未来への希望・ ~ACT-0『始まり』~
「リナ!!」
ガウリイがあたしを抱きしめる。
が、あたしはすでに感覚はない。
体の火照りもまだあるのだが、それ以上に吸い込んでしまった〃毒〃のせいもある。
さしものあたしの呪文でも―この〃毒〃は消せない。
姉ちゃんにさんざんじこかれてたけど、流石に致死量の百倍以上の原液を直に浴びてしまったし・・・・・。
姉ちゃんにどやされるなぁ・・・・・。
それでも、全てはあたしのせいで招いた結果。
「・・・ごめんね・・。ガウリイ・・・」
何とか声に出すがすでにあたしの意識は飛びかけている。
許せないのだ。
自分が。
ガウリイを殺そうとしてた相手に少しでも気を許しかけた自分が。
「馬鹿!!話すな!!すぐに医者に!!」
ガウリイがあたしを抱き上げようとするが・・・・。
「・・・ごめん・・・ガウ・・・リ・・・イ・・・・・。」
そして、あたしはそこで完全に意識が途切れた。
―…暗い。
とっても暗い。
・・・え~ん・・。え~ん・・・。
・・・誰??ないているのは・・・誰???
暗闇で泣いている一人の少女。
目を凝らすと、それは――あたし。
素直になれなかったあたし。
――そうか――。
ふわりともう一人の自分を抱きしめる。
――今度は素直になろうー―。
あたしに抱かれると同時に霧のようにもう一人のあたしの姿が掻き消える。
今回は何かあたしらしくなかった。
忘れてしまおう。
あたしらしくもないもやもやとした気持ち。
ふと、見ると暗闇に一筋の光。
――再びやりなおす為の――。
大丈夫。
まだ、この星は・・この世界は・・・・時間は大分ある。
あたしは光の方に進んでゆく。
――それが何を示しているのか。
さっきあたしは思いだした。
今度は――もう少し、あたしらしく出来るかな??
苦い思いは記憶の奥詰め込んで。
こんな苦しい思いは……抱えていたくないから―。
「リナぁぁぁぁぁ!!!!」
ようやくガウリイが暗殺者達を退けリナを探し当てたとき―。
リナはすでに立てなくなり、四肢の色も紫と成り果て―。
一目で重傷が見て取れた。
辺りには、リナが倒した、〃あいつ〃の痕跡を残すかのように。
一箇所のみ人一人分ほどの大きさほど、無の空間となっている場所もあるのだが。
「リナ!!」
・・・リナの側を離れるんじゃなかった!!
リナを巻き込みたくなかったばかりにリナには何も告げなかったガウリイ。
強い自責の念がガウリイにのしかかる。
――大切だから。
リナを巻き込みたくなかったから何も言わなかったのに!!
心の内でどんなに後悔しても目の前の現実は消えることはない。
「う・・・ガ・・ウ・・リィ・・?」
リナがなんとか声を出す。
「リナ!!!」
あわてて、リナを抱き起こすガウリイ。
「大丈夫だ!!すぐに医者にいくからな!!」
ガウリイの声にリナはただ。
「・・ごめんね・・ガウリイ・・・。あたし・・・・・。ガウリイを殺そうとしているあいつに・・。
少しでも気を許しそうになった自分が許せなかったの・・・・・。」
ご゛ふっ!!!!!!!!
リナが大量に血を吐き出す。
「しゃべるんじゃない!!」
リナの手をつよく握るガウリイ。
その目にはとめどもなく涙があふれている。
「ごめ・・・ガウ・・・リ・・・・・イ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「リナ!!????」
「・・・・・・・・・っっっ!!!!!!!!リナぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
リナがガウリイの頬にあてていた手から力が抜ける。
ぱたっ・・・・・・・・。
信じたくない現実。
何よりも命よりも大切な存在。
大切だからこそ、見守っていた。
傷つかないように。
命を投げ出しても守りたかった女性は・・・・・。
・・・・今。
ガウリイの手の中で身動き一つしない。
……息もしてない。
狂おしいほど愛らしい紅の瞳で、もう自分を見つめてもくれない。
その天使の声で自分の名を呼んでもくれない。
目の前で、最も大切な存在の女性―リナは。自らの手の中で完全に息を引き取った。
「・・・・・・・・・・・・・・・っっ!!!!!!!!!!!!!!!!」
しばらくリナを抱きしめるガウリイ。
すれ違いが招いた結果。
言葉に出さねば―不安が襲う。
その不安に押しつぶされそうになって―自ら決着つけようとしたリナ。
リナが大切だからこそ、自分の実家が自分に莫大な懸賞金をかけたことを、知らさなかったガウリイ。
リナを守りたいがゆえに。
リナを巻き込みたくはないゆえに。
どのくらい、時間が過ぎたのか。
ガウリイにとっては一秒の時間ですら永遠に感じていた。
ふいに。
抱きしめているリナの体がほのかに光る。
金色の淡い光に。
はっとなりガウリイがリナを見つめると―。
光はだんだんと大きくなり―。
リナの体とガウリイの体を――包み込んだ。
「―――そうか・・・・・。俺は・・・・・・・・・・・・。」
俺は、今全てを思い出した。
『おぎゃぁぁぁぁぁ!!!おぎゃぁぁおぎゃぁおぎゃぁおぎゃぁぁ!!!!!!』
俺の手の中で泣く赤ん坊。
何よりも愛しい存在。
たった一人の愛しい―リナ。
今度こそ、俺は守り抜いてみせる。
―――――――――――チャンスは―――あと、一回。
~ACT―1へ~
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まえがき:
こんにちわ♪
長編も、夢も、ジェムも漫遊記も全てほっといて、まったく、新しい話を打ち込んでいるかおなのです(笑)
何やってんだろ・・・・(爆!)
まあ、とりあえず、いくのです・・・・。
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あとがき:
かお:はい♪次回の話より本編です♡このプロローグとACT-0は二章への入り口です♪
つまり、今から始まる一章の最後♪さてさて、なぜこのようなことになったのか♪
エル:・・・あんた、他の番外編や長編、果ては、あたしの漫遊記・・・・。ほっといて・・・。
姫:リレー小説もどきも手つけてないし♡←書き殴りにて・・・(汗)
かお:あぅ~・・・・(涙)
エル:早く、あたしの『漫遊記』!!本編も番外編も打ち込みなさい!!!
姫:それと、私の小説もね♪
エル&姫:ってことで♡
―――――――――ぐざっっっっ!!!!!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
エル:何か動かなくなったわねぇ~。
姫:情けないわねぇ。これしきで。
エル:ま、い~わ♪こいつだし♪
姫:そうね♡
エル:それはそーと、この話・・・・。ユニット・・二章でしか出てこないのよねぇ・・・・。
姫:そうなのよ!!!エルも出てないし!!!
エル&姫:もうすこし、根性入れなきゃね♪
(かお:い・・・いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!)
(混沌の中より悲鳴が響く・・・・・・・。)
エル:では♪次回からようやく、話の本筋です♪
姫:リナの一人称や、ときどき何人称にもなってます♡
エル&姫:じゃあ、まったねぇ♡
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