まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

いやー早いことにもう6話ですね。

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If  ~もしも…~再開?合流~

どうやら待ち構えていたようですね」
ララとエリー曰く、この廃墟と化した町にリナンたちともう一人は向かっているらしいる
どうしてそんなことがわかるのかは皆目ルルにはわからないが。
だからといって、じっと一箇所にとどまっていてもそれこそレゾの思う壺。
「でもどうして私たちのいく道、いく道に先に追ってがきているのでしょう?」
いまだに猫をかぶった口調で首をかしげるララに。
「それは…私がいますからね」
「「…は?」」
思わず間の抜けた声できょんとする。
ここにくるまでに絶えず、刺客などが襲ってきているこの事実。
それゆえに、普通、急げばそんなにかからない距離なのに、二日以上もかかっていたりする。
「私のこの体は曽祖父であるレゾが変えたもの。いってみれば目印が移動しているようなものですわ」
「…つ~かそういえう重要なことは早く言えよな……」
「…は?」
思わず地がでてつぶやくララであるが。
何か知っている口調とは違う声が聞こえ、思わず目を丸くするルル。
「というか、そういうことはもっと早くいってくれていれば…対策はあったのに……」
あわてて、言い直すようにして思わずつぶやくようにいっているララと。
「そうよね~」
それに賛同するように言うエリー。
「???」
意味がわからずに首をかしげるルル。
「…ということらしいから。アル。ルルさんに例のアレ、かけてくれる?」
いいつつも、剣をもち、何やらまるで剣にと話しかけているエリー。
そんなエリーの様子をみて。
「??あの??」
ただただ、意味がわからずに首をかしげるルルであるが。
『…いいの?』
「…え!?…え!?…う!?」
どこからか聞きなれない声がしてくる。
その声に驚いて周りをきょろきょろと見渡すルル。
「その方がてっとり早いし。」
『…了解』
ヴ…ン。
「???え?あの?」
何か一瞬、何かわからないが空気が震えたような気がするのは気のせいなのか。
「よし…っと。これでよし。後はこいつらを片付けたらおしまい…っと。」
「……え?…え?え??」
感じるのは自分の周りに何やら特殊な魔力の波動。
目には見えないが、…確かに感じる。
ただひたすらに何が起こったのかわからずにとまどうルルに。
「……ようやくみつけたぜ」
…ざざっ。
辺りの廃墟と化した建物より、数十人もの人影などが躍り出てくる。
何にはゴースト、などといった姿も見え…
そして……
なぜか顔半分がのっぺりとした男性の姿も具間みえる。


…ララとエリーとルルが廃墟の町にと入った少し前。
こちらはこちらで。
「待ち伏せなんて卑怯です!さあ、あなたたち、今ここで悪事を改め改心なさい!」
町の東側にとあたる町の出入り口。
そこから町の中にと入ったリナンとレナンとウィルのは、そのまま待ち伏せをしていたモノたちにと取り囲まれる。
「…何だ、ルルティスさんではないのか。
  …まあいい。あんたらのうち、一人がアレをもっているんだろ?」
てっきり、やってきたのはルルたちだと思いけしかけたものの、
出てみればやってきたのはリナンとレナンとウィル。
「…な!?ワンちゃんまで悪事にそまってるんですか!?」
「誰が犬だ!誰が!!」
ロングソードを抜きはなち、ゆっくりと前にとでてくる獣人ディルギアを前にしてそんなことをいっているウィル。
「ああ、何てこと。こんないたいけなワンちゃんにまで悪事の道に誘い込んでいるとは。
  やはりここはこの私の説得で赤法師レゾを正義の道にと戻してみせます!」
「だからぁ!誰が犬だ!ダレが!!」
ウィルの言葉にわめくディルギアを前に。
「「だって犬だし」」
ぽつりとトドメをさしているリナンとレナン。

