エターナル・スレイヤーズ     ~第6話~



ヨハネス・シティ。
別にこれ、といって特徴はないが。
しいていうならば、古道具屋と、そして。
町の中心にちょっとした広場が設けられており、噴水なども具間みえる。
「ここね。」
さあ!はやくクレアを探すわよ!」
あたしの言葉に。
なぜか意味不明にもいまだに高笑いを続けているナーガはひとまず無視し。
「ここがヨハネス・シティで間違いないのよね?」
おそらく、というか確実に聞いても無駄なナーガにではなく。
キャニーにと問いかける。
しかし、こういうとき、記憶がない。
というのは結構面倒、というか何というか。
「はい。ここがヨハネス・シティです。間違いありません。」
あたしの質問にきっぱりと言い切っているキャニー。
そして、その横では。
町に入る前からいまだに高笑いを続けているナーガの姿が。
まあ、聞かないことにすれば、どうにか・・・・多分。
とりあえずナーガの声は聞こえないこととして。
「とりあえず魔道士協会にでもいってみませんか?リナさん?
  確かクレアさんも魔道士見習い、ということですから。
  もしかしたらこの町の魔道士協会によっているかもしれませんよ?」
そんなキャニーの言葉に。
「それもそうね。」
確かに。
見習いとはいえ一応は魔道士。
この町の魔道士協会によっていない、とは限らない。
とりあえずは。
魔道士協会によるとして。
それから・・・っと。
そんなことを思っていると。
「あぶないぞー!」
ガラガラガラガラ。
何やら町の入り口の外より。
というかあたしたちが今いるのは、町の出入り口。
その町の外。
すなわち街道の方から。
何やら危険を伝える声が。
ふと、振り向けば。
「「うどわっ!!?」」
ものの見事にあたしとキャニーの声が重なる。
あたしたちめがけて、というかあたしたちがまあ道のど真ん中にいた。
というのがいけないんだけど。
みれば街道の方より馬車が。
おもいっきりあたしたちの方向にと突っ込んできているし…
どうやら馬車を操っていた人物が。
あたしたちに声をかけてきたようだけど。
あわてて、とびのくあたしとキャニー。
だけども。
なぜかそのまま。
「おーほっほっほっ!まってなさいよ!クレア!おーほっほっほっ!」
などといまだに道のど真ん中にて高笑いを続けているナーガ。
「危ないぞー!」
道の横にとよけたあたしとキャニーはともかくとして。
そのまま高笑いを続けているナーガは当然のことながらよける気配などあるはずもなく。
ガラガラガラガラ・・・・・・
「そこの人!危ないぞ!」
「おーほっほっほっほ!おーほっほっ!」
ガラガラガラ…
「おーほっほつ・・・みぎゃ!?」
・・・・あ、踏まれた。
目の前を通る馬車にと思いっきりそのまま。
馬車をひいている馬とそのまま車輪にと踏み潰されているナーガの姿があったりするし。
「あー。まにあわなかったか。」
ナーガを下敷きにしたまま。
その真上で馬車を止めている、馬車を操っていたと思われる男性。
といっても、彼しかのってないんだから。
疑いようもないのもまた事実だけど。
「あ、気にしないでください。死にませんから。それ。」
「リナさん、それはちょっと…」
あたしの言葉に。
何やらいってきているキャニーだし。
「だって、ナーガだし。」
このナーガ。
何があってもどうにもならないような気がするのは。
絶対にあたしの気のせいではない。
というか、記憶がない今のあたしでも。
それだけは断言できる。うん。
「いや、そういうわけにも…おや?もしかしてあなた、魔道士ですか?」
あたしの声にこちらを振り向きつつ。
何やらそんなことをいってくる馬車を操っていた男性。
「そうだけど?」
「そうですか。実はお願いがあるのですが。とりあえず、馬車の下敷きにした人を助けて・・・・」
