まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

アメリア男性になっても性格変わってませんね

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If  ~もしも…~話し合いの行方は……~

「このような闇の生き物を使うなど!断じて許せません!
  このウィリアム=ウル=ティス=セイルーン!天に代わりあなたたちに正義の鉄槌を下します!」
などといいつつ、何やら術を唱え、素手でデーモンに向かってゆくウィルに。
「なら、ちょっとぱかりいくか」
「おう」
「「烈閃槍エルメキア・ランス!!」」
デーモンたちの頭上に何やら青白い光の槍を放つリナンとレナン。
「馬鹿め。どこを……」
どこを狙っている。
とばかりに声を上げた魔族ゾロムの目に次にと目に入ってきたのは。
にっと笑い。
「「ブレイク!!」」
ズドドドドッ!!
その上空にと放たれたちょっとばかり太い槍から雨のようにと降り注がれてゆく青白い光の槍。
何のことはない。
リナンとレナンは、少しばかり術をアレンジして、分散して解き放っただけなのであるが。
「…な…に!?」
人間にここまでの威力を持つ術が使いこなせるなど…馬鹿な!?
そう、ゾロムが思うよりも早く。
光の雨より逃げるのに必死で、背後に回った気配にまったく気づいていないゾロム。
「人間も馬鹿にならないぜ」
「隙ありすぎよ」
ふと、背後より聞こえたその声にとゾロムが振り向けば、剣を構えているララとエリーの姿が。
そして、そのまま剣を振りかぶり……
剣の刃がその反動なのかあさってのほうにと飛んでゆく。
それをみて小ばかにした笑みを浮べ。
「馬鹿め。刃のない剣で何ができる!」
これだから、力を過信している人間は。
などとゾロムは思うが、それはゾロムの大きな間違い。
次の瞬間。
「光よっ!」
「闇よっ!」
ヴッン!
ララの掛け声と共に、刃のない剣の柄の先にと光の刃が、
エリーの掛け声と共に、刃のない剣の柄の先にと光と闇の刃が出現し、
そのまま、ゾロムを真っ二つにと切り裂いてゆく。
「…何!?それ…ばっ……かなっ!」

光の剣と闇の剣
それは魔族の中でもかなり有名。
…といっても、それらが異界の魔族…
しかも魔王の腹心クラスの存在であることはあまり知られてはいないが……

そのまま、いともあっさりと…何の見せ場もなくゾロムはララの手によって消滅してゆく。
魔族を倒すのは、その本体である精神体をたたききる。
もしくは精神にとダメージを加えること。

「あれは!?」
「なっ!?光の剣と闇の剣!?」
思わずそれをみて叫んでいるルルとウィル。
馬鹿な!?光の剣と闇の剣だと!?
ゾロムがそう思ったその直後。
ゾロムの精神体は精神世界面と物質世界面において、そのままたたききられ、消滅してゆく。
いや、正確にいうならば、
光の剣ことゴルンノヴァと闇の剣ことアルテマウェポンに吸収されていった…とでもいうべきか。
リナンとレナンが放った光の槍の雨によって
すでにゾロムが呼び出したレッサーデーモンたちは並々消滅し。
そしてまた、そのままゾロムの姿もまた、掻き消えてゆく。

