まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
このお話はあくまでも漫画のロキを題材にしてますので、実際の北欧神話の設定とは異なります。
たとえばロキが巨人族の王であったりする、というところとか。
神話においてはロキはヨトゥンの巨人の子ではある(なのでマンガ設定も考えようによってはありえる?)
神話においては別人、とはなってるが案外ありえますよねぇ。
神の血をうけたがゆえに別れた、という設定は(さすが作者♪)
ちなみに神話の世界においての巨人族の王はウートガルザ・ロキ。
そう、やはりロキ、なのですよv
しかし、神話においては正妻シギュンとの間にナリとナルヴィ。(同一人物の節あり)
スヴァジルファリとの間にスレイニプルがいたりする、というけっこうな子持ちのロキさんです(笑
(ちなみにスヴァジルファリのときには女性となってロキが生んだ子、つまりはスヴァは女性版のロキの夫)
↑このときロキは雌馬の姿をしていた。
スレイニプルはのちにオーディーンの愛馬となっています。
8本足の(または、4本ある足のそれぞれに、二つの蹄を持つ)馬の姿をした神獣
とても速く走ることができ、空を飛ぶことが出来た。
その名は「滑らかに動く」を意味し、英語 slip に関係しているらしい。
しかも、正妻との間のナリは後にロキをつなぐ鎖として腸を神々に抜き取られる、という気の毒な子供だったり。
ちなみに私としてはナリとナルヴィは同一人物、という説がありえる、とおもってます♪
さらにいえば、神話においては生まれてすぐのミドガルズオルムをオーディーンは投げ捨てた、とありますが。
こちらのお話ではしばらくは家族で平和にくらしてたところ、オーディーンに見つかって…というようにしております。
ちなみに、神話においてはスコール(太陽をおいかける狼)とハティ(月を追いかける狼)はフェンリルの子供、となってますが、
このお話はマンガ&アニメを主体としているので異なります。
(アニメにおいてはこの二体はロキに対する刺客だった)
まあそれらの設定をもあわせて改めて魔探偵ロキを見たり読んだりするのもまた楽しいかとv
神話におけるバルドルが万物から愛される存在だった…というあまりにベタな定説は私としても何だかなぁ。
とおもってたのでマンガのほうの設定のほうがしっくりきてたりするのが事実です(爆
ではでは、支離滅裂、と理解している1話をいくのですv
しかし、ロキの二次さんでこれ!という小説がないのはこれいかに?くすん……
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人、の世界においての世界の定義。
そしてまた、別次元においての世界の定義。
それらはすべてがことなっているようでいてすべてはひとつ。
異なる時空からみればこの世界は一つの樹においてなりたっている、という事実は知る存在ぞしる事実……
Begin To Science-Ragnarok ~第1話~
「しかし、何だって僕にやっかいなことをまわすんだよ……」
そもそも、せっかく家族がそろったのに仕事があれば家族団らんもままならない。
『そういうな。ロキ。私以外に頼めるのはオマエくらいしかいないのはわかるだろう?』
浮かぶは上空に一杯の一つの瞳。
「君が無事によみがえったのは喜ばしいことかもしれないけど。
僕としては君が以前おいやった家族と一緒にすごしたいのが本音なんだけど?」
どこか口調がとげとげしくなるのもしかたがないだろう。
そもそも、彼の家族を引き離したのはほかならない目の前にある瞳から聞こえている声の主なのだから。
『ならおまえが神界をおさめるか?先のラグナログで世界はかなり混乱をきわめているが』
自分の血を分け与えているがゆえに、目の前の彼にもまた創造の力があるのは彼らのみ知る事実。
「その原因をつくったのも君、だよね?」
『…痛いところをついてくるな。この役目をうけてくれれば二度とおまえたち家族には手はださないと約束しよう』
「そもそも、あのときもいったけど、フェンリルのときは靴をかくされたハライセに極寒の地に投獄なんてして。
