エターナル・スレイヤーズ     ~第7話~




「フレンツェの魔道書はどこだぁぁぁあ!?」
ざわざわざわ。
何か騒がしいわねぇ……
町にとはいってずっと感じていたこと。
だけど、ここ、魔道士協会にと入ってさらにと、その騒ぎは大きく感じられる。
「なあ?リナ、何かここ騒がしくないか?」
横でそんなことを言ってきているガウリイ。
確かに。
だけど・・・今、何っていってた?ここの人たち?
確か・・・フレンツェとかいわなかったっけ!?
あたしの気のせいでなかったら。
「何か…というか、とにかく!ガウリイ!最上階にいくわよ!」
ここの魔道士協会評議長は確か三階の一番左端の部屋にといたはずよね?
もしかして…もしかしてだけど。
もしかして…アレがなくなったわけ!?
この騒ぎは!?
とにかく、詳しいことを聞くにはまず。
ここの評議長に聞くことが何よりも先決だし。
何やらさわついている魔道士協会の中を。
そのまま、とりあえず、
顔見知りとなぜかなってしまっているここの評議長にとなっている人物にと会うために。
なぜかガウリイはといえばあまりいい顔はしないけど。
最近、こういった場所までついてくるし。
こいつは。
そういえばいつからだっけ?
あたしが魔道士協会にいく、といってついてきだしたのは。
はじめのころはどこかで時間をつぶしておく、とかいってたのに。
ま、理由はわかんないけど。
どうせこいつのことだから聞いてないしね。人の話なんか。
だけど、そんなことよりも。
あたしが想像しているとおりだったら・・・それはそれで大変なことなんだけど。
というか!なくすくらいならあたしにちょうだいぃぃぃぃぃい!
そんなことを思いつつ。
とりあえずガウリイと一緒に三階の評議長の部屋にと進んでゆくあたしたち。


ざわざわざわ。
「ここにもない。いったいどこに…」
階段を上ってゆくと、そしてまた、あたりの部屋などから、
やはり、何かを探しているらしき人たちの声。
コンコン。
「うん?誰じゃな?」
とりあえず、トビラをノックし、評議長の部屋にと入ってゆくあたしたち。
「失礼します。」
いいつつも、とりあえず形式的な挨拶をし。
そのままトビラをあけて、部屋の中にと入ってゆくあたしたち。
…と。
「おおお!?これはリナ殿にガウリイ殿ではないですか!!?
 これは夢か!?ぜひともお二人に協力をお願いしたい儀が…!」
なぜかいきなり、あたしたちの姿をみるなり。
そんなことをいってきている評議長。
…よっぽど切羽詰ってるみたいね…
あたしに駆け寄ってくる評議長をなぜかすっとあたしの前にとでて、さえぎっているガウリイ。
?変なガウリイ……
「お久しぶりです。評議長さん。あの?何かあったんですか?何やら騒がしいようですけど…」
あたしのそんな問いかけに。
「いや、実にいいところにきてくださった。実はちょっとした騒動がただいまおこっていてな。
  じゃが、リナ殿たちが手伝ってくれればもはや百人力であろう。
  頼む!リナ殿!そちらの言い分はなるべく聞き入れるがゆえに。手を貸してもらえんかの!?」
何やら両手をあわせて拝むようにといってきているこの評議長。
「いったい、何が?さっきからフレンツェの魔道書がどうの・・・と協会の人々が騒いでますけど…」
ぎくっ!
…つうか…わかりやすいリアクション…
あたしの問いかけに、面白いまでにと動揺し。
あからさまにと震えている評議長の姿がそこにあったりするし…
「と、とりあえず。詳しいことはフィリオネル殿下にお目通りを願って。
  殿下からお聞きしてくだされ。詳しい依頼はそれから、ということで…」
何やら言葉を濁しつつ、ちなみにちょっとぱかり声が震えていたりするけども。
そんなことをいってきているこの評議長。
「ま、まあ、フィルさんには会いにいくつもりですけど…ま、聞くだけは聞いてみますよ。」
おそらくは。
間違いなく、ここまで協会の人々がうろたえている、ということは。
先ほどから耳にと入る、【フレンツェの魔道書】それに関係している、というのは明らか。
フレンツェの魔道書。
それは、セイルーンの持ち出し禁止文書となっているとある書物。
そこには、聖なる力…すなわち、神聖魔法のノウハウや、そしてまた。
精霊魔法の中の白魔法にと俗する様々な魔法の根本的な知識が収められている。
そんな門外不出の魔道書。
まえ、あたしは家にとあった姉ちゃんがもってたその写しの一部を見たことはあるけど…
かなりものすごいことがかかれてたのよね。
ちなみに、神聖魔法のストックはおそらく発動するはず・・・とは思うけど。
いくつかあたしはもっていたりする。
まあ、ちょっと前までこの地は魔の結界によって竜王の力が使えなかったがゆえに。
作動などしなかったんだけど。
実は、結界が壊れてから、実験したら面白いことに作動したのよねぇ。
いやぁ、いいことだ。んふふふふv
あの「写し」は完全ではなかったから、もしかして!
この一件を解決したら本体を見せてもらえるか!?
そんな期待を持っていることは当然表には出さずに。
冷静にと返事をし。
「んじゃ、とりあえずガウリイ、フィルさんのところにいきましょ?」
いいつつも、なぜかあたしの横にと立っているガウリイにと話しかける。
「・・・・・・ん?何でだ?ここに用があるんじゃないのか?」
・・・・・・おい!
「人の話をきけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
スパコォォン!
うーん、いい音♪
部屋全体にあたしの放ったスリッパの音が響き渡ってゆく。
まったく、こいつは…
ほんっきで人の話・・・きいてないんだから…
ま、ガウリイらしい、といえばそれまでだけど…ね。
とりあえず、簡単にガウリイにと説明し。
あたしとガウリイは、フィルさんに詳しい話を聞くためにと。
セイルーンの王宮にと向かうことに。
んふふふ。まってなさいよ。
あたしのフレンツェの魔道書さん♡