そんな彼らが言い合いをしているそんな中。
少し遅れてララとルルとエリーもこの町にとやってくる。
「先手必勝!炸弾陣ディル・ブランド!!」
どごがぁぁん!!
すでに前もって魔力アップの言葉を唱えていたがゆえに、
通常の数倍の威力に及ぶ術が問答無用で炸裂する。
といっても、リナンがもっている魔力増幅アイテムは
その威力の幅を自在に変化させることが可能なのであるが。
「な゛!??」
ウィルに気をとられていたディルギアは…情け内ことに、そのままその術にと飲み込まれ…
何やら空高くにと舞い飛んでゆく姿がそこにあったりするのだが…

ドゴガァァン!!
黙々と町の東側より立ち上がる煙と。
そして、聞こえてくる音。
「何?!」
思わずそちらを向くルルに。
「どうやらリナンたちのようだな…」
いつの間にやらついつい地がでている口調になっているララ。
だがしかし、ルルはそれにはまだ気づいていない。
「とにかく、先を急ぐとしますか…」
ぽつりとつぶやき。
そして、すらりと剣を抜き放ち。
「…さて?誰から相手になりますか?」
「…それとも、こっちで道を切り開きましょうか?」
…ぞくっ。
にこやかに笑みを浮かべて剣を片手にし構え、そんなことをいっているララとエリーの姿に。
その場にいた、バーサーカーなど、他の存在たちは本能的に寒気を感じ。
そのまま萎縮し固まっていたりする。
本能が告げている。
――危険だ…と。
「仕掛けてこないなら」
「こちらから…」
「「いきますよ」」
そういうが早いか、彼らの視界からララとエリーの姿が掻き消える。
いや、掻き消えたようにと見える。
次の瞬間。
金の閃光と銀の閃光がすっとバーサーカーなどといった輩の間をぬったかと思うと。
バタタタ!
ドサッ!!
アットいうまにそれらは切り裂かれ、地面にと倒れ付してゆく。
「…いやあの…ララとエリーって……」
思わずつぶやくルル。
やがて一時もしないうちにそこに立っているのは、
累々と横たわる死体や不めく物体の上に、にこやかにただ二人立ち尽くしているララとエリーの姿。
「…あ…」
ルルがそんなララとエリーにと声をかけようとしたその刹那。
「どうやらそっちも終わったみたいだな。」
何やら走ってくる人影が三つ。
…その背後に何か気のせいか、闇が追いかけてきているようにも見えなくはないが……
「ララさん!エリ-さん!無事でしたか!…って、ララさん?エリーさん?この人誰です??」
累々とそこに横たわっている物体などは気にはなるが、そこにたっているララとエリーにと話しかけているウィル。
リナンが先手必勝、とばかりに術を幾度かぶちかまし。
そして、ララたちがいるであろう方向に向かった結果、合流しているリナンとララ達。
「やっぱララとエリーはルルと一緒だったか。
  …あ、モノは相談だけど、ララ。エリー。二人の剣でアレ斬ってくれるか?」
いいつつも、自分たちの後ろから追いかけるようにしてきている黒い物体を指差すリナン。
「…吹き飛ばしておいて、開口一番がそれ?…というか、何そっちも魔族なんてつれてきてるの!?」
思わずあっけにとられつつもそれをみて何やらいっているエリー。
その反応はもっともで。
ウィルとリナンとレナンの後からやってきているのは手が四本。
そしてまるでぼろ布のような黒いマントのようなものを羽織り、…目が三個に鼻はなく。
口が気持ち程度についていて、なぜかゆらゆらと揺れるあごひげのようなものを生やしているモノ。
「…いや、待ちうけされてて。
  いきりなドラスレでも唱えようかとも思ったけど、それだとこの辺りはクレーターと化すし」
さらっ。
そんなエリーの言葉にさらり、と言い放つ。
そんなレナンに対し。
「…ちっ。もう一人…レゾが使っている魔族…ゾロムですわね…
  こちらにはヴィゼアがいる…というのに…」
いまだに、自分たちの前にはじめに現れたソレはまだ仕掛けてはこない。
こないが…またやっかいな存在が増えたことは明らか。
リナンたちの出現に驚きはしたものの、だがしかし、さすがはルル、といったところか。
すぐさまに臨戦体制を整え、隙なく構えていたりする。
そんなルルに対して。
「で?あなたはどなたです?私はウィリアム=ウル=ティス=セイルーンです。
  どうやら敵ではなさそうですね。よろしくおねがいします!」
にっこりいってルルにと手を差し出しているウィル。
自分の合成獣キメラである姿をみても臆することも、
また怯えることもなく、にっこりと笑って手を差し出してくる。
そんなウィルに。
「あ…あの?あなた私のこの姿が怖くないんですか?というか何とも思いませんの?」
そんなウィルの態度にかなら驚いているルル。
「何がですか?怖いってどうしてです?あなたはそんなに綺麗じゃないですか?」
きょん、として何でもないように言い放つウィル。
「それに、いい人か悪い人かは目を見ればわかります。あなたの目は澄んでます。
  …で?あなたの名前は何ですか?」
手を差し出したまま、再度、問いかけるウィルに。
「あ、私、ルルティス。ルルティス=ゼス=グレイワーズといいます。
  よろしくお願いします。…えっと…ウィリアム…さん?」
ルルの目からみたウィルは見た目、13・4歳といったところであろうか。
事実、ウィルは14歳なのであるが。
「ウィル。と呼んでください。ルルティスさんですか。ならルルさん、とおよびしていいですか?」
「…え…ええ…」
まったく臆することもなく、動じることもなくにこやかに手を差し出しているウィルに戸惑いつつも、
その手を握り返して挨拶しているルル。
…普通、彼女にとっての常識は、自分の姿をみたらあからさまに怖がる…
といったようなことが今までの人々の常識だったがゆえに……

