くぅ・・・・・・。
すやすやすや・・・・。
髪をしっかりと握って離さない、幼い子供。
「・・くす。」
かわいいよなぁ・・・。
いや、本当に。
金の髪に碧い瞳の男性。
ベットで、しっかりと自分の髪の毛をつかんで離そうとしない、幼子を暖かな目でみている。
「・・・ははさま・・・。」
何か夢を見ているのだろう。
すこし、瞳から涙がでている。
「・・確かに。エル様は忙しいからなぁ・・・・・。」
この幼子は、自分達の絶対者。
金色の王の娘として、創り出された存在。
その寂しさは。
計り知れないであろう。
自分達のときは、まだ、仲間がいた。
同期として、創り出された神々や魔王達がいた。
「側にいるから。安心して、お休み。リナ様・・・。」
ちゅ。
かるく、額にキスをする。
眠ったのままの、幼女の顔がほころぶ。
不安から開放されたような表情に。
幼女の容姿は、はっきりいって、金色の母と瓜二つ。
さすがに、このリナ様に対する、エル様の態度には・・・。
・・・・絶対に慣れるわけもないが・・。
いつか、滅ぶかも・・(汗)
などと思っているスティルバイト。

どれくらい、時間が過ぎたのか。
すっかり、幼女に見とれていたスティルバイト。
「ん・・んん・・・。ふぁ・・・・。」
きょろきょろ・・・。
「ははちゃま?・・。」
起きてすぐに、母親の姿を探すリナ。
「お早うございます。リナ様。」
横をみると、お気に入りの金髪。
「あ!!すぃてぃるばいとだ!!ははさまは?」
涙を浮かべて、母親のことを聞いている。
「・・・いないの?」
しゅん・・。
くぅぅ!!
かわいすぎる!!
確かに。
エル様が、この姿で、人前に出るな!!
というのが、よぉぉく分かる。
・・・・絶対に誘拐されるな・・・・(汗)
このリナ様は・・・・。
「エル様なら、今、会議中ですから。・・すぐに来ますよ。」
まず、確実であろう。
何しろ、会議をほってでも、このリナ様のことになると、どうやら・・・あのエル様は行動するようだし・・(汗)
スティルバイトは、よっと、立ち上がる。
「ふぇ・・・。また、りな・・ひとり?・・・くすん・・・。」
だから、そういう表情は・・・。
はっきりいって、保護欲をくすぐるには十分すぎる。
ぽんぽん。
「俺が側にいますよ。リナ様。」
「ん~と。りちぇうすぃ。」
「・・・は?」
リナの頭をかるくなでていると、スティルバイトにリナが何かいう。
「あのね。ははさまは、りなと二人のときは、そうよぶの!!りなの本名!りなはかしらもじなんだよ?」
よいしょ。
ん~・・・ん~・・・。
じたばたとベットの端につかまりもがくリナ。
まだ、ベットからよう降りられないリナ。
この姿では、身長がたりないのだ。
「はいはい。」
ひょい。
リナを抱きかかえて、ベットからおろす。
「ありがと。すてぃるばいと♡」
にっこり。
天使の微笑み。
・・・かわいすぎる!!
「・・・リナ様の本名?」
本名など、気にしたこともなかったが・・。
というか、エル様の本名など・・。
はじめの何文字か聞きかけただけで、死にそうになったことがあったが・・。
だから、自分達は、エル様。
と、名前の頭文字で呼んでいる。
名前には、力が含まれる。
それが、万物の王なればなおさらのこと。
では、リナ様というのも、エル様と同じく、頭文字なのか?
「本名ですか・・・・。じゃあ、俺の本名もいいましょうね。スティルバイトは、一般名。
  カウチェリィ=キルティッシュ=スティルバイト。これが俺の正式な名前ですよ。」
この名前を名乗ることは、まずとないが。
「・・そういえば、ははさまからのちしきにそんなことが?」
首をかしげているリナ。
知識はあるが、あまり気にしてない。
というか、応用が利かないのだ。
「かう・・かう・・・。」
一生懸命に、言おうとしているリナ。
しかし、舌が回らない。
それが、無償にかわいらしい。
「んじゃ!!りなが呼び名、つけだける!かうりい!ね!!いいでしょ!!」
何度言おうとしても、正式な名前がすらすらと言えないリナは。