「ララさん!エリーさん!ララさんとエリーさんって光の剣と闇の剣の持ち主だったんですね。
  やはり、ララさんとエリーさんは天がつかわした……」
何やら言いかけるウィルに対し。
「光の剣と闇の剣ですって?でもアレらは……」
そういえば…
そんなことを思い巡らせているルル。
光の剣と闇の剣を持っているのはすなわち…ただ二人。
二つとない品物だからして。
「「そんなことよりもまだ終わってないぞ?」」
何やらいっているウィルとルルとは対象的にとある建物の影を見つめているリナンとレナン。
そしてまた。
気配がもう一つ……
ざっ!!
リナンたちの後ろより生まれる二つの気配。
ザッ!
何やら土を踏む音と共に。
「「ルルティス殿!!」」
そういう二つの男性の声と。
そして……
「……ほぅ……光の剣と闇の剣をお持ちとは……」
などといいつつ。
リナンたちがいる少し前の建物の間の隙間より出てくる赤き影が一つ……
「くっ!遅かったか!」
「レゾ。貴様にはルルティス殿には指一本触れさせはせん!」
いいつつも、何やらいいつつ、ルルの前にと出てくる二人の男性。
「「あ、この前のミイラ」」
「やかましい!というか、今は貴様等にかまってる暇はない!」
リナンとレナンがそのうちの一人をみてそんなことをいってるいが。
即座に返事を返している、全身を包帯でくるんでいる男。
そして、もう一人はどこか武人風な男性が一人。
そんな二人の姿は…彼は目が見えないのであるからして見えていないはずなのに。
だがしかし、心の目で視ることができているその人物……
そんな二人を視とがめつつ。
「おや、ロディマスにゾルフ。あなた方までこの私に逆らおう、というのですか?
  ルルティー。今ならまだ許しましょう。そいつらから例の品物を奪って戻ってきなさい」
シャラン……
その手にした杖の先についている輪が音を奏でる。
そんなことをいっている男性…レゾをみつつ。
「??なあ?どうしてアレ。土の気配がするんだ?」
いいつつ、リナンをつついているララ。
「というか、やっと出てきたわけ…ではなさそうですね。
  土を使った傀儡で私たちを相手にするとは…
  いっときますが、アレを渡したらレゾ、あなたの体はのっとられますよ?」
とりあえず、多少猫をかぶり、そこにいる赤い衣をもとった人物…レゾにと話しかけているリナン。
本来、傀儡、という術は、相手を意のままに操る術で簡単な命令などしかこなせないのであるが。
だがしかし、それはしかし実力を伴うレゾのこと。
土を使い人形を作り出し。それに術をかけ、自分の分身として扱っていたりする。
人形の中には髪の毛一本でもいれておけば、それは意のままにと操ることは可能。
「また訳のわからないことを。私はただ、この目を開きたいだけなんですよ。
  それに。ああそう。この体は下手に私自身が赴くと、
  もし力づくで。ということになったら。私のかわいいルルティーを殺してしまいかねませんからね。
  …ですから、このように土くれに術をかけて私の代理として、私の姿で赴いているんですよ」
一目で見抜いたであろう、リナンとララに関心した声をあげつつも、
にこやかに説明している赤き衣を纏った人物…レゾ。
このレゾはレゾ本人ではなく、レゾが土で体をつくり、別のところから操っているモノ。
一般には大まかに傀儡、という術に分類される部類で。
術所の力の媒介になるものさえ入れておけば、その力の大きさによって思い通りに動かせる。
…もとも、それは、その本体。
というか術者の力の大きさによるのだが……
そういってにっこり微笑み。
「ロディマス。ゾルフ。そこにいるのでしたら。あなた方もルルティーを説得してくださいね」
そういうレゾの言葉に。
「儂が仕えているのはルルティス殿。ゆえに本人の意思を尊重する」
「同じく。」
そんなレゾに対して返事を返しているゾルフとロディマス、と呼ばれた男性。
「えっと…。とりあえず、赤法師レゾ!世間では聖人、として名高いあなたが、
  あまつさえ、魔族を使って人を襲わすなどとは言語道断!
 今からでも遅くはありません!その罪のすべてを天にと告白し、そして罪を償うべきです!」
ウィルは道すがら、リナンやララ達から大まかなことをきき大体は把握している。
…まあ、すべてではないにしろ。
びしっ!
と指を突きつけて言い放つウィルに。
「これは異なことを。私は曾孫であるルルティーを連れ戻しにきただけですよ。
  もっとも、賢者の石は力づくで奪わさせていただきますが」
にこやかにいいつつも。
一歩、足をゆっくりと前にと歩みだしているレゾ。
そんなレゾの姿をみつつ。
「ルルティス殿!お任せを!相手はただの土人形!」
「本物ならいざしらず、土人形などには負けはせん。」
いいつつ、身構え、…そして走り出すロディマスに。
何やら呪文を唱え始めているゾルフ。
そんな二人の態度に対し。
「おやおや……これはちょっとお灸が必要ですかね?」
いいつつも、何やらつぶやき始めているレゾ。