しかも僕がいないときにっ!!ヘルにいたっては僕を地上にいかせていたすきに冥界におしこんで……」
しかもご丁寧にニブルヘルムの支配者、という役目まであたえて、である。
体が弱いこともあり大切に、大切にしていた、のに。
ニブルヘイムは基本、氷に覆われた世界。
娘にそんな世界を押し付けたオーディーン。
自分の力でその世界を花畑にかえたのは他ならない自分自身。
生まれつき体の半分を生と死、その両方の素質を兼ね備えて生まれてきた大切な娘。
その代償に彼女には死者をよみがえらせる力があった。
しかしそのせいで彼女はとても体がよわかった。
すこし気をぬけば生きている身体もまた死者の腐食によって蝕まれていっていた。
だから大切に、大切にしていた、というのに。
何だかおもいだしたらむかむかしてきた。
「ヨムンガルドにいたっては勝手に深い海の底に追放してるしっ!」
しかもすべて自分がルスのときに、である。
さらにご丁寧に息子であるトールをけしかけて退治させようとしていたりした、ということもある。
あのこはとても繊細でとても優しいのに、見た目だけで判断するとは神の所業とはおもえない。
子供たちを助けようといろいろと手をつくし、望まない関係などをも築いたのも事実。
そのせいで天界におけるプレイボーイ、という呼び名がついたのも事実である。
何しろやはり女性の力のほうが圧倒的に神界においては強かったのだから仕方がない。
彼女たちを味方にすることにより子供たちを助ける方法を模索していたロキ。
徹底して子供たちを解放しようと動いていたが結局どうにもならなかったのも事実。
まああまりに彼が騒ぐので彼が自由に行き来ができるキョカを与えた、というのが『彼』なりの配慮ともいえる。
「あのときはまだ君、バルドルにのっとられてはなかったんだよねぇ?」
『とにかく、これはオマエにしかたのめない。頼んだぞ。ロキ』
「って!まだ話はおわってないよっ!オーディーン!!」
ふっ。
分がわるくなったとおもったのか、はたまたそこまで通信する余裕がないのか。
空にうかんだ瞳がふっとかき消える。
「…まったく、彼はいつも唐突なことばっかりいってぇぇっ!!」
それでも憎みきれないのは自分に手を差し伸べてくれたのがほかならない彼だったから。
さけべどもどうやら通信は完全に切れたらしい。
「まったく……」
ため息ひとつ。
そのまますっと向きをかえるとそこにはひとつの扉が垣間見える。
この空間は何ともいえない不思議な空間。
夜空のようでいてそうではない、そんな不可思議な空間。
そこに浮かんでいるかのごとくにたって話している一人の青年。
どうやら間接的な通信ではラチがあきそうもない。
そう判断しそのままため息をつきつつ扉をくぐってゆく。
「おかえりなさいませ。ロキ様。それでオーディーン様は何と?」
扉をくぐり戻ってきた父親にと問いかける。
「どうもこうも。…スピカ達がいってたとおり。神界が崩壊したことによって拡散した様々な存在。
それらの対策を僕に任せるってさ。…そもそも、あいつがバルドルをきちんとどうにかしとけばこんなことには……」
その言葉の裏には娘を失うこともなかった、という怒りも垣間見えている。
「そもそも、はじめの約束では巨人族や不死者達、アース神族に敵対するものたちをどうにかしたら、
家族全員で暮らしてもいい、と彼がいったから僕も僕なりに頑張ってたのに……」
だからこそ、いろいろ知略をめぐらせていろいろとやっていた。
スキでもない相手を妻にといわれてそれをも承知した。
いつかは本当に愛する人と家族と暮らせる、そう信じて。
おいやられた子供たちと再び暮らせることを信じて。
おもわず本音がぽそっともれる。
「神であるあなたと私とでは寿命が違いましたからね」
「…アン……」
そのことを失念していたのも事実。
時間はたっぷりある、とおもっていた。
彼女と子供たちと再び暮らせる、と。
気がついたときには何も覚えていなかった。
自分のナマエしか。
そして自分が何ものなのかも。
だからこそ家族ができたときには嬉しかった。
そして自分を認めて愛してくれた存在が。
「…ごめん。僕のせいで君にもそれに子供たちにもつらい思いをさせて……」
