こんにちわ♪希望、ACT-7です♪

####################################

「うぇぇん・・・。おおきなすがたになれないよぉぉ・・・・。」
泣きべそをしまいにはかくしまつ。
リナは、まだ眠いのである。
だから、思うように、力の制御ができないのだ。
簡単なことですら。
今のリナにはまだ難しいこと。
すとん。
スティルバイトに、地面に下ろされて、半分泣きかけているリナ。
「・・くくく!!いいですよ・・。無理しなくても・・・くくくくっ!!!」
スティルバイトはおかしくてたまらない。
こんなに強大な力を持っているであろうリナですら、自分達と同じように成長するのだ。
つまり・・・
今のリナは、力と精神が追いついてない状態。
「でもぉ・・。ははさまが、ひとまえではこのすがただとだめだって・・・。りな、よくわからないけど、なにかあぶないんだって。」
リナがまだ必死で精神を集中させている。
・・・・・なるほど。
エル様の心配も最もだ。
リナが金色の母の一人娘だとは知らなくても。
ここまで、愛らしい姿だと・・・・。
・・・・当然、誰もがほっておかない。
子供は嫌いといっている存在もきっと、つれて帰りたくなるであろう。
それほどまでに。
リナは、むちゃくちゃに愛らしい。
この自分ですら、一瞬、リナの愛らしきに、つれて帰りたいかも・・。
と思ってしまったほどだから。
リナの方は、そんな理由は知らないらしく、ただ、エル様にいわれたから。
この姿は人前ではなっては駄目だと・・・・・。 
おそらく、理由をいっても、まだリナには理解できるはずもないが。
「・・いいですよ。俺が内緒にしといてあげます。・・だったら、問題ないでしょう?」
くくっ。
こみ上げる笑いをこらえていうスティルバイト。
「ほんとう!!だったら!!!りな、このままでいる!!
  ・・・だって、ねみゅいのに、ちからのしゅうちゅうって・・・。・・・つかれるんだもん。」
ごしごし目をこすっているリナ。
「・・・・リナ様?眠いのですか?」
「うん・・・。お昼寝時間だったの・・・。」
ごしごし目をこすっているリナ。
「・・・それで、どうしてここに?」
「すてぃるばいとのけはいがしたから!」
「・・・・俺の?」
「そう!!ははさまと同じのさらさらのきんいろのこれ!!」
眠いながらも、スティルバイトの髪の端を持っているリナ。
「・・・・・・・なるほど。」
つまり、リナ様は・・・・。
自分のこの髪を気に入っているのだな・・・・。
くくくっ!!!
またまた笑がこみあげてくる。
幼いとき。
お気に入りを作っては、それを側においと置かなかったか?
それが、品物でも、世界でも。
力の修行とかいうので、星星を創っていたあのころ。
あれとは違うが。
どうやら、自分のこの金色の髪をリナは気に入っているようである。
「・・・まいったな・・・・くくくっ!!!」
まいったといいながらも、その目は全然困っているようには見えない。
・・むしろ、喜んでいる。


一方。
「あ゛あ゛あ゛!!!!リナ様ぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!!!!」
リナの姿が見えないのに気づいたルナが。
大慌てで、探しまくっていた。
ちょっと、寝顔の確認に行ったところ。
ベットはもぬけの殻である。
宮殿の中をきまなく探しても。
リナの姿はどこにもない。
「・・・・・・はっ!!!!!!!まさか!!!!!」
ルナはある可能性に気づいて、真っ青になる。
「・・・・ま・・・まさか、ねぼけて、どこかの世界に移動したのではぁぁあ!!?」
・・・・よくやるのだ。
リナは。
力を無意識で使うことは。
そして、エル様に対する反逆者に狙われたことも、この三ヶ月。
一ヶ月に五六回はあったりする。
だが、彼らは、リナがエル様の娘だとは知らずにちょっかいかけてきた。
という点があるのだが・・。
容姿がにっくき金色の王に似ているからとかいう理由で。
反逆者なのに、なぜ、エル様の容姿を知っているのか?
そんな疑問も多々とあるが。
魂に刻み込まれているのであろう。
全ての母なる人物たる姿は。
それほどまでに、強烈で強大な存在。
元は、混沌より誕生せし生命ゆえに。
「リナ様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
ルナの悲鳴は。
当然、金色の母の耳にもすぐ届く。



