「リナ!!!!おきたかなぁ♡」
ばたん!!
リナの部屋のドアがおおきく開かれる。
「あ!!!ははさまぁぁ!!!」
「くぅぅぅぅ!!!いい子にしてた!?リナ♡」
がしぃ・・。
・・・・・こちん。
やっぱり・・慣れないよなぁ・・・・・。
ドアを開けて、入ってきた、自分達の創造主。
金色の王の姿をまともにスティルバイトは、見てしまい。
まるで、悪夢をみているかのごとくに、しばらくそのまま、硬直してしまった。
滅びないのは、彼のもつ力があってこそ・・・。
はっきりいって、他の存在ならば、体制がどうにかできかけている、ルナやレイス以外では、はっきりいって、滅んでいる。
下手すると、滅ぶどころか、完全消滅である。
「うん!!あのね!!あのね!!ははさま!!すてぃるばいとがこれ!!つくってくれたの!!」
リナが、貰った、三つの人形を母たるエルに見せる。
「あら。よかったわねぇ・・・♡リナ♡」
にっこり。
・・かちん。
・・・・・・・・・・・・なれない・・・・。
分かってはいる・・・・。
分かっては・・いる・・が(汗)
流れ出る、冷や汗をスティルバイトは、どうしようもなかった・・・・。
「ははさま?あのね!!りなね!!ははさまの人形もほしいの!!
すてぃるばいとにははさまのもつくって!っていったら、ははさまのきょかがいるとかいうし・・。・・・駄目?」
上目遣いに、母親をみるリナ。
「くぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!リナ!!なんてかわいいの!!!!」
それに、たまらない、エル。
そのまま、膝をついて、しっかりとリナを抱きしめる。
なるほど。
この人形、彼の髪を使ってるのねぇ。
「いいわよ♡りな、それなら、あたしがつくったげる♡あたしの人形はね♡」
なでなで。
「わぁぁぃ!ははさま!!だからすき!!」
・・・・・・・・・・・・・。
「・・・あ・・あのぉ・・・エル様・・・・。俺・・そろそろいってもいいでしょうか・・・・。その・・・会議の資料の・・まとめが・・・・・(汗)」
どうにか、こうにか、かすれる声を絞り出す。
これ以上、ここにいたら・・絶対に死んでしまう(汗)
あまりにも、信じられない光景が繰り広げられているがゆえに。
「あ、ああいいわよ。部下ST。資料は、ちゃんと、作ってね♡」
・・・・ほっ。
たすかった・・。
「それでは。」
「あ!!またね!!すてぃるばいと!!ついててくれて、ありがと!!」
リナがぶんぶんと手をふる。
くすり。
「どういてしまして。では・・。」
部屋を出て行こうとするスティルバイト。
「あ、スティルバイト!」
―え゛(汗)
必ず、名前で彼女が呼ぶときは・・何かある(汗)
ドアに手をかけたまま、固まるスティルバイト。
「リナに、人形、ありがとね♡」
・・・・こっきぃぃぃぃぃんん!!!
そのまま、彼は、完全に、凍り付いてしまった。
「ど・・どういたしましてなのです!!し・・しつれいします!!」
支離滅裂なことを言い放ち、あわてて、リナの部屋より立ち去る。
「あ・・・・あのエル様が・・お礼ぃぃぃぃい!!!!!!????」
しばらく・・・。
行動不能に、陥ってしまった、スティルバイトであった・・。
その場で、そういうふうにならなかったのは。
さすがとしかいいようがないが・・・・。
「ははさま?」
「さあ♡リナ、お着替えしましょうね♡」
「うん!!」
「今日は、どれにしましょうかね♡」
ずらり。
すべて、彼女の手作りの服が。
―ぱちん。
エルが手を鳴らすと、クローゼットが出現し。
ところせましと、並んでいる。
「じゃあ、リナ、姿・・代えなさいね?いつ、誰に見られるともわからないから。」
エルがいうと。
「ははさま?十代の姿でもいい?」
「別にいーわよ。」
「うん!!このまえ、ゆにっとねえさまが、あのすがたがらくだっていってたの!!」
・・・・ユニットが?
