未来への希望・   ~ACT-1『関りの始まり』~


「ご苦労だったな。」
玉座に座っている黒い髪の紅の瞳の男性が声を出す。
その前には、ひざまづく三つの影。
太陽のごとく淡い金髪を長く伸ばし、後ろでみつあみで束ねている女性と。
流れるような黒い髪を長く伸ばし、しっかりとしたデザインの宝石の数々を身に着けている女性。
そして、唯一、どこをどうみても武人風の感じのする男性。
銀の神がくっきりとした顔によくはえている。
それぞれは、見た目は女性陣は二十歳前後といったところ。
男性がまだ二十歳になる直前のような感じである。
「―なぜ・・なぜですか!?今一度、チャンスを!!」
ギリッと歯ぎしりする銀の髪の男性。
「あ・・・あの?確かに、ご命令どおり、リナ=インバースを守りましたが・・・・しかし・・・・・その・・・・。」
声を詰まらせて言う金の髪の女性。
目つきが鋭いのが印象的である。
「どういうことか、説明していただけますか?お父様♡」
黒い髪の女性が玉座の人物に語りかける。
「―よい。ゼラス、ルークのことは気にするな。・・・・こうなることは分かっていた。」
深くため息をつく玉座の人物。
「―??赤瞳(ルビーアイ)様?」
金の髪の女性―ゼラスと呼ばれた彼女が首をかしげる。
「―確かに。私は、ルークをリナ=インバースたちに会わしたくはなかった。結果が当然、見えていたからな。
  ―だからといって、リナ=インバースを殺そうとしている連中にそれを、止めるように説明するとなると・・・・・。」
言葉をつまらせて、顔を曇らせる玉座の男性。
「確かに♡驚きましたわ♡お父様からも、『リナ=インバースを傷つけないように守れ』と命令を受けましたときには♡」
にこにこという黒髪の女性。
「―よろしいのですか!?赤瞳(ルビーアイ)様!!!!たかが、人間に二度も敗れたことになるのですよ!!」
「―グラウ・・・お前は、ディルス王国の件で、リナ=インバース達を恨んでるからだろうが・・・・・。」
図星を言い当てるゼラス。
「う!!!!!」
顔を真っ赤にしている銀の髪の男性―今、グラウと呼ばれた男性。
「――まあ、仕方なかっただろう。―グラウシェラーよ。リナ=インバースに復讐することはあきらめろ。」
片手をついて大きくため息をつきつつ、いう玉座に座っている人物。
「―!?なぜですか!?」
納得いかないグラウ―グラウシェラー。
ふぅ・・・・。
ため息をつきつつ。
「―この前な。ふとある考えが浮かんで・・・・。人間の姿をとって、物質界に赴いたのだが・・・・。
  ・・・人間が作っている魔道士協会なるもので、確認したところ―。
  あの、リナ=インバースの生まれ故郷は『ゼフィーリア』だ。それも『ゼフィール・シティ』・・・といえば・・・・分かるな?」
なかばなぜか怯えている玉座の魔王と呼ばれている人物。
びしびしびしぃぃ!!!!!
その言葉に、みごとに三人は凍りつく。
「・・・・リナ=インバースがスィーフィードではないことは・・・確か・・・・。」
つつぅ。
汗を流す三人。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『うどわぁぁぁぁぁぁ~~~!!!!!!!!!』
無言で顔を見合わせて、そして、そのまま三人は、頭を抱えてうずくまる。
「ふぅ・・・。ま、つまりそういうことらしい。・・・・一応、確認のために・・・・誰かいってくれるな?」
その言葉に。
ポン!!。
『ゼラス、お願い(頼んだぞ)!!!!!』
黒髪の女性と銀の髪の男性が金髪の女性の肩にポンと手を置く。
「お・・・・おぬしたち・・・まあいい。ゼロスにやらそう。」
こめかみを押さえていう女性。
なんとも薄情な上司である。