「リナ!!!!!」
会議をほったらかして、リナの元へとやってくる金色の御方。
――びし。
さすがに、いきなり現れるとは予想だもしていなかった、スティルバイト。
完全無欠に硬直していたりする。
「よかったぁぁぁあ!!!!無事だったのね!!!!」
がしぃぃぃい!!!!!
「わぁぁぃ!!!ははさまだぁぁぁ!!!!」
母親に甘えているリナ。
ぴっしぃぃぃぃぃぃんんん・・・・・・・・
しばしのフリーズ状態・・・・・
あああああああああああああああああのええええええええエル様がぁぁ!!?
完全に思考が混乱してくるスティルバイト。
彼は、ここまでの姿を見たことがない。
・・・当たり前だが。
完全に、リナを抱きしめる顔は、ほころび、優しいまでの微笑み。
・・・・彼らは、微笑みといったら・・・・
・・・・・想像するのも恐ろしい優しい笑み・・・
その裏には、しっかりと。
根強い恐怖・・・・。
だが、その今恐怖すらも感じさせない。
・・・・まさしく、一人の母として、本気で心配している母親の姿・・・・。
・・・・う・・・・・うそだろぉぉぉぉ!!!!!!
絶叫を上げるスティルバイト。
―だが。
・・・・あ、でも、何かわかるなぁ・・・・・・・・
リナ様・・・・愛らしいものなぁ・・・・・
どこかで、納得しているスティルバイトであった。

「めっ!!!駄目じゃない!!かってに宮殿からでちゃあ!!それに・・ああ!!!!
  リナ、姿!!姿!!!!あ!!部下STに見られてるぅぅぅぅ!!!!!」
リナの姿が、いつもの幼女のことに今更気づき。
うろたえているが。
「・・・・んっふふふ!!!部下ST!!リナのこの姿みたからには・・ふふふ(はあと)」
いうエル様の目は・・・静かに座っている。
「ああ!!母様!!駄目!!すてぃるばいとはりなのおきにいりなの!!!!だからだめ!!」
リナがいう。
「・・・こいつの何処が!?」
「母様と同じ、さらさらの金の髪!!!」
か・・かわいい!!!!!!
にっこりという娘の言葉に。
自分の面影をこのスティルバイトの金の髪に感じていることをわかってしまう。
・・つまり。
さみしいのだ。
いつも、側に自分がいれないから。
だから、自分と同じ、似通ったものをお気に入りとする。
「くぅぅぅ!!!ゴメンねぇぇ!!!さみしかったのねぇぇぇ!!!!もう、会議なんてどうてもいいわぁ!!!」
『え・・エル様・・・(汗)』
追いかけてきたルナと、スティルバイトの台詞が一致する。
「・・・ちっ。そうはいかないか・・・・。」
舌打ちするかの御方。
「ううん・・・・。仕方ないわねぇ・・・・。リナも、部下STの髪・・放しそうにないし・・・。」
リナは、いまだに、しっかりと、スティルバイトの髪を握っている。
どうやら、かなり、気に入っているらしい。
子供は、気に入ったものは、てこでも放さない。

