まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

か~なり間があきました打ち込みです。
いや、前半部分はとっとと打ち込みしてたんですけどね。
気分が鬱々展開になるところでぱたっと・・・
そのパターンが私の小説では多いのがたまに傷(自覚あり
今のところエル様視点とかは気分的にむりそうなのであえてこっちをば。
・・・・実感ないけど、まだはやすぎたよ・・・・
・・・人がまたまたやめていつやすめるかわかんないことになってしまったけど、
絶対に近いうちにご焼香にはいきたい今日この頃・・・・・・

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そこはほんとうに夢の場所。
訪れたものは誰もが一瞬にそうおもった。
そう。
その場所での過酷さを知らないものがみれば、そこはまさに理想郷。
だが、この世界にはそんな『理想郷』はもう残されていないのかもしれない…
すべては過去の人類が犯した過ちによって……

光翼の腕輪 ~襲撃~

「?」
ふと何かの気配を感じたような気がして思わず振り向く。
だがそこには木々が立ち並ぶのみ。
「?どうかしたの?美希?」
「ううん。何でもない」
何か違和感を感じるもののそれは気のせいですまし、とにかく目指す目的地へと進んでゆく。
いくら安全といわれている場所とはいえ、歪みの道がつながっている場所は地区のはずれ。
ゆえに何がおこるかわからない。
とにかく地区の中にきちんとはいらなければ安全、とはいい難い。
このご時世、地区の中でも何がおこるかわからない、という現実があるのだからなおさらに。
そういえば、いつもいるはずのこの地の【虚】の見張り番の姿を今日はみなかった。
珍しいこともあるものではあるが、四六時中見張っているわけにもいかない事情も何となくだが理解はできる。
いつもは地区の中心にいくごとに人々のざわめきが聞こえてくるが今日はまだ聞こえてこない。
もしかしたら、今日は月にいく度かあるという地区の住人全員をあつめた集会がある日なのかもしれない。
この湖を包容するように木々は茂っており、その中にあるちょっとした集落。
かつてはこのあたりもかなり栄えた【街】であったらしくその欠片は木々にうもれながらもところどころみてとれる。
「皆がいるとすれば、あそこかなぁ?」
「かな?いってみる?」
ぞくり。
何かよくわからないがよくない予感が一瞬するものの、それは気のせい、ですます。
そもそも、自分のよくない予感、というものは今まであたった試しがない、と美希は自覚している。
そんな会話をしつつも、ひとまず彼らは鬱蒼と生えている木々の中をすすむことに。
彼らが向かうはかつては何かしら丈夫な建物であったのであろう。
ちょっとした頑丈な造りであるとある建物。
結構な広さがあり、部屋もいくつか整っている。
もっとも、人の手がさほどはいってはいないせいで完全にきれい、とは言い難いが。
それでも、今の【人】の技術ではそこまでの建物は造れない。
ゆえに人が集まったりする場合はその場所を利用している、そう彼らは以前来た時に聞かされた。
もしも彼らが注意深く観察していれば周囲の様子がいつもと異なることに気付いたであろう。
…ここにきたときから、ひとつの物音もしていない、ということに……


「おかしいなぁ?」
「ねぇ?」
ここにくるまでに集落にもよってみた。
しかし、人の気配がまったく感じられなかった。
家の中にはいってみれば、鍵がかかっていないままに誰もいない、というこの現状。
ならば、ここに皆きているんだろう。
そうおもってきてみたのであるが、周囲に誰も見当たらないのはこれいかに。
今日のこのあたりは曇っているらしく、それでいても木々で灯りがとぼしいこの付近。
かろうじてあるのは人口的にともされているランプの灯りのみ。
「…ねえ。窓がわれてるんだけど……」
ふとみれば、たしかに窓ガラスがいくつか割れているのが見て取れる。
窓にはたしかシャッターと呼ばれるものがついていたはず。
それすらもおろされてはいないままに、割れた窓から外の空気が建物内にとながれこんでいる。
「…とにかく。誰かいないかさがしてみよ?」
もしかしたらどこかに固まっているのかもしれない。
もしくはここも住みにくくなって集団で移動したか。
それにしては数日前にきたときにはそんなことは微塵もいっていなかったが。
しかしこのご時世、いつ何どき、何がおこるかわからない。
そのことは彼ら子供達にも十分に判っている。
それぞれに別れて探す案もでたにはでたが、もし何かあったのならばいけない。
ということでとりあえずふた組に分かれて建物内部を探索することに。