「まあ、ユニットは、大概、十代前半の姿してるからねぇ。」
ユニットというのは、エルの親友でもあり、そして、まったく別次元・・というか、次空の、自分と同じ存在。
すべての混沌を抱擁せし存在であるのだが。
ときどき、遊びに来ている彼女。
リナを作り出してからは、ときどき、一緒に、店をやって、二人して、遊んでいるが。
「うん!!こつ・・おしえてもらったの!!」
こつを教えてもらったというのに。
まだまだ、力が不安定なまでのリナ。
それほどまでに、強大で・・そして、あやうい、その力。
「じゃあ、それでいーわ。」
はっきりいって、年頃の姿になられると・・・。
・・・この子。
今の精神だと・・・。
やばいからねぇ・・・。
はっきりいって。
リナには分からないであろう。
何をされようとしても。
それならば、この幼子の姿だと、完全に、誘拐の危険もあるが。
まあ、十代くらいの姿なれば。
あんまり、問題もないでしょ。
今、リナは、一歳程度の姿であるが。
普通に姿を変えると、三歳程度の姿となる・・・。
「うん!!」
リナが、一生懸命、力を集中する。
まだ、簡単には、できないのだ。
慣れば、ほんの一瞬で、できることでも。
ぽう・・・・。
やがて、リナの姿が、人でいうと、十代前半・・十代にとどくか、届かないか。
という姿に変わる。
「母様?これでいい?」
「くぅぅぅ!!よくできました!!」
がしぃ!!!
「わぁぁぁぁぁいvvv」
かわいいのは・・よくわかる・・・・。
わかるが・・・・。
なんとも、ほのぼのとした、情景が。
エルの部下達がみたら、まず、消滅であろう。
リナの子供部屋で、繰り広げられていた。
「わぁぃvv人形vv人形vv」
リナの腰に、四つの小さな人形が揺れている。
母に創ってもらった、母の人形と。
スティルバイトに創ってもらった、自分と、彼とルナの人形が・・。
てくてくてく。
リナは、宮殿の中をうろうろする。
初めてみる人達が一杯。
それだけで、リナは、とっても、面白いがゆえに・・・。
今、この宮殿には、すべてのこの世界・・つまり、リナ自身が核となっている、この世界の。
すべての世界の代表者が、会議のために、集まってきているのである。
リナは、それが、楽しくてしかたがない。
リナの姿は、金色の髪に、金色の瞳。
そして、姿は、十代そこそこ。の姿。
金色の母のミニチュア版。
はっきりいって・・。
まだ、リナは、この容姿からは、姿を変えられない。
というのも、まだ、力の応用が分かってないから・・・・。
リナが、それを覚えるのは・・もうすこし、先の日のこと・・・。
未来への希望・ ~ACT-~-9~
さあってと。
ガウリイは・・と。
あたしは、手に一杯の果物をもって、ドアをノックする。
ちゃんと寝てればいいけど・・・。
トントン。
――しぃぃぃん・・。
ん!?
人の気配もない!?
ばったぁぁん!!
あたしは、勢いよく、ドアをあける。
そこには、寝ているはずのガウリイの姿は、まるでない。
「あ・・あいつはぁぁぁ!!!!?」
具合がわるいっていうのに、何処にいってるのよ!?
ふとみれば、ガウリイに預けていた、盗賊から奪った、品物もなくなってるし・・・・。
「な・・何考えてるのよぉぉぉぉ~!!!!」
あたしの目に、紙が目に付く。
―リナへ。
具合は、大丈夫だから、換金は、とっとと済ませてくるな。
早く戻るから、お前は、絶対にいい子で、まってろよな?!―
・・・・まて。
あ・・・・あいつはぁぁぁぁ!!!!?
何で、いつまでも、あたしを子供あつかいするかな・・。
って・・そんな場合じゃない!!!
風邪は、こじらしたら、大変なんだからね!!
病気は、あたしの呪文では、どうしようもない。
以前、あたしが、幼いとき、風邪引いた、姉ちゃんに、リカバディをかけて、肺炎すれすれにまで、してしまった。
という、記憶に苦い経験もあるし・・・・。
「だぁぁ!あの馬鹿ぁぁ!!」
だだだっ!
どさっ!
あたしは、果物を(なぜか、山盛りにある)床にとりあえず、置いて。
急いで、宿の外にでる。
きょろきょろ。
辺りを見回しても、あいつの姿はない。
くっそぉぉ~!!
なんで、呪文が聞いてないのよ!!
ふふふ・・・・。
こーなったら・・・。
あたしは、精神を集中し始める。
何をするかといえば、魔力の波動を追いかけるために。
ガウリイが持っている剣は、一応、ブラスト・ソード。
ガウリイにいって、研究、調べたことがあるので、その波動は、あたしにはすぐつかめる。
・・・どこ?
・・・ガウリイ・・・。
あたしは、静かに、目を閉じる
やがて、視界に、ぼんやりと、どこかの店で、品物を売っているガウリイの姿が・・。
「よっしゃぁ!!」
みつけた!
ええと・・。
裏通りか・・・。
だだっ!!