こくっこくっ・・・。
スティルバイトの髪の毛をつかんだまま。
ルナは完全に睡魔に襲われる。
『――リナ(様)!!!!?』
ぽすん。
抱きとめる金色の母。
リナは完全に眠ってしまった。
押し寄せる睡魔に勝てなかったのである。
・・だが。
「・・・・エル様・・リナ様・・・・離しませんね・・・・・。」
完全に眠っても、まだ髪の毛を離さないリナ。
あるいみ、頑固。
そっとはがそうとすると。
「ふぇぇぇ・・・・」
眠っているまま、泣き出しそうになる。
「・・・・しかたない・・。部下ST!!いや、スティルバイト!!!! リナが起きるまで、リナの側にいなさい!!!
  あ♡当然、変なことしたり、考えたりしたら・・・・・。即、滅ぼすか、消滅させるか、お仕置きだから♡」
「ええ!!!は・・・はぁ・・・。分かりました・・。」
いやいやながらに言っているようでも。
「・・スティルバイト・・顔がほころんでいるわよ・・・。・・・・まあ、無理もないけど・・・・」
ルナが冷静に、突っ込んでいるのであった。


結局。
スティルバイトは。
リナが目覚めるまで。
リナの子守を命令されているのであった。



・・・ここから、二人の運命が大きく関ってくるとは夢にも思わずに。
リナはまだ、たんなるお気に入りでしかない。
そして、スティルバイトは―。
「・・・・リナ・・様・・か。守ってやらないとなぁ・・・・。力が上手に使えないってのはなぁ・・・・。」
かつての自分と照らし合わせ。
よりいっそうに、保護よくを沸き立たたせているのであった。

この感情が。
後に恋愛感情に発展するとは夢にも思わずに・・・・




   未来への希望・   ~ACT-~7~






まったく・・・あきないな・・・・。
ずじゃ!!
地面がどす黒く染まる。
リナは、今、ほくほくと盗賊苛めをしているから、気づいてない。
「・・・・誰に頼まれた?」
低い声。
「依頼人のことは・・いえん!!」
「・・・なら・・・死ね・・・」
どしゅう・・・・。
吹き零れる鮮血。
がさっ。
「誰だ!?・・・・って、なんだ・・ゼルか・・・・。」
カララン。
剣を投げ出す彼。
「・・・・ガウ・・・リイ・・・なの・・か?」
茂みの奥から、現れたのは、全身白尽くめの男性。
今みた光景が信じられないというふうに。
「俺以外に何だっていうんだ?あ、ちょっとまってな。」
ぼしゅ!!
ガウリイが何やらつぶやくと、辺りに転がっていた刺客の死体が瞬時に塵とかす。
「・・・ガウリイ!?」
驚愕する白尽くめの男性。
「まったく・・・何考えているんだか・・。俺の一族は・・はぁ・・・・。・・・で、ひさしぶりだなぁ♪ゼルガディス♪」
金髪の男性が振り向く。
その表情は、彼がしっているいつもの彼の姿。
さきほどまでの雰囲気は微塵も感じさせない。
「お前・・いまの・・・・。」
今みた風景が信じられないといってふうな白尽くめの男性。
こいつは・・今、何やった?
自分の知らない・・呪文のようなものだったが??
こいつが、そんなもの使えたのか?!
あのリナ曰く脳味噌ヨーグルトのこいつが!?
・・かなり失礼なことを思っている男性。
「ああ、こいつら?いやぁ・・・。何考えてるのか、俺の一族の誰かが・・・俺に手配かけてるんだよ。
  ・・それも、金貨一億枚という破格の金額で。」
さらっというガウリイ。
「金貨・・一億枚・・って!?それって!?疾風の豹ガブリエルにかかっている闇の懸賞金じゃないか!?」
ゼルガディスが叫ぶ。
「あれ?いってなかったっけ?俺の通りなだぞ?それ?」
「・・・・・・・・・はぁ!!!!?????」 
・・・・まさに、晴天霹靂とはこのことである。
どっがぁぁん!
「おっ。リナが派手になりだしたな。まあ、とりあえず、ゼル、あとで、酒場ででも落ち合おうぜ。俺・・リナの保護いかなきゃ。」
「あ・・・ああ・・・・。」
呆然とする男性をあとに、くるりと音の方へと向かってゆくガウリイ。



