まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

今回はエリー&ララ誘拐編 それと途中から三人称が混ざります。

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If  ~もしも…~油断大敵、新たな味方?

「そういえば、何か空気がおかしくありませんか?」
さすがに育ちがいいためか、丁寧な言葉遣いのこのウィル君。
村にと入った私達は、やはり…というか案の定。
ちょっとした不穏な空気を感じ取る。
「さすが…というか。めぼしい場所の人々などはすべて操ってるみたいだな…」
「そこまでしてアレを手にいれたとしても、
  ゴルがいってたけど目覚めるきっかけにしかならないんだろ?」
自分たちを取り巻く村人をみつつそんな会話をしているリナンとララちゃん。
「というか!?リナンさん!?ララさん!?レナンさん!?エリーさん!?
  これは一体どういうことなんですか?!何かこの人たち目がうつろなんですけど……」
操られているがゆえに、目がかなり虚ろにとなっている村人たち。
そんなウィル君。の言葉に。
「どうもこうも。力づくで私達がもってる、とある品物を奪って手にいれようとしている人が、
  このように村人を操るようなことをしてるんだけど?」
一応かいつまんで言っておく私。
「そういうこと。ここはとりあえず…」
さすがに罪もない村人を相手にするわけにはいかない。
それゆえに。
明かりライティング!!」
パッ!!
リナンの言葉に従い、辺りにまぶしいほどの光が満ち溢れる。
「逃げるぞ!」
リナンが何かしでかしそうだ、と勘で目をつぶった私とレナンとララちゃん。
そして、あまりのまぶしさに目を瞑っているウィル君。
そんなウィル君の手を引いて、
村人たちの合間を縫って、そのまま村人たちの包囲網をかいくぐってゆく。
そのまま、私達五人は再び森の中にとその身を投じてゆく。

「で!?どういうことなのか説明してください!」
息を切らしつつ言ってくるウィル君。
「やっぱまだアイツあきらめてないなぁ」
しみじみつぶやくリナンに。
「…じゃあまだ当分野宿か?いい加減に宿とかで泊まりたいな……」
「そうね。いい加減にお風呂入りたいし……」
「それにまともなご飯も食べたいな……」
そんなウィル君の言葉とは対照的に、しみじみと話している私とレナンとリナンとララちゃん。
「リナンさん!レナンさん!エリーさん!ララさん!どういうことなのかちゃんと詳しく話してください!!」

そんな森の中に、ウィル君の叫びが響き渡ってゆく。

「……つまり、相手が狙っているのはコレ。この中に入っていた【石】」
そういい。
ぽいっ。
いいつつも、道具袋の中からそれを取り出し、ウィル君に手渡す。
「女神像…?それもオリハルコン製ですか?」
手渡された女神像をみてつぶやくウィル君に。
「その中にとある品…ぶっちゃけていえば、あの有名な【賢者の石】がはいってたんだけど。
  それを狙って仕掛けてきてるわけ。
  ついでにいえば相手に裏にいるのは世界で聖者ともてはやされてたりする、
  あの、【赤法師レゾ】。何としても賢者の石がほしいらしくて、魔族で仕掛けてくるわ。
  さっきみたいに、村人を操って私たちを襲うわ。
 挙句はバーサーカーとかトロルとか使って仕掛けてくるわ…
  …で、私たちは仕方なく寝床を得るのと、
  世の中の掃除のために毎晩のように盗賊退治をしている…というわけなんだが」
「ええ!?この中にあの賢者の石が!?それに!?黒幕にいるのがあの赤法師レゾ!?そんな!?」
リナンに説明をうけ、何やら絶句しているウィル君だが。
まあ、世間の噂からしたら、よもやまさかあのレゾがそのようなことをしている。
…とは通常では思えないけど。
が、しかし、事実は事実。
「…というか、驚いている暇はなさそうだぞ?」
「みたいね」
「「だな」」
森の中の闇がよりいっそう濃い部分をみて、そんなことをいうララちゃんと私とレナンとリナンの言葉。
それと同時に。
がさり。
茂みを掻き分ける音と…そして……
「…ほう。よくわかったな」
くぐもった声と。
「てこずらせてくれたな。ようやく見つけたぜ。」
いいつつ出てくる大きな犬もどき。
「「「「「犬?」」」」」
思わず、私達の声が重なるが…
「犬じゃねぇえ!獣人ワーウルフだ!!」
などと叫んでいる、どうみても、二足で立っている犬にしか見えないそれ。
そして…
「…あれって……」
それをみて何やらつぶやいているウィル君。
そんな犬の頭上にぷかぶかとういている…どうみても、人あらざるモノの姿が。
それに伴い、さらには気配が数個、影の中にと発生する。
「あなたたち!?こんなモノの力を借りてか弱き人を襲うなど言語道断!!
  今すぐにその過ちを悔い改めなさい!」
そんなそれらに向かってぴしっと指をつきつけ、何やら言い始めているウィル君に。
「…何やら元気のいい男の子が加わってるが…わが主のため、不本意ではあるが…参る!」
などといいつつ、何やら年恰好的にどこかの武人らしき人物が言い放ち。
その手にしたバトルアックスを構えていたりする。
「「バカ!こいつらには何をいってもムダだ!先手必勝!竜破斬ドラグスレイブ!!!」」
「「げっ!!!!!?」」
「「ちょっと!?リナン!?レナン!?」」
ドゴガァァァァァァァン!!!
バトルアックスをもった男性にと攻撃を仕掛けられ、それをおしとどめていたララちゃんと私。
そんな私達よりもれる驚愕の声と、その場にいた襲撃者たちの驚きの声。
そんな私達の声が同時に重なると同時。
かなり威力の抑えられている爆発がその場にと巻き起こる…