あたしが駆け出そうとすると。
「よぉ!!またあったな!!リナちゃん!!」
「五月蝿い!!今はそれどころじゃない!!」
どがっ!!!
あたしは、なぜか、最近・・とゆーか、サイラーグの一件より、できるようになっている、空気落しをその声をかけてきた相手にぶつける。
ふん!
なれなれしく、あたしに話しかけてくるからよ!
??
・・こいつ、誰だっけ?
・・・・ま、いっか。
あたしの落とした、空気の塊、これは、空気を凝縮したもので、いろいろと、便利♡
だって、空気は、どこにでもあるからね♪
なぜか、見えない、重圧に、押しつぶされているような、そいつは、ほっといて。
あたしは、ガウリイのいる方向に向かっていった。
ひゅう♪
らっきぃ♪
あのリナ=インバースが、今は一人じゃないか♡
彼は、リナの姿を見つけると、なれなれしく、声をかける。
リナの性格を知らないがゆえに。
リナは、今、それどころではなく、最高に不機嫌になっているというのに。
「よぉ!!また逢ったな!!リナちゃん!!」
黒い髪の男性が、リナに後ろから手を伸ばそうとする。
「五月蝿い!!今は、それどころじゃない!!」
どがっ!!
彼は、何が起こったのか、理解できなかった。
いきなり、見えない何かが。
自分を上から、押しつぶすかのように。
地面にそのまま、めり込んでゆく。
リナは、気づいてないが、重力も、少し、増幅しているようだが。
無意識とは、ときおり、封印も、何も関係なくする。
そのまま、彼を無視して、リナは、走り去ってゆく・・。
「く・・う・・・うごけない・・。」
しばらく、そのまま、丸一日。
その重力に押しつぶされていた、彼―キル=レイビルであった。
「じゃあ、これ、頼むな。」
ガウリイが、とある青年に、この前、生成した、ピンクのダイヤを手渡す。
それと、銀色に光る鉱石も。
彼が、もっとも得意とする鉱石である。
リナに知られてたら、まず、かなりたかられてたであろうが。
リナは、ガウリイが呪文を使う。
なんて、これっぽっちも思ってもないので、今までばれてないだけである。
「しっかし・・・。ガウリイ・・。・・ついに、お前にも、心から大切に思える女ができたんだなぁ・・・。」
しみじみいっている彼。
雰囲気的には、ガウリイによく似ているが。
その瞳は、紫色。
髪の色も、紫である。
ガウリイと、同じく長髪。
「まあな。」
鼻の頭をかいているガウリイ。
彼が照れているときや、困ったときにする癖であるというのは。
彼はよく知っていた。
「よっし!!この俺にまかせとけ!!最高の、婚約指輪・・つくってやるさ!!」
彼が、ガウリイから鉱石と、石を受け取り、にっこりと笑う。
「たのんだぞ。ピュービル。」
ピュービル=パロナ=ガブリエフ。
ガウリイの従兄弟であり、
そして、今は、ピュービル=パロナ=イガーズ。
宝石類細工職人&デザイナーを目指したがゆえに。
ガフリエフ一族から、除籍された彼は。
ガウリイの従兄弟。
彼もまた、ガウリイと、同じ歳・・十の歳に、家をでた。
ガウリイと一緒に。
そして、ここ、ストリッジ・シティで、ガウイリと別れたのである。
腕を磨くために。
虎目といわれていた、当時の、最高のデザイナー&職人に、
弟子入りするために。
つまり、彼は、二代目、虎目。タイガーズアイなのである。
これは、一般的に、彼の呼び名。
つまりは、職人として、この名前を知らないものは、はっきりいっていない。
リナが、ガウリイが彼と知り合いだった。
と、知っていたら、まず、まちがないく、紹介しろ!!