「ガウリイ!!!何処いってたのよぉぉ!!!」
「いや、あっちで始末つけてた。」
「あっそ。んっふふふふ♪やっぱ、この辺りっていーわぁ♡」
栗色の髪の女性がほくほくそうに笑う。
ここ、ストリッジ・シティ。
この辺りは・まあ、盗賊や夜盗たちの、宝庫である。
リナにとっては、限りなく、趣味全開の場所である。
「ほら・・・。リナ。そろそろ戻るぞ。」
ぐしゃぐしゃ。
女性の頭をぐしゃぐしゃなでるガウリイ。
「だぁ!!髪が乱れるからやめい!!!!」
真っ赤になって、いっても、説得力ないと思うが・・・。
あふ・・。
「ふわぁ・・。それもそーね・・・・。眠いし・・・・。じゃ、宿に戻りましょ。」
リナがきびすをかえす。
「あ、当然、ガウリイがそこのお宝さん、ぜぇぇんぶ、もってきてね♡」
山のようにある品物を指差すリナ。
「はいはい。」
「よっしゃあ!!!ゆっくり寝るぞぉぉ!!」
なら、夜に盗賊いじめにでかけるなよ・・・。
ガウリイはそんなことを思っていたりするが。



ストリッジ・シティ。
山間に囲まれたその町は。
宝石など、鉱物の産地として有名。
また、別な面でも有名。
それは、昼間と夜の顔が違うということ。
表通りは、にぎやかな商店街が広がり、治安もいいのだが。
一歩、裏通りに入ると。
うさんくさい、店並がひろがり、イミテーションなどを扱う店もかなりある。
そんな状況なので、いるわいるわ、柄の悪い人達が。
夜には、極力外にでるな。
これが、この町の暗黙の了解である。
それに、身なりのいい、上級階級の人々が、宝石を求めてやってくるために、
必然として、この辺りには、盗賊や夜盗といった、いわゆるはみ出し者が多々とあふれかえっている。
そんな、裏と表の顔のある町に。
リナ=インバースとガウリイ=ガブリエフはやってきている。



「久しぶりだなぁ。こんな所でゼルガディスに会うなんて。」
リナが完全に寝たのを確認して、ガウリイが待ち合わせていた酒場へとやってくる。


全身白尽くめの彼は、フードをばさりとのける。
その下からは、綺麗な白い肌。
多少、岩が混じっていたりもするが。
銀の鋼の髪。
ゼルガディス=グレイワーズ。
リナとガウリイの大切仲間の一人である。
赤法師レゾの血縁で、彼によって、合成獣(キメラ)へとさせられてしまい。
今は、自らの身体を人間に戻すべく旅をつづけている。
「・・・・リナは一緒じゃないのか?」
ゼルガディスがいう。
「リナは、今、寝てるからな。・・それに、ゼル、お前・・俺に聞きたいことがあったんだろ?リナには・・・ちょっと聞かせたくないし・・な。」
すこし、顔をしかめていうガウリイ。
「そうか。・・なら、聞くが・・お前、さっき使ったあの力・・なんだ?」
単刀直入にいうゼル。
「さぁ?俺にもわらかん。でも、物心ついたときから使えたぞ?誰にでもできるんじゃないのか?」
「・・・・いや・・・それはないだろ。少なくとも、お前がつかった、あの術は・・・・。
   この世界の・・精神世界の仕組みとは・・・異なっているように感じた。」
鋭いところをつくゼルガディス。
「そうなのか?・・・まあ、どうでもいいさ。」
「・・・お・・お前なぁ・・・」
あきれるゼルガディス。
「じゃあ、何で、今まで、その力・・使わなかったんだ?」
疑問に思っていることをいう。
「いやぁ、別に使う必要なかったし。リナは、力を使わずに守りたかったし・・・」
しれっというガウリイ。
「・・・ってことは・・・あいかわらずなわけだ。旦那とリナは。」
ふっ。
と笑うゼルガディス。
「そうなんだよなぁ・・・・。プロポーズ・・遠まわしにしても、ぜんっぜん、リナ・・気づいてくれないし・・・。
  まあ、リナの実家では、了解はとったけどな。」
ぶぶぅぅ!!
ごふごふごふ!!