この建物はかつてまだ人々が科学、という文明が発達していたときに建てられたもの。
ゆえに今の人々ではよくわからない設備もいくつか備わっているらしい。
一階は主に広間とそしていくつかの小部屋。
二階がそれぞれに小さな部屋にと分かれているこの建物。
かつてはボタンひとつで灯りがともったらしいが、今はそのボタンを押しても何も起こらない。
壁にいくつか掲げられているランプの灯り。
建物の中にはいれば外よりもより闇が深く感じられる。
いつもは壁にずらり、と並んでいるランプに灯りがともっているが今日はまばら。
しかもよくよくみればいくつかそのランプが足元に落ちているのがみてとれる。
「…ねえ。美希。何か嫌な予感がしない?」
「それは俺も感じてる。美希は?」
一緒に行動しているサヤとナオトが後ろを歩く美希にとといかけてくる。
ここにきたのは子供たち六人。
それぞれが三人づつにわかれて誰かいないか探索している今現在。
「よくわかんない」
何か違和感のようなものを感じなくもない。
この感覚はいつだったか味わったような気もしなくもない。
しかしそれが何なのかは美希にはわからない。
と。
「…きゃっ!」
ふと、サヤが何かに気付いたように悲鳴をあげる。
立ち止り何故か一点を凝視しているようであるが。
「サヤ?何が……って…?!」
そんなサヤを気遣い、ナオトがそちらのほうに視線をむけるがそのまま絶句する。
そこにあったのは何かの水たまり。
そう、水たまりのように見えたのは…何か赤黒い液の塊。
しかもそれらが周囲にと飛び散っている。
そしてまた、何かをひこずったような跡が廊下にずるずると続いている。
「……まずい。皆と合流してここを離れたほうがいいかも……」
何が起こっているのかはわからない。
わからないが、ただ事でない何かがここでおこった、というのは子供心にもわかる。
そう、ナオトがいったその刹那。
『うわぁぁっっっっっっっっ!!』
悲鳴とも何ともいえない子供の叫び声が建物内にと響き渡る。
「って、みんな!?」
「あ、おい!ミキ!…いくぞ!サヤ!」
「あ。まってよ~!ふたりとも!!」
声のした方向は右の奥部屋のほうこう。
もしかしたら他の皆の身に何かあったのではないのか。
それゆえに後先考えずに駆け出してゆく美希。
進んでゆくと廊下のいたるところから何ともいえない匂いが立ち込めているのが鼻につく。
その匂いの元凶が何なのか、何となくだが理解してしまう自分が怖い。
物心ついたころからこの手の匂いには敏感であった自分。
だからこそ判ってしまう。
…これは、血臭である…と。
『ぐぉぉっっっっっっっ!』
「はやく!逃げろっ!」
何かの雄たけびのような『声』と、そして男性の声。
そんな声が聞こえてくるのとほぼ同時。
バタバタバタ!
数名の足音が自分のほうにむかってくる。
「あ!みんな!」
「ミキ!それにナオトにサヤ!無事だった!?」
ばたばたと顔色を変えて走ってきている三人の子供たち。
そのうちの一人がミキ達に気付いて声をかけてくる。
「うん。みんなのほうこそ……」
「いったい、何がどうなってるんだ!?」
そうミキ達が問いかけるよりも早く。
「って、君たち!やっぱり君たちかっ!はやくここから逃げなさい!
  そして戻ってあの『虚の道』を完全にふさぎなさい!はやくっ!」
息を切らした一人の男性がそんなミキ達にと叫んでくる。
その手には銃のようなものが握られているが、その容姿が問題。
顔からは血がながれ、片方の腕もまた血まみれ。
よくよくみればミキ達とは顔なじみの、この集落を守っていた自衛団の一人であるらしい。
とても話し好きなのか、はたまた子供好きなのかミキ達がここにきたときはいつも世話をしてくれていた。
「お兄さん!?」
ミキが気づいて声をかけるが。
『るうぉぉっっっっ!』
『げぎゃぁっ』
そんな彼の背後から現れてくる何か。
一瞬、黒い闇の塊にみえたそれ。
ひとつは人間の形をしていながらも全身黒い何かで覆われており、
そしてもう一つは犬のような形をしていながらもその大きさが尋常ではない。
その毛らしきものにこびりついている何かが何なのか気づきたくもない。
学校でそれらのことは習っているが実際にみたのは初めて。
『外』にいるという『魔物』達。
「はやく!そこの部屋から外にいけるはずだ!君たちなら通れる!急げっ!」
「お兄さんっ!」
「いやあっっ!」
何がおこっているのかわからない。
しかしいきなりのことで体がいうことを聞かない。
目の前にいた魔物達だけでなく何かがこちらにいくつも近づいてきているのが『声』でわかる。
いやだ。
目の前の人を見捨てていくなんて。
絶対に。
なんで、どうして?
どうして……どうして、きみたちたちはヒトヲオソウノ?
ぐるぐると回る思考。
「はやくいくんだっ!」
『いやあっっっっ!』
若い青年の声と同時、誰の声ともわからない叫び声が響き渡ってゆく………


