・・・う~ん・・・・。
ぶつぶつぶつ・・・・。
彼は気づいているのだろうか?
考え込んでいる間に、庭園の奥深くまで入り込んでいることに。
「・・・誰?」
いきなり呼びかけられる声。
彼は一瞬目を疑う。
そこにいるのは、まぎれもなく、彼らが母によく似た少女。
金の髪に、金の瞳。
手には、今つんだばかりの花々をもって。
まるで、絵に描いたような美しさ。
「あ・・・・ええ・・と」
彼が言葉に出そうとすると。
「・・・・?ああ、スィーフィード達と同期のスティルバイトね。・・・・どうしたの??こんな所で?」
きょとんとした少女の声。
少女は、知識だけはしっかりとインプットされているのだ。
「あ!?し・・・・しまったぁぁ!!また迷ってるぅぅぅぅ!!!!!」
言われて、また道に迷っていることに気づくスティルバイト。
「宮殿の本館に用事なの?なら、あたしも戻るから。・・・一緒にいく?」
「ご一緒させていただきます(汗)」
彼はばつの悪そうに頭をかく。
「くすっ。じゃ、いきましょ。」
少女がにっこりと笑う。
まるで全てを飲み込む極上の優しい笑みで。
(・・・・エル様では、絶対こんな表情は・・しないよな??)
そんなとてつもないことをスティルバイトは考えつつ。
「スィルバイトの髪って・・母様に近いのねぇ。綺麗な金髪vv。」
さらさらさら。
彼の髪を触っている少女。
「あ・・あの?貴女は・・・??」
「・・・・・・・・・・・・リ・・リナ様!!!!」
スティルバイトが言いかけたとき。
走ってくる蒼い髪の女性。
「あ、スィーフィードぉ!!」
ぶんぶん手をふる少女。
「一体、何処にいったらしたのですか!!?って・・・あら?。スティルバイト。」
傍らの彼に気づく女性。
「久しぶりだな。ルナ。」
彼は女性に向かっていう。
「そうですわね。って・・何でリナ様と一緒にいるの?あなたが?」
「・・・・・リナ・・様??」
彼が首をかしげると同時に。
「――リナ!!何処にいってたのよ!!心配するじゃない!!」
息を切らせてなぜか走ってくるとっても信じられない人物(?)の姿―。
『エル様!!!!!』
「あ、母様ぁ♪」
「―――え゛。」
彼と女性の声がハモルと同時に。
少女から発せられた言葉は。まさに。
間違えようのない目の前にいる御方に向かって語られていた。
金の髪に金の瞳。
近づきがたい神々しいまでの雰囲気。
絶世の美女であるその姿。
彼らにとって、いや、存在するもの全てにとって、万物の母たる存在。
そして―。
彼は、絶対に見てはならないものをみてしまったような気がした。
「めっ。黙っていなくなったら!!」
こつんと少女のおでこを軽く叩く。
「ごめんなさぃ。でも、ね♡母様に、お花、摘みにいってたの♡」
にっこりと笑って手に持っていた花束を差し出す。
「くぅぅ!!・・・・ほんとっうにかわいい子!!!!」
がし!!!
(・・・・・・・・うそだろ!!!!!!?????????)
彼はそのまましばらくフリーズしてしまった。
あの御方が少女をがっしりと抱きしめているのだ。
こんなことってあるのだろうか!?