― ゾクッ。
全身に悪寒が走る。
「ルル!風の結界を!ウィルも!レナンも!ここから離れるぞ!」
叫ぶリナンに。
「戻って!ゾルフ!ロディマス!」
叫んでいるルル。
「…え?」
意味がわからずに戸惑うウィル。
「いいから早く!ララとエリーはソレラで結界の強化を!」
「了解」
「解ったわよ」
とてつもない、【力】がレゾにと集っている。
それをすばやく感じ取り、指示を出しているリナン。
そんなリナンの様子にただならぬものを感じ取り、言われたとおりにしているレナンとルルとウィル。
「はりました。」
「張ったぞ。」
「張りましたわ。…ゾルフ!ロディマス!」
だがしかし、ルルの声をまったく聞き入れず、レゾに向かっていっているロディマスの姿と。
そして、一人カオスワーズをいまだに唱えているゾルフ。
…間に合わない。
このまま風の結界をコントロールして上昇すれば、周りにいる、自分も含めて四人は助かるが。
だがしかし……
「「こら!!ゴルンノヴァ!アルテマ!あんたらも当事者の一人なんだから!これの強化プラス。
  あの二人をこの中に入れるくらいはしてもいいだろう!?
  まがりなりにも闇を撒くものダークスターの腹心と白霧の王ディスフォッグの腹心なんだから!!」」
ウィルとララが張った風の結界をコントロールしつつ、
自分たちの周りにそれを球状にと安定させつつ叫ぶリナンとレナン。
「…おいおい……」
「あのね~」
そんなリナンに思わず突っ込みをいれているララとエリー。
「「??」」
意味のわからないウィルとルルは顔を見合わせ首をかしげる。
『『…人使いが荒い……』』
何やらどこからかそんな声も聞こえるが。
「「どやかましい。使えるものを使って何が悪い?
 …それとも、あれをとめるのに、金色の王の術を使ってもいい、っていうんなら話は別だけどな。」」
『『謹んでやらさせていただきます』』
風の結界をコントロールしつつ、
ゆっくりと、四人を包み込んだまま風の結界の球体を上昇させながら、何やらいっているリナンとレナン。
そんなリナン達の言葉に、即座にそんな返事がどこからか、しているが……
「…ゴル…お前、ブライドは?」
「…アル…あなた、プライドは?」
思わずあきれてつぶやくララとエリーに。
『…あの御方の力など、とんでもないですし…』
『…というわけで、あの二人…ね?』
そんな言葉が聞こえたかと思うや刹那。
その言葉と共に。
…ルルやウィルには理解不能。
何やらレゾにと切りかかってゆくロディマスと、術を唱えているゾルフの真後ろから、
何やら黒い触手のようなものが出現し。
あっというまにソレは、二人。
すなわち、ゾルフとロディマスの体を絡めとり。
次の瞬間、二人の姿は…ララ達。
すなわち、リナンたちがいる風の結界の中にといきなり出現する。
「「「うわっ!?」」」
「えええ!?」
何やら驚く声が。
ルル、ウィル…そして、いきなり何が起こったのかできていないゾルフとロディマス。
そんな彼らの口から発せられるが。
彼らが何か次に口を開きかけたその刹那……

キュウン…
どごぉぉぉぉぉぉん!!!!!!!!

何やら風が切り裂かれるような音と…
そして……
スざましいまでの爆風と爆発音とが巻き上がる。
「「うわっ!?」」
結界を纏い、その結果イをある方法により強化していなければ、いくら風の結界を纏っている。
といっても、無事にはすまなかったであろう。

空に…巨大なきのこ雲がまきおこる……


「…っと、やはり、土くれ程度では耐えられませんでしたか…たかが、あんな術程度で……」
水晶の中…術を唱えた直後、土にと戻ってゆく自らの人形を視つつ……
「やはり、私自らが出向きます…か。いたし方ありません…ね。」
自分が出向くとルルを…
たった一人の肉親でもあるルルを殺してしまいかねないがゆえに、人形を使った。
だが…やはり、人形では自分の力に耐えられず、
たかが、ポビュラーな爆裂陣メガブランド程度で土にと戻っていった。
その言葉と同時に…
ゆら……
そのまま水晶を眺めていた赤き衣を纏い、その両目をしっかりと閉じている人物は…
そのまま、闇にと解け消えるようにと掻き消えてゆく……

水晶が映し出す風景は巨大なキノコ雲と…そして…
その舌には…何もない、大きな、大きなクレーターが映し出されているのみ……

人形であるレゾが放った術は魔道の中ではポビュラーな爆裂陣(メガラランド)。
術者を中心にドーナツ状にと土砂を噴き上げる、炸弾陣という術の強化版。
本来ならば多少の威力程度しかないのであるが…
まあ、普通でも直撃すれば怪我くらいは起こる術ではあるが。
だがしかし。
今、レゾが人形を介して放ったその術は、そんなレベルではなく……
そこには…土を元にして作られた【レゾ】を中心に、
…数キロ四方のクレーターがそこに出来上がっているのであった……

【レゾ】はその威力に耐えられず、元の土にと戻っていったので
…そこにあるのは、クレーターと化した大地と、上空にと出現している巨大なキノコ雲のみ……


                              -続く?-