愛称をつけることにしたらしい。
――ぱちくり。
「・・・だめ?」
「いえいえ。くす・・いいですよ。」
まさか、愛称をつけられるとは、思わなかった。
というか、今まで、こんなに自分を純粋に慕った存在はいたか?
―いや。
いなかったように感じる。
恋愛の対象として、見ていた輩は多々といたようだが。
それも、自分の力を見てのこと。
力と容姿に惹かれてのこと。
「んじゃ、ははさまとおなじように、ふたりのときは、かうりいでよぶね!わぁぁぃvvりなが初めてなまえをつけたの!」
そこで喜びますか!?
くす。
本当に、無邪気でかわいいなぁ~♡
ぴょんぴょんと飛び跳ねているリナ。
よっぽどうれしいらしい。
母がいろいろな存在に名前をつけているのをみて。
自分も何かにつけたかったようである。
生きている存在に・・。
・・・子供は、何でも真似をしたがるがゆえに・・・。
「・・・それで・・いい加減に俺の髪・・放してくれませんか?リナ様?」
困ったようにいいながら、目はしっかりと笑っているスティルバイト。
「え~。りな、これ・・きにいってるのにぃ~・・。」 
まだ、実は、髪の毛をしっかりと持っているリナ。
「はいはい。」
ざく。
「・・・?」
スティルバイトが自分の髪の毛を少し切る。
リナが不思議におもいつつ、じっと、その様子を見ている。
ちくちくちく・・・。
かろやかなまでの手つきで、何かを作っているスティルバイト。
彼は・・実は、結構器用なのである。
ふわ。
瞬時に、必要な、布などを自分の宮殿から取り寄せて、ちくちくと、針を動かしている。
よっし。できた!!
「はい。リナ様。これあげますから・・ね?」
「え!!わぁぁぁぃ!!!!ありがと!!!」
しっかりと、それを握り締めるリナ。
彼の髪を使った、小さな人形。
というか、マスコット。
金色の髪が人形の頭で揺れている。
小さな、リナをかたどった人形。
「ねね!すてぃるばいとのもつくって!おなじよーにして。るなとははさまのも!」
「はいはい。」
ちくちくちく・・・。
くすり。
かなり気に入ったようで。
他にもせがんでくるリナ。
しかし・・・。
ルナは、まだいいとしても・・・。
・・・問題は・・・。
エル様の髪の毛だよなぁ・・・。
ルナの髪は、何かで、それらしく、代用もきくが。
何しろ、あのエル様の人形である。
・・・下手なことはできない。
「エル様のは、ちゃんと、許可とってからにしましょぅね。」
ちくちくちく・・。 
「はい。これでいいですか?」
ちょこん。
そこには、小さな、マスコットのルナの人形。
それと、自分の髪の毛を使っている自分の姿をした人形。
その二点をリナに渡すスティルバイト。
「ありがと!すてぃるばいと!じゃあ、おれいといえないけど。
  ははさまがあんまり人にいっちゃだめだって、いってる、りなのほんみょう、おしえたげる!」
・・・・はい?
思わず、目を丸くする。
・・・・確か、そう簡単に、本名は・・名載っては・・・・(汗)
何しろ、本名をつかい、それの召喚。
もしくは、悪用ができるのは、周知の事実。
まあ、リナ様の存在が・・存在だけに・・・。
そういうことは、滅多としても出来ないだろうが・・。
自分達クラスや二つか三つ上のクラスの存在なれば。
相手に、完全に本名を知られる。
ということは、逆にいえば、弱点を握られている。
というのに他ならない。
だから、一般の名前だけで、大概通す。
まあ、それを気にせずに、ファーストネームで名乗る存在もいるが・・。
それだけ、自分に自身を持っている。
または、別に悪用されても、問題ないから。
というのが多々とある。
自分に関しては、力の能力的に、すこし、やばいために。
あまり、軽々しく公開してないが。
何しろ、彼は、エル様に口止めされているから、言ってないが。
はっきりいって、神々や魔王達の中で、実力がトップクラスだけでなく。
・・・・かなりの上級の存在より、力が上らしいのである。
エル様が、そんな自分に何かの封印をかけているようだが・・。