そういいつつ、馬車を降りようとしている男性だけど。
だがしかし。
「おーほっほっほっ!リナ、よくもやってくれたわね!このナーガ様を馬車の下敷きにさせるとは!
   さては、あなた、このナーガ様の実力に恐れをなして抹殺しようとしたんでしょう!おーほっほっほっほっほっ!」
「うどわ!!?」
「・・・・・・・・・って、ナーガさん!?」
まったく無傷で、あたしたちの横にと。
馬車の下より這い出して。
高笑いをしつつ言い放っているナーガの姿。
そんなナーガの姿をみて、何やら驚いている男性と。
そしてまた、キャニーの姿が。
「あ゛~気にしないでください。ナーガだし。それはそうと、今言いかけてたの、もしかして何かの依頼ですか?」
こういうときのナーガは。
何かお金儲けの話をちらつかせることにより。
その意識を向けることが可能。
ナーガと出会って・・・・というのも記憶がないので再開、というより出会っての表現でいいとおもうし。
こいつの性格は短いながらにイヤだけどなぜか把握できたことでもあるし……
「・・・いや、無事ならいいんですけど・・あ。そっか。ひいた、と思うのは気のせいだったんですね。うん。」
何やら一人納得しつつ。
いや、気のせいじゃないんだけど・・・
まあ、話がややこしくなるからだまっておこう。
「実は、あなた方を見込んでお願いがありまして。
  僕実はこの町でちょっとした古道具屋を営んでるハンスというんですけど。
  先日、店の整理をしていたら、かわったものを見つけまして。それが、何と!宝の地図だったんですよ。」
「「何ですってぇぇぇぇえ!?」」
ハンス、と名乗った男性の言葉に。
思わず同時に叫ぶあたしとナーガ。
「それで、あなた方にお願いが・・・・」
「おーほっほっほっほ!まかせなさい!そのお宝は私が懐に入れてあげるわ!」
「そういうことなら、話を詳しく聞かせてもらいましょうか。」
そういいかけるハンスさんの言葉に。
詳しく話しをさらに聞きだすためにと話しを促すあたしとナーガ。
そんなあたしたちに対し。
「…あ、あの?リナさん?ナーガさん?クレアさんは…」
何やら横でキャニーがいってるけど。
「ふっ。愚問ね。キャニー。昔のことはいわないのよ!おーほっほっほっ!」
「いい?クレアは別に消えはしないわ?キャニー。だけどねお宝は!早くしないとほかの人にとられるのよ!」
「・・・・・・・・・・・・・」
あたしのしごくあたり前の意見に。
なぜか黙り込んでいるキャニーだけど。
「そうですか。引き受けてくださいますか。
   それでしたら、明日の朝にでも僕の家にきてください。詳しいお話をさせていただきますので。
   僕はこれからちょっと用事もありますことですし。」
そういいつつ。
あたしたちにと店の場所を教え。
そして。
軽く挨拶を交わし。
そのまま。
「はいようっ!」
ぴしっ!
いいつつも再び馬車を操り。
町の中にと入ってゆくハンスさんの姿が。
そんな彼の後姿を見送りつつ。
「んふふふ・・・・・お宝はあたしのものよぉぉおお!」
「おーほっほっほっほっほっ!おーほっほっほっほっほ!」
がっつボーズをするあたしと。
なぜか胸をそらして高笑いをしているナーガの姿が。
「・・・・・・ま、いっか。何か楽しそうですし。」
それで納得しているキャニー。
さって。
とりあえず。
魔道士協会にはひとまずいって。
かるく情報をあつめて腹ごしらえをして。
今日のところは宿屋で休むとしますかね。
宿代はここにくるまでに壊滅させた盗賊さんたちから奪い取った資金があることだし。
うん。
「それじゃ、目的どおり、とりあえず魔道士協会にいって。それから宿屋にいってから。お宝のことは明日からね。」
いまだに高笑いを続けているナーガを無視し。
そのまま。
すたすたと町の中にとはいってゆく。
うーん。
これは思わぬ収穫だわね。
ふふv






