「ははさま・・・・。」
しか。
つかんで離さない幼い子供。
「くぅぅぅ!!!何てかわいいの!!リナ!!」
がしぃ!!
そのまま、眠っている娘たる存在を抱きしめるエル。
とはいえ、今から、会議である。
簡単に、分離して、二人になることは、できるのだが。
リナの側にいるときは、自分自身でありたいエル。
つまり、分身してしまうと、
関係ないと思うのだが、エルの気がすまないのだ。
隣りで眠っている幼いリナに、かるくキスをする。
たいがい、エルとリナは、一緒に眠っているのだ。
別にエルは寝なくても関係ないのだが。
「いいこでね。リナ♡」
ちゅ。
リナの額にかるくキスをして。
そして、部屋からでてゆくエルの顔は、すでに、さきほどまでの雰囲気ではなく。
まぎれもなく、金色の王としてのその雰囲気。
「さて・・と。今日も、会議ね♪」
今日は、どんなお仕置きを考えましょうか♡
会議といっても、仕事が遅れている存在達には。
とうぜんの、制裁を加えているエル。
当然だが。

すぅ・・・。
リナは、やすらかに眠っている。
ゆらり・・・。
そのまま、リナの姿がベットから掻き消える。

「・・ふえ?ふ・・・ふぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

リナが目覚めると、そこは、真っ暗な真空の世界。
リナは、また寝ている最中に、空間移動したのである。
「ふえ・・ここ何処ぉぉ!!!!ふぇぇぇぇぇんん!!」

どん!!!

リナから、無意識に、力があふれ出す。
瞬時に、その辺りの銀河という銀河が、そのまま、混沌に飲み込まれてゆく。
「ははさまぁ!?るなぁ!?すてぃるばいとぉ!?れいすぅ!?」
泣き叫ぶリナ。
腰のよっつのマスコット人形が揺れている・・・。

そのころ。
「あ゛あ゛!!!!リナ様がいなぃぃぃい!!!」
ばたばたばた!!
リナを起こしにいった、ルナが、大慌てで、リナを探しまくっていた。
「・・・ん?」
一緒に捜索にあたっているのは、ルナとレイス。 
そして、スティルバイト。
もし、会議中のエル様に気づかれでもしたら・・・。
全員お仕置き決定であるがゆえに。
「いたか!?」
「いや!!」
レイスとルナが会話を飛ばす。
・・・もしかして!?
スティルバイトは、とある可能性を感じる。
というのも、リナに渡していた人形から、リナの力の波動が自分に伝わってきたのである。
髪のけに、自分の一部をつかっているがゆえに。
そのまま、その波動をたどる。
――いた!!!
「みつけた!!リナ様!!」
しゅんっ。
『スティルバイト!?』
ルナとレイスをほっといて。
そのまま、スティルバイトは、リナの元へと空間移動した。