彼は知る由もないが。
その理由に。
魔王や神々をいちいち創るのが面倒だった金色の王が、自分が創り出している、別の混沌の世界。
そこの、混沌たる存在の一つ、自分の息子としてある存在の魂を、ちぎって、創った・・ということは。

「あのね!!りなのほんみょう!!りちぇうすぃ=なふぁれす=ねお=ろーど!!っていうのよ!!かしらもじをとって・・だからりな!!」
へぇ・・・。
すこし、痛い程度に感じたが。
その本名を聞いても、別に、何ともないスティルバイト。
普通なら、この本名を聞いただけで、滅ぶか死ぬかするはずなのに。
真実の名前には、力が含まれるがゆえに。
・・・リチェウスィ=ナファレス=ネオ=ロード・・・。
スティルバイトは、その名前をしっかりと、頭に叩き込んだ。
つまり、名前からして・・。
このリナ様は・・。
後々、この世界を・・エル様から完全に引き継がせるつもりらしいな。
エル様は・・・・。
ネオがついているのが何よりの証拠。
「・・なるほど。時期・・金色の王・・ということですか・・エル様・・。」
きょとん?
スティルバイトが小さく、苦笑する。
そんなスティルバイトを不思議そうな目でみているリナ。
「リナ様?でも、俺だったから、大丈夫ですけど?軽々しく、名前・・いっては駄目ですよ?」
リナの目線にもっていき、リナを諭す。
「・・ははさまもいってたけど・・?どうして?」
「くす。リナ様のもつ名前の力は、強大なんですよ。
  ―下手したら、いいえ。使いようによっては、簡単に一つの世界ごと、消滅できる力・・。リナ様の名前には力が含まれてますよ?」
自分がすこし、痛く感じたのが、何よりの証拠。
大概。
自分は、到底のことでは、動じない。
「いいですか?約束ですよ?」
じっと、リナの目をみつめる。
くりっとしたリナの目が、おおきくスティルバイトを見つめている。
「・・りな、わかった!!!」
うん!
大きく、うなづくリナ。


    未来への希望・   ~ACT-~-8~




んっふふふ♪
やってきている、ストリッジ・シティ。
この辺りは、宝石関連のお店が多いのでも有名だけど♪
何といっても、この辺りには、盗賊さんがわんさかと♡
昼と夜とでは、かなりここの治安が違うが。
表どおりと、裏通りでも。
しかし・・・。
なぁぁぁぁんか、ここ、ごろつきや、いかにも、一癖ありそうな、やつらが、多いような気がするんだけど・・・・。
それに、なぁぁぁんか、あたしというか、ガウリイが見られているような、視線を感じるのよねぇ・・。
とうとう、ガウリイに、ストーカーが現れたのだろうか?
まあ、こいつは、黙っていれば、結構・・その・・かっこいいし//
絶対に内緒だからね!!
ガウリイには!!// 
あたしは、こいつの側にいれればそれでいい。
嫌われたくないから。
だから・・・。
意地でも・・言わない。
自分の気持ちは。
こいつに、好きな人ができるまでの・・期間だけでいいから・・・。


「なあ、リナ、何処にいくんだ?」
あたしの隣で、自称、あたしの保護者、ガウリイ=ガブリエフが、あたしに言ってくる。
すっぱぁぁぁぁんん!!
「このくらげはぁぁぁ!!何か、いい、儲け話・・もとい。こういう、街には、少なからず、いい、依頼があるものなのよ!」
まあ、あたしとしては、はっきりいって、魔道士協会の依頼。
なるものは、微々たる金額なので、いつもは、頼まれれば依頼を受けるのだが。
しかぁぁぁし!!
何といっても!!ここの魔道士協会の特徴は!
その微々たる依頼料に加えて、何かの宝石がもらえるらしい!!
これは、さっそく出向かねば、損である!
というわけで、あたし、リナ=インバースと。
ガウリイ=ガブリエフは、今、この街の、魔道士協会に足を進めているのだ。

何か、視線を感じる。
・・・何だろ?