「何か騒がしいわねぇ…」
ようやくガウリイから開放され・・・もとい。
船から下りて。
やってきたセイルーン・シティにと続く街道の入り口にと当たる国。
沿岸諸国連合のひとつ。
そこからセイルーンに向けての定期的な馬車便などもでていたりするけど。
そんなモノにお金をかける必要は、まったくもってコレッポッチもないし。
だがしかし。
その国を抜けて、しばらく増幅版のレイウィングで空を翔け。
ようやくたどり着いたセイルーン・シティ。
ここにくるまでに、国境にて通行料を、とかいわれたけど。
名前をいったら素直に通してくれたことではあるし。
うーん。
やっぱ有名人は得よね。
とにかく、ようやくセイルーンの首都。
セイルーン・シティにたどり着いたあたしとガウリイ。
だけども、なぜか、あたりに兵士の姿がごろごろと垣間見え。
どこか人々の様子も騒がしい。
何か兵士たちが魔道書がどうのこうの。
とつぶやいているその声が、あたしのエルフ並の耳にと聞こえてくるけど。
「なあ?リナ?何か騒がしくないか?町の中が?」
「そうね。」
確かに。
あたしにでもわかるんだから、ガウリイでもわかるだろう。
この何か騒々しいというか重苦しい雰囲気は。
「とりあえず、魔道士協会にいって、記帳を済ませてから。フィルさんのところにいってみましょ。」
もし、あたしの偽者が何かしでかしてたり、またこの国で何かしてたりするのならば。
間違いなく、フィルさんの耳に入っているか。
または、魔道士協会の中で何かしらのうわさとかになっていても不思議ではない。
あたしは、よった町などに魔道士協会があれば。
とりあえず、町に立ち寄った、という証に魔道士協会に記帳をしておくことにしている。
そうすることにより、町にどのような魔道士が滞在していて。
何かあったときなど、依頼やウマイ話が格段に。
早く情報がもたらされる、という利点があるがゆえに。
「とっとと用事を済まして、リナ、早く二人っきりになろうな♪」
何やらにこにこと横でいってきているガウリイが、ものすっごくその笑みが何かたくらんでるようなんだけど…
と、とにかく。
「とにかく、魔道士協会にいきましょ。」
何か果てしなく身の危険を感じるので。
ガウリイの今の台詞はきかなかったことにして。
とりあえずは。
ここ、セイルーン・シティの中にとある魔道士協会にと出向いてゆくあたしとガウリイ。
ここ、セイルーン・シティは。
六茫星の結界の形に道や壁が整備されており。
ちょっとした結界となっているがゆえに。
この中においては、白魔法などがより格段にと向上するような仕組みと相成っている。
この中はいわば、人工的な清浄なる空間が作られており。
たとえばちょっとした魔物などは寄せ付けない、という効果も持っている。
聖王国、として名が知られているとおり。
この町には様々な白魔法などに関しての記述や、そしてまた。
白魔法をさらに向上させるための魔道文字がそこらかしこにと刻まれていたり。
だがしかし、この国はあくまでも基本は白魔法。
伊達に力をもっている国だからこそ、攻撃魔法である黒魔法などを手にいれたりしたら。
それこそ近隣諸国などが誤解し、それが戦争の発端にもなりかねない。
という配慮があったりするらしいけど。
まあ、それはそれ。
城にと続く城壁。
魔道士協会は、城のほぼ目の前、といっても過言でない位置にと建っている。
とはいえ、少しばかりまだ距離はあるにしろ。
「なあ?リナ?」
「わかってるって。」
魔道士協会の前までいくと。
何やらあわただしく人の出入りが活発で。
しかも、なぜか兵士たちの姿までもがかなり目立つ。
そして。
ふと。
協会の入り口にと立つあたしたちにと目をとめて。
「何ものだ?怪しいやつ!」
むかっ!
何やらあたしたちにむかってそんなことをいってきている兵士その一。
「へぇぇぇぇ。いきなり人にむかってそんな口の聞き方。なってないわねぇ。そんなんじゃ、女性にもてないわよ?」
あたしの言葉に。
「何ぃ!?怪しいから怪しい、といって何がわるい!さては、貴様らだな!?例のモノを盗んだのは!?」
「ほぉぉぉぉぉぅ。こんな美少女を捕まえて盗人呼ばわりとは。いってくれるじゃない?んっんっんっ?」
まったく。
こういう輩には制裁が必要である。うん。
「ディル・ブランド!」
ドゴォォン!!
協会の前。
ちょっとした爆発の音が鳴り響く。
ぴくぴくぴく。
なぜかあたしの放ったディルブランドの直撃をうけて。
すこしばかり伸びている兵士がそこにいたりするけど。
はっきりいってあたしは悪くない。うん。
人を盗人呼ばわりしたこいつがわるいんだし。
これははっきりいって正当防衛である。
きっぱりと。
「さって。ガウリイ、いきましょ。」
「おーい?リナ、これいいのか?」
入り口にと伸びているソレを視線で指差し。
問いかけてきているガウリイだけど。
「いいのよ。ガウリイ。人を悪人呼ばわりしたそいつが悪いんだし。
    何かいってきたらフィルさんに説明したらわかってもらえるしね。」
はっきりいってあたしは悪くないし。
うん。
なぜかほかの兵士などが。
あたしとガウリイの会話を聞いて。
「リナ?ガウリイ・・って!?あの!?」
とか何か騒ぎつつ顔色を悪くしてたりするのがかなり気になるけど。
ひとまず無視。
そのまま。
あたしたちは魔道士協会の中にと足を踏み入れてゆく。
しっかし・・・・何か町そのものが騒がしいけど・・・何があったんだろ???


                                -第7話へー


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  あとがきもどき:
     薫:どちらのリナもリナですねぇ(笑
       さて。ようやく次回で吸血鬼と。あとはリナが騒ぎを解決(んな大げさなものか?
       ですね。え?ブラック・フォッグ?でてきますよぉ?
       ガウリイが排除しますけど(でもリナ気づかない←まて
       何はともあれ、それではまた。次回にてv

     2004年7月14日某日


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