「でね。母様、そこのスティルバイトに一緒に連れてきてもらったの♡」
少女の台詞。
実際は、彼が少女に連れてきてもらったのだが。
「あら?部下STじゃない。リナ、つれてきてありがとvv・・・で?何の用???」
打って変わった表情になる・・・・金色のかの御方。
「・・・母様・・・??お仕事??」
「そうよ。ルナ、リナを連れて行ってて。」
「―分かりました。ほら、いきましょ。リナ様。」
「うん。まったねvvスティルバイトvv」
無邪気に手をふる少女―リナ。
「あ・・あの??え・・エル様??あ・・あの少女は・・?」
疑問に思ったことを素直にきくのは、彼の特権でもある。
「リナ?ああ、あたしの娘vvこの前、S達の世界であたしの欠片が自我をもったからvv娘にしちゃったvv」
・・・・・・・・・・・びしぃ・・・・・・・・・。
彼はその言葉に、そのまま卒倒した。
「ねえねえ。スィーフィード、あのスティルバイトって人・・また会えるかなぁ♡だって、とっても綺麗な金の髪なんだもん♡」
無邪気に隣の女性に言っている少女―リナ。
「スティルバイトでしたら。私達と同期ですから。・・・・エル様に謁見にきたときにでも遭えますわよ。リナ様。」
「ふぅ・・・ん。・・・・また、会いたいなぁ・・・・。」
スティルバイトと金色の魔王(ロードオブナイトメア)の一人娘のリナ。
実際の真実の名前は違うのだが。
初めての出会いであった―。
未来への希望・ ~ACT-2~
「平和よねぇ。」
「だなぁ。」
のきなみ、盗賊をしばき倒しつつ、あたしとガウリイが、サイラーグを出発して、はや一月あまり。
とりあえず、故郷の土産に、金貨一億枚は確保した。
襲ってきた夜盗達から、着ぐるみはぎとり、もらったお金で、ちかくの茶屋で、休憩タイム。
あたしとガウリイは、あたしの故郷。
あたしの実家がある、ゼフィーリアのゼフィールシティに向かっているのだ。
ガウリイが何かと、あたしを気づかってくれるのがうれしい。
ガウリイの支えがなければ。
あたしは、こうも早く、ルークの一件から立ち直ることはできなかっただろう。
ガウリイには死んでもそれはいわないけど。
それは、あたしのポリシー。
ぱくぱくぱく・・・・。
がしゃがしゃがしゃ・・・・。
どんどん積み上げられてゆくお皿さん。
ぼ~と空をながめつつ、食べるお団子のおいしいこと♡
ガウリイとあたしで、そろって、片方五十皿ほど、腹八分で治めておいて。
「さて、そろそろいきますか。」
「だな。」
目指すゼフィーリアまでは、あと少し。
あたしとガウリイは、うんと背伸びして、また進み始める。
「・・・ん??ラティルト!!!!!!」
気配を感じ、あたしはおもいっきり、ラティルトをぶちかます。
前はイメージができないから、出来なかったのだが。
少し、デモンブラットを飲み込んだせいか、なぜか、本当になぜか、精神世界の仕組みが全てといっていいほど分ってしまったあたし。
だから、今や、リザレクションなんかも使いこなせるのは・・・。
地獄に仏。
雨降って、地固まる。である。
・・・ちょい違うか。たとえは。
「うわぁ!?」
ずごがしゃ!!!!
ひゅるる・・・。
どごめぎゃ!!!!
上空から落ちてくる一つの影。
真っ黒いどこかのゴキブリ。
「んでもって、ドラグスレイブ!!!!!」
「あわぁぁぁぁ!!!!」
きぃぃぃぃぃんんん!!!!
黒いゴキブリが錫仗を振りかざす。
それと同時に、無効化される、あたしの呪文。
・・ちっ。
「ぜいぜい・・・リナさぁぁぁんん!!!!いきなり何するんですかぁぁぁぁ!!!!」
ゼロスが抗議してくる。
現れたのは、どこにでもいる怪しい神官。
見た目はにこにこ顔のくえないやつ。
「だぁぁ!!あんたこそ、何しにきたのよぉぉ~!!!!」
ぐいっ!!!!
