――ルナもレイスも理解というか分ってしまったのだ。
リナのむちゃくちゃに愛らしいその姿に。
――あ、分かるかも♡
と竜神と魔王が納得してしまうほどに、リナはとっても愛らしいのだ。
エル様のかわいがりようもうなづけるほどに。
何しろ、このリナ。
はっきりいって、金色の母のミニチュア版。
その愛らしい姿で、甘えられては・・・・ひとたまりもないであろう。
さすがに、リナの精神年齢。
――つまり、人間でいえば、5・6ヶ月。
この幼少の姿はさすがに危ない。
いろいろな面で。
そう判断しているかの御方は。
リナに人前では、姿を変えるように、指示している、というか教えている。
だが、まだリナはうまく実体の姿を変えることはできない。
うまく出きるのは、5~6歳の姿と。
こちらの成功率は、ほぼ80%の確率で成功する。
もう一つは。
14~15歳の姿。
こっちは、成功率・・・・10%未満・・・・。
数日前、偶然に、この姿になるのに成功したリナは、母へ花をつみに、庭にでていて、スティルバイトとであったのだが。
しゅん・・。
「ははさまぁ・・・・」
しゅんとうなだれるリナ。
それもまた、むちゃくちゃにかわいらしい。
「リナ様・・ルナがついてますから・・・・ね。」
「・・・・うん。」
元気のないリナ。
リナは誰よりも母親が好きなのだ。
自らの母である人物は。
万物の母。
ここのエリア以外にも、数多の世界を抱擁している。
リナの精神の元となる力は、この世界。
母の一部であるこの世界そのものの、混沌そのもの。
ごしごし。
重い目をこするリナ。
「リナ、そろそろおねむの時間かな?」
こつん。
リナのおでこに額をくっつける金色の母。
「―・・・うん、ねむい・・ははさま・・。」
すでに、目は半分閉じかけているリナ。
「ルナ、リナを寝室に運んでおいて。とうぜん、寝かしつけてね♡」
「・・・・はい。」
リナがぐずったときの、すごさを身にしみて知っているルナ。
ここは、エル様の宮殿だから問題ないが。
――自分達の世界でぐずられたときには、大変である。
何しろ、リナはまだ力を制御できないのだ。
まだ上手に。
それゆえに、感情と共に、力が暴走する。
――押さえるのに大変なこと、大変なこと。
母親が抱くとぴたりと泣き止むのだが。
金色の母は、知識は全てリナに組み入れた。
だが、知識と力があっても、リナの精神は、まだ真っ白な状態。
きちんとまだ自我が固定してないのだ。
それゆえに―精神と力とが多々としてかみ合わず―暴走する。
リナの精神面においてのリナに負担のかかる、その被害を恐れたリナの母は。
一つの方法を取っている。
――それは、眠ること。
人間の赤ん坊と同じように、ゆっくりと時間をかけて。
少しずつ、眠りにおいて、力と精神の安定と融合を図っているのだ。
いきなりでは、リナの精神が崩壊しかねないその強大な力ゆえに。
「じゃ、リナ♡お休み♡」
ちゅっ。
娘にかるくキスをする金色の母。
その表情は、万物の母というよりも、たった一人の母親。
・・・・こちぃぃぃん。
またしても、ルナはしばらく凍り付いてしまった。
「じゃ、ルナ、お願いね。」
「は・・はい!!」
ルナにいう、その言葉は。
さきほどまでの母の顔ではなく。
まぎれもなく万物の王たる言葉。
近づきがたい雰囲気をかもし出している。
さきほどと、同一人物だとは思えないほどに。
「さあ、リナ様。お部屋に行きましょう。」
「うん・・。」
こくっ。
手を引かれるリナは半分眠りかけている。
よっぽど、眠いらしく、リナの手はかなり暖かくなっている。
「さて、会議ね・・・・。」
凛とした雰囲気の金色の王の姿がそこにあった。
未来への希望・ ~ACT-4~
「―リナ?あんたガウリイのこと・・どう思っているの?」
―え?