「私は幸せでしたわ。そして今も。だってあなたとあえて子供たちにもめぐまれましたもの」
月の精の巨人族としてこの世に生をうけた。
いつもひとりだった。
そんなときにであったいとしい人。
さみしさはたがいにひきよせ、そしてお互いの大切な人となった。
彼がアース神族のしかもアース神族の王のオーディーンの関係者で邪神とわかってもそんなのは関係なかった。
しかし自分たちの種族が敵対関係にある以上、彼に迷惑をかけたくなかった。
子供が生まれたときのその喜びは今でも覚えている。
だけども心配ではあった。
巨人族の血をひく自分と神の血を受け継ぐ彼。
いわばハーフの子供たち。
そもそも、オーディーンが神々の王たるゆえんは彼が人とエルフのハーフであったがゆえ。
神は基本的には成長しない。
しかし人、という種族にはそれがある。
神でありながら人の成長する性質をうけついだがゆえに王であるオーディーン。
彼の血をうけついでいるからこそ彼の考えがわかり、こっそりと目のとどかない位置にて家を築き、
そこで彼女たちをかくまっていたロキ。
そして彼女との間に生まれた三人の子供たち。
「そうだよ。ダディ。悪いのはオーディーンのやつなんだしっ!」
「父上。母上。それに姉さんも兄さんも。まずはせっかくそろった家族なんですし。固い話はおいときましょうよ?ね?」
何だか話がよくないほうこうにむかいそうな気配。
せっかく家族がこうしてそろったこの大切な時間を無駄にしたくはない。
「そうだね。オーディーンにはまたあいにいってしっかりと愚痴と文句をいってくるよ。
あと…改めておかえり。アン。そしてヘル」
「母上。今度は母上も姉上もずっといっしょにいられるんですよね?ね?」
「ダディとマミィ、それにヘルも加わってこれで本当に家族がそろったね。ね。ダディ」
かつてはこの光景が当たり前だった。
彼女…アングルホダが巨人族の女性であったことから神界のはずれにひっそりと家をかまえていたが。
それでも子供たちがうまれてとても幸せだった。
…オーディーンに家族をばらばらにされるまで、は。
「とりあえず、ヘルの体が心配だから、この屋敷の中を神界と同じ空間にしとこうか」
今神界にもどってもどうやらあちらはかなり混乱をきわめているっぽい。
下手に体のよわい娘をつれてもどったらその反動をうけないとも限らない。
それよりはこの人間界の別次元に位置しているこの空間の建物をあちらと同じ形式の空間にすればよい。
今まで世界樹を支えていた力はしっかりと有り余っているのだからそれくらいはどうってことはない。
「お父様。私は以前みたいに弱くは……」
「その油断が禁物!!ヘル。僕はまた君を失いたくなんてないんだ……」
自分の言葉がたりなかったばかりに一度は失ってしまったいとしい娘。
だからこそ、二度と間違いはおかしたくはない。
「で。結局、ダディ。これからどうするのさ?」
「そうだね……」
しばし、長男である黒犬ノフェンリルのことばに考え込む彼…ロキの姿がその場において見受けられてゆく……
★ ☆ ★ ☆
何だか漠然としたそれでいてはっきりしているような夢を見ていたような気がする。
このひと月の間。
洋館であるはずのばしょに掘立小屋があり、そこに一人の青年がいた、そんな夢。
しかしそれはあまりにリアルで夢とは言い難い。
そういえばこの二月ばかり自分はどうしていたのだろう?
と思いかえしてもよくよくあまり思い出せない。
何だかロキ君って不思議。
そもそも、いまだに彼のことを知らない自分がそこにいる。
まるでおとぎの国の世界にはいりこんでしまったような、そんなミステリー。
そういえば、とおもう。
あの青年はどこかしら雰囲気がロキ君によくにていた。
ロキ君があのまま大きくなったらあんなふうになるのかな?といったような感じをうける。
真実は同一人物だったりするのだがそんなことを彼女が知るよしもない。
いつもの通いなれた道。
そこにはやはり場違いな洋館が建っている。
やっぱりあれは夢…よね?
ここには何もなく、ほったて小屋のみがあった。
よくよく考えればあんな美青年がほったてごやに犬とそして蛇と一緒にすんでいるなど場違い極まりない。
そういえば、最近鳴神君みないけど、アルバイトが忙しいのかな?