と、確実にいうほどの、世界的にも有名なデザイナーである。
「しっかし、よりによって、お前の相手が、あのリナ=インバースとはなぁ。」
「悪いか?リナは、かわいいぞ?」
「のろけるなって・・(汗)お前の口から、そんな台詞・・(滝汗)」
何しろ、このガウリイ。
昔から、女には一切、興味がなく。
常に、瞳に、冷たい光を放っていた。
家庭が、家庭の事情だけに、 ガウリイは、幼年期のほとんどを母親と一緒に、曾祖母の家で、育てられていたのだが。
そのとき、彼と、仲良くなっているのである。
一族は、ガウリイのもつ、その不思議な力を恐れていた。
彼が赤ん坊のころから、幾度となく、暗殺者がおくりこまれ。
それを危惧した、ガウリイの父親が、曾祖母の家に預けていたのだ。
曾祖母が、エルフの村に住むがゆえに。
そこでなら、危害が及ばないがゆえに。
ピュービルにしても、彼もまた。
母親が、実は、竜族だったがゆえに。
長老達は、彼を除外しようとしたがゆえに。
結果として、ガウリイと、ピュービルは、
曾祖母の家で、同じように、育ったのである。
彼を昔から知っているピュービルだけに。
ガウリイが、リナをすごく大切に想っているのが。
見ただけで、わかったから。
だから。
「まあ、それより、ガウリイ、気をつけろよ?性懲りもなく、一族の馬鹿の誰かが、またお前に懸賞・・かけたようだし。」
ガウリイを心配していうピュービル。
「知ってるさ。まあ、叔父さんには、リナを巻き込んだから・・。・・・それなりの、つぐないはとってもらったがな♡」
にっこりというガウリイの目は、冷徹そのもの。
「・・・・お前、リナ=インバースが絡むと、性格・・変わってないか?(汗)」
「そーか?でも、俺にとって、リナは、一番だから。何よりも。」
「あ゛~・・・。はいはい・・・。だから・・それは・・やめろ・・鳥肌が・・・(汗)」
のろけるガウリイに、鳥肌を立てているピュービル。
あのガウリイが、ここまで、執着を示すとは・・・・。
・・・ある意味・・怖いな(汗)
と、心の中で思いつつ。
「それで?文字は、何て刻むんだ?」
「そうだなぁ・・・・。古代神聖文字で・・・・。」
―永遠の愛をリナに誓わん リナを永遠に愛す ガウリイ=ガブリエフ―
たとえ、どんなことがあっても、リナを守れるように。
その意味もこめて・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・わかったよ・・・・(汗)」
すこし、引いてしまった、ピュービルであった。
ここまで、性格が変わるとは・・・(汗)
などと、彼は思っているが。
ガウリイにとっての、リナは。
いつも、こうである。
リナの前では、嫌われたくないから、くらげで甘んじているのだから。
ガウリイは。
昔は、忠誠心あふれる、騎士を装っていたが。リナに対しては。
傍目には。
・・・みる存在がみれば、彼がリナに対して、どんな想いを抱いているのかは。
ばればれだったが・・・・。
ガウリイは、リナに手渡す、婚約指輪を。
従兄弟でもあり、世界の3本の指にはいるという、デザイナー、ピュービル=パロナ=イガーズに、その製作を依頼した。
ピンクダイヤと、一緒に、手渡したのは、シルバー・オルハリコン。
これは、普通のオルハリコンと違い。
細工がしやすいが、硬度も硬く。
いちど、細工すると、てこでも壊れず。
しかも、普通のオルハリコンならば、魔力を封じる役目があるのだが。
これは、時と場合により、魔力の増幅にもなる代物。
滅多として、取れず。
オリハルコンよりも、数億倍の値で、取引されている代物である。
彼は、昔から、これを創りだすのを・・得てとしていたがゆえに・・・。
「さて・・と。次は・・と。」
ガウイリは、あとは、リナが盗賊から回収した、品物を換金にといく。
はやく、戻らないと、リナが戻ってきかねないから。
なぜ、換金を早く。
というかというと。
リナが、お金がすくなくなってきた!!
と、ぼやいていたから。
それをすませ、店からでてゆく・・と。
すっぱぁぁぁぁぁんんんん!!!
いきおいよく、キックが飛んできた。
リナが、ガウリイの姿を見つけたのは、ガウリイが店から出てきた直後。
その間、裏どおりなので、リナにちょっかいかけようとしていた、ごろつきは、多々といたのだが。
リナの、無意識の、怒りの波動で・・・すんなりと、ノックアウトされていたのは、リナは気づいてないが。
「あんたは、具合がわるいのに、何やってるのよぉぉぉ~!!!」
どごめぎゃ!
みごとに、ガウリイの頭に直撃をかますリナ。
「リナ!?いたいじゃないかぁぁ!!って・・宿でまってろって!!かきおきしてただろ!!」
ガウリイが、頭をこすりながら、後ろを振り向く。
そこには、目に涙をためているリナの姿が・・。
――どきっ!