ふふ・・・・。
ガウリイ・・見つけた・・。
しかも・・女連れ・・・。
これは・・ふふふ・・・・。
彼は、ガウリイとリナを見ながら、そっと、二人に近づいてゆく・・・。




「ガウリイじゃないか。」
いきなり、後ろから声がした。
「え!?」
うそ!?
このあたしが直前まで気配を感じなかった!?
こ・・こいつ、何もの!?
なぜか、ガウリイをじっとみて、それからあたしを見ているそいつ。
・・何か、感じ悪い・・。
「・・・貴様・・・・」

何か、ガウリイの表情が・・硬くなったのは・・気のせい?
話しかけてきた、その男性にガウリイは、嫌そうな顔をしているし。
どうやら、この二人、知り合いのようだけど?
黒い髪に、黒い瞳。
ショートにまとめている、歳のころは・・ガウリイと同じくらいか?
腰に挿しているブロードソード。
どうみても、傭兵とか、魔道士とか、そういうんではなくて・・。
何というのか。
あたしは、こいつからは、独特の雰囲気を一瞬感じた。
――何といっていいのか・・・・。
闇に生きる人としての・・・・。
「へぇ。ガウリイ、お前に女ができたのかぁ。」
なぜか、あたしをじろじろみているそいつ。
・・・・むかつく。 
「炸弾陣(ディルブランド)!!!」
どっがぁぁぁぁんんん!!
あたしは、むかつくので、そいつに、ディルブランドを叩き込む。
「ふん。人に挨拶もなしで。いきなり、じろじろと見るのは・・。常識がないんじゃない?」
あたしの言葉に。
「・・ぷっ・・くくくっ・・。気に入った!!あんた!」
まて!!
なんで、気に入られなきゃならないんだ!!
「リナ!!こいつには構うな!!」
ぐいっ。
ちょっと!?//
いきなり、ガウリイがあたしの肩をつかんで、ガウリイの方に引き寄せる。
「ちっちっちっ。つれないなぁ。ガウリイ。お前と俺の仲だろ?」 
「だまれ!!貴様とは、一度たりとて、仲間と思ったことはない!!」 
なぜか、冷たいまなざしでそいつを見ているガウリイ。
「・・・ガウ・・・リイ?」 
あたしは、そんなガウリイの瞳を見たことは・・今までなかった。
それまでに、冷たいまなざし。
「へぇ♪リナちゃんっていうんだ♪俺は、キル。キル=レイピル。ガウリイの昔の傭兵仲間さ♡」
傭兵?
こいつが?
どうみても、そうは見ないが・・・。
「軽々しく呼ぶな!!キル!ほら、リナ、いくぞ!!」
ちょ・・ちょっと!?
なぜか、ガウリイがあたしの手をつかみ、急ぎ足でその場を立ち去る。
「ちょっとまってよね!!」
すっぱぁぁぁぁぁんんん!!!!!
ん~♪すっとした♡
あたしは、持っていた、ハリセンで、キルとやらの男性の頭をしばき倒す。
「ふ!!初対面で、そんな呼び方するなんて、いい度胸じゃないのよ!!!ついでに♡爆術法(グレイボム)♪」
どがっ!!!
あたしの言葉に応じて、キルとかいうやつの足元の地面が爆発する。
「ふう♪すっとした♪じゃ、いきましょ~か♡ガウリイ♪」
なぜか、そんなあたし達を遠巻きに見ている人達もいるが。
気のせいである。
絶対に。
なぜか、びくびくと地面と仲良くしているそいつをほっといて。
あたしとガウリイは、魔道士協会へと向かった。