ルルとウィルがそんな会話をしている中。

「ようやく見つけましたよ。ルルティス殿。さあ、レゾ様がお待ちです。
  あの方はあなたに戻ってほしい、と切に願われてますよ?
  レゾ様にはむかうなど…と、バカなことはやめて。おとなしく戻ったほうが身のためですよ?
  あなたをたぶらかす原因となったそこの人間達はあっさりと消してさしあげましょう」
いいつつ、まるで根っこのような手をしゅるしゅるとリナン達のほうにと向けてくる布きれのようなその何か。
ちなみにいつのまにやら、
もう一人いたはずの、顔半分がのっぺりとした男性のような輩の姿は掻き消えているのだが。
そのことに、まだルルは気づいていない。
「ふん。あんたみたいな雑魚にやられるもんか。…で?ララ?エリー?それ使わないんだったら、
  暁炎球トワイ・ボールか、または魔滅矢デモン・アロー、いくけど?…どうする?」
「それか神滅矢ラグナ・アロー
横にいるララとエリーにと問いかけているリナンとレナン。
『…マスター…あの御方の力やスィーフィードの力や神魔王の力はちょっと…』
『…エリー…私も…あの御方の力やスィーフィードの力や神魔王の力はちょっと勘弁…』
何やら怯えたような声がララのもっている剣とエリーの持っている剣よりしてくるが…
「んじゃ、軽く斬るか?」
『そ~ですね』
何ともあっさりとした会話をしているララと【剣】。
「さっさと斬る?」
『そ~ね~』
こちらも軽い会話をしているエリーと【剣】。
そして。
「「それじゃ、リナン、レナン、援護よろしく」」
それだけ言い放ち、
ララとエリーは次の瞬間。
攻撃を仕掛けているソレに向かって駆け出してゆく。
「ば…馬鹿!相手はゾロム!くさっても魔族ですわよ!!」
そんなララの姿を見て、驚きにもにたルルの叫びが投げかけられる。
「…ほう、自ら死に急ぐか…」
何も知らない…魔族ゾロムの馬鹿にした嘲笑と共に。
「少し遊んでやろう…」
その声と共に。
ゴガッ!!

辺りにレッサーデーモンの群れが出現してゆく…


                              -続く?-

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あとがきもどき:
龍:ゾロム。異世界とはいえ同族の気配くらい解れよ。