なんだかとてもふわふわする。
なんだろう?これ?
「……アレ?レイ?」
ふと気付けば目の前にレイの姿。
なんか感覚がぼやけている。
目にはいってくるのは銀色の光のみ。
「まったく。無茶をして……。今は……」
レイの声がどこか遠い。
何をいっているのかわからない。
皆がどうなったのか、それとも自分が夢をみているのか。
人間、死ぬときにはいろいろと回想することがある、と授業でならった。
これもその一つなのかな?
目の前にみえるレイの姿も見慣れたレイとはいつもと少し姿が違うような気もしなくもない。
だがしかし、ミキが深く考えるよりも先にレイの手がミキの瞳に触れ、そのままミキの意識は再び沈んでゆく……


かの地で何かがおこったのはすぐにわかった。
容易でない何かが起こったことは明白。
今は何よりも、彼らを無事に元の場所に戻すことが何よりも先決。
すでに喰われてしまっている人々に関してはどうにもならない。
しかし、この場に子供たちがいたことに関して記憶に残すわけにはいかない。
襲撃してきていた存在もの達はすべて大地に還した。
それ以外の人々の回復ならば自分だけの力でもどうにでもなる。
この襲撃は前回、訪れたときにたまたま少しばかり手をきってしまった。
そういっていた一件とかかわりがあるはず。
『聖なる泉』は少しの量でもそれらを感じるモノにとっては重要なもの。
ましてや、それが……