彼のような騒がしい人の声が聞こえてこない、というのも不思議ではあるが休んでいる、
という話もきいていないのでおそらくすれ違ってばかりなのであろう。
レイヤちゃんはあれでもお嬢様だからねぇ。
そもそも、あの子と出会うのはロキ君関係だったし。
そんなことをふと思う。
いつものように門にとたどり着く。
やはりあれが夢だったのよね。
目の前にある洋館をみてしみじみおもう。
夢の中ではここは何かがあった痕跡として瓦礫しかなくほったて小屋のみがあった。
そこでそこにいた美青年の探偵の助手を買って出ていた他ならない自分。
「わんちゃんはわかるけど、あの蛇はなんだったのかなぁ?」
そもそも、あの犬をロキに引き合わせたのは自分。
彼女…大道寺繭良はそう思っている。
真実はもともとかの犬…フェンリルはロキの息子であるのだから引き合わせも何もあったものではないことを彼女は知らない。
あの美青年にもいく度かあったことがある。
だからこそ夢にでてきたのかもしれない。
そもそもあんな美青年、一度みたら忘れようがないほどの美男子、である。
門は固く閉じられているまま。
それでも勝手知ったる…とはこういうことをいうのであろう。
門のかんぬきをはずして庭の中にとするっと入る。
それもこれも門の前に呼び鈴をつけていないロキ君がわるいのよ。
そう自分に言い聞かせる。
ふっと中にはいったとたん体が軽くなったような感じがしたのは気のせいか。
空気も何だかいつもよりおいしく感じる。
もっとも彼女はこの空間そのものが人間界とは異なるモノにしてあるなどと思いつくはずもない。
判る存在が感じればこの空間はかなり神聖な空間となっている、というのがすぐにわかるであろうが。
その手のことには鈍感な彼女はまったくそのことに気付かない。
そのまま玄関のチャイムに手をかけ呼び鈴を鳴らす。
ピンポーン。
かろやかな音が周囲になりひびいてゆく。
「でも本当にいいの?お父様?」
先ほどの話で決めたとはいえ、父が彼女を大切にしていたというのはわかる。
そして彼女にとっても父はまた大切な人であろう、というのも想像はつく。
それらが恋愛感情なのかどうかまではまだ彼女…ヘルにはわからない。
「いいんだよ。それに繭良のことだから首をつっこむのは目にみえているしね」
そもそも彼女には何の力もないのである。
人間の心はつよくもありそしてまた弱くもある。
どんな厄介な存在が解き放たれているかわからないこの現状で彼女を巻き込むわけにはいかない。
このミッドガルドとも呼ぶ地上。
この地上の主たる場所に空間を割り込ませ創り出し逃亡者をみつけて拘束、もしくは始末する。
それが彼がこれから行う仕事。
ほうっておけばあれらはあっというまにこのミッドガルドを疲弊させてしまうであろう。
「じゃ、いこうか」
普通の存在がこの屋敷の中に入り込むことなどできはしない。
玄関先で呼び鈴をならしてじっとまっている少女の姿がそこにスクリーンのごとくに映し出されているものの、
今彼女にあうわけにはいかないのも事実である。
そういうと同時に出現するひとつの扉。
「まずは繭良さんのパパさんに挨拶にいくんですよね?」
「うん。彼には一応それなりに話をしておかないとね」
娘を思う親の気持ちがわかるからこそ、彼にはきちんと話をしておきたい。
真実はいえなくてもそれなりの嘘を交えた真実、というものもあるのだから。
「おかしいなぁ?ロキく~ん、闇野さ~ん!」
外のほうから聞こえてくる声を背後にききつつも、そのままその場にいる彼らは扉をくぐる。
むかうは繭良の家でもあるとある神社。
まさかロキ達が自分の家にむかったなど露知らず、しばし玄関の前で叫ぶ繭良の姿がみうけられてゆく……
「そうか。君があの探偵の父親か。しかし若いなぁ。子持ちには到底みえんぞ?」
「どうも」
いきなり現れたあの子供探偵と同じ感覚をうける人物に警戒するものの、
娘である繭良の名前をしっており、なおかつあの探偵社の関係者、だという。
家族がようやく一緒にくらせることになり引っ越すことになったのでお世話になっていることもあり挨拶にきた。
そういわれひとまず座敷にと通したこの人物たち。
一人は漆黒のドレスをまとったおとなしい感じの女性に男性ですら見惚れるほどの美青年。
雰囲気が似ていることから用意にあの子供の父親である、というのは何となくはわかるが。
だけども何かが違う。
父親、というよりは同一人物のような感覚をうけるのはこれいかに。
「ながらく家族とは離れて暮らしていましたから。子供たちにもさみしい思いをさせてしまっていまして。
繭良にはパパさんから話してもらったほうがいいかな、とおもいましてこうして挨拶にきたわけです」
ぺとり、と父親にくっついているかわいらしい娘。
歳のころならば自分の娘の繭良と同い年かそれより少ししたか、くらいであろう。
「しかし、君らはいつ結婚したんだい?」
どうみても女性にしろ青年にしろこんな大きな子供がいるとは思えない。
あのロキ、という子供くらいならいてもおかしくはないかもしれないが、どうみても二十代前半にしかカレラはみえない。
よもやそこにいる闇野も犬も実は彼らの子供だ、と知ったら仰天するのは間違いないであろう。
そんな彼の言葉に笑みで返し、
「あまりゆっくりもしていられませんし。とりあえずごあいさつに、とおもって伺ったまでですから」
そもそも、繭良が帰ってくるまでにはここを立ち去らねば厄介なことかぎりない。
「そうか。しかしあのこからも繭良に話をしてくれるようにいっといてくれるかい?」
自分のクチから娘に話すのはけっこう酷かもしれない。
よもやカレラが海外に引っ越す、などとは。
実際のところはここの探偵事務所の空間もそのままにしておき必要性がある人には視える空間、にするだけなのだが。
超常現象を信じていない、それでも霊感をかなりもっているこの父親にそこまで話す必要性はない。
一体誰が信じるであろう。
目の前にいる自分たちがこの世界においては神話、と呼ばれている世界の住人である、などと。
「ええ。わかりました。それでは」
若いのに子持ちだけのことはありしっかりしている。
このあたりのしっかりしたところはあの子も父親の性格をうけついでいるのかな?
