まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

今回ゼルガディス女性版登場 では行きましょう。

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 If  ~もしも…~やっかいごとは向こうから?

「しっかし…あんたもやるな」
その小柄な体で、しかも、世間一般、美少女の定番。
金髪碧眼。
その瞳ですこし上目遣いに見られ話しかけられた日には、
まず男性に限らず女性でも誰でもおちると思うけど。
もっとも私達も言い寄ってくる奴を利用して、多少旅を楽にはしているが……
「結構便利だし。勝手にオマケとかくれるしな。」
…そのかわいい顔で男言葉はやめたほうがいいような気もするけど…
「それはそうと?三人とも?本気でオレについてくる気なのか?」
ずずっ。
部屋に持ち込んでいる紅茶をのみつつ聞いてくるそんな彼女…ララちゃんの言葉に。
「ゴルンノヴァがいる。とわかった以上。ほっとけないしな…
  姉ちゃんにもみつけたら、元の世界に戻るように説得するか。
  またはどうにかするように…といわれてるし」
「まさか、それが光の剣だとは思わなかったけど」
などといっているリナンとレナン。
二人とも栗色の髪に紅い瞳の…ぱっと見た目は女の子。
…なのであるが、実際は男の子。
その声もあまり低くなく、普通であることからよく女の子に間違われている彼。
結構気にはしているのであるが、それを利用して食事代や宿代を安くあげてたり……と、
かなりのちゃっかりもの達。
「私は、二人についてかないと兄ちゃんとこの二人のお姉さんに怒られるしさ」
私はというと銀色の髪に紫色の瞳の長髪とかなりの美女だけど。
「でもオレ、こんなのでもないと生活できないぞ?一応オレ剣士で、これ剣だし」
『……マスター…こんなのって…』
しくしくしく……
何やらララちゃんの横においてある剣からそんな声と泣き声がもれていたりもするが。
そして。
『…それはそうと、彼らどうするんです?またきますよ?』

私達が出会い…そして宿と夕食を。
ということで、夕食を食べているときに襲ってきたとある輩。
もっとも、リナンがその手に光の球を出現させると、すぐさまにその場はそれらは退いたのであるが…
「…お~かた、あの例の石が目当てだろ~し」
いともあっさり言い放ち。
「だなぁ~。もうすぐ扉の外にきてるしな」
「みたいね~」
「「…というのは早くいぇぇぇぇぇ!」」
何ともあっさりと言い放つララちゃんと私、に対して叫ぶリナンとレナン。
…と。
トントントン。
その言葉を肯定するかのようにと、部屋の扉がノックされる。

今日の昼間。
私達四人…いや、私とララちゃんの剣を合わせると六人?かな?
ちょっとした状況説明をかね、それから宿をとるためにとここにやってきている私達。

その扉がノックされる少し前から即座に剣をつかんでいる私とララちゃんに。
いつでも反撃ができるようにと体制を整えているリナンとレナン。
「誰だ?」
扉の外から感じる気配は一つ。
だがしかし、空気の流れ具合なのどによる気配からいえば、二人いるのは明白。
そんなリナンの問いかけに。
「…取引がしたい。あなたたちが昨夜手に入れたものについて…」
どこか落ち着いたちょっとしたトーンの高さの声が扉の外より聞こえてくる。
「こんな夜に?あからさまに怪しい、とものがたっているんじゃないんですか?」
声の感じからして相手の性別はわかるものの、一応警戒するのに越したことはない。
「確かに。私は怪しいでしょうけど…ご心配なく。
  今のところはそちらに危害を加えるつもりはありませんから……
  ただ、とある品物をそちらの品物で売ってほしいのです」
扉の向こうよりしてくるそんな声に。
ちらり。
と私とララちゃんの方をみるリナンとレナン。
そんな二人に。
こくり。
とうなづき。
「もし何かいたしましたら即座に攻撃いたしますわよ?」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
いきなり口調を変えているララちゃんに思わず無言になる私達三人。
「わかりました」
扉の外より聞こえてくる声。
「なら、どうぞ?」