「「よし!」」
ぷすぷす……
一人、こぶしを握るリナンとレナンに。
「ああ!?リナンさん!?レナンさん!?ララさんとエリーさんがいません!」
…見れば、そこにはにぜかこげている包帯男と。
そして香ばしいにおいをあげている犬もどきのみ。
その外の姿は見当たらず、ちょっとしたクレーター化へと地面が化していたりする。
「…もしかして、今一緒に吹き飛ばした?」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
ふと、衝撃で吹き飛ばされた可能性にと気づき、思わず顔を見渡すリナンとレナンとウィル。
そして……
「どうするんですかぁぁ~!?リナンさん!?レナンさん!?ララさぁぁん!エリーさぁぁん!」
「…ま、こういうこともある。うん」
「だな」
一人騒ぐウィルに二人しみじみと何やら言いながら腕を組んでいるリナンとレナンの姿が、
しばし見受けられてゆくのであった……


「…たた……」
まったく…いきなりあんな術をしかけてくるとは…
とっさに防御をとったので、被害はない。
といっても、かなりの衝撃と爆風で、飛ばされたりはしたものの。
こういうときは、この忌々しい体は何かと役に立つ。
傷の一つすらも負ってはいない。
ふと起き上がると近くに倒れている金髪の女性と銀髪の女性…そして自らの配下の一人の姿が目に入る。
あとの二人と…あの『魔』の姿が見えないが…
だが今は。
「おきなさい。ロディマス。」
治療リカバディをかけ、男性を回復させる。
「う…はっ!?ルルティス殿!?儂は!?」
頭をふりかぶりつつ起き上がる…ロディマス、と呼ばれた男性。
「とりあえず、レイのものを奪った人とその仲間がそこに倒れてますから。
  例の仮のアジトにつれていきますわよ。話はそこで。」
「…はっ!わかりました!」
いいつつ、気を失っているララとエリーを抱きかかえ…
ルルティスと共にその場を後にしてゆく彼らの姿が……

「どうするんですか!?リナンさん!?レナンさん!?きっとララさんとエリーさん、敵につかまったんですよ!?」
辺り一帯を探しても、ララとエリーの姿は見当たらない。
本来ならばすぐさまによけれる運動能力をもっているであろうに、一緒くたに吹き飛ばされたのは。
一重に、ララとエリーがあの日であったが為なのか……
そういや、姉ちゃんも、あの日の2~3日目はものすっごく機嫌悪いしな…
そんなことを思いつつ。
腕を組みつぶやくリナンとレナン。
「「まあまあ」」
とりあえず、どこにいったのか。
すでにララとエリーを探している間に倒れていた犬もどき達も姿を消している。
「大丈夫だって。ララ達の持ってる剣は特殊な剣だから。アストラル・探査ですぐに見つかるし」
にっとそんなうろたえているウィルにと答えるリナン。
…確かに特殊すぎるということにおいては間違いはない…
…何しろ異界の魔族なのだから……