ともふとおもう。
立ち振る舞いにしろ雰囲気にしろ目の前の青年とあのロキという子供は似すぎている。
話していてもあの子供と話しているようなそんな錯覚すらうけるほどに。
実際に同一人物なのだからその感覚は錯覚でも何でもなくて真実的を得ているのだが操がそれに気づくはずもない。
嘘を交えた挨拶。
それは長らく離れ離れになっていた家族が一緒にくらせることになり海外に引っ越すことになった。
というのも。
長らく離れ離れに家族がなっていた、というのは事実。
が、海外に引っ越す、というのはうそ。
聞く人がきけばうまいこといったなぁ、とおもえる説明ではある。
「繭良さんのパパさん。いろいろとお世話になりました。ときどき私たちももどってきますから」
必要性があればこの場にくることもありえるだろう。
それゆえの闇野の言葉。
「それでは失礼します」
いいつつもすくっと立ち上がる。
ちなみにお土産にもってきた品物はまともとはいえそこはいたずらの神。
ちょっとしたいたずら心を忘れてはいない。
本当ならばキオクを封じてしまうこともできる。
しかし人、というものは別れを通して成長してゆく必要性もあるのである。
自分たちの正体を教えるわけにはいかない。
彼女はいくらミステリーなどといった不可思議な現象がスキとはいえ真実を知ればまず傷つくであろうがゆえに話せない。
何よりも自分たちは歳をとならいが彼女は人間。
時の流れが根本的に異なるのだから。
「家族を大切にな」
「はい」
子供をみる青年の瞳はとても優しい。
だからこそ嘘ではない、というのがよくわかる。
きになるのが闇野という青年とそして犬にも同じような視線をむけていることだがそれはこの際おいておくことにする。
おそらくあの子が繭良になついた…と繭良の父親である大道寺操はそうおもっている。
のもこの姉の存在があるからなのだろう、そう解釈した操。
真実はロキが繭良になついたのではなく繭良がロキになついた…のであるが。
ロキとて娘のような繭良を突き放せなかったのも事実。
自分の娘に何もできなかったがゆえにさらにその思いは強かったのかもしれない。
そのまま挨拶をかるくかわし神社を後にする。
操の姿がみえなくなったところで扉を出現させてその場から転移する。
「さて、と。スピカもヘルも彼女に挨拶にいく?」
転移した先は屋敷の書斎。
「私はお留守番してます。お父様。お母様。調べたいこともありますし。
ヨムンガルド。つきあってくれる?お兄様は図書館にはいれないし」
「わかりました。ヘル姉さん」
長男であるフェンリルの姿はあくまでも犬。
ゆえに図書館などといった公共機関には入れない。
「…ヘル。本気でこの屋敷にパソコンとかとりいれたいの?」
「お父様のためですっ!」
「……僕、機械苦手なんだけどな……」
だからといって娘の頼みを断れるはずもない。
「ならダディ。僕はお留守番をしておくよ。マミィと一緒に繭良のところに挨拶にいってきたら?」
かつての別れは唐突だった。
そして次の別れは自分たちがいなくなったことによりすべてのキオクが失われた。
しかし記憶を失っても思いはのこる。
それが人、という種族。
『ヘルももうあのくらい、だよね』
人間界に追放されて学生の姿をみてぽそっといった父の言葉。
姉のためにも早く神界にもどらないとね。
そういっていた父親の顔は今でもしっかりと覚えている。
本当ならば子供たちすべてをつれて人間界にきたかった。
しかし追放されたのもいきなりで、神界の奥にいた末っ子を連れ出すのがやっとでもあった。
魔力を制限されてしまったがゆえに世界を自由に行き来することもできない。
ゆえに魔をはらいつつその邪気をあつめて神界に戻ろう、とおもっていた。
…ときどきある程度あつまってからその力のすべてをつかい子供たちに会いに行ったりしていたのは除くとして。
お父様、私もつれていって!