あたしは、ゼロスの首をアッパーで締め上げる。
当然、手には呪文をかけているが。
「ぐ・・ぐるしい・・・・・・。」
ゼロスが目を白黒させる。
「今度は何しに出てきたぁ!!!このすっとこ神官!!!ルークのこと、あやまれぃぃ!!!!」
こいつが、あの時。
あたし達に話していれば。
少なくとも、何かはできたかもしれない。
いつもながらの、楽しむ、食えないこいつのことだから、それは無理だとはわかっていても。
やはり、あたしとしては、やっぱり、ゼロスのせいだと思う。
たとえ、ルークの・・それが望みだったとは分っていても。
今まで、押さえていた怒が、全て巻き起こる。
「悪夢の王のヒトカケよ・・・。」
「だぁ!!リリリリナさん!!ラグナブレードはやめてくださぃぃ~!!あ、これ、お土産です。」
すかさず、ゼロスがあたしに何か手渡してくる。
目の前に差し出されたそれをみて。
「きゃあん♡オリハルコン♡」
その袋の中には、一杯のオリハルコン。
「まあ、とりあえず・・・お詫びとお土産ということで・・げほげほっ!!」
なぜか、むせ込んでいるゼロス。
魔族なんだから、呼吸器官はないだろーに。
「・・・・ゼロス、お前、リナに対して、扱いがうまくなったなぁ。」
感心してるガウリイ。
「げふげふげふっ!ど・・どうも・・ガウリイさん・・ゲフゲフ。」
まだむせ込んでるゼロス。
わざとらしい。
「で??ゼロス、今度は何の用?」
あたしは、ちゃっかりとゼロスからもらったオリハルコンをしまい込んでいるが。
「・・・・まあ、リナさんらしいですけどね・・・・・。」
そんなあたしをみて、つぶやいているゼロス。
「いっとくけど・・・・もし、秘密です。なんていったら・・・・ギガスレ・・不完全ながらも、ぶちかます!!!」
あたしのお茶目な本気の台詞に。
「えええ!!それは、!!困りますぅぅ!!いいます!!いいます!!!!」
なぜか、かなりうろたえるゼロス。
「こほん。今回の僕の役目は・・・・リナさんの身辺調査ですvv」
『・・・・・・・・・・・・・・は?????』
にこにこというゼロスの言葉に。
あたしとガウリイの言葉が一致する。
「リナの・・身辺調査?」
ガウリイがなぜか剣に手をかけているが。
「あ゛あ゛!!ガウリイさん!!そういう意味じゃないです!!確認です!!確認!!!僕らだって、滅びたくないんですぅぅぅ!!!!」
「・・・・・何いってんの?」
なぜか、怯えているゼロス。
「ええと・・・・。リナさん。・・・違っている方がうれしいんですが・・・・。リナさんのお姉さんって・・・ルナさん・・ですよね?(汗)」
なぜか、大量に汗ながして、丁寧にハンカチでそれをぬぐっているゼロス。
「・・・・あんたは、ダークスターの一件で知ってるでしょーが・・・。」
あたしがいうと。
「しくしくしく・・・・。やっぱり・・しくしくしく・・・・。」
なぜか本気でないているゼロス。
「・・・ともかく、あんたは何がしたいのよ?」
あたしがゼロスにラグナブレードを突きつけて、問いつめると、
「は・・はぃぃい!!とりあえず、リナさん達と、ゼフィールシティまでご一緒さして、もらいます!!はい!!!!
いやといっても、勝手についていきますから!」
ゼロスがなぜかあわてたようにいう。
首から少しづつ、剣の闇が蝕んでいるのは、気のせいである。
まてよ??
ゼロスがくるとなると・・・・。
おっしゃ♪
「いいわよ。ついてきても♡」
にっこり。
満面の笑顔であたしは答える。
「お・・おい、リナ。」
ガウリイが何かいってくるけど。
「いいじゃない。ガウリイ、これで、姉ちゃんへの生贄ができたし♡」
『い・・生贄って・・・・・。』
きっちしと声をはもらすガウリイとゼロス。
「姉ちゃん、最近、変わった料理にこってるのよねぇ♪」
「そういや、前、リナの姉ちゃんから送られてきた火竜の蒸し焼き。あれ、うまかったしなぁ。」
あたしの言葉に、ガウリイがとある小包を思い出す。
どうやって知ったのかは、怖くて考えたくないが。
あのダークスターの一件が終わった後。
空からいきなりスポットが降ってきて。
姉ちゃんからの差し入れとかいって、題して『火竜の蒸し焼きスープ添え(はあと)』と書かれた姉ちゃんの手紙と。
スポットからの伝言。
『リナ、それ試食して、スポットに感想、もたせなさいね♡』
と食事の箱の上にかかれた文字。
あれは、けっこうおいしかった。
いや、姉ちゃんの料理はどれもおいしい!!