「なあ、リナ、用事は結構かかるのか?」
ガウリイがいってくる。
「まあね。多分・・。」
いや、絶対に、長話をぐちぐちと聞かされるんだろうなぁ・・・。
何しろ、ここの、評議長の話しは長いのでも有名だし・・・・・。
以前など、姉ちゃんが何かの用事でここに来てたとき、あまりの話しの長さにきれてしまって。
その辺の山が三つか四つ。
なくなった。
とかほほえましい出来事もあったらしいが。
まあ、それは、あたしには関係ないし。
「じゃあ、俺、ちょっと用事があるから、別行動してもいいか?」
へえ。
珍しいこともあるもんだ。
「何?用事って?」
「昨日の、お前さんの、お宝の換金。・・どうせ、いくんだろ?だったら、能率よくしたほうがよくないか?」 
おおおお!?
ガウリイがまともなこといってるぅぅぅ!!!!!?
「ち・・ちよっと!?ガウリイ!?熱でもあるの!?」
こつん。
あたしは、背伸びして、ガウリイのおでこに額を当てる。
「・・あ!!ちょっと、熱いわよ!」
「だぁ!!違う!!」
だって、本当に、少し熱いし・・。
「ああ!!顔が赤くなってるし!!ちょっと!!風邪でもひいてるの!?あたしにうつさないでよ!!ほら、ここは、いいから。」
ぐい・・。
あたしは、ガウリイの手を引っ張って、ぐんぐん宿屋へと引き返してゆく。
こいつは・・・・。
人の心配するばっかりで・・・・。
全然、自分の心配・・しないんだから!!!


リナ・・違うってば!
ああ!!
リナの顔がすぐ目の前にぃぃ!!!!
この機会に、別行動して、とある有名な、細工士に、できた、ピンクダイヤの細工・・・つまり、指輪を作成しにお願いにいこうと。
リナと別行動をするのをいったのだが。
そんなことは、いえないから、昨日の、リナのお宝の換金。
という名目で。
それを・・・。
ああ!!!
リナ、背伸びするな!
俺の顔の目の前に、リナの顔を近づけるな!!
こつん。
リナのおでこが俺の額にあたる。
・・リナの温もりが伝わってくる・・。
ああ!!
俺の目の前にぃぃ!!
リナの、その、かわいらしい、顔がぁぁぁ!!///
ぜいぜぃ・・・。
い・・いかん・・・・。
理性が・・・・。
まずい・・だんじて・・まずすぎる!!
このままだと・・実力にでてしまいそう・・俺・・(汗)
「あ!!ちょっと!!熱いわよ!」 
そりゃそうだ!!
頼むから・・離れてくれ!!リナ!(涙)
このままだと・・俺・・絶対にやばいって・・。
あぁ・・キスしたい・・・・・。
いや、本気で・・・(汗)
目の前に、リナのその柔らかな唇がぁぁ!!
うう・・。
「だ・・だぁぁ!!違うぅぅ!!」
がばっ!
ぜぃぜぃ・・・。
どうにか、リナを俺から離す・・。 
や・・ヤバイ・・・。
その・・何というか・・・欲望が・・(汗)
「ああ!!顔が赤くなってるし!!ちょっと!!風邪でもひいてるの!?あたしにうつさないでよ!!ほら、ここは、いいから。」
ぐい・・。
リナが俺の手を引っ張って、宿へと引き返してゆく・・。
まずいぃ!
今、ここで・・リナと一つの部屋に入ったら・・・。
俺、本気でやばいって・・(汗)
リナぁ・・・・・(涙)


「ほら、ちゃんと寝とくのよ?」
まったく・・・。
なぜか、違うと言い張るガウリイに。
あたしは、問答無用で、部屋に寝かしつけて、眠り(スリービング)の呪文をかけておく。
まったく・・・。
調子がわるいんだったら・・・・。
そういってよ・・・。
ガウリイの・・馬鹿・・・・。
ま、とりあえず。
とっとと、協会にいってみて、何かめぼしいことがないか、聞いて見ましょう♡
・・・帰りにでも、あいつに、何か買ってこよっと・・・・。
あくまでもついでだからね!!
けっして、あいつに何かを買うのに、出てくわけじゃないんだからね!
・・・桃がいいかなぁ・・・。
それとも・・りんご?
風邪には、果物が一番だしね・・。
しかし・・・・。
あいつでも・・風邪ひくのねぇ・・。
「お休み。ガウリイ。」 
ぱたん。
あたしは、ガウリイの部屋を後にした。