そういった娘の顔は今でも忘れない。
そのときにきちんといえばよかった。
人間界ではヘルの身体は耐えられないからここでまっていてほしい、と。
言葉がたりなかったがゆえにさみしさを募らせてしまい、自らの身体を失ってしまったいとしい娘。
肉体は失えどその力は健在でそのままニブルヘイムにとどまった。
しかし死者の魂には変わりがない。
助けられなかったことにも変わりがない。
だからこそ以前にもまして娘の意見は尊重したい、という思いがロキの中には強くある。
「えっちゃん。何かあったらすぐに僕に連絡を」
「ぷにゃん」
それでも子供たちだけで外出させる、というのは親としてはとても心配。
ましてやヘルは人間界に慣れていないのだからなおさらに。
慣れているはずの末っ子であるヨムンガルドにおいても基本、人を疑わない。
それゆえに通販などといったものにはまっていろんなものを買いあさっていたこの現状。
そんな子供がかわいらしくもあり、あまり口出ししなかったのはあるいみ親ばか、ともいえるかもしれないが。
くすくす。
そんな彼のそんな一面をしっているのがとてもうれしい。
このように彼が困った表情をするのは自分たちにだけ、というのをしっているからこそなおさらにいとしい。
「用事をすましたらすぐに僕らもいくから。あとフェンリル!一人でかってに外にでないように!いいね!?」
「うん。いい子でお留守番してるよ。ダディ」
「絶対だからね?オマエはかわいいんだからすぐに人間に目をつけられて誘拐とかされかねないんだから」
「…兄さんに何かできる人間なんていないとおもいますけどね……」
おもわずぽそっといった闇野の言葉をききのがさずにかるくがぶり。
兄にかみつかれて思わず短い悲鳴に近い声にならない声をあげるがそれに父親であるロキは気付かない。
「あと、ヨムンガルド。君も!面白そうなものがあるから、といわれてほいほいついていったりしないように!」
…今までも実はいく度もそういったキャッチセールスに彼はよくひっかかっていたりする。
もっともたかが人間が神々にかなうはずもなく、あまり悪質な場所ならば壊滅されられていたりするのも事実。
「あと。ヘル。君、かわいいね。お茶しない、とかいわれてもついていったりしたらだめだよ?いいね?
人間の中にはヨコシマな考えもっている存在も多々といるんだから」
それで娘が傷ついたりしようものなら自分自身がゆるせない。
もっとも、親の心配はどこ吹く風。
実際は父親であるロキが心配するほど子供たちは弱くもない。
何かあれば自分たちの『力』で切り抜けられる力を持っている。
それでもやはり親であるがゆえに心配なのことにかわりはない。
どれだけおおきくなってもロキにとっては大切な子供、には違いないのだから。
まあ子供たちが天然なのもあるいみ仕方がない。
何しろ父親であるロキがあるいみ天然無自覚たらし、ともいえる存在なのだから。
離れ離れになっていた家族がやっと一緒に暮らせることになったんだ。
そういわれてずきり、と心が痛んだ。
その顔はとても嬉しそうで、だからいえるはずもない。
いかないで、などとは。
そういえば、彼の家族構成なんてきいたことは一度もない。
「ロキ君の家族、かぁ。何人家族なの?」
「僕を含めて五人、だよ」
「そっか。…よかったね。ロキ君。家族を大切にね」
五人、ということはおそらく彼には兄妹か何かがいるのかもしれない。
そういえばあの闇野との関係もいまだに詳しく聞いてはいない。
もっとも、その五人、というのがロキとそして子供たちと子供たちの母親であることを繭良は知るよしもない。
「海外、かぁ。どこにいくの?」
「詳しくわからないんだ」
それも本当。
そもそも海外、というのはあくまでも方便であり自分たちはどこにでもいる状況にするのだから。
「玲也ちゃんにはもう話したの?」
そいうわれて思わず顔を見合わせるロキとスピカ。
レイヤの存在は本来あるえるはずもなかったもの。
「レイヤには会う機会がない、からね。そのうちに連絡するよ」
そもそもレイヤはオーディーンの怒気をうけたフレイヤが人間界におとされて転生した姿であることを繭良は知らない。
神としての覚醒、それは人としての死、を意味する。
「スピカちゃんもおひっこし、かぁ」
そもそもせっかく仲良くなれたとおもったらいきなり消えた彼女である。
記憶をうしなっている人間が記憶を取り戻したらその間の記憶はきえる。
そういう事例は繭良は話としてしっている。