ルーク=シャブラニグドゥが滅び去り、
任務終了の報告に魔王の宮殿に訪れた獣王(グレータービースト)ゼラス=メタリオムと、海王(ディプシー)ダルフィン。
二人は、新たに覚醒した魔王からだけではなく、
北の魔王と呼ばれているものからも、命令を受けていたのだ。
―すなわち。
『リナ=インバースを殺されるな』と。
当然ながら、深く追求はしたのだが。
後で終わってから話すといわれ、とりあえず、ルーク=シャブラニグドゥの命令でリナ達を案内する受付係りに徹したのである。
そして。
報告に訪れたとき。
北の魔王と呼ばれるもの―レイ=マグナス=シャブラニグドゥは、部下達を呼び集めた。
玉座に座っているのが、彼らの王―。
彼らの産みの親でもある、『赤瞳の魔王(ルビーアイ)レイス=シャブラニグドゥ』
その七分の一。
今は、カタートにて、魔王としての力を制限される氷に閉じ込められてたりする。
・・・まあ、多少は、力が弱くはなるが、封印から抜け出ることは、日常的には可能なのだが。
今。
彼らがいるのは、精神世界。
物質世界・・つまり、目に見える世界とは表裏一体、紙一重にある世界。
存在しているが、物質的には、見えないだけという世界。
彼らが、今いる位置は、物質世界に置き換えると、レイナード王国のある場所のレグルス湖の中心あたり。
あの王国がある場所に、魔王の本拠地の宮殿があるのである。
なぜ、わざわざ精神世界でも、彼らが物質形態を取っているかというと―。
何のことはない。
『全ての母』の気まぐれでそうするように創られて制限されているのだ。
レイ=マグナスの前にいるのは。
淡い金の髪の女性。
『獣王(グレータービースト)ゼラス=メタリオム。』
黒い髪の女性。
『海王(ディプシー)ダルフィン。』
銀の髪の男性。
『覇王(ダイナスト)グラウシェラー。』
この三人である。

「ふぅ・・・・。もっと早く気づいていれば、この子達も、こんな目には遭わなくてすんだんですけどねぇ~。」
すい。
レイ=マグナスが手を伸ばした先に、浮かぶは小さな二つの球体。
黒い球体に。
赤い球体が。
「・・・フィブリゾ・・ガーヴ・・・・・」
愛しそうに、それらに話しかけるレイ=マグナス。
滅びた冥王(ヘルマスター)フィブリゾと。
魔竜王(カオスドラゴン)ガーヴの精神体である。

万が一に備えて、自分の子供達である部下達の一部を保存していた魔王。
そして、子供達―部下達には、万が一のときのために、随時記憶のバックアップを保存するように、命令し。
その『記憶』を保存する球(オーブ)を各それぞれに手渡していたのである。
理由は簡単。
不足の自体が起りえたときに、対処するため。
・・・・・何しろ、それでなくても約五千年前に、この世界は、とんでもない存在を預かっているのだから―。
離反していたガーヴも、『記憶』の保存だけは行っていた。
自らが生きている証として。
――二人が滅んだとき、魔王はその『記憶』をコピーして、
それぞれの保管しておいた精神体の『器』にいれた。
――つまり、簡単に言えば、新たに誕生させようとしているのだ。
冥王と魔竜王を。
出来れば今まで育まれてきた一部もあればいいのだが。
――何しろ、二人とも、滅び方が滅び方である。
何とかガーヴの方は、水竜王の分かたれた欠片・・・思念がある空間で、残り香に近い力…つまり、意識の一部はゲットした。
世間では、それは『異世界黙示録(クレアバイブル)』と呼ばれていたりするが。
冥王にいたっては―。
残っているはずもなく。
――当然といえば、当然なのだが。
なにせ、冥王を復活させるにあたっても、かなり上から、いろいろと言われていたりする魔王。
『あたしを攻撃してきたやつを復活なんて・・・』
などとあれから毎日、呼びだしうけて。
それでも、めげずに。
なんとか許しを得た魔王。
まあ、ともかく。
――結果。
ほとんど魔王が創り出したときに保管していた一部で再編成をしている状況。
・・・どれだけ、復活に時間がかかることか。
その想像にはかたくない。
「ま、まあ、とりあえず、そういうことですから―。
  ・・・・・くれぐれも!!リナ=インバースには手出し無用・・いいですね?グラウシェラーも♡」
にっこりと笑うレイ=マグナス。
「くっ・・わ・・・わかりました。我もまだ滅びたくはないですし・・・。」
冷や汗ながしているグラウシェラーの横で。
「滅びるというより・・・下手したら、この星・・・・。・・・ううん、私達そのものが消されるわよ・・・・・・・。下手に手出ししたら・・・・・・・。」
的確に表現しているゼラス。
「まあ、あの御方は、あの御子をずいぶんと、かわいがっておられますから♡」
言うダルフィンの額にも、一筋の汗。