「ふぇぇぇぇぇぇんんんん!!!」
ごう・・。
瞬く間に、暗い虚無の空間となってゆく、そこの世界。
リナが泣くのと同時に、リナの無意識で放っている力により、世界が混沌に沈んでいっているのである。
まっくらな空間で、一人泣いている幼いリナの姿。
暗い空間に、リナの金色の髪がたなびく。
「リナ様!!!!!」 
聞き覚えのある声。
ちょうど、そのとき、スティルバイトが空間移動してやってくる。
「ふぇぇぇぇ!!すてぃるばいとぉぉ!!!ふぇぇぇんん!!」
よっぽど、さみしかったのか、声が聞こえると同時に、
スティルバイトにしがみつくリナ。
「ふぇぇ!!ここ何処ぉぉぉ!!!」
何処って・・・(汗)
「・・・・・あ゛(滝汗)」
ふとみれば、いつのまにか、この辺りの空間・・すでに、世界という世界ともいうべき、銀河は・・
すべてリナの暴走した力によって・・虚無へと還りついていた。
これは・・・(汗)
やったな・・(汗)
リナ様・・(滝汗)
力がうまく、使えない。
それは、感情の爆発にともない、暴走することもある。
彼は、経験ゆえに、それを知っていた。
「ほらほら、とりあえず、なきやんでください・・ね?リナ様?」
なだめるが、まだ泣いてるリナ。
「はぁ・・・・」
ちゅっ。
そんなリナの瞳にかるくキスをするスティルバイト。
とりあえず、リナ様のこの暴走してる力を押さえねば・・(汗)
「くすん・・。あのね、りなね、おきたら、ひとりだったから・・さみしかったの・・。」
ひくっ。 
いつも、母にされているその動作で。
落ち着いてゆくリナ。
泣いていると、よくエルがリナにやっているのだ。
『はいはい♡リナ、泣かないの♡』
―ちゅ。
と。
「さみしかったからって・・・。リナ様。これは・・ちょっと・・・・。」
「何?」
ティルバイトがあたりを指差す。
そこには、光もなにもない空間が広がるのみ。
「ええと・・りながやったの?これ?」
「まあ、仕方ないですよ。リナ様は、まだ、力がうまくコントロールできないんですから。」
いいつつも、きょとんとしているリナに、笑いかけているスティルバイト。 
「で?リナ様?元にもどせますよね?」
リナなら、元に戻すのは、簡単。 
今、ここの魔王と竜神は、会議で宮殿に出向いているのが幸いしている。
「??りな・・しらない!!」
・・・・・・・・・・。
「まじですかぁぁ!!?」
リナのその言葉に、驚愕するスティルバイト。
「できる・・とはおもうけど、りな、やりかた・・しらないもん。」
じっと、すがるように、みてくる、大きく見開いたつぶらな瞳。
く・・くぅぅ!!
かわいすぎる!!
思わず、スティルバイトは、また、そんなリナの愛らしさに見とれてしまうが。
「・・・はっ!!」
急いで我に戻る。
「・・・しかたないですね。俺が手本を見せますよ・・。リナ様は、よく見ててくださいね?」
本当は、あんまりやりたくないんだが。
というか、エル様から禁止されている。
あまり大きな力を使うのは。
だから、自分の治めている世界ならば、多少は、それで、力を封印されている状態でも、持っているが。
ここは、他の存在たる龍神と魔王が治めている空間。
どこまで通じるか?
スティルバイトは、そう思いつつも。
精神と力を集中し始める。

・・・・ゆら・・。

―――――――――――――――カッ!!!!

辺りをまばゆい、金色に近い碧色の光が包み込む。
「はぁ・・はぁ・・。」
やはり、全部は・・無理か・・。
自分の管轄する世界ならば、簡単に、元の状態。 
つまり、混沌に沈む前まで、時間をさかのぼらせて、何ごともなかったかのようにできるのだが。
スティルバイトは、エルに力を封印されているから、本人すらも知らないが。
実は、リナと同様に、世界の創造などもできる力を持っている。
彼の魂の元となっているカウリィ=ルシフェル=ウル=ナイトメア。
その魂をちぎって、エルが作り出している存在だけに。
彼は、エルがここと同じく。
そこの混沌の空間そのものとして創り出している存在がゆえに。 
だが、そんなことは、スティルバイトは知る由もない。
世界を元に戻す方法。 
それは、彼には、時間をさかのぼらせる。
といった方法しか、今はできないのだ。
しかし、さすがは、スティルバイト。 
本来ならば、普通の魔王や竜神でも、そこまではできない。
できても、星一個の程度である。 
だが。
今の彼の力によって。
この世界の銀河たる個々とした星星は。
その姿の、五分の一まで取り戻していた。
すこし、力を使い、息を切らしているスティルバイト。
あと、数回・・やったら、大丈夫かな?
彼がそんなことをおもいながら、この世界の空間を見ていると。
「リナ、やりかたわかった!!」 
リナがスティルバイトの服をつんつんとひっばる。
「あのね、リナね、今のね、すてぃるばいとのでやりかたわかったから!これでいいかみててね!!」
リナが言うだけ言って。
「・・・こうかなぁ?」
ふわり。
と、空間に手をかざす。

と。

それだけで・・・・。
全ては、リナが力を暴走させる前の状態・・・。
つまりは、まったくといっていいほどの、その世界の空間として戻っていた。

「・・・・・・・・・・。」
さすがだな。
さすがに、この世界そのものでもある混沌の核として、創り出されているだけのことはあるよな。
このリナ様は。
しかし、その巨大な力と裏腹に。
とっても危ういまでの、その力と、そして、精神。 
まだ、本当にリナは、何も知らないのだ。
だからこそ。
よりいっそうに、リナ様を守りたい。
その衝動がさらに強くなってゆく。
その想いは・・何なのかは分からない。
だけど。
リナ様を傷つけたくない。
ずっと、見守っていたい。
その想いをさらに強くするスティルバイト。