よもや彼女が実質的なロキの恋人であることを繭良は知るよしもない。
「おちついたら必ず連絡ちょうだいね?」
「うん。わかったよ」
「あとこれ、ありがと」
今までのお礼に、とわたされた小さなプチネックレス。
かわいらしい花のデザインのそれは何となくなつかしさを感じさせるもの。
繭良は気付かないがかなりの神気をおびているそれ。
神気は最強の守り、ともなる。
下手に霊的現象などといったものに感心の高い繭良だからこそ渡した品。
下手な好奇心はその身をかるく滅ぼすことを彼らはよくしっている。
それでもその手のことに疎い彼女はそれにまったく気付かない。
それは魔力が回復し覚醒したときに理解した。
しんでしまった彼女の母親が繭良を守護していたからにほかならないのだ、と。
聞けば娘を思う母の気持ち。
それに動かされてヘルはその許可をだしたらしい。
死者を統括するのもまたヘルの役目、でもあったのだから。
一度ラグナログがあって以後はそれらの境目もなくなり混乱していたのも事実。
それらの境目すらをも再び創り出し世界の安定を保っていたのは他ならないロキ自身。
別れはさみしいこと。
しかし家族がいるのに離れてくらしていた、というのもとても悲しい。
あえるのにあえなかったなんてさみしすぎる。
願っても願っても二度と会えない人達もいるのだから。
だからその限られた時間を大切にしてほしい、と繭良は思う。
いつかはかならずくる別れのときに備えて。
だからこそ涙はみせない。
笑ってみおくる。
それが繭良のだした結論。
なくのは後でもできる。
だから今は…笑ってロキ君をみおくろう。
二度とあえなくなる、というわけではないのだから。
★ ☆ ★ ☆
「いったい……」
オーディーンが消えたことにより一度崩壊したユグラシドルの最上階。
それらはすべての階層においてほころびをみせた。
ありえるはずのない存在もまた様々な階層に広がったのも事実。
すぐさまロキがそれに気付いて対処したがゆえにそう問題は大きくはならなかったが。
力のない存在達が多々とすむこの世界、地上世界においてはそうもいかない。
最近多発する不可思議な事件。
いきなり人格がかわり人を害する人々。
意味なく通り魔的に罪を犯す人々。
ここ数年にわたり極端に増えてきている。
それらはオーディーンがバルドルに身体をのっとられ世界の境目である壁がうまく軌道していなかったがゆえ。
が、そんなことを人々は知るよしもない。
「しかも、最近は意味不明な目撃情報まででてきてるし……」
ため息もつきたくなる、というものである。
それでなくても最近変な事件ばかりつづいているのに気がめいる。
「まあまあ。山さん。へんなのは日本だけではないみたいですし」
「それ、なぐさめになってないぞ、ヤス……」
日本警察においてもそれらは要チェック項目として連絡網がまわっている。
聞けば世界中で同じようなことがおこっているとかいないとか。
「ともかく、次の事件は何があったんだ!?」
とにかくできるのは事件を一つ一つ解決してゆくことくらいしかどうしようもない。
未解決な事件も多々とあり、解明のしようのない事件もおきていることをカレラは知っている。
「日本にも海外のFBIとかのような組織ができれば楽なんですけどね~」
「いうな。上がそこまで考えるはずないだろ?」
さらりと毒をつきつつも、
「で?今度の事件は…?」
「それが、失血死、です」
「…また、か」
はぁ~……
目撃者なし。
いきなり元気なものが倒れたかとおもうとその身体には血が一滴ものこっていない。
感染症かもしれない、とおもわれたがその範囲がまばらなこともありその可能性は限りなく低い。
どちらかといえば変質者の犯行の可能性のほうがはるかに高い。
何しろ被害者は若い女性、ばかりなのだから。
カレラは知るよしもない。
それらが人あらざるものによって行われている犯行だ、ということを……
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あとがきもどき:
原作、神話、アニメを知らない人には意味不明、です。この話。
なのでひとまず簡単な説明をば。
原作設定とアニメ設定、そしてこの話の設定をおりまぜて説明しますv
主人公:ロキ
覚醒時の本来の姿はかなりの美青年。
天界においても並ぶものがいないほどの美男子でもあった。
その姿は子供の姿にされても健在でとてもかわいらしい男の子となっている。