「うう・・こじらしたら、どうしようもないんだからね!!あたしの呪文じゃ、病気は、直せないんだからね!!」
リナは、気づいてない。
自分が、泣いているのに。
リナ・・心配してくれてるんだな・・・・。
ガウリイは、それをうれしく想う。
ぽんぽん。
リナの頭をかるく、なでる。
本当は、泣いているその瞳に、キスをしたいところだが・・。
そんなことをして、嫌われるのは、ガウイリイはいやだった。
「はいはい。大人しく、宿に戻りますよ。――あ、これ、今換金した金貨な。」
リナに、金貨の袋を手渡す。
「・・・いくらになった!?」
目を輝かすリナ。
現金なリナである。
「・・・そうだなぁ。全部で、金貨一万枚ってところだったぞ?」
「よっしゃぁぁ!!これで、当分は、旅費の心配は、無用ね!!」
今、泣いていたのに、どこえやら。
「じゃ、宿に戻りましょ!!」
「そうだな。」
ぐしゃぐしゃ。
「だぁかぁらぁ!!頭をぐしゃぐしゃしないでって!!」
「いいじゃないか♡」
「まったく・・・。」
ガウリイが、リナの頭をなでると。
リナが、真っ赤になって、抗議する。
まるで、傍目には、どこからみても、恋人同士のじゃれあいである。
ルンルンルン♪
上機嫌のリナの隣で、ガウリイは、一瞬、自分達に向けられた、殺気に気づく。
リナは、あれ?
とは、感じたが、すぐに、気配もなくなったので、勘違い。
で、済ませているが。
・・・やれやれ・・・・。
また・・・塵掃除しなくちゃな・・・・。
今は、まずい。
気づかれてないと、思っているらしく、隠れながら、自分達の後をつけてきている刺客たち・・。
様子からして、今夜にでも、襲ってくる気配である。
・・・今晩、リナが寝静まってから・・・・処分してやる・・・・。
自分だけに、殺気を向けたのなら、まだまたか。
と思うところだか。
今、つけている暗殺者達は。
あからかに、リナに対しても、殺気を放っていたがゆえに。
ガウリイは、気づかない、振りをして。
リナに心配をかけないように。
リナと仲良く並んで、宿屋に戻ってゆく・・・。
「はい♪ガウリイ♪」
ガウリイが、おとなしく、横になったので、上機嫌のリナ。
「・・・俺に?」
リナがガウリイに、果物をさしだす。
「つ・・ついでだったんだからね!!あたしがたべたかったからだからね!!///」
真っ赤になって、いっているリナ。
しかし・・。
・・これが、ついでねぇ・・・・。
部屋の隅には、小さな山ほどある果物の山。
どうみても、一人で食べる量ではない。
はっきりいって、果物だけで、部屋の一角が埋まっている。
リナとガウリイが本気になったら、
これも、あっという間になくなる量だが。
くすり。
「はいはい。ついでな。・・でも、ありがとな。リナ、俺のために♡」
・・・・ぼん!!
「ち・・・ちっがぁぁぁぁぅぅぅ!!!!!////」
くすくすくすくす・・。
・・・・かわいい・・・リナ♡
ガウリイは、そんなリナをさらに愛しく思う。
ガウリイの言葉に、真っ赤になっているリナ。
こいつは・・何をいうのよ!?
ついでに決まってるでしょ!!
断じて!!ガウリイのために、買いにいったんじゃあ!!?//
必死に、心の中で否定しているリナ。
強情もここまでくれば立派。
本当は、ガウリイのためだけに、買い出しにいったというのに。
それを、何か理由をつけて、あくまで、ついで。
と、言い張るリナ。
「ほら!!食べてたら、とっととねる!!」
リナは気づいてない。
リナがガウリイに果物をむいて、差し出して、食べさせているのは。
どこをどうみても、恋人にし映らないということに。
ベットで半起きになっているガウリイに、リナは、果物をむいては、差し出しているのだ。
それも、絶えずに。
かいがいしく、面倒を見ているのだ。
それが、彼を心配しているのではない。
といっても・・絶対に行動で、ばればれであるのに。
「食べたよね。じゃ、お休み。ガウリイ!!いーい!!!絶対に安静にして、ゆっくりと寝るのよ!!」
とかいいつつも、しっかりと、リナは、椅子をベットの横にもってきて。
寝ずの看病する気のようだが。
「・・リナ、自分の部屋にいかないのか?」
「・・・気になるじゃない・・・。」
そっぽをむいていうリナ。
・・・・かわいい(はあと)
「べ・・・べつに、あんたが心配とかじゃないからね!//あたしにうつされるまえに、完全に完治してもらわないと困るんだからね!