そんなララちゃんの言葉に伴い…ゆっくりと部屋の扉が開かれてゆく……

ギィ……
扉より入ってくるのは、真っ白いローブにその顔まで白い布を覆った一人と。
…そして、なぜか全身に包帯を巻きつけている人物。
少し前に、一階の食堂にて私たちにいきなり喧嘩をふっかけてきた人物が一人…
「あら?そちらのミイラさんお知り合いでしたの?」
にこやかに笑いつつもその手はしっかりと剣の柄にと手をかけて、そんなことをいっているララちゃん。
「ミイラとは何だ!元はといえば…!」
「ゾルフ!失礼いたしました。
  このモノはゾルフと申しましてるどうも先走るクセがあるのでお許しください」
いいつつも、扉から少し入った位置にて立ち止まるその白尽くめの人物。
そういいつつ、はらり、とその顔と頭を覆っていた布を取り去ってゆく。
「――ほぅ」
「「「――へぇ」」」
思わずそんな声が私達の口からもれ出たりもするが。
白い肌に…そしてなぜか肌と岩とが入り混じり、
だがそれでもその整った顔立ちと色の白さは疑いようがない。
「…美人なのに合成獣キメラ?」
思わずつぶやくリナンの言葉に。
「それが…曽祖父にこのような姿にさせられてしまいまして…
  ……見てのとおり、私は邪妖精ブロウデーモン岩人形ロックゴーレム合成獣キメラのです。
  あからさまに怪しい姿だとは自分でも自覚していますが、
  今はあなた方に危害を加えるつもりはありませんので」
淡々と言い放つそんな合成物の女性の言葉に。
「それで?用件とは?」
いつでも剣を抜ける体制で問いかけるララちゃんの言葉に。
「たいしたことではありませんわ。
  …ただ、先日、そちらの金髪の女性の方が盗賊の本拠から奪った品物。
  それをすべて売ってほしいのです。もちろん、そちらの言い値でかまいませんわ」
淡々というそんな女性の言葉に。
「名前も名乗らずにいきなり、『品物をうってくれ』はないんじゃないですか?」
至極当然なリナンの言葉に多少苦笑し。
「それもそうですわね。私はルルティス=ゼス=グレイワーズと申します。
  こちらは私の部下にあたりますゾルフと申します」
そんなルル、と名乗った女性の言葉に。
「「「「…ルル?」」」」
思わず同時に言葉を発する私達。
「ええ、その呼び方でかまいませんわ」
そんな二人に答えるルルさん。
「私はリナンです。でこっちが弟のレナン。であっちのふたりがエリーとララ」
猫をかぶりつつもファーストネームだけ説明するリナン。
「で?品物を売ってほしい…ということですが?」
腰に手をあて、問いかけるリナンの言葉に。
「ええ、実は。私どもはそれをずっと探しておりまして…
  そしてあの盗賊団がもっている。というのを突き止めまして。折をみて奪う予定のところで…」
「…ララがでてきた…っと…」
つぶやくリナンに。
「そのとおりですわ。」
答えるルルさん。
ということは、ララちゃんがあれをやらなかったらターゲットは私達だったわけか…
「それで、わざわざ交渉にこうして品物を売ってもらいにきた…っと」
いともあっさりと納得するそんなリナンの言葉に多少驚きつつ。
「…普通、自分でいうのも何ですが、こんなあからさまに怪しい合成物人間のいうことを真に受けます?
  普通なら、商談どころか部屋にも入れないと思いますが……」
多少びっくりしたがゆえに、目を見開いていってくるそんなルルさんの言葉に。
「…別に怪しくないとおもいますが?」
「怪しくないですけど?」
「怪しくないとおもうけど?」
「別に怪しくないし」
口々に言う私達
それに他人。
つまり第三者の前ではかなり猫をかぶっているこの三人。
リナンとレナンとララちゃん。
「で?どうするんですの?あの石を使って元の体に戻りたいのですの?
  でも見たところ、アレ程度の魔力増幅では元の体に戻るのは不可能そうですが……」
「ば…バカ!ララ!」
さらり。
と言い放つララちゃんに対し、叫ぶレナン。
「あのねぇ!ララ!こういう交渉ごとでは!
  相手の品物がわからないフリをして、数億倍の値段を吹っかけるのが常識だろう!?」
思わずララちゃんの服をつかんで叫ぶリナンに。
「…え?そうなの?」
きょとんとした声を上げるララちゃん。
そして…
「「…いや、数億倍…って…」」
思わずリナンの言葉に突っ込みを入れているルルさんとゾルフ。
そして、あからさまに動揺しつつ。
「あ?あの?こちらは品物をいってません…が?」
戸惑いの声を上げるルルさんに対し。
はぁ…
ため息を一つつき。
「…ララが暴露したし…でも、あれで間違いはないのでしょう?
  他には人斬りの呪がかかっている短剣に、古代の国の金貨。
  後はオリハルコン製の女神像に、その中にと入っているとある石。
  女神像だけだと一億くらいだけど、石を含めてだったら…100ケイくらいかな?」
…ケイ、とは兆の単位の次の値…
「「…………………………」」
しばらくそんなリナンの言葉に無言になるルルさんとゾルフ。
「あのね~リナン。ケイはあんまりじゃない?」
無駄とは思うけど一応注意して置く私。
「…ケイ…って、あのな!?」
ふと我にと戻り何やら言いかけるゾルフに。
「…品物がバレているんでしたら仕方がありませんね。ゾルフ、あなたは黙りなさい。
  そこまでは出すことは無理ですが、百万くらいではどうでしょうか?」
片手でゾルフを静止しつつ、いってくるそんなルルさんの言葉に。
「「却下」」
あっさりと否定しているリナンとレナン。
「ルルティス殿!こんな男とも女ともわからないやつらのいうことなんか聞くことはありません!」
…ぶちっ。
「「誰が男女だってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~?!」」
「…あ゛」
『…あ』
「…あ~あ」
『…あ~あ』
ララちゃんと私と…そしてゴルンノヴァとアルテマの声が重なる。
明かりライティング火炎球ファイアー・ボールとの区別もできない三流以下の魔道士にいわれる筋合いはない!」
言い放ち、二人して何やらつぶき始めるリナンとレナンだし。
「何!?あれは明かりライティングだったのか!?」
そんな中。
「…ゴル…結界できるか?…あれって…」
ぼそり、とつぶやくララちゃんに。
『…ですね。了解』
ゴルンノヴァが張るならアルテマに頼る必要ないかな。
でも一様頼んでおこう。
「アル。一様結界張っといて。絶対あの呪文は…ドラ・スレだと思うから」
『みたいね。解ったわ』