「おお!リナ殿にガウリイ殿ではないか!」
相変わらず、というか、何というか…
というか、あっさりと城に招き入れてもいいものか…
なぜかあたしの顔を見るなり、あわてて敬礼し、そして城の中にと招き入れられるあたしたち。
そして、謁見の間にて久方ぶりにフィルさんと再会したものはいいものの。
…あうぅ…
あたしやっぱりこの人苦手なのよね…あぅ…
「お久しぶりです。フィルさん。…あれ?」
いつもなら、元気にかけてくる元気娘の姿がみえないんですけど??
どこかにいるのかな?
あたしがふとその姿を求めてきょろきょろしていると。
あたしの考えを悟ったのか。
「おお、アメリアなら、今、幽霊退治に、ラルティーグ王国の『エトスの遺跡』に出かけておる。
  アメリアのやつもリナ殿に会いたがっていたぞ?」
がっはっはっはっ!
いいつつも、豪快に笑っているのは。
この国の第一王位継承者であるフィルさんことフィリオネル=エル=ディ=セイルーン。
「…いやあの、ラルティーグ王国にまでって…」
思わずつぶやきがもれてしまう。
何というか…普通、他国までいくか!?
…ま、まあアメリアだから当たり前、といえばそれまでだけど…
でも普通、一応は皇女である彼女を一人で旅にだすこのセイルーンっていったい…
あたしのそんな素朴な疑問を知ってか知らずか。
「じゃが、リナ殿もガウリイ殿もいいところにきてくれた。
   実はな。すでに聞き及んでおるかもしれんが。
   わが国で誇る、魔道書、『フレンツェの魔道書』が先日、何ものかによって盗まれたのじゃ。
   この聖なる地において何という行動!今、魔道士協会のメンバーを含め。
   兵士たち全員にてその本を探し出すべく行動しているのじゃが…
   こんなときにリナ殿たちがやってきたのもきっと天のお導き。
   どうじゃな?二人も行方不明となった魔道書を探すのを手伝ってはくれんか?」
「ええ!?というか、やっぱり、あの魔道書がなくなったんですか!?」
案の定、というか予測はしてたけど。
いともあっさりといってくるそんなフィルさんの言葉に思わず驚きの声をだすあたし。
いや、というか、あっさりと他人に教えてもいいのかしらん?
あたしのそんな素朴な疑問は何のその。
「うむ。まことに遺憾ながらどうやらそのようなのじゃ。じゃが、このセイルーンで怪しいものをみた、という報告もないでな。
  もしかしたらどこかに紛れ込んでいるのかもしれん。それか誰かが借りて忘れている可能性もあるかもしれんしな。
  一概に盗まれた、とは言いがたいのじゃが…
  というか、盗まれた、とはわしは信じたくはないんじゃよ。
  このセイルーンの国民にそんなことをするようなやからはいない。
  とわしは信じておる。じゃが、万が一、ということもあるでな。頼まれてくれんか?リナ殿?ガウリイ殿?」
うーん。
ま、確かにほっとけるはずもないけど…
「フィルさん。見つけたら魔道書、完全に閲覧させてくださいね♡あと、閲覧禁止の書庫にある書物も♡」
あたしのしごく控えめなそんな申し出に。
「う、うむ。まあそのくらいは仕方があるまい。では、頼んだぞ!リナ殿!ガウリイ殿!」
あたしの申し出に快くうなづき許可を出してくれるフィルさんの姿。
ラッキーv
やっぱりものはいってみるものよね。
とりあえず、フィルさんの方からは、【書物】を見せてもらう約束は取り付けたことだし。
あとは魔道書をみつけたら、見つけたお礼をかねて、
魔道士協会からお金を受け取ればいいんだし。
保管していた書物が行方不明になった、なんてよそ様に知られたらそれこそ、
信用問題だろうしね♡
とりあえず。
フィルさんに簡単な今、このセイルーンにおいて何が起こっているのか状況を聞き。
行方不明になっている、というとある書物を探すべく。
あたしとガウリイはしばらくここ、セイルーンにととどまることに。
んふふ。まってなさいよ。
あたしのフレンツェの魔道書ちゃん♡





