」
はぐらかさないでよ・・・・。
・・馬鹿ガウリイ・・・・。
結局、この話は、ここで、断ち切られてしまった。
「いいか!!リナ、ぜったぃぃぃぃぃに、一人で出かけたりするなよ!いいな!!!特に、あいつには・・絶対に近づくな!!」
強い口調のガウリイが、あたしに釘を刺してくる。
「なによ!!ガウリイに指図されるいわれはないわよ!!」
あたしは、半分ムキになっている。
「そうよ・・何もいってくれない・・ガウリイになんて・・・。」
消え入りそうな声。
食事が終わり、部屋に戻るあたしに、ガウリイが釘を刺してきた。
「馬鹿!!!!」
ばたん!!!
あたしは、そのまま、部屋にかぎをかけて閉じこもる。
馬鹿馬鹿・・馬鹿・・ガウリイの・・馬鹿!!
何で何もいってくれないのよ!!!!
「・・・・くすん・・。」
あたしは、枕をゆらしつつ、ベットに倒れ込んでいた・・。
・・・・馬鹿ガウリイ・・・・。
「お早う。リナ、あれ?どうしたんだ?」
ガウリイが部屋から出てくるリナをみると。
どこか、リナは元気がなかった。
「どうしたって・・何がよ?」
よわよわしい口調。
どこか具合でも?
すぅ・・・。
血の気が引いてゆく。
「いや・・なんか、リナ、お前・・・元気がないようだし・・。」
ぴと。
もしかして・・熱でもあるんじゃないだろうな!!
ガウリイは、リナの額に自分の手を当てる。
「ふむ。熱はないようだな・・って・・リナ?だんだんあつくなってるぞ?」
ガウリイが当てている手に、だんだんリナの体温が上がってくる感覚が伝わる。
「は・・はなせぃ!!」
ばっ!!
ガウリイの手を払いのけるリナ。
ガウリイに、リナの高まる心音が届く。
「熱でもあるのか?リナ?」
「違うっ!!」
「・・・ほんとかぁぁぁ??」
こいつは、いつも、何もいわないからな・・・。
具合が悪くなっても、意地をはるし・・。
心底心配なガウリイ。
「ほら!!何でもないから!!とっとと、朝食、たべに降りるわよ!!」
「ああ!!リナ、まってくれよぉぉ!!!」
耳まで、真っ赤になっているリナが、ずんずん進んでゆく。
・・・・ひょっとして、今の手をあてるのだけで、照れてたのか?リナ?
「くす・・・。かわいい♡」
そのガウリイのつぶやきは、リナには届かなかった。
「・・・ねえ?ガウリイ、・・なんで、あんた、あたしと一緒に旅してるの?・・・命がいつくあっても足りないのに・・。」
何!?
食事が運ばれてくるまで、俺は、リナの顔に見とれていたのだが。
それと、リナに向けられる下心のこもった、
相手に向けて、リナに岐津かけないように、殺気をとばしつつ。
何でまた、いきなりそんなことを聞くんだ!?リナ!?
・まさか・・俺と離れたいとか・・・。
不安がよぎる。
リナが俺と離れる、といっても、俺は、リナから離れるつもりは、もうとうない。
リナは、誰にも渡す気もない。
だからといって、本心をそれとなく、リナにいっても、リナは、全然気づいてないが・・(汗)
「あ?だって、リナはほっとけないだろ?それに・・リナは、俺が一生、守るって・・永久に守るって・・・。俺自身で決めてるしな。」
たのむ!
リナ!!
いいかげんに、俺のプロポーズに気づいてくれ!
・・・永久って・・でも・・ガウリイに・・好きな人ができたら・・・。」
・・・・・・まて(汗)
だぁぁ!!
俺の愛しているのは、お前だ!!リナ!!!
何で、こんなに言っても、気づかないんだ!?
俺がお前にプロポーズしてるってことに!!
やっぱり・・・・。
指輪を渡して・・ストレートにいくしかないか・・・。
・・・・はぁ・・・・。
「リナ?いまさら、何いってるんだ?俺達、パートナーだろ?」
ぽんぽん。
かといって、いきなり、行動にでて、リナがいなくなるのは嫌だ。
だから、リナが不安にならないように、リナの頭をなでる。
リナが、自分の隣にいる確認として。
「・・・・昨日・・・キルってやつに・・あったのよ・・・・。」
リナが、小さな声で、ぽつりという。
・・・・・・・・・っ!!!!!!!!!!!