今は、単なる守りたい存在。
しかし・・・。
これから、どうなるか。
彼にもわかるはずもなかった。
・・・自分が・・・。
リナを愛してしまった。
ということに気づくのは・・・・。

それが分かるのは、リナがゆがみより生ぜし、
世界の理にそむくもの、反逆者アザチェスに狙われはじめる少し前のこと・・・。



      未来への希望  ACT-11





ストリッジ・シティの図書館。
小さな町だというのに、結構ここには、レアな情報が詰まっている。
それゆえに、別の意味でも、この図書館は有名。
あたしは、そこにガウリイとやってきた。
一応、名前を書き込むようになっているんだけど・・。
あたしが、
「ええと・・ガウリイ=ガブリエフ・・と、リナ=インバース・・。っと・・。」
さらさらさら。
閲覧表に、名前を書き込むと、
ずざざっ!
なぜか、一斉に、あたし達から遠ざかっている人々。
それは、係りの人間が、
「ええぇぇぇ!!!!リナ=いんばぁすすぅぅぅぅ!!!!」
・・まて・・・・こら!!
いきなり、大声をあげたからである。
「こらまてぃ!何よ!!その反応は!!」
そりゃ、あたし、変な根も葉もない、噂がたってるのはしってるけど!
あたしの抗議もむなしく、なぜか、人気がすっかりとなくなってゆく。
いや・・あるには、あるのだが。
なぜか、遠巻きにみている人々。
・・・むかつくぅぅ!!

ま、とりあえず、あたしは、ちょっぴし、気になってたことを調べ始める。
「ええと・・・。世界の派閥関係の本は・・と。」
きょろきょろ。
あたしが、棚を見回っていると、ガウリイが、とある棚の中へと入ってゆく。
・・・うん?
あいつ、何やってんだろ?
あたしは、不審におもい、ガウリイがいた場所にといく。
あたしがそこにいくと、すでに、ガウリイの姿はなく。
傍目には、普通の本棚が並んでいるばかり。 
しかぁぁし!
このあたしの目は、ごまかせないわよ♡
「・・・・んと♪あ、あった♪」
並ある本の中から、一品だけを本棚から取り出す。
―がこん。
・・ビンゴ♪
どうやら、なぜか、魔力でカモフラージュもしてあるけど。
「ラッキィ♪隠し部屋じゃない♡」
こういう場所って・・
結構、レアなものがあったりするのよねぇ・・んふふふふ♡
「あれ?リナ、やっぱり、お前も気づいたか。ここの隠し部屋。」
ガウリイが、何やら本をぱたんと閉じて、あたしの方にとやってくる。
こいつ、何やってんだろ?
「あら、ガウリイ、よく、ここがわかったわネェ。」
あたしは、ガウリイにしては、めずらしいなぁ・・。
と、思い、ガウリイにそれとなくいう。
「あ・・ああ。ここ・・俺の傭兵時代から・・よく、利用してるからなぁ・・。」
なぜか、歯切れのわるいガウリイ。
「知ってるか?リナ、ここって、結構、いろんな場所の、主要人物などの情報が管理されてるんだぜ?」
へぇ・・・。
って・・・・。
「何ぃぃぃ!!!!?ち・・ちょっと、ガウリイ!?それ・・まじ!?」
なんで、そんなこと、こいつが知っているんだ!?
「いや・・まじも何も・・たとえば・・。ほら・・ここだと・・。」
かたん。
ガウリイが、上の方にある本を一冊戸棚から取り出す。
「ほら、セイルーン王家の、家計図と、それと、似顔絵つき。」
ほら。
ガウリイがあたしの手にその分厚い本を手渡してくる。
か・・家計図って・・・。
パラリ。
あたしが、おも室に、開くと、そこには、まだ若い、フィルさんの姿と。
そして・・・・。
・・・・多分、これが・・アメリアの・・お母さん・・?
・・・・・なんか・・誰かに・・・似てるんですが・・?(汗)
フィルさんの隣に描かれているのは、黒い髪の長い、ちょっと、上品そうな女性。
黒い髪に、黒い瞳。
アメリアにどこかしら、雰囲気が似ている。
似ているのだが・・・・。
ぱらり。
あたしは、気にせずに、次のページを開く。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ぶぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!