ヴッン…
「…!?こ…これ…は!?」
部屋の雰囲気が変わったことに気づいて驚きの声を上げているルルさん。
その間にも。
「「…我と汝がちからもて、等しく滅びを与えんことを…」」
何やらつぶやいているリナンとレナンの詠唱が終わりを迎えていたりする。
そして、そんなリナンとレナンのつぶやいている力ある言葉の意味を悟り、目を見開き。
「…そ…それは!?」
即座にその場から飛びのいてゆくルルさん。
それと同時に。
「「竜破斬ドラグイスレイブ!!!」」
ドッゴォォォォォォォン!!!!!
辺り一体にリナンとレナンの放った術の衝撃音が響き渡り…
「…な゛!?」
よけ損ねたゾルフがどこかにそのまま巻き込まれて飛ばされていっていたりするのだが…
まあ、これをよけるのは普通に考えたらまず無理な術ではあるのだが……

「リナン~。部屋でそれはやめたほうがいいと思いますわね。
  今はゴルが結界を張りましたから問題はないですが」
ルルさんの目があることからまだ猫をかぶった口調でいってくるそんなララちゃんと。
「レナン!部屋でドラ・スレは止めなさい。今はアルテマとゴルンノヴァが結界張ったから良いけど」
とりあえず、注意した私に対して。
「「ふっ!人を男女呼ばわりするあいつがわるいに決まってる!…とりあえず礼はいっとく」」
そんなことをいっているリナンとレナン。

術が炸裂したのにもかかわらず、
だがしかし、
その次の瞬間には元通りの…何事もなかったかのような先ほどまでいた部屋がそこにあるのみ。

「…え…えっと…とりあえず、売る気はない…ということでいいのかしら?」
戸惑いつつも確認してくる。ルルさん。
「「そういうこと」」
「「…ま、いっか」」
あっさりと言い切るリナンとレナンに、それで済ませている私とララちゃん。
「…仕方ありませんわね。とりあえず今日のところは約束ですので引き上げさせてもらいます。
  ですが、明日の朝…あなた方がこの宿から出たその瞬間からこちらも本気でいかせていただきます」
いいつつも、ゾルフをその肩にと抱えつつ、部屋を後にしてゆくルルさんの姿が……

やがて、部屋を出てゆく彼女たちを見送ってしばらく後。
「…なあ?別に売ってもよかったんじゃないか?」
すでに私達の前では猫をかぶることをやめているララちゃんの言葉に。
「何いってるんだ?ララ、品物は私達にくれるっていったじゃないか。
  ということは、アレは私達のもの。
  ンナ何か裏が完全にあります、とあからさまにいっているようなモノに渡したら。
  それこそ姉ちゃんのお仕置きうけるし!!」
いいつつもこぶしを握り締めるリナン。
「そのとおり!!」
こちらも同じくこぶしを握り締めているレナン。
「そうね。私も兄ちゃんとルナさんのお仕置き怖いし!!」
怯えるように言う私。
「…オレ、あげるなんていってないと思うんだが……」
と言っているララちゃん。
『…そういえば、このリナン殿とレナン殿の姉って…あの赤の竜神騎士スィーフィード・ナイトとかいってましたね……』
『お兄さんもさ人間じゃない位のでたらめな強さだしね。エリー』
そんなゴルンノヴァとアルテマの言葉に対して。
「「「思い出させないで~」」」
と思わず叫ぶ私達三人。
しばし、ルルさんたちがいなくなった部屋の中でそんな四人と二つの会話がしばし繰り広げられてゆく…

賢者の石。
それは一説によれば強力無比な魔力増幅器。
私も極血玉ティク・ブラッドて言う魔力増幅器持っているけど。
厄介ごとにあからさまに巻き込まれていたりする私達であるが…
…それはそれである……

                    -続く?-

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あとがき:

龍:いやーこの回あまり薫様の話と大差ありません。(まて
エリー:何かんがえてるのよあんたは。それにあんた打ち込みしながらテレビ見てるでしょ。
龍:それはともかく次回ついにアメリアの男性版の登場です。こうご期待。
エリー:無視するなー。こうなったら、エイ。
龍:ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁ。
エリー:ふっ、あっけない。何処かいちゃった龍は、ほっといてそれじゃねー。(
そのまま立ち去るエリー。あとには何か横たわる物体が)