それに、盗賊しばきにいくのにも、 荷物持ちがいなくちゃ!こまるから!!///」
必死に、理由を言っているリナ。
全身真っ赤になりながらでは、絶対に説得力はないが。
「はいはい。だけど、リナ、そこで寝る気か?」
「あんたが寝たら、床ででも寝るわよ。」
ぽんぽん。
ガウリイは、ベットの横を叩く。
「・・・何よ?」
「床で、寝たら、今度は、リナが風邪ひくぞ?それに、寒いぞ?――ほら、リナ。」
「うぅん・・・・。変なことは、しないでよね!」
確かに。
今日は、かなり寒いようだ。
かといって、こいつをほっとくのも、後味悪いし・・。
・・・ま、じゃ、お言葉に甘えて・・。
リナはそんなことを思いつつも。
一応、ガウリイに釘をさす。
「あのなぁ・・・風邪ひいてもいいのか?それにおまえさん・・・胸・・・」
ガウリイがいいかけると。
どごめぎゃ!!!
リナの、パンチが、ガウリイの顔にのめり込む。
「この馬鹿!!・・・・お休み。」
ごろり。
何の警戒もなく、ガウリイのベットに入り、寝てしまうリナ。
・・・・・・・・・・リナ(汗)
「・・・・すぅ・・・。」
完全に寝入ってしまうリナをみて。
「・・・俺・・・リナに男として・・見られてないんだろうか・・・(汗)」
はっきりいって、無防備すぎる。
かといって・・・。
ここで、手をだしたら・・・・。
リナに嫌われるのは・・・(汗)
「・・ま、いっか♡リナのこんなかわいい、寝顔がみれるんだし。」
くしゃ。
リナの髪を触るガウリイ。
横では、何の警戒もなく、完全に熟睡しているリナの姿。
あるいみ、かなり危険。
そういうことをされるかもしれないとは、夢にも思ってないリナだから。
ガウリイだから、安心しているのだが・・。
リナは、未だに。
ガウリイが、自分をどういう目で見ているか。
つまり、女として、見ているのに・・気づいてないのである・・・・
しばらくして。
宿を数名が取り囲む気配がする。
「・・・きたな・・。」
すぅ・・・。
念には、念を・・・。
「・・アズリーブ・・。」
ガウリイがぽつりという。
くぅ・・。
「よし・・・。」
リナに、ガウリイが使う、この世界とは、異なる呪文。
眠りの呪文をかけて。
ガウリイは、そっと、ベットから抜け出した・・。
ベットでは、呪文がきき、完全に眠っているリナの姿―。
「寝静まったようだな・・。いくぞ・。」
がさり。
闇夜にうごめく人影。
「どこへだ?」
冷たい声が彼らに届く。
『なに!?』
彼らの視界に、新月の明りに、照らされている金の髪の男性の姿が目に入る。
「で?貴様らは、誰に、俺の暗殺をたのまれた?」
ガウリイの目は・・笑っていない。
完全に冷酷なまでの、その表情は。
見ただけで、相手を凍りつかせるに、値する。
彼らの、暗殺の相手。
ガウリイ=ガブリエフの姿を彼らは、このとき。
ようやく、あの噂の真実を具間みたような気がした。
以前は、疾風の豹・金の獅子ガブリエルとして、恐れられていたガウリイ。
そして、今は。
リナ=インバースとともに、魔を滅する者(デモンスレイヤー)として、ガウリイ=ガブリエフとして、そのまま名前が通っている彼の。
「まあ・・いわないのなら・・・。いわせるまでさ・・。」
キィィィィィィン・・・
まるで、金属が共鳴するような音が響く。
暗殺者達の脳裏に。
その瞬間。
彼らは、知らない場所へと立っていた。
いや、知らないというか。
その場が、完全に、凍りついたような、その場所に。
どこか、完全に、今までいた場所とは違う、その雰囲気。
「他のやつらに・・リナにきづかれちゃ・・嫌だからな。」
念には、念を。
・・・ガウリイは、自分と、相手に結界を張ったのである。
この世界とは、異なる結界であるがゆえに。
これを破れるのは・・そうはいない。
破る方法は、ガウリイを倒すか。
絶対に無理だが。
または、ガウリイ自身が、これをとくか・・である。
ガウリイは、無意識に、使いこなしているから、気づいてないが。
これは、彼の本質でもある神魔の王としての力だから。
普通の魔王や竜神ごときでは、太刀打ちもできるはずもない、とても強力なもの・・・。
にやり。
「いわないなら・・身体に聞くまでさ。」
殺しはしない。
簡単には。
まずは・・。
生きたまま、つめをはぐ。
そして・・・。
冷酷なまでの、魔の王としてのその表情。
覚醒していない、というのにもかかわらず・・・である。
そして、その直後に、神として、彼らを復活させて。
・・・つまりは、半殺しにして、死に掛けたら、回復。
それを繰り返す、ガウリイであった・・。
その攻撃には、全員、精神が耐えられなく。
数時間後には。
全員・・気が触れていた・・・・。
「あ~あ・・・。ま・・いっか。」
リナに殺気を向けたんだから、これくらいいーか。
それですますガウリイ。
とりあえず、邪魔なので、彼らを町の外へと放り出すために、空間を開いて、そこに投げ込む。
「・・・結局・・・。こいつらも、誰に雇われているか・・。わからなかったな・・。」
本家に戻って、問い詰めるか。
しかし、それでは、拉致があかない。
ガウリイは、そんなことを思いつつ。
自分に降りかかっている返り血を、とりあえず、呪文で拭い去り。
そのまま、結界をといて、リナの待つ、宿へと戻っていった・・・。
次の日。
あれ?