ぽす。
「ほら、ちゃんと寝る!!」
リナが丁寧にも、布団の用意をしてるし・・。
あ・・本気で・・かなりヤバイ!!俺の理性!!(汗)
「あ゛あ゛!!顔がかなり青くなってるじゃない!!ガウリイ!!ほら、とっとと寝る!!」
ぐいっ。
リナが問答無用で、俺をベットに寝かしつける。
「いーい。具合が悪いときには、ちゃんという!!早めの対策が風邪の引き始めには、大事なんだからね!!」
リナがいうが。
「風邪じゃないって・・だから!!違う!」
俺が抗議すると。
「まったく・・。往生際がわるいったら・・・。眠り(スリーピング)!!」
リナがいきなり、俺に呪文をかけてくる。
違うんだぁぁ!!
リナが部屋からでていく音がする。
「く・・・ファラス・・・・。」
どうにか、声を絞り出す。
ふわ。
体が一瞬軽くなる。
これは、俺がよく使う、言葉。 
眠気を覚ますのには、ちょうどいい。
なぜか、この言葉をいうと、相手がどんなに熟睡してても、起こすことが可能。
リナは、どうやら、宿の外にでていったようだ。
「まったく・・・。・・はぁ・・・あぶなかった・・・。」
好きな女にあんなことをされてみろ!!
男なら、我慢できなくなって、当たり前だろうが!!リナ!!!!!
あいつ・・・俺をどういう目で見てるんだか・・・・はぁ・・・・。
わきあがる、男としての欲望を理性で抑えるのに、苦労するよ・・まったく・・。
「・・・俺・・いつか・・やばいかも・・・。」 
リナを誰よりも、守りたい。
だけど・・・。
リナを俺だけの物にしたいのも、これまた真実。
しかし・・・。
まさか・・・・。
この街に・・あいつがいるとは・・・・。


キル。
キル=レイピル。
俺は、あいつは、はっきりいって、気に食わない。 
というか、男の風上にもおけないやつだから。
何しろ、あいつは、暗殺などを主に請負う。
まあ、それだけなら、誰でもやること。
だが・・・。 
その方法が・・・・。
ターゲットの大切なものを真っ先に奪い。
そして、女なら、そのターゲットの目の前で、見せ付けるように・・・・・・姦る。
そして、女の前でそいつを殺す。
女が気に入れば、薬づけにして・・姦りまくり、あきたら・・捨てる。
捨てるといっても・・殺してから・・。
俺の知り合いにも、あいつの被害にあったやつがいる。
そいつは、目の前で、自分の婚約物が犯されて、発狂した。
その婚約者は・・辱めをうけて、舌をかんで自害した。
そのまま、そいつも、彼女を追うように、命を絶ったが・・。
一度、あいつと、とある依頼で行動をともにしたとき。 
俺は、あいつのその方法をたしなめた。
―だが。 
あいつは、聞こうともしなかった。
あいつは、ともかく、甘い言葉で、相手を油断させる。
その場の状況に応じて、その態度も変えてゆく・・。 
しつこいのが、狙った獲物は、てこでも逃さない・・。
と、いうところであるが・・。


あいつのリナを見た・・あの目・・・。
・・・・まさか・・・・・。
・・・・あいつの好きには・・させない。
リナは・・俺が守る!!





「へぇ♪この依頼・・いいじゃないか♡あの、ガウリイに一泡、ふかせられるな♡
  それに・・ふふふ♡あいつの女も・・結構・・上玉・・だったしな♡」
栗色の髪に、紅の瞳。
確か・・名前を・・・。
「リナ・・・か。ってことは・・へへぇ♡あれが、あのリナ=インバースねぇ♡噂からは検討もつかないほど・・上玉だな♡」
ぺろり。
舌なめずりをしている男の姿が・・。
そこにはあった・・・。
ガウリイは、いつも気に入らなかった。
自分が知らない、呪文のようなものを簡単に使うし。 
何よりも、伝説の光の剣を持っているし。 
自分が目をつけた、女のことごとくは、ガウリイにその目を向けていた。
―だから、殺した。
姦りまくってから・・ぼろぼろにして。
あいつは、女などには、一切、興味のないようだったし。 
それが、一番気に食わなかった。
それが、あのリナ=インバースには。
あいつは、どうみても・・。
男として、その目が向けられていた。
あいつの目をみれば、彼女をどれだけ想っているのか、大切にしているのかが、よくわかる。
「ふふ・・・。あいつに一泡・・吹かせるチャンス・・だな。」
それに♪
あのリナ=インバースが手に入るし♡
にや。
「この依頼、受けた。そう連絡しといてくれ。」
ぴらっ。
紙きれを投げ出す。
『分かりました・・・。』
陽炎のように、うごめく影。
形から、人であることが分かるが。
それは、形を成してない。