部屋で休もうとしていたリナにルナの一言。
「あ・・あたしは・・・・。」
リナは言いよどむ。
「正直にいいなさい。リナ。」
ルナの目は真剣そのもの。
こ・・怖い(汗)
リナはルナの本気をみてとる。
こういうときのルナには、ごまかしは・・即お仕置きを意味する。
しかも死ぬほどの。
「あたしは・・・・世界よりも・・・何よりも・・・ガウリイを・・選ぶ・・。・・・何よりも・・・大事な・・人・・だから・・。///」
消え入りそうにいうリナの声。
顔まで真っ赤になりながら。
「はぁ・・・・。じゃあ何でガウリイにそういわないのよ・・・。」
半分あきれているルナ。
リナがガウリイを助けるために、ギガスレイブを唱えたことは・・。
ルナは知っていた。
だけど・・全然進展がないこの二人。
期間は・・あまり残ってないというのに。
ルナの言葉に。
パジャマに着替えていたリナの手が止まる。
「・・・いったら・・・ガウリイに・・・嫌われたら・・いやだし・・・。・・・それに・・・・ガウリイは・・・あたしのこと・・・・・・何とも思ってないし・・・。」
いつも、自分を子ども扱いするガウリイ。
それは、リナは、自分は・・ガウリイにとって、保護対象の子供でしかない。
と捕らえていた。
リナの言葉に。
うわっ!!!!
ルナは完全に頭を抱えた。
あ・・・あれほどプロポーズされているのに気づいてないの!?リナは!?
「今のままで・・・いい。ガウリイと一緒に・・いられるのなら・・・・。・・・・ガウリイに大切な人ができたら・・あたしは・・身をひく・・から・・。」
だからそれは、貴女だってば!!!
ルナははがゆくおもう。
姉であるルナが怖くて、本音を漏らすリナ。
リナとすれば・・・。
いつもでも一緒にいたい。
けど。
それはかなわないとしっているから。
いつか、ガウリイには好きな人ができて、その人と結婚するのだろうから。
・・・・だから・・・それまでは・・・。
それまででいい。
一緒にいさせて。
そんな想いを抱いていたりする。
・・その相手が、夢にも自分だとは思わずに。
―・・・・エル様・・リナさま・・ここまで鈍くていいのでしょうか・・(汗)―
かなり冷や汗流しているルナ。
ここまで、疎いと・・さすがというか・・・。
何しろ、恋愛感情というものを・・完全に理解してないのだ。
リナは。
自分に対する好意は・・・わからないのである。
それゆえに、危うくもあるのだが。
ふぅ・・・。
「・・・・・リナ・・・・いわないと・・・後悔するから・・。永遠に・・。」
ぎゅっと唇をかみ締めるルナ。
そして、何もいわずに、部屋から出てゆく。
「??姉ちゃん??」
もっと何かいわれると思っていたリナは拍子抜けした。
「―わかってるけど・・・。でも・・・いったら・・・離れなければならなくなったら・・・。・・・いやだから・・・・。だから・・・・・・。」
リナは、それだけいって、服をとっとと着替えて、布団にもぐりこんでいった。
―あたしなんか・・・ガウリイが・・好きなわけ・・ないじゃない・・。
とめどもなくあふれる涙。
自分と一緒のために、幾度となく危険な目にあわせている大切な人。
でも・・・。
離れられないのは・・あたしの弱さ。
解っているから・・・。
だから・・・今は・・・側にいさせて・・・。
リナの切ないほどの想い。
・・・・両想いだというのに、リナはそれにすら気づいてない。
あれほど、ガウリイが遠まわしに、何度もプロポーズしてるのにも関らず。
リナはそのまま、泣き崩れるように、静かに、声を殺して泣いていた・・。
―・・わかってるの!リナ!!ガウリイは・・スティルバイトは!!リナ!!貴女のために・・ここに!!!―
ルナの心が悲鳴を上げる。
期間は百年。
もし、・・リナが自分の気持ちに気づかなかったら?