あたしが目をさますと、そこは、あたしの部屋じゃなかった。
・・・あっそっか。
昨日、あいつを看病しながら、あいつの部屋でねたんだっけ?
まあ、今回に限ったことじゃないし。
一つのベットで寝るのは。
よく、宿代がないときなど・・というか、足りないときには、やってるし。
だって、野宿って・・美容に悪いのよ!
「ふわぁぁ!!よく寝た!!」
「お早う♪リナ♡」
いきなり、あたしの目の前に、ガウリイの顔。
「き・・きゃぁぁぁぁ!!!!轟風弾(ウィンド・ブリッド)!!」
「おわっ!?」
ぜいぜい・・
いきなり、あたしの前に、顔をもってくるな!!
あたしは、お茶目にも、ガウリイを魔法で吹っ飛ばしておく。
これは、風の衝撃波をいくつも放つ、いわゆる、炎の矢の風バージョン。
ま、あまり、殺傷能力はないし♡
あ~//心臓がばくばくいってるじゃないのよ!!////
「ほらほら、ガウリイ!!伸びてないで!!朝食!!食べにいくわよ!!」
あたしは、なぜか、傷だらけになっているガウリイを無視して。
そのまま、部屋を後にする。
さぁぁぁて、ごっはん♪ごっはん♪
どうやら、ガウリイの風邪も・・完治してるようだし♡
よかった♡
って・・別にあいつを心配してるんじゃない!
そうよ!!
絶対に・・そう!!!//
真っ赤になるのが、自分でもわかるけど。
とりあえず、今は・・このまま。
まずは、腹ごしらえが肝心だからね!!
あたしは、宿の一階にある、食堂へと降りていった。
しばらくして、ガウリイも降りてくるが。
何か、あたしに抗議してくるが。
とりあえず、無視。
結局。
食事さんをしているとき。
ガウリイは、それならば!!
と、あたしのお皿から、あ・・あたしのウィンナーがぁぁぁ!!!!!
「あ・・ずるい!!ガウリイ!!なら!!」
しゅぱぱぱ!!
あたしは、ガウリイのお皿から、数点の品をあたしのお皿に移す。
かくして。
あたしとガウリイの生きるための戦い。
毎回のことながら、食事争奪戦がはじまりをつげたのであった。
結局・・・。
あたしは、ガウリイに、十品ももってかれてしまった・・・。
くっそぉぉぉぉぉ!!!
ちなみに、あたしがガウリイから奪ったのは、二十品だけである。
それで、とやかくいうガウリイって・・・。
心のせまいやつ・・・・。
・・・なんで、あたし、こんな心の狭い奴・・好きなんだろ?///
ガウリイには・・ないしょだけど・・ね(汗)
というか・・絶対に!!
だって・・・。
知られたら・・一緒に・・いられなくなるの・・いやだもん・・・・。
だから、あたしは、意地でもいわない。
自分の気持ちは。
いつものように、ガウリイには、振舞うあたし。
さて・・。
今日こそは、魔道士協会にでも、出向きますか・・。
・・・・ああ・・・・。
愚痴・・どれだけ聞かされるのかなぁ・・・。
とある町の、あの神官よりも・・・かなりすごいらしいし・・・。
何より、姉ちゃんが、その愚痴で切れたことがある・・・というのが・・・。
でも・・・・。
依頼と一緒にもらえる宝石・・興味があるしなぁ・・。
ええい!!ママよ!!
いざとなったら、耳栓でもしてやる!!
-続くー
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まえがき:
こんにちわ♪
ふふふふふふふふふ(涙)
今回から、すこぉし、暗くなってくかも・・(汗)
リナが不安になってくし・・・(滝汗)
あ゛あ゛!!!!キルぅぅぅ!!
リナに近づくなぁぁぁぁぁ!!!!!!(絶叫!!!!)