「・・・・!!!!!!!!?」
何!?
まさか・・リナ!
昨夜・・一人で出かけたのか!!
ぐいっ!!!
気づくと、俺は、リナの腕を荒々しくつかんでいた。
「痛い!!」
「何もなかっただろうな!!リナ!!!」
あ・・あいつに・・キルにあっただと!?
リナ!!
何もなかっただろうな!!
あいつは・・・・っ!!!!!
「痛いってば!!」
リナが抗議してくるが、
俺はよりいっそう手に力をこめる。
「何もなかっただろうな!どうして、一人ででかけた!!」
リナを一人にしたらまずいんだ!!絶対に!!
それでなくても、俺のせいで、リナまで、俺の一族のお家騒動に、リナは知らなくても、巻き込まれているんだから!!
「だって・・お腹すいたから!!!深夜だったから・・酒場でないと・・食事ができないって!!痛いってば!!離して!!ガウリイ!!」
・・・な・・なにぃぃぃぃい!!!!!?
深夜の酒場だとぉぉぉぉぉ!!!!?
あそは・・・・リナ!?
はっきりいってまずすぎるぞ!!
ごろつき程度なら、まだかわいいもの。
深夜ともなると、手段を選ばない輩が多々と集まる空間とあそこは化す。
つまり、女とみれば、みさかいなく、手をだしてくるような、そんな連中や深い部分の闇に住む住人が集う空間。
そ・・そんなところに・・リナ一人でか!!!!??
「何で俺にいわなかった!!よりによって・・深夜の酒場だと!?お前・・あそこが・・!!」
いいかけて、俺は止める。
いや。
どうも、この様子だと、何もなかったらしいが・・。
・・・・・心臓が止まるかと思ったぞ・・。
リナ・・・。
まあ、リナに、そんなこの町の闇の部分をわざわざ説明することもないし。
リナには知らなくていいことだ。
闇の世界のことなんて。
リナは、いつも、光の元で輝いていればいいのだから。
「だって・・・ガウリイ、出かけてたじゃない!!」
・・・・何!?
・・・呪文・・効いてなかったのか!?
しかし、そんなことは、いえない。
ううん・・。
そういえば、リナもときどき、俺に呪文をかけて、宿を抜け出してるしなぁ。
まあ、俺には、そんなもの、聞かないけどな♡
だから、トイレにいってたとか、そんな言葉で、ごまかして、毎回、リナと合流してたのだが。
シィィィィン・・。
しばらく、静寂が訪れる。
「あ・・・・ああ・・・・。まあ・・・・な。」
まさか、リナが寝てなかったとは・・。
不覚だな・・・。
そういえば、あいつらが行動を起こそうとしてたので、
リナがちゃんと寝ているか、確認を俺は怠ってしまったし・・・。
「・・・どこいってたのよ・・・。」
リナが、その紅の瞳を涙でうるませて、聞いてくる。
・・・う゛(汗)
そんな表情をするな!!
リナ!!!!(汗)
・・・男として・・・・リナをそのまま、やってしまいそうになるほどの。
愛らしく、そして・・守りたいほどの、そんな表情で・・・。
というか、俺以外にそんな顔をみせるなよ!!
リナ!!!
あ゛あ゛!!!
他のやつらに見られる!!
案の定、リナを遠巻きにみていた連中からは、生唾を飲み込む音が聞こえてくる。
・・・許さん。
俺は、精神世界から、そいつらに、直接力を叩き込んでやった。
ふん。
リナに色目をつかうからだ!!
そのまま、動かなくなっている連中には、リナは気づいてない。
ふう・・。
しかし・・・。
本当のことはいえない。
いえば、リナは、きっと。
自分も手助けする。
といって、この一件に関ってくるのは・・目に見えている。
俺の、家庭の事情で、リナの手を・・煩わしたくは・・ないから。
「ふぅ・・。この辺り・・ごろつきが多くてな・・・。ちょっと・・・な。」
うまく、言葉を濁し、その場を切り抜ける。
だが、リナは、納得してない様子。
「お!!リナ、料理がきたぞ!!」
よっし!!