―それは、ガウリイの完全消滅を意味していた。
存在自体もさることながら、魂からの完全消滅。
ルナはリナが好きなのだ。
だから・・幸せになってほしい。
金色の王の娘というのは、別にしても。
だから・・・。
「・・・このままじゃあ・・永遠にあえなくなるのよ・・リナ様・・・・。」
ルナは窓辺にたち、そっと空を見上げる。
金色の母が与えた期間。
この間に――進展がないと。
リナが自分の気持ちに気づかないと。
リナからは、完全にガウリイ・・存在としてのスティルバイトの記憶は消され。
彼もまた・・永久に消滅させられてしまうというのに・・。
エルは確認したかったのだ。
記憶と力を封じても。
リナが彼を想うのであれば彼は――許さない・・と。
まあ、エルはリナにはとことん甘いけど・・。
だから、想いが育つ前に、手を打とうとしているのである。
これは、そのための期間。
リナの本心を知るための。
そして、スティルバイト。
人として、転生させて、リナを守れるかどうか。
リナが覚えていなくても―惹かれるのかということを。
リナが彼の想いと自分の想いに気づく前に手を打つべく―。
「しょうがない・・の?じゃあ・・せめて・・スティルバイトの力と腕だけでも・・。
・・・呼び覚ますしか・・私には・・手伝えることは・・ない。・・・・リナ様を守れるように。」
それしか、出来ない自分がはがゆい。
ルナは、自分が何もできないのを心底悔いる。
二人の記憶は・・完全に封じられているのだから。
・・・そういえば。
ふと、ルナは思い出す。
―ガブリエフ家から・・ガウリイに手配が・・・。―
「――お願い・・・・。あの二人のことは・・・そっとしておいて・・・」
空を見上げるルナの瞳には、とめどもなく涙が溢れ出していた。
・・まあ、ガウリイは。
さすがに、力ある存在だけあって、自分の力は使いこなせているのが現実だけど。
リナと出会ってからは・・一度たりとて使ってないけど、その力を―。
ガウリイ=ガブリエフ。
彼は・・彼の一族から・・命を狙われている。
理由はとても些細なこと。
――気に入らないのだ。彼が。
彼の一族の一部の人々は。
ガウリイの父親がガウリイに家を継がせる気なのが面白くないのだ。
それゆえに。
一部の者達は・・・。
ガウリイ=ガブリエフの暗殺を―依頼した。
破格の金額で―・・・・・・。
「ふん!!」
きぃぃぃぃんん・・・・。
空気が振動する。
ガウリイは・・一人で、剣の稽古をしていた。
「・・・おまえ・・・リナ様に対して・・・本気・・なのか!?」
夜も遅いというのに出てくる人影が一つ。
「?何自分の娘に様づけでよんでいるんだ?あんた?・・・ああ。本気だ。・・・リナは・・誰にも・・渡さない。」
ぶん。
きぃぃぃぃぃんんんん・・。
繰り出される剣の動きがあまりに早くて、普通の人間ならば、残像すらも捕らえられないであろう。
出てきたのは・・リナの父親。
リナを隠す目的で・・選ばれているルナとリナの父親。
漆黒の黒髪が夜に栄える。
「父さん!!!!」
ルナが駆け寄ってくる。
「ルナ様!?」
・・・・?
何このおっさん・・いや、義父さん、ルナさんにまで様つけてるんだ?
ガウリイがそんなことを思っていたりするが。
まだ、リナのプロポーズが成功しているわけでもないのに。
すでに、義母さん、義父さん、義姉さんと呼ぶことにしたようである。
ガウリイは。
「いいんですか!?こんな人間に!?」
??