「も・・もう、挨拶にいったのか!?」
ゼルガディスがいう。
「でも・・リナ・・・全然気づいてないんだぞ・・・・」
ぽんぽん。
「頑張れ・・・ガウリイ・・・・。」
その言葉をきき、彼は心底ガウリイに同情した。
まあ、あのリナだから・・・。
・・・・気づかないんだろう。
疎いにも、ぼとがある・・・な。
そんなことをゼルガディスは思いつつ。
「それはそうと、何で、ゼルがこんなところにいるんだ?」
ガウリイがいう。
ここは、ゼルガディスが探しているような、物が見つかるとは限らない。
「いや・・。ちょっと、面白い裏の世界から、情報を仕入れてな・・・。とある一族が、一族の者に、破格の報酬かけて、暗殺を依頼した・・と。
  それをうけて、闇の世界では、動きがあるからな。ここにくれば、もっと、詳しいことがわかるかと思ってな。」
金額が金額である。
ならば、当然、集まる人々も多いはず。
情報は・・こしたことがないから。
だから、彼は、もっとも、闇の世界の住人が集まるという、ここ、ストリッジ・シティへとやってきた。
「なるほど。・・・ガブリエフ一族のな・・・。はぁ・・・。俺は家・・継ぐ気・・ないのになぁ・・・。
  俺はリナの側にいられさえすれば、それでいいのに・・・。」
深いため息をつくガウリイ。
「・・・な゛!?やっぱり、お前の一族なのか!?」
がたん!!
立ち上がるゼルガディス。
もしや・・とは思っていた。
調べていくと、その裏にある懸賞をかけた一族・・というのが。
『ガブリエフ一族』
まさか!?
と思った。
ガウリイのフルネームが頭をよぎったから。
でも・・名前が違った。
金の獅子・疾風の豹・・二つ名前のついた、傭兵・・・・。
ガブリエル。
あまりのギャップの激しさに、裏の世界でも、その筋でも、名前が変って伝わってしまっているのだ。
何しろ、普段は、のほほんとしているガウリイ。
その姿からは、到底、そんな通りなは想像すらできない。
依頼をうけると、迅速にこなす。
それが、どんな非道なことであっても。
非道・・とはいえ、彼は、女子供に手をかけることはなかった。
それが、よりいっそう、彼の名前を知らしめることとなっているのだが。
まあ、それでも・・・さすがに、どうにもならないときは、彼は手にかけてたりもするが。
感情を出さずに。
冷淡に。
にこにこと笑いながら・・仕事をこなしてゆくその姿は。
ある意味・・恐怖を生むがゆえに。
リナと一緒に旅をしだして。
そんな雰囲気は、微塵も見せていないガウリイ。
リナに嫌われたくないがゆえに・・・・
「そっ。まあ、さすがに、バルス叔父さんは・・もう手出ししてこないだろうが・・。
  ・・・俺が気になるのは・・リナを巻き込むことだから・・・な。・・・リナには・・・俺個人の・・ごたごたには・・巻き込みたくない。」
リナには、いつも笑っていて欲しい。
汚れ役は、全て自分が引き受けてでも。
「まったく・・・はっきりと、家を継ぐきはない!!と。いってるっていうのに・・。馬鹿どもが・・。」
ぶつぶついいながら、グラスをいっきに飲み干すガウリイ。
「・・・・なるほど・・・な。・・・それで、さっきは、リナから離れて・・始末してたってわけだ。」
あいかわらず、過保護だな。
くすり。
とゼルガディスは笑う。
リナがしったら、当然、ガウリイに自分になぜいわないのか!!
と、つっかかること、うけあいなしである。
リナも素直じゃ・・ないからな。
ゼルガディスは、大切な仲間、リナ=インバースの性格を思い出し、
くすりとグラスに手を傾ける。
「・・・俺が恐れているのは・・リナを巻き込むことなんだよ・・。ゼル・・・。実際に、バルス叔父さんは、リナにまで、標的の手をのばした。
  ・・ま、当然、しっかりと償いは・・させてもらったがな。」
怪しく光るガウリイの目。
ゼルガディスは・・なんとなく、追求するのが怖くなり、その件に関しては・・聞かないようにした。
「なるほど。・・・じゃあ、俺がいろいろと、これから、知る情報で、お前さんに、有利な情報とかあったら。教えてやるさ。
  ・・どこに泊まってるんだ?」
「表通りのジュエルという宿屋だ。」
「解った。俺は・・・裏通りのもぐりの宿にしばらくいるつもりだ。ガウリイ、お前は?」
「俺は・・ここで、リナに婚約指輪・・つくろうかなぁ♡って、思ってるから♪」