結局。
彼らは、リナ=インバースの確認と。
保護を目ざして。
魔族から代表を送り出すこととなった。

「・・・・やっぱり、ゼロスが的確だろう。」
「・・・・ですわね。リナ=インバースとも関りがあります。」
「・・何より、リナ=インバースとも面識があり、・・・・あの御方とも面識がある。・・・・乗り移っていたときだが。」
「まあ、あいつなら、なんとかするだろう。」
覇王、海王、魔王、獣王の意見は完全に一致した。

かくして、お役所仕事の獣王ゼラス=メタリオムの直属の部下。
獣神官ゼロスは。
いやがおうにも、またまたやっかいごとを任されていた。

「そ・・・・そんなぁぁぁぁぁ~~!!!!!!」

命令を受けた、ゼロスがしばし凍りつき、石化したのは・・・・。
・・・・・いうまでもない。

当然であろう。
何しろ、あのリナ=インバースが、例のかの御方かもしれないというか、多分そうだろうというのだから。
しかも、そうすると、当然、彼女の近くには、竜神・・赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィードもいるわけで。
何しろ、あのゼフィール・シティは・・・・・。
あの御方を預かる羽目になったときに。
竜神と魔王とか創り出した、特殊な場所なのだから―。
管理は、竜神の方がしているのだが・・・・・・・・。

「しくしくしく・・・どうせ僕はしがないお役所神官ですよぉ・・・・。しくしくしく・・・。」
泣きながら、リナ=インバースとガウリイ=ガブリエフを
探しにゆく高位魔族の姿がそこにあった。


                                  ―ACT・2へ―

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まえがき:
こんにちわ♪
うぅん・・(笑)
なやみに、なやんで、この話から打ち込むことを決定!!!!(まて!!)
長編ほっといて何やってるんだか・・・(笑)
ま、とりあえず、いくのです(爆!)
もったいないから、やっぱり、省かずにいくのです(笑)


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あとがきとよべなきもの(笑)
かお:こんにちわなのです♪一体、全体、前のプロローグは何だったんだ!?
   と思われる皆様(いるのか!?んなの読んでくれる人が!??)
   ・・・・気にしないでください(かまりまて!)
   一部の最終回で分かります!!!!(だからまてって!!)
   ちなみに、とっとと、リナの視点から打ち込もうかと思ったけど。
   どうせ、その前の裏設定も作ってるから、それから打ち込んでやれ(爆!)
   という理由で、こーなってたりします(笑)←いいんかい!?
   つまり、リナが本編十五巻で、出発した直後だとうけてってやってくださいね。
エル:・・・・あたしが出てない・・・・。
 姫:・・・・私は?
かお:ぎくっう・・・・。ま、そうそう、お二人に許可取ろうとか思ったのですが・・・・。
    例のあの小説・・・・どうしましょうか??
エル:・・・あんた、どんどん小説がたまっていってるわよ・・・・。
 姫:なんか今日もまた、突発で思いついてたでしょう?
かお:ははははは(汗)
   なんか打ち込んでたり他の人の作品読んでたりすると、ふと、新しい話が浮かぶのです(汗)
   ・・・・はい(汗)自分でも分かってます(滝汗)
   先に、今打ち込んでいるやつを完結させろ・・・と(汗)
   ・・・・実は、クロスカディアのパロディも作ってしまったのですが・・・・(汗)
エル&姫:・・・・あのねぇ・・・。
  姫:せめて、今打ち込んでいるのを終わらせてからにしなさい!!!それと、私の小説!!!!!!
かお:・・・・・う・・・・(汗)
    ま・・まあ、こんな駄文ですが、読んでくださる方は・・・・・。
    念のため・・・・・。この話・・・・。
    はじめはほのぼの(爆!)してますが、話が進むにつれて、シリアスになってます(汗)
    何しろリナが死ぬ!?というわけで、それを了解してやってくれた人だけ先にお進みください・・・。
エル:死ぬっていっても、赤ん坊になるだけだけどね♪
かお:え・・・・・エル様ぁぁぁぁぁぁぁ~~~!!!!!!!!(涙)
エル&姫:何か涙ながしているこいつは、ほっといて♡まったね♪
かお:しくしくしく・・・・・。
エル:そんなになくなら、ガウリイのスティルバイト設定までバラスわよvv
かお:いやですぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!
   で・・・・では・・・・また(涙)

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