「…あれ?」
おもわず、きょろきょろと周囲を見渡す。
見慣れた天井、見慣れた布団。
……夢?
にしてはあまりにリアル。
お兄さんに魔物達が襲いかかって…そして気が付いたら銀色の光を手にしていた。
腕から伸びた銀色の光は魔物達をそのままかき消していった。
どこからが夢でどこからが現実なのか。
さっぱりもってわからない。
しかし、家に戻ってきた、という記憶もない。
ならば始めからが夢だったのだろうか?
「美希!早くしないとみんなが迎えにきますよ!」
布団の中でぼんやりとおもっているといつものように雫が美希を起こしにやってくる。
「レイ?僕、いつ家にもどってた?」
「ねぼけてないで。ほらほら。早く着替えて」
ああ、いつものレイだ。
あのときのレイは光に包まれていたけど。
そんなことをふとおもう。
「あ。そうそう。昨日の地震の影響で例の歪みの道が閉ざされたらしいですよ?」
「……地震?」
そもそも、昨日、地震などあっただろうか?
ゆえに首をかしげる。
「ミキ~!むかえにきたよ~!」
「ほら。ナオト達がきましたよ。はやくしたくして」
そんなことを思っているのと聞き覚えのある声が家の外から聞こえてくる。
「は~い」
とりあえずナオト達にきけば判るかな?
夢だったのか現実だったのか。
どうもあやふや。
地震があった、というがそんな記憶もない。
あるのは、昨日、ナオト達といっしょにあの場所にいった記憶のみ。

「おはよ。ナオト」
「おはよ。美希。そういやさぁ。俺、かわった夢みちゃったよ」
「夢?」
とりあえずあわただしく支度をすまし、外にでる。
何か朝から大人たちがあわただしく動いているのが目にとまる。
「母さんにいったら笑われたけどさ」
「どんな夢なの?」
夢、ときいてどきり、とする。
「それがさぁ。美希を含めて六人であの場所にいく夢だったんだけどさ……」
母親いわく、昨日は大きな地震があり、家に戻った子供たちは家からでることを許されなかった。
ゆえに早くに就寝した子供たちが多かったらしい。
当のナオトも家からでることを許されず、することもないので早く寝たでしょ?
との母親の言葉。
地震があった、といわれてもピンとこない。
しかしいわれてみればそうであったような気もしなくもない。
しかも母親達は朝から会議があるらしく忙しいらしい。
聞けば、昨日の地震で虚ろの道が閉じるのとほぼ同時、
道の先に住んでいたいく人かの人々がこちらに移動してきたらしい。
聞けば地震によって森の中にあったともいっても過言でなかった集落が壊滅したとか何とか。
そのままそこにとどまるのは危険、と判断し道を通ったものの、
その道がその後の余震によってふさがれてしまったらしい。
父親にきいてみても同じようなことをいってきた。
そして、夢と現実がごっちゃになるとはまだまだ子供だな。
と笑い飛ばされた。
「それ、僕もみたよ。その夢…?」
「そうなのか?でも夢は夢…なんだろうなぁ」
「……そうなの…かな?」
どこからが夢でどこからか現実なのか。
それは美希にわかるはずもない。
しかしおそらくは夢、なのだろう。
でなければ、自分の手から伸びた光が魔物を消す、などという芸当ができるはずもない。
そう自分にいいきかせ、夢の内容を話しつつもいつものようにと集合場所にと向かってゆく。
そう。
夢は夢。
…のはずなのに、この体にのこっているふわふわとした感覚はなんなんだろう?
美希のその疑問にこたえてくれる人は…今はいない……


「…しかし、『力』が一時回復したとはいえ…全員の記憶改変はつかれましたね……」
ぽつり、と美希が出ていく姿を見送りながら、雫がつぶやいた言葉は…誰も知るよしもない……


                            ――Go ToNext


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あとがきもどき:
薫:ぼやかしまくりましたv
  ネタバレここでしてもあまり面白くないかなぁ?とかいろいろとおもいまして。
  襲撃シーンは、本来は他の人間達が襲われて喰われたりするところもいれるかな?
  とかグロテスクなこと考えつつも、あえて主に子供たち視点にすることでそれを省きました(まて
  ちなみに、ラストにぽそっといってますが、美希達が経験したのは現実なのです。
  なのですが、雫の手によってみなさんの記憶は改変されているのですv
  さてと、そろそろ本題にはいってゆくかなぁ?
  美希と雫の正体にせまる回にそろそろ突入するかな?
  それでは、またいつかv


2009年1月7日(水)&2010年12月31日某日

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