ぶぶぅぅぅぅ!!!
がたがたがったぁぁぁぁぁぁんんんん!!

おもいっきり椅子から転げ落ちるゼルガディス。
がたがた。
身を起こし。
「そ・・・そうか。ストレートに・・いくんだな・・。」
まあ、あいつに、つりあう・・ついていけるのは、こいつくらいだろうが・・。
ゼルガディスはそんなことを思いつつ。
「・・それしかないだろ?リナの子供が欲しいとか、一生側にいてくれとか。リナ以外の側にいる気はないとか。
  俺の一生は、リナのものだ。とかいっても・・・・・・・・・・リナ・・・気づかないんだぞ!!!!」
どんがらがっしゃぁぁぁぁんんん!!
・・・・今度は。
テーブルのお皿ごと、ひっくりかえった。
・・・・そ・・・そこまで・・・疎いとは・・・・。
・・・・・リナ・・・・・(汗)
ゼルガディスの額から、汗がつつぅと流れ落ちる。
アメリアもいってたな。
・・・リナには、多少強引にいかないと、絶対わからないって・・・。
「・・・・頑張れ。ガウリイ・・。」
「サンキューな。ゼルガディス。」
心底、ガウリイに同情したゼルガディス。
他に店にいた客も、今の台詞を聞いて、同情しまくっていたりするが。
リナ=インバース。
恋愛ごとに関しては、とことん疎いのである。
というか・・自分もガウリイが好きなのに、両想いだと気づいてないという時点で・・鈍感さは、尊敬にあたいするが。
「と・・ともかく、何かわかったら、連絡するさ。・・俺だって、仲間がごたごたに巻き込まれるの・・黙ってるわけには、いかないからな。」
「あ、できたら、裏膜がわかれば教えてくれ。おおかた、兄さんか、弟か、果ては、長老の中の誰かか・・。・・だとは思うが・・。」
「・・・・ガウリイ・・お前・・一体、何やったんだ?」
「気に食わないのさ。俺が。人にない力をもってるから。父に気に入られているから。」
両親以外は、ほとんど・・ガウリイには敵に等しい。
それでも、手配をかける馬鹿は、ほんの一握りにすぎないが。
・・・ガウリイが本気で怒ったら・・知っている一族の者は。
間違っても、ガウリイに手出ししようなどとは思わない。
知らないからこそ―馬鹿な連中が、ガウリイに手配をかけたのだ。
裏の世界に。
暗殺の依頼を―。

とりあえず、何かわかったら、連絡するからといって、その日は、ガウリイとゼルガディスは、分かれた。


鞘の外にいるのは、リナだけ。
リナは・・ガウリイに今、何が起こっているのか・・。
まったく知らなかった。
そして・・ガウリイがここで、自分に婚約指輪を作ろうとしていることも・・・・。



                     -続くー


 HOME    TOP    BACK     NEXT



 ###################################


あとがき:
薫:ふふふふ(汗)
  次回は・・・リナ視点とガウリイしてん・・・(汗)
  あいつ・・・がでてきます(汗)
  ちっ・・・・キラ・・・嫌い(汗)
  では・・・・・・・。


 HOME    TOP    BACK     NEXT