「リナ=インバース…っと。」
ずざざざっ!
・・・って、おいこらまてぃ!
ナーガ、キャニー、そしてあたし。
この三人にて、ここ、ヨハネス・シティにとある魔道士協会にとやってきているあたしたち。
たいていの魔道士協会では、そこに立ち寄った魔道士などは名前を書くことが義務づけられており。
なぜかそういったことはあたし、覚えてるのよね…
まあ、何はともあれ、とにかく。
恒例行事にと習い、名前を記載したところ。
なぜか周りの人々がおもいっきり退いてるし…
どういう意味じゃい!
まったく。
可憐なる乙女を捕まえて、失礼きわまりないったら…
「…どういう意味よ……」
この反応ってあたしっていったい…
「まあ、いつものことね。ほら、リナ、とりあえずあなたはここで魔道論理を習ってきなさい。
   ま、あなたのことだから、聞いただけですぐに思い出すだろうしね。
   まったく、記憶を失ってるあなたなんて、まるでアンコのないタイヤキのようなものよ。
   魔法がロクに使えないんじゃあね。」
「ちょっと!どういう意味よ!アンコのはいってないタイヤキというたとえは!」
何やら失礼極まりないことをいってくるナーガにと思わず叫ぶ。
「あら?タコのはいっていないタコヤキのほうがよかったかしら?」
「・・・・・・・・・・・・」
こ、こいつは…
あとでおぼえとれよ…ナーガのやつ…
「と、とにかく。リナさん、早くその魔法論理、とかいうのを習いにいきましょうよ?」
ぱちぱちと火花を散らすあたしとナーガの間になぜか割って入り。
そんなことをいってきているキャニー。
「そ、それもそうね…えっと、評議長の部屋はっと…」
たいてい身分というか地位をもった人物って一番最上階に住みたがるのよねぇ。
面白いことに。
ナーガにいいたいことはいろいろあるけども。
とりあえずは、今のあたしの知識の状態では、たしかに。
ロクな魔法が使えない、というのもまた事実。
ここはやはり、基本の論理を習ってゆく、というか聞いてゆくしかない、というのが確かに正論。
それゆえに。
魔法論理を習う許可をもらうためにと。
ここ、ヨハネス・シティの魔道士協会評議長の部屋にと。
あたしたちは進んでゆくことに。