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あとがき:
姫:ちなみに♪前ぶりにある小説は、リナの過去よ♡
つまり、リナが、人として、たどり着く(!?)までの、リナが誕生(?!)してからの、リナとスティルバイトの物語♪
薫:・・・・エル様視点の・・その話し・・どうしましょうか・・(汗)(まてまて!)
もし、見たい!!という、奇特の人は・・ご一報を・・(だからまて!!)
多分(こらこら!)要望があれば、打ち込む・・と思います。・・・・いつか(かなりまて!)
姫:要望といえば、夢シリーズも確か、要望・・あったわよね♡
薫:・・ぎくっ!!(滝汗)
うう・・そーです・・(しまった!?)
まあ、とりあえずは・・・・。どれか一つは終わらせないと・・(汗)
そういえば、最近、アンジェ・・全然手をつけてないし・・(だからまて!)
ジェムシリーズも・・(汗)
番外編で、エル様とすみれちゃんが・・あばれる・・とと。行動開始するしなぁ・・・(涙)
本編にもってこうかとも思うけど・・。本編は、リナの一人称だし・・・。(だからまて!)
ま、すみれちゃんと、リナの交互でいけば、何も問題ないけど・・・。
姫:あと、リクエストがあった、約束または、干渉シリーズの。子供達の話し・・あれもね♡
薫:・・・キリ版のリクエスト、一応、受け付けてるのです・・(汗)
しかし・・・・。まじで、いつ打ち込むかが、不明です!!(かなりまて!)
たとえば、漫遊記の番外編で、次は、どの話しが読みたい・・とか。
(次回は、リクのあった、イリューズの旅路の予定ですが・・汗)
こんな設定のが読みたい・・とか(汗)
一応、リクのあった子供達の話しは・・。考えて、完結はしました(かなりまて!)
しかし・・いつ、打ち込むかが・・(だからまて!)
ちなみに。リナとカウリスが、出会って、始めの子供達の視点で・・・(汗)
つまりは、約束シリーズと、干渉シリーズの原点です(だからまて!)
ふっ・・・。見果てぬ夢シリーズでいこーかなぁ・・。
とも思ってたのですが・・・・。こっちは、肝心の二部どころか、一部がまだだし!!(滝汗)
ふふふふふふふふふ(涙)
とりあえずは・・・・。
先があまりないと思われる・・ジェムと、それと・・。希望だな・・(汗)
打ち込まないといけないのは・・(汗)
あと、今だに、仮題だけど、サーチェスの話しとか・・(だからまて!)
(一体、どれだけの人があの隠しに気づいてるのでしょうか?)←こらこら(汗)
姫:まあ、あの、悪夢シリーズは、はっきりいって・・・。他の設定から考えたようなものだしね♪
薫:・・・はい(汗)
ちなみに。原点となってるのは、やっぱり、タルトから続く話と・・。なってたりして・・これがまた・・・はははは(かなりまて!)
ときどき、あれも、実は、あれの番外の話しだ!と、いいきってしまおうかなぁ・・なんて(汗)
姫:何しろ、あの設定・・使って、思いついてたからねぇ・・・。・・・貴女は・・・・・。
薫:ははははは(汗)
まあ、その場ののりで・・・(かなりまてぃ!!)
ま、とりあえず・・・・。この本編(希望)を打ち込まないとなぁ・・・・。
姫:というか、過去話・・この一部だけでは・・すまないんじゃ?♡
薫:・・・・(汗)
はい・・・間違いなく・・(かなりまて!)
もしかして・・過去の話だけ・・別にするかも・・(だからまて!)
ま、とりあえずは・・・・。
誘惑に負けない限り、この話しを重点的に・・・・。
姫:とかいいつつ。エデン・・と闇。打ち込んでるのは?
薫:しくしくしく・・・・。・・・誘惑といえば・・・。神託のその後・・。
遠い未来の悪戯の本編・・いってしまうかも・・・(汗)
あ゛あ゛あ゛・・・(滝汗)
姫:・・・でもあれ・・・・。リナが結婚してから・・・・。表現・・完全に、18禁でしょ?
薫:はい・・・(汗)
何しろ、ガウリイ、かなり、リナに執着が・・・(まてまて!)
まあ、神託でも、それは分かりますが・・(だからまて!)
姫:神託といえば・・この私が、誕生は・・いつするのかしらね♪ん?♡
薫:あ゛あ゛!!!にっこりと、その手のロッドを振りかざするのはぁ!?
・・・・あ゛・・・・・・。
・・・・・・・・・ぽしゅ・・・・・・・・・。
後には、風が吹きぬけている・・・・・。
姫:さてさて、それでは、またね♪
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