「ちょっと・・こっちに!!」
ガウリイが首をかしげていると、ルナは、父親を引っ張って、ガウリイから離れてゆく。
そんな様子をながめつつ、ガウリイは。
「もっと・・もっと!!強く!!リナを守れるように!!」
きぃぃぃぃんん・・・・
さらに剣の稽古にはげむのであった。
「・・・・父さん・・。あの二人は・・・・。」
ルナがいいかける。
「ルナ様、恐れ多いです。二人のときは・・名前でおよびください。」
父親がいう。
「・・・・いいのよ。そんなこと、気にしないで。・・・・ガウリイは・・・・スティルバイトだから・・・・。・・・・だから・・・・あまり・・・。」
「ええええ!!!!あのとろい天然のやつがですかぁ!?」
「・・・・・・とろいって・・・・・。まあ、そんなときもあるけど・・・。あなた・・・ガウリイの傭兵時代・・知っているでしょぅに・・。」
ルナがあきれたようにいう。
「うっ・・・・・。金の獅子・疾風の豹・・・・・・。」
言葉をとぎらせる父親。
ガウリイの傭兵時代のあだ名。というか通り名前。
残虐でもあり・・そして、のんきでもある。
そのギャップは・・・・。
名前の入れ違い。
という形で、
金の獅子ガブリエルという名前で・・闇の世界にも、その筋にも、知れ渡っている。
「まさか・・あいつが・・・。はっ!!!まさか!!じゃあ・・・リナ様が自分の気持ちに気づかなかったら!!」
はっとする。
「・・・そう。彼は・・・ガウリイは・・・始めから・・いなかったことになるわ・・・。・・・・リナ様の精神を安定させるために・・・。」
ルナの悲しそうな瞳。
「そんな・・・。あんなに・・あんなに・・・・。リナ様とスティルバイト様は・・・。」
「・・・そうね。だから・・・。間違っても・・反対なんてしたら・・・・。いくら私でも・・・滅ぼすわよ?リナ様がかわいいのはわかるけど・・・。」
ルナが真剣な表情でいう。
「うっ!!!ま・・・まあ・・。あっ、でも、からかうくらいは・・しますからね・・。せっかく・・・人らしく育ったのですから・・リナ様は・・・。
根本では反対しませんが・・・リナ様が・・悲しむのは・・いやですからね・・。」
「ふぅ・・・。ほどほどにしてよね?父さん?」
「はい・・ルナ様・・いいえ。赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィード様・・。」
シュンとなる父を残し、ルナは家の方にと進んでゆく。
「・・まさか・・あのガウリイのやつが・・・スティルバイト様だったとは・・・。」
二人を昔から知っていた彼は。
二人のかつての仲のいい姿を思い浮かべ・・。
・・・・・ちょっぴり嫉妬していたりするのであった。
-続くー
HOME TOP BACK NEXT
####################################
まえがき:
こんにちわ♪
今回は、リナの想いがわかります♪そして、旅立ちへの序曲まで♪(いけるのか!?)
ようやく、希望も第4話♪
今回は??リナちゃんの気持ちがわかったりして・・(笑)
ではでは♪
####################################
あとがき:
薫:ふふふふ♪次回から、よーやく、本筋♪リナとガウリイの出発です♪
さて・・・・。何話になるのかな?♡ではでは♪
エル:・・・・失敗だったかなぁ・・・・。
・・・・ルーの魂・・コピーしたの・・・・。
姫:・・・でしょうね♪
エル:ユニットぉ~!!!!はっきりいわないでぇぇ~!!!!
せっかく、リナはかわいいのにぃぃぃい!!!!
姫:・・・まあ、まだエルが娘として創って・・5千年だしねぇ・・・。気持ちは・・わかるから♡
エル:リナが気づかなかったら・・問答無用で、消滅させてやる・・・。
姫:・・・・・・・・・・・。
・・・・・エル・・それって・・親ばかっていうのよ?
エル:だって、くやしいじゃない!!!たかが部下にぃぃぃい!!!!!
姫:・・・・まっね。ま、様子を見ましょ♪まだ期間は・・あるんだから♪
エル:・・・そうなのよねぇ・・・。でも・・・。くすん・・。
あ゛あ゛!!!いらいらするぅぅ!!!部下達からかいにいってやるぅぅ!!
姫:あ!!!!私もいくわvv
エル:ふっふっふっ・・・。
姫:ルンルンルン♪
(お二方消え去ってゆく・・・・。)
かお:・・・・ちなみに。ガウリイの存在としての本名。
碧玉の魔王(スティファランス)カウチェリィ=キルティッシュ=スティルバイト。
エル様の部下でもあり、そしてスティファレス世界の神魔の王です・・。
ではでは♪(前書きもどきで後々判明していきます・・爆!)
では、また次回で♡
HOME TOP BACK NEXT