うまい具合に、料理の数々が、運ばれてきた。
これで・・。
リナ、気に病まないといいけど・・。
食事の様子では、そんな様子も微塵に見えないから・・。
・・・大丈夫かな?
リナ、お前は、俺が、絶対に、何があっても守ってやる。
だから、リナ、お前は、俺の側から離れるな。
「いいか!!リナ、ぜったぃぃぃぃぃに、一人で出かけたりするなよ!いいな!!!特に、あいつには・・絶対に近づくな!!」
リナが部屋に戻る直前。
念のために、リナに釘をさしておく。
あいつは・・・。
本気になったら、女に薬をもって、そのまま!!!
リナがそんな毒牙にかかったらどうするんだ!
まあ、絶対にそんなことはさせないが。
「なによ!!ガウリイに指図されるいわれはないわよ!!」
「そうよ・・何もいってくれない・・ガウリイになんて・・・。」
消え入りそうな声。
・・・・・リナ!?
強い口調と裏腹に、なぜか、リナの声が震えている。
「馬鹿!!!!」
ばたん!!
そのまま、リナは部屋にかぎをかけて、閉じこもってしまった。
「しかたない・・。」
あれは・・やりたくなかったが・・。
この宿に、リナに気づかれないように・・。
あれ・・やっておくか・・。
あれとは、俺がよく使う手。
とある結界で特定の地域を囲うことで、何かが、そこから、出入りしたら、 すぐに俺に伝わるというもの。
結構、便利なんだよな。これ。
依頼のターゲットとかの相手が逃げ出しても、分かるし。
やったことは、国単位ではまだないが。
多分、できるような気もするが。
なぜ、それをしなかったかというと。
・・・リナなら、絶対に、その結界に気づく可能性が高いからに他ならない!
その、結界の意味は分からなくても。
何かの、結界だというのは、分かるはずである。
そして、リナの力だと。
その波動から、それをやっているのが、俺だとすぐに見抜くはずである。
そうなったら・・。
リナが俺を見る目が変わるのは・・・いやだから。
リナに畏怖されるのは・・いやだから。
だから。
リナの前では、力は使わないのだから。
気づかれないようには、使っているが。
リナが寝静まったのを確認して。
この宿、一帯に、出入り確認の結界を張っておいた。
・・これで、どんな存在がこの結界に触れても。
そして、出て行っても、俺にすぐに分かるというものだ。
念には、念を。
リナを守るためだたら、どんなことでもやってやる・・・。
だから・・リナ、お前は、何もしらなくていい。
いつも、笑ってろ?
な?リナ?
「さて・・と。第二段だ・・な。ふむ。どうやら、ガウリイのやつ・・宿に結界を張ったようだな・・。」
とことんむかつくやろうだ。
ならば、作戦を変えるまで。
二人一緒のときに、ガウリイにのみ、気づくくらいの、さっきを向けれる、暗殺者。
それを仕向ければいい。
ガウリイが、リナ=インバースから離れた瞬間が。
それが、勝負時。
「ふふ。昨日の俺の言葉で、かなりふあんがっているだろうからな。」
女の気持ちは十分に把握している。
だから、ちょっと、つつけば、こわれるその不安箇所も。
たいがい、女は、それで不安に陥り。
こちらの想い通りになってくる。
「しょせん、あのリナ=インバースといえども。一人の女だしな。」
にやり。
「さて・・。」
精神を集中させる。
―我が主よ?何か用か?
声が虚空に響く。
「いや、また、今晩から活躍してもらう。
・・レッサーデーモンでもつれて、ガウリイを結界に閉じ込めろ。・・・半時・・いや、一時でもいい。」
―了解した。
「ふふ。以前の俺とは思うなよ・・ガウリイ・・。」
結構、いい拾いものだった。
ぐうぜんに、こいつとあったのは。
仕事がら、出あうことは、ときどきはあっても。
人形の、・・そして、力のある魔族なんかと知り合えたのは。
なぜか、こいつは、主を求めていた。
だから、俺は、それを申し出た。
俺のもつ、負のエネルギー。
それに引かれて、こいつは、快く承知した。
俺の側にいると。
女どもや、それの相手でもあるターゲットの強いこいつらにとっての、極上の食事ともいえる負の感情が味わえるからという理由で。
・・そう。
俺は、以前の俺ではない。
こいつと、不死の契約を結んでいる。
そして・・。
生半可な呪文では、この身体に・・傷一つ、つけられないように・・。
「ふふ。デモンスレイヤー・・といっても、所詮は女。まあ、みてろよ・・リナ=インバース・・。ふふ。」
あの、リナ=インバースを犯す瞬間が楽しみだ。
いったい、どんな表情をするのやら。
「ふ・・・・ふふふふ・・・・。」
まずは、とりかかりは・・上々・・っと。
「次の暗殺者は・・女にしろ、香水でもつけてるやつがベストだ。」
―了解した。
ふふ。
これで、もっと、不安にさせてやる。
まってろよ・・・。
ふふふふふ・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・こいつ・・・・ゆるさないわ!!!