どんがらがっしゃぁぁぁぁぁぁんんんん!!!!

「おい・・リナ!?どうした!?」
見てない・・見てない・・あたしは・・見てない・・・・。
い・・・・いやぁぁぁぁ!!!!!
あたしは、そのまま、盛大に、ずっこけて、意識が遠くなってゆく・・・。
だれか・・・嘘よね!
いや・・うん!!
これは・・夢よ!
それか・・そっくりさんよ!!
そう!!!
次のページをパラリと何の気なしにめくると。
そこには、フィルさんの二人の娘のプロフィールと。
そして、似顔絵が・・・・。
・・・・アメリアは・・・・いいとして・・・・・・・・・。
もう・・・・一人の・・・アメリアの・・お・・姉さんの・・その・・顔が・・
・・・・い・・・・いゃぁぁぁぁぁ!!!!!!
 
ひょい。
「あれ?リナ、この姉ちゃん・・確か、あの馬鹿でかい胸の姉ちゃんじゃ・・。」
ガウリイが覚えてた!?
っていうか、何て覚え方してるのよ!?ガウリイ!!!
「何て覚え方してるのよ!!ガウリイ!って・・いやぁぁ!!!絶対に他人の空によぉぉぉぉ!!!」
ガウリイが、あたしが放り出した、そのページを見ながらいう。
「ええと・・・。何何?フィリオネル=エル=ディ=セイルーン、第一王位継承者の長女。
   グレイシア=ウル=ナーガ=セイルーン。へえ、趣味は、温泉めぐりだってさ・・あれ?リナ?」
ぐるぐるぐる・・・。
・・・・悪夢・・・・。
・・・・ただの偶然でありますように・・。
そうよ・・偶然よ・・・。
だって・・・あのナーガが・・こんな格好・・・・・・・。
いや!!
そう、!!
世の中には、他人の空似が三人はいるというし!
うん!!そうに決まってる!
あたしは自分に言い聞かす。
そこにかかれているのは、ちょっと、まだ多分、アメリアが十代のことの姿と。
そして・・髪の長い、スタイルのいい・・黒いドレスを着ている女性・・。
アメリアのお姉さん・・。
グレイシアさん・・らしいのだが・・・。
その・・顔が・・・・(汗)
どこぞの金魚のうんちと・・・・(涙)

ばたばたばた!!
「誰だ!!」
「まずい!!リナ!!逃げるぞ!」
ぐいっ!!
放心するあたしを引っ張って、隠し部屋から出てゆくガウリイ。
ばたばたばた!!
「誰かが、いたようだが!?」
「何!?ここは、部外者は立ち入り禁止だぞ?!」
壁の向こうから、声がする。


「ち・・ちょっと!?//ガウリイ!!いい加減に離して!!」
あたしは、よく考えてみれば、その・・。
ガウリイとその・・手をつないでいる格好に・・////
真っ赤になるのが自分で分かる。
「あ・・ああ。悪い。いやぁ・・。一応、あそこ、部外者、立ち入り禁止らしいから。みつかったら・・やばいたろ?」
ガウリイが、なぜか、丁寧に説明してくる。