「まいったな…」
「そうね」
いくらあまりにお腹が痛かったとはいえ、捕らわれてしまった、というのは不覚でしかない。
いつもなら、アルテマに助けられていたけど、
どうやら吹き飛ばされ、地面に落ちたときに手を離してしまったらしい。
あまり自らが魔であることを知らしめるのを好まない彼女は。
人の手などにある敵…特に自らを知らないものなどが手にしたときは、その力を発揮しない。
…もっとも、私が危険、と判断したときには話しは別だけど……
たぶんそれはゴルンノヴァにも言えることだと思うけど。
「アルは別の部屋…かな…」
「ゴルもそうだろうな」
どうやら私達が閉じ込められているのはどこかの建物の一室。
ご丁寧に出入り口である扉以外に手を触れるとかなりの量の電撃が襲ってくる。
鉄格子の窓を手剣で斬ろうにも、特殊な結界が張っているらしく、それもままらなない。
「…さすが…というべきか……」
「そうね」
思わず苦笑する私とララちゃん。
いまだにゴルンノヴァとアルテマが自ら戻ってこない、ということは、剣がある部屋に誰かがいる、ということ。
見れば、服も鎧やマント一式などといった武具は取り除かれ、簡単な衣服のみとなっている。
もっとも、あんな大きな像をもっていたら、一目瞭然であることから、装備品を取り除いた後には、
暴れたときなどの対策、といったためだと思うけど。
「とりあえず…行動するなら…夜…それも深夜にしましょう。」
「そうだな。」
とりあえず逃げる相談をする私達
唯一の扉には呪力はかかっていない。
部屋にある紙を一線させた衝撃派でその扉を破ることは可能だし。
問題は、音がでてしまう、という欠点のみ。
「そうと決まったらそれまで仮眠でもしてましょう。」
「賛成」
少し仮眠に入る。私達。

カチャ…
少し仮眠していた私の耳にと扉が開く音が聞こえてくる。
となりを見るとララちゃんにも聞こえたみたい。
「「誰?」」
すかさず身構える私達のめに映ったのは…
「「……ルル(さん)?」」
なぜかその手に私達の荷物を持っているルルさんの姿が。
「あなた達の剣と荷物です。」
どさっ。
いいつつも、荷物を私達の前にと置くルルさんに。
「?逃がしてくれるの…ですか?」
とりあえず、猫をかぶっって問いかけるララちゃんに。
「こちらにも理由があります。…さ、早く。彼が戻ってこないうちに」
本気で私達を逃がそうとしている、というのは私にも感じ取れる。
「「とりあえずお礼はいっておきます」」
いいつつ、その身に防具や武器を身につけてゆく私とララちゃん。


一方。
「リナンさぁん!レナンさぁん!いい加減に……」
「何いってる!?腹が減っては戦はできぬ!ということで!おばちゃ~ん!追加お願い!」
「こっちも追加お願い!」
「はいよ!!」
…ララとエリーを助けに行く以前に、腹ごしらえ、ということで…もくもくと食事をするリナンとレナンの姿と。
やきもきしながらも、リナンとレナンに付き合うウィルの姿が……

ララとエリーが捕らわれている最中…見受けられていたりするのであった………


                -続く?-

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あとがきもどき:
  龍:やっぱり。こんな時は三人称に統一すべきかな?
エリー:えー、私の台詞少なくなるから、やだ。
  龍:あのな
エリー:今回は、私がいない所は三人称でいる所は一人称だもんね。
  龍:いや違うぞ。お前がいる所でもお前が気絶してる所は三人称だ。
エリー:あ。そうだった。
  龍:まあ。何はともあれそれじゃ
  龍&エリー:また次回で