「エル!!落ち着いて!」
私は、どうにか、エルをなだめる。
「だって!!ユニット!!あいつ!!」
「干渉は、あまりしない。・・そうじゃなかった?エル?」
「うう・・・・フィブリゾォォォォ!!!」
「はい!!」
エルの言葉に、即座に出現する八歳程度の男の子。
「あんた・・部下にいったい、どんな躾・・やってたのよぉぉぉ!!!」
あ~あ・・・。
キレちゃった・・・・。
私・・しぃらないっ♪
フィブリゾが滅んだ時点で。
行き場をなくした、冥王配下の魔族たち。
それらは、他の腹心に組したりしたけど。
中には、あいつのように、人間と契約したりと、好き勝手なことをしているやつもいる。
つまり、あのキル=レイピルが契約を結んでいる相手の雑魚中級魔族は、
元、冥王(ヘルマスター)フィブリゾの配下だった、魔族なのよね♪
フィブったら、まがりなりにも、リチェウスィを利用しようとしたので、あそこの世界では滅んでも♡
エルがこき使っているのよね♪
もしくは、お仕置きし続けているともいうけどね♪
それゆえに、Sが、こいつを復活させようとしているのは。
Sのところから、それも引っ張ってきているから♪
だから、冥王も、魔竜王も、未だに復活しないのよね♡
それは、私とエルの秘密だけど♪
なさけないことに、それに気づいてないのよねぇ♡
シャブラニグドゥのやつは♪
「それより、エル♪フィブリゾだけでなく、Sにもいきましょ♪」
「当然よ・・・ふ・・・ふふふふ・・・。」
私と、エルは、当然。
カタートへと出向いていった。
ふふ♪
・・でも。
エル・・気づいてるのかしら?
このままだと・・。
このたびは・・リナ、肉体・・もたないわね・・・。
ま、どうにかなるでしょ♡
結構、リナとスティルバイトのことは、認めない!!
とかいいつつも、エルってば、リナが悲しむのは、見たくないから。
とかいう理由で、認めているところもあるしね♡
だから、どんどんいっちゃいなさい♪
だって、こんなに狼狽するエルって、滅多にみれないんだから♪
ね♡
スティルバイト♪
-続くー
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まえがき:
こんにちわ♪しくしくしく・・・・。
カウンターがおかしくなって、涙している薫なのです・・しくしくしく・・・・。(涙)
どうしてぇぇぇぇ!?
しくしくしく・・・・。
今、確認・・いったら・・また・・初期化してたし・・・・・。
・・・・くすん(涙)
長期戦ですな・・しくしくしく・・・。
ま。とりあえず、未来への希望。第12話です♪
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あとがき:
薫:・・・やってましった・・・(笑)
このシリーズ。エル様とすみれちゃんは・・ださない気だったのに・・。
カオスパレス・・つまり、この世界の混沌宮殿で、エル様と、すみれちゃん、リナの様子を覗いてます(笑)
この二人からすると、どんなにシリアスでも、ギャグになってしまうので・・不思議だ・・(かなりまて!)
それでは・・・。次回。・・・ええと・・。キルがリナに嘘ではない真実をいって。リナが不安になって。
それでいて、言い寄るキルに。そして・・リナが真実をしり。自分で決着をつけるべくキルと対峙・・と。
そして、ガウリイが駆けつけて・・。この辺りは、プロローグでちょこっと触れてる場所ですが(汗)
その後のちょっとした話をウチコンデ・・・・。それで、この一部はおしまいっと♪
・・・ゼルが駆けつけるシーン・・。二部にもってくか・・・。
それとも・・・・一部のエピローグにもってくか・・・(まてまて!)
ではでは・・・♪
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