「って・・なんで、ガウリイ、そんなに詳しいのよ?」
ガウリイに離してもらった手をもう片方でなでつつ、
あたしは、ガウリイに聞く。
「いやぁ・・・。・・・ここだけの話だぞ?リナ?」
なぜか、ガウリイがきょろきょろと周りを見渡して。
人がいないのを確認してから。
「実は、ここの図書館の経営主の一人が・・裏の世界の住人なんだ。
  だから、その関係で、やばい仕事とかの場合は、こそっと、ここから資料なんかを回してるのさ。
  護衛とかの仕事では、その人物とかのプロフィールなどが、結構役に立つからな。」
なるほど。
って・・それっ・って・・・!
「ちょいまてぃ!それって・・いけないことじゃ!」
まあ、あたしでもやるけど。
というか、気づかれなければ、問題ないし♪
かといって、裏の世界って・・・。
「・・なんで、ガウリイ、そんなに詳しいのよ・・。」
そうよ。
なんで、こいつがそんなことに際しいわけ?
「いやぁ・・・。以前、ちょっとした、仕事・・請け負ったときに・・。・・ちょっとな・・。」
ガウリイが困ったような顔をする。
あたしは、知っている。 
こういう表情をするときのガウリイは、あまり聞かれたくないことだってことを。
ガウリイは気づいてないようだけど。
でも・・あたしには分かる。
―ずきっ。
あたしに隠し事しているガウリイ・・。
それが・・なぜか、あたしの心を重くする。
かつての、サイラーグの事件は。
何があったか、ガウリイから聞き出して、何があったのか、あたしは知っているけど・・。
そのときも、しつこく聞くあたしに対して。 
ガウリイは、今のような表情をしていた。
「あっそ。」
これ以上、つっこんで聞いても、多分、ガウリイを困らせるだけ。
いつか・・話してくれるといいな。
ねえ?
ガウリイ、お願い。
一人で、何もかも、背負わないで?
そりゃ、あたし、彼方からみたら、子供で頼りないかもしれないけど。
ガウリイの役に立ちたいんだから。
自分勝手というのは、承知してるけど・・・。
あたしは、そんな気持ちをガウリイには、気づかれないように。
「んじゃ、そろそろでますか?」
それとなく、しれっという。
どうやら、本などをそのままにしていたので、
ばたばたとあわただしくなっているみたいだし・・・。
下手に疑われたら、厄介だし。 
しっかし・・・・。
そんな、部外者立ち入り禁止の場所なのに。
一般公開している図書室に、秘密の入り口なんて、つくっとくなよ・・・。
・・・・ここの連中・・・・。
結局、あたしは、あんまり、いい情報は、見出せなかった。
あ・・あれ?
あれは・・・見なかったことにする(はあと)
そう、あたしは、何も見なかった・・・。
あのセイルーンの第一皇女が、あの白蛇(サーペント)のナーガに生き写しだったなんて・・・。
ぜったぃぃぃぃぃに、見なかった!!!!
きっと・・絶対に他人の空によぉぉぉぉ!!!!


しかし。
頭の隅からそれが離れない。
結局。
その日の夜。
あたしは、いつもより、ほとんど、食事が喉を通らなく。
二十人前しか、食べられなかった・・・。
「も・・ねるわ・・。」
かたん。
あたしは、席をたつ。
・・・疲れた。
いや、別に・・何もしてないけど・・・・。
いやぁぁぁぁな、予感は、頭から離れない・・・。
いや・・でも・・まさか・・ねぇ・・?
名前が違うし・・・・。
名前・・・。
『ええと・・名前が、グレイシア=ウル=ナーガ=セイルーン』
ふと、ガウリイの昼間の言葉が、脳裏に響く。
グレイシア・・ウル・・・ナーガ・・・・・ナーガぁぁぁぁぁ!!?
「い・・いやぁぁぁぁ!!!絶対に嘘よぉぉぉぉぉ!!!!」
ぽすん。
あたしは、そのまま、現実逃避として、布団にもぐりこんだ。
だれか・・お願い・・。
嘘だといって・・・。
いや・・絶対に嘘というか、そっくりさんよ!
絶対にそう!!!!
もし・・あれがおうぢょさまだったら・・いやぁぁぁぁ!!!!
あたしは、そのまま、布団にもぐりこんだ。

―かたん。

隣から、ガウリイが部屋をでてゆく音がする。
??
「ガウリイ?」
あたしが寝ているとでも思ったのか。
心なしか、何か身体が重いような気もするが。
ぐるぅぅぅ・・・・。
「・・・・お腹・・減ったな・・・。」
あたしのお腹が盛大になる。 
「よっし、何か、食べてくるか!!」
かたん。
あたしは、部屋の外に出る。
ガウリイの気配は、部屋からはしてない。
あいつ、こんな夜更けにどこにいったんだろ?