まずいなんていおうものなら、あたしは命がない!!!!
材料は怖くて考えないようにしているが。
ガウリイ曰く。
何か、力のある存在の感じがする。
とか食べながらいってたけど・・・・。
今は関係のないことである。
「ま、別にいっか。ゼロス程度だと、姉ちゃん喜ばないだろーケド。生贄がないより、ましだし♡」
あたしがうれしそうにいうと。
「しくしく・・・。やっぱりこうなるぅ・・・しくしくしく・・・・。魔王様たちの馬鹿ぁぁぁぁ!!!!」
なぜか、絶叫上げているゼロスの姿がそこにあった。
どうやら、魔王からの指示のようだけど・・・・・。
魔王、何考えてるんだろ???
「ま、いいか。リナがいいんなら。じゃ、いくか。ゼフィール・シティに。」
ガウリイがいう。
「おっけぃ!!!!」
あたしとガウリイ、そして、なぜか、涙流しているゼロスを伴って。
あたしは、ゼフィーリアの王都。
ゼフィール・シティへと足を伸ばすのだった。
姉ちゃんの機嫌が・・・・悪くありませんように。
心の中で必死に願いつつ。
-続くー
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まえがき:
ふふふ(笑)
何考えてるのか、とっととネタ晴らしに走るのです(爆!)
リナ(真実の名前は今の所・・秘密でvv←ばればれだって・汗)
と、スティルバイトの出会い偏♪思いついて、この出会い偏。
各話の冒頭にもってくることを決定!!!!←だからまてぃ!!!!(汗)
では、ということで♪←だからぁ・・・・(笑)
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あとがき:
かお:・・・ちなみに。『火竜の蒸し焼き』・・・材料は。はい。火竜王です(滝汗!!!)
ルナ:リナを一緒に殺そうとしたじゃない♡ヴラバザードの馬鹿の長老が♡だから、そのお仕置きもかねて♡
かお:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
エル:あら、いいわねぇ♡それ♪あたしも、今度は、部下本人たちでやってみましょ♪
姫:ゴルンノヴァたちはあまりおいしくなかったからねぇ・・・・・。
かお&ルナ:・・・・・・・・・・・。(聞かなかったことにしよう・・・・。)
ルナ:え・・エル様(汗)本日はどのような用件で・・(汗)
エル:あ、ああ。スティルバイトのことで、ちょっとね♪リナにも会いたかったし♡
かお:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ルナ:・・・・リナは、今回はまだ覚醒・・してませんが?
エル:いいのよ♪リナがみれれば♡
かお:混沌からいつでも見れるでしょうに・・・(滝汗)
エル:ふふふ♪親心がわからないのかしらねぇ♡
かお:ひぎゃ!!!!大鎌はやめてくださぃぃい!!!!
どすじゃ・・・・・
だくだくだく・・・・・・・・
エル:ふぅ♪さってと♪リナ、いい子にしてるかしら♡
ルナ:え・・ええ!!それはもう!!!!!(滝汗)
エル:そう?ま、リナはまだまだ成長途中だから♪お願いね♪ルナ♪
ルナ:は・・・はい(汗)
エル:じゃ、あたしは、ちょっと出かけるから♪
しゅん。(エル様、瞬時に掻き消える。)
ルナ:・・・・もう一回。竜王達には、よぉぉぉくリナに手出ししないようにいっておきましよ・・・・・・・。
(ルナも瞬く間に掻き消える・・・・。)
かお:そ・・それでは・・・また・・・・・。がくっ・・・・・・。
(かお、完全に動かなくなって・・・・・幕。)
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