ひら・・。
依頼の内容が・・風に舞う・・・・。

―キル=レイピル殿
   依頼内容。疾風の豹、ガブリエル。ガウリイ=がブリエフの暗殺。
   手段は問わず。成功の暁には・・手配している報酬の二倍。
   連れの女も暗殺すると。さらに、報酬は・・三倍。いい返事を期待している。
   フュール=リペ=ガブリエフ― 


ガブリエフ一族の重心たる人物・・・・・・。
ガブりエフ一族、長老会の一人でもある・・。


一番、権力を我が物にしたい彼は。
――こともあろうに、下級魔族と、契約を結んでいた・・・。



「さて・・リナちゃん・・まってろよ♪」
ぺろり。
あの、リナ=インバースは・・俺が頂く♡
にったりと、姿が掻き消えた、人もどきの後には、
笑う人影・・。 
キル=レイピルの姿が・・そこにはあった・・・・。




「ええと・・・・。うん。やっぱり・・・・。一つじゃ・・足りないわよね・・・・。そう。ついでよ!!あたしが食べたいのもあるのよ!!」
ついでだけど・・。
買いすぎたかな?
・・ううぅん・・・・。
ま、いいか。
ついでだから。
このまま、どんどん買っちゃおう!!
りんごに、バナナに、桃に、蜜柑に・・・。
なぜか、ついでのガウリイの見舞いの買い物のはずなのに。
あたしの手は、果物で持ちきれないほどになっていた。
・・・絶対、あいつのためになんかじゃ・ないんだからね!!////
そうよ。
あたしも食べたいからよ!
そう。絶対にそう!!
あたしは、自分に言い聞かせ、魔道士協会に行くのは、とりあえず、荷物が多いので、またにすることにする。
さて・・。
早く、宿に戻りましょっと♪
あたしは、持ちきれないほどの果物などをもって。
宿へと戻っていった。


・・・・あいつ・・喜んでくれる・・かな?//
って・・どうでもいいのよ!!
ただ、あたしが食べたいからよ!!これは!!!!


                         -続くー


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まえがき:
こんにちわ♪よーやく、本編開始です♡
ガウリイとゼル、出会いましたね♡
では・・♪
ガウリイ・・・好きな人には、不安を与えては・・駄目ですよ?(汗)
恋する女性は・・いつも不安なんですから・・・(汗)
ではでは・・・・。


#################################### 

後書き:
 薫:・・・リナが、ちょっと・・素直!?(がぶっ!!)
   うわぁ・・・・。出てきたし・・キル・・・(汗)
   プロローグのあいつです(滝汗)
エル:ふふふふふふふふふふふふ(怒)
 姫:ふふふふふふふふふ♡
 薫:・・・・まあ、彼の行方は・・私は・・知りません(汗)
   とゆーか、リチェウスィを手にかけようとしてる段階で・・すでに(汗)
   まあ、一族の長老の一人も、助ける義務はないですけどね・・・・。
   まったく・・・・。知らないとは・・・・・。恐ろしいことで・・・・。
   ではでは・・・・。次回から。ガウリイが、度々、別行動しますのです(汗)
   いや・・その・・刺客が・・わんさかと・・(汗)
   ガウリイがいないときを狙って、リナに近づく、キル!!
   こらぁぁ!!!リナに近づくなぁぁぁ!!!!!!!(絶叫!!)
   はぁはぁ・・・。
   では・・・・。
   うう・・・・・・。暗くなってゆくぅ・・・・・・。しくしくしく・・・・・・。


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