とんとんとん。
あたしが階段を下りて、カウンターのおっちゃんに、何か、 食べれるか?と聞いたら。
「今、もうこの時間じゃねぇ・・・。そうだ。酒場なら、まだ開いてるよ。ここは、場所がら、朝まで開いてるから。
   ・・・でも、女の子、一人がいく時間は・・危ないよ?」
聞くところによると、
どうやら、こんな深夜は、ごろつきの溜まり場になっているらしいが。
かといって、このあたし、リナ=インバースがそんなことを気にするわけがない!!
「ガウリイは・・いないし・・。」
仕方ない。
あたしは、一人で、酒場へと向かう。
なぜか、夜のこの町は・・しぃぃぃぃんと、やけに静まり返っていた。


ざわざわざわ。
あたしが酒場に入り、テーブルにつくと。
なぜか、あたしに視線があつまる。
??
まあ、それはそれとして。
まあ、やってくるわ、やってくるわvv
ごろつきどもが。
いいかえれば、あたしのお財布さん♡ともいうが。
「ようよう、姉ちゃん、一人かい?いいことしようぜ?」
「やっかましい!!」
あたしに触ろうとした、ごろつきをかまわずに張り倒す。
『この尼ぁぁ!!』
まったく。
どいつもこいつも。
「ディグ・ボルト♪」
バチバチバチィィィィ!!!!
辺りに電撃が満ちる。
「ふん!!このあたしに、声をかけるなんて、一億年!!早いのよ!!」
あたしは、黒こげになっているごろつき達に言い放つ。
「さって♡これは、迷惑料として、もらっとくわね♡」 
ごそり。
あたしは、黒こげになっている彼らの懐から、財布を取り出す。
そして、
食事の邪魔なので。
「ディム・ウィン♡」
ぶわっ!!
呪文で、店の外にと放り出す。
「さってと♪軍資金もできましたし♪何を注文しようかな♪」
あたしが、うきうきしながら、酒場のメニューを見ていると。
「あっれぇ♪偶然♪リナちゃんじゃないか♡」 
「・・・・ファイアーボール。」
振り向かずに、あたしは唱える。
ごうっ!!
アレンジしてあるので、そのあたしに声をかけてきた人物のみが、黒こげになる。
「ふん!このあたしをそんな呼び方するなんて、いい度胸じゃない!」
あたしが、くるりと向くと。 
そこには、黒い髪の男性が。
・・・えと?
・・だれだっけ?こいつ?
どこかであってるようなんだけど?
黒こげになっているにも関らず。
「へぇ♪やっぱり、気に入ったよ♪リナちゃん。」
・・まて!!
何で、気に入られなきゃならないんだ!?
勝手に、あたしの向側に座るそいつ。
・・・そこ・・あいつの・・指定席なんだからね・・。
あたしは、無言でそいつをにらむ。
「あれ?ガウリイは?」
あたしにそいつがいってくる。
・・・ぽん!!
そっか。 
こいつ・・あのときの!
なぜか、ガウリイが、警戒しまくってたかつての傭兵(自称)仲間ってやつだ!
「いないわよ。どこかにいってる。」
正直に答えるあたし。
本当、あいつ・・どこいってるんだろ?
「へぇ♪やっぱりな♡」
なぜか、笑っているそいつ。
・・・・感じ悪い・・・。
「・・・やっぱりって・・何よ?」
あたしがとりあえず、気になるので聞くと。
「あんた、ガウリイの過去・・しってるのか?どうして、ガウリイがよくこの町に来てたとかの理由とか?」
あたしに聞いてくるそいつ。
・・・・ガウリイの・・昔?
・・・・よく・・・・・この町に・・来てた・・?
ずきん!!
また、心が痛んだ。
こいつは・・・あたしの知らない・・ガウリイを・・知っている・・。
あたしが知らないガウリイがいる。
それが・・なぜか、やるせなくて。
「そーか♡そーか♡」
なぜか、にやにや笑っているそいつ。
かたん。
なんか、食べる気・・うせた・・・。
あたしは席を立つ。
「あれ?何も食べずに帰るのかい?リナちゃん?」
「・・・・このあたしをそういう呼び方するなぁぁぁぁ!!!!」
どごっ!!!
思わず、近くの椅子をそいつに投げつける。
・・あ。
・・ま、いっか。