魔法論理。
それは、主に魔法とは何か。
という根源たる論理のこと。
それらの基本論理はいくつかの分野にと分かれており。
第一段階から第十段階までにとわけられている。
最後の方は精霊魔法の中においてはもっとも高位、とされている『復活(リザレクション)』
などの基礎の論理をも習得できる。
もっとも、いくら基礎論理を知っていたとしても、それがいったいどういう仕組みなのか。
自分で頭の中などで理解し組み立てられなければ使うことは不可能なんだけど。
主にこの世界には黒魔法、と呼ばれているものと、白魔法、と呼ばれている力があり。
そのほとんどは、対外は精霊の力を借りたり自然の力を借りたりするものと。
あとは別の存在の力を借りたものの力。
その存在が魔であったり神であったり、というので、その力の属性もまた変わってくるけども。
記憶がない今のあたしがなぜか使えるのは。
なぜか、黒魔法の最高峰、といわれている竜滅斬(ドラグスレイブ)と。
そして…なぜかちょこっと覚えているとある禁術が二つほど・・あはははは……
ま、まあ、あれは多分というか絶対に危険だから使う気さらさらないけど。
というか、あたしの魔力を完全に使い果たしそうだしね……


数時間後。
「しっかし素直にもう少し上位の論理まで教えてくれてもいいじゃないのよ……」
思わずあたしがぼやいてしまうのはぜったいに仕方がないとおもう。
何しろ、あの評議長ときたら。
あたしに、魔法論理を二つしか教えてくれなかったし。
ま、まあ、あたしが本物のリナ=インバースではなくただの『語り』、
とか何やら失礼きわまりないことをいってきたので。
習ったばかりの知識とそして、それにより思い出した術をもとに。
ちょこっと魔道士協会の一角を吹き飛ばした…というか壊したのは事実だけど。
あれはあたしの責任じゃないし。うん。
「リナさんが魔道士協会を破壊してしまったんだから仕方ないじゃないですか…」
「それより、とりあえず、ポビュラーな術というか
  基本的な術のアレンジとかはできるほどにはなったわね。
  さあ!とりあえず、今日のところはゆっくり休んで、リナ!
  明日の朝一番でハンスの古道具屋にいってお宝をゲットするわよ!」
ま、ちょこっと瓦礫にと埋まって重体となっている評議長が原因で。
協会は瓦解した、と思われてるのであたしたちには何のお咎めはないし。
何でもあの評議長、怪しげな術の研究などをよくしていて。
今までにもよく爆発騒ぎなどを起こしていたらしく。
それゆえに、あたしがお茶目にも放った術によって壊滅した協会の半分は。
彼の仕業、ということで片付けられていたりする。
やっぱりこれってあたしの日ごろの行いがいいからよね♡
「ま、それもそうね。キャニー。明日も早いから、今日はもう寝ましょ♡」
巻き添えをくらいそうになったから、という理由で。
ちょこっと見舞い金もゲットできてることだし…ね♡
とりあえず、今日のところは。
三人部屋を一部屋、スイートルームでとり。
ゆっくりと休んで養生することにしたあたしたち。
さって!まっててよ!
あたしのお宝さん!


                                -第8話へー

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まえがき:

どっちが本当?ナーガの本名・・・・
私が以前見たのは、神坂先生公認サイトでかかれてた。
神坂先生の対談より、という。
グレイシア=ウル=ナーガ=セイルーン
これがずっと本当だ、と思ってたんだけど…
何かまた違う名前も対談ででてるらしい・・・・
グレイシア=エイル=ウェヌス=セイルーン
という説もあるらしい・・・
というか、本気で裏設定本・・・神坂先生、お願いですからだしてください・・・
ファンクラブの本とか、コミケの本で暴露せずに(涙)
案外、神坂先生、真名(真実の名)と通り名(日常的に使う名前)を考えてたりして・・・

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  あとがきもどき:
     
薫:・・・・・・・・・どっちのリナもどっこいどっこいか?(汗)
       というか、精神体でもあるリナちゃん・・・・協会を破壊って(滝汗・・・)
       次回でお宝クエスト(笑)と、本体(?)リナの方は魔道書騒動ですね。
       でも・・・・フィルさん・・・さすが、フィルさん、というオチでしたねぇ。
       あのイベントは・・・んふふふふ♡
       何はともあれ、それではまた、次回にてv
      2004年8月6日某日


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