なぜか、伸びている、そいつをほっといて。
あたしは、重い気分を抱えたまま、そのまま、宿屋に戻り。
布団に沈み込んだ。




・・・・あたしの知らない・・ガウリイがいる・・・。
どういうこと?
あいつが、よくここに来ていたって・・・。
まさ・・・・か・・・・。
あたしの中で、不安がよぎる。
もしかして・・・この町に・・あいつの・・大切な人が・・・。
もしそうなら・・・あたしは・・・・あたしは・・・・。
・・・・どうすればいいんだろう?
ガウリイに好きな人が出来たら・・別れる。
あたしは・・そう・・決心してるはずなのに・・・。
ガウリイと離れたくない・・あたしがいる・・・。 
・・・好きだから・・・・。
でも・・・あたしが側にいたら・・・邪魔よね・・・。
というか・・・。
もし・・ここで、あいつが、この町に残るから、
あたしとはここでお別れって・・いってきたら?
・・・あたしは?
・・・・・どうなるの?
「・・・・・・・・・・・・苦しい・・・。」
ぼすっ。
可能性がないわけじゃない。
ガウリイだって、かなりもてる。
それは、あたしにもよくわかっている。
そして、常にあたしの側にいるので、あんまり、女性が言い寄ってこない。
というのも・・。
ガウリイと食堂などに入ると、絶対に視線がガウリイに集まる。
なぜか、男達の視線まで。
・・ついに、ガウリイ・・男性にまでモテルようになってるみたいなのよねぇ?
・・・・あ゛あ゛!!!
こんなんで、悩むなんて、あたしらしくないぞ!!
リナ=インバース!!!!
「・・・・・寝よ・・・。」
あたしは、そのまま、布団をかぶった。
 
明日になれば・・このもやもやした気持ち・・晴れていることを祈りながら・・・。




かたん。 
ふぅ・・・。
またか・・・。
まったく、よく飽きないものだ。
というか・・。
あれで、気配を隠しているつもりか?
ガウリイは、夜中。
宿を取り囲み、この辺り一体に潜んでいる暗殺者達に気づく。
そして、こともあろうか、そのうちの半分は。
自分の泊まっている部屋ではなくて・・・。
隣の部屋・・。
つまり、リナが泊まっている部屋に狙いを定めていた。
「・・・・許せないよな・・。」
ガウリイの瞳に、殺気がこもる。
つまり、自分だけでなく、また、リナまで巻き込まれているのだ。
「・・・リナは?」
壁の向こうでは、まだ、気配てきに、リナはまだ、おきているようだ。
しかたない。
「・・・スリーピング・・・。」
これは、リナがよく使っていたので、俺も覚えた。
リナには、内緒だが。ガウリイは、リナには秘密で、
いくらかの、この世界の魔法も使えるようになっている。
まあ、リナがガウリイが魔法を使うはずない!!
と、思い込んでいるから、それはガウリイはリナの前では使わないだけなのだが。
リナに言い寄ってくる男達などには。
とうぜん、制裁を加えているガウリイ。
自分が常に側にいても、リナに注がれる、下心まるだしの、男達の視線は・・やむことがない。
それゆえに、リナに気づかれないように、全てのそんなやつらに。
精神世界から、そして・・そいつらに、殺気を向けて。
大概、排除しているガウリイ。
かた。
ガウリイは、リナに壁越しに、精神世界の応用で、リナに眠り(スリーピング)の呪文をかけて。
そして、暗殺者達の始末へと宿を出て行った。


ちょうど、リナは、そのガウリイのかけた呪文には。
精神が高ぶっていたので、かからなかったのだが・・・・。
ガウリイは、それには気づかなかった。
というのも、リナに静かに、殺気が向けている暗殺達を早く駆除したいがために。
確認をしなかったのである。


「まったく・・。」
辺りに、血の臭いが立ちこめる。
「ふぅ・・・。シルフ・・。」
ガウリイのつぶやきと同時に、風が吹きぬけ、その臭いもどこへやら。
まるで、何ごともなかったかのような、路地裏。
そこにあるはずの、死体も・・何もない。
後を残さないように、死体ごと、ガウリイが消去しているだために。
「・・さて、宿に戻るか。」
どうやら、今日の暗殺者は、駆逐したし。 
ガウリイは、力によって出している剣を収め。
というのも、リナにせっかく見つけたもらった、剣をそんな、血で汚したくはないがために。
大概、自分の力で作り出している剣で、暗殺者は駆逐しているガウリイ。
ガウリイにとって、自分がもっているブラスト・ソードは。
リナが見つけてくれた、リナに継ぐ、何よりも大切なものであるがゆえに。
ガウリイが、その場からいきなりかき消えるが。
そこには、始めから、何もなかったかのように、静けさだけが広がっていた・・。



「くくく・・・・。ガウリイのやつ・・・・リナ=インバースに・・自分の昔は・・。あの様子だと・・話してないな・・くくくっ・・。」
椅子をのけながら、一人でほくそえんでいる男。
「キルさま、今回の刺客は、すべて敗れました。」
彼にのみ、声が聞こえてくる。
「いいさ。とりあえず、あいつらは、ただの捨て駒だ。そういうやつは・・まだまだいるぞ?」
何しろ、リナ=インバースに近づくには、ガウリイが邪魔なのだ。
それゆえに、リナ=インバースからガウリイを遠ざけたその一瞬が、接触のチャンス。
今回は・・うまくいった。
第、一回目にしては、上出来すぎるほど。
ガウリイの昔をしっているか?
と聞いたときの、リナ=インバースは、本人は気づいてないが、震えていた。
それは、恐れとかからではなくて・・自分が彼のことを知っていないから。
という意味あいの震え・・・・。
にやり。
「これは・・以外な弱点をみつけたな・・。」
つまり、ガウリイにとって、リナ=インバースが弱点ならば。
リナ=インバースにとっても・・ガウリイは・・弱点だと分かったのだから。
「ふふふふふ・・・。見てろよ・・ガウリイ・・・。かならず・・貴様のその高飛車な顔を・・傷つけてやる・・。」
ガウリイがもっとも、大切にしているあのリナ=インバースを使って。
彼の実家からも・・一族の長の一人フェール=リペ=ガブリエフからも。
そう依頼内容が来ているし。
つまりは、ガウリイとリナを殺せ・・と。
手段は選ばない・・と。
何をしようが、別に、あちらが、もみ消す手はずになっているらしい。 
だから。
「・・・楽しませてくれよな。」
にやり。
一人、ほくそえみながら、
次の、作戦を考えているキル=レイピルの姿が、そこにあった・・・。



                           -続くー

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まえがき:
こんにちわ♪ 
さて・・・。まず、始めに。
ことわっておきますが・・・(汗)
この一部・・くらいかと・・(かなりまて!!)
あと、多分、予定では、そんなにないはずだけど・・・。
それでは、リナ視点とガウリイ視点から・・・また・・(汗)
ふっ・・・・・。
フュール・・・。まず死んでくださいな♪自業自得ですよ♪
何しろ・・リナをガウリイと一緒に・・殺せだなんて・・・・(怒)
ではでは・・・・。


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 あとがき:
    薫:・・・・ふふふふふふふ(汗)
      リナが、ナーガの正体・・完全に知るのは・・?(笑)
      認めたくないだけです(爆!)
      何しろ、ここの町の情報網、かなりしっかりしてます(爆!)
      後ろのほうに、
      一人旅しているグレイシア姫の通り名前まで・・しっかりと(笑)
      ちなみに、ガウリイ君。
      昔、キルと手を組むことになった、依頼の内容は。
      とある重要人物の・・暗殺だったりするのです・・はは(汗)
      なぜかというと、それが、かなりの悪事を働いていて。
      公になっては、こまるその上・・つまり、
      とある国からの裏の依頼で・・(汗)
      だから、リナには話せないのです・・。
      自分が、闇の世界にも通じていた・・ということは・・・(汗)
      リナに嫌われたくないから・・・・(涙)
      それが、さらにリナを不安にさせてるんですけどねぇ・・・・(滝涙)
      ではでは・・・・・。
      あ・・過去・・打ち込まないと・・・(まて!!)
      ふぅ・・・・。
      目指せ!!六月一杯で、この一部終了!!!
      あと、少しだぁぁ!!!!
      (まてまてぃ!!!)
      ではでは・・・・・。


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