かつて記憶もなくふらふらと天界をさまよっていたときにアース神族の王、オーディーンにみつかり、
その彼がナマエしか覚えておらずしかも自分と同等の力をもっていたことに興味をしめし、
自らの血をあたえて神とした。
神としての神格は邪神。
いたずらと欺瞞の神でもあるが自分を認めてくれたオーディーンにとてもよくなついている。
いたずらの神になったのはオーディーンの性格の一部と彼本来の性格が重なったため。
愛する人などもできたりしたものの種族の違いで拒まれて正式に結婚はならなかった。
が、彼女との間に三人の子供をもうけていたりする。
オーディーンに人間界(ミズガルズ)に追放されたのちは一番したの子供、ヨムンガルド(ミドガルズオルム)を伴い、
半ば強制、退屈しのぎてきに探偵業をかねて人間界に根ずく魔をおとしている。
真実は、彼はもともと巨人族の王であるウードガルザロキでもあった。
退屈しのぎ?で彼が自分を分けてふらふらしていたところをオーディーンにみつかり神となった。
ある戦いの政略結婚の駒として望まぬ結婚をしているが正妻とは別にもともと彼には愛する人がいたりした。
そのときオーディーンの出した提案が結婚をうけいれ、そして世界統一に力をかすならば、
追放した子供たちすべてと彼の実質的な妻であるアングルホダを認めてもいい。
ということもあり、こののち、彼はかなりオーディーンの手足となり動くことに。
基本、かなりのさみしがり屋。
オーディーンの策略で本来ひとつの魂が統合することもなかったのだがとある事件をきっかけに魂はひとつに融合。
創造の力をもつオーディーンの血をもつことから実は彼にも創造の力がつかえたりする。
また、神としての力は常にオーディーンとともにある。
燕雀探偵社の主として人間界では過ごしている。
闇野竜介(やみのりゅうすけ)
ロキに従う漆黒の髪をもつ執事のような男性。
かなりの料理上手でなぜか通販マニア。
それらは人間界にきて面白いものがあったので手にいれたい、というあるいみ子供っぽい理由から。
炊事洗濯すべてをこなす。
すべては父親に喜んでほしい、という子どもゆえの純粋な思いから向上心によって成し遂げられている。
真実はロキの三人の子供のうちの一人、末っ子のヨムンガルド、別名ミドガルズオルム(ミズガルズの大蛇)。
真実の姿は台地すらをもとりまく大蛇である。
神々の勝手な言い分で神界の最深部にある海にとすてられてしまったがそこで頑張って生き続け、
ついには人間界(つまりは地球)を取り巻くほどの大蛇に成長した。
父親の前ではかなりのいい子、だが伊達に大蛇として成長してはいない。
実はかなり強かったりするのはお約束。
が末っ子らしく甘えん坊であることも事実である。
ずっと冷たい海の底にいたためかかなり人懐っこい。
ちなみにナマエの由来は竜と蛇をかけて父親がつけたもの(人の姿ならばナマエが必要、とおもいつけた)
のでかなりこの名前もきにいっていたりするのはお約束。
また、トールには神界にいたころよくいじめられていたので常に正体がばれないか、とびくびものである。
トールいわく大蛇は世界の害になる、とよくわからない正義感で退治しようとしていたらしい……
が、それがロキの子供、とは知らなかったりするのも事実だったりする。
フェンリル
ロキとアングルホダの間に生まれた長子。
見た目は普通の狼、がその大きさと力は別格。
特殊な鎖で極寒の台地にその力を恐れた神々から拘束されていた。
父親をとてもしたっており、わからずやのオーディーンより父親が王になってほしい、とも願っている。
人間界で暮らしているときの姿はとってもかわいらしい黒い小型犬。
しかも彼が話しているときの声は神界のもの以外がきけばうたっているように聞こえる。
ちなみにそのこえはかなり美声。
ゆえにその美声と歌う犬、ということで売り飛ばされそうになり誘拐されたことも……
父親の前ではいいこぶりっこしているが性格は…じつはとても力強い。
長子であるがゆえに父親の苦悩を間近でみていた存在でもある。
弟の通販マニアぶりにはあるいみ呆れている……
ヘル
死者の国、ニブルヘイムを納めている存在。
ロキとアングルホダの二人目の子供にして長女。
うまれながらにその身体の半分が腐食しており、それゆえに特殊な力を生まれもつ。
ヘルもまたオーディンによって兄弟達同様に遠隔地へ追放された。
オーディンはそこに九つの世界※をおいて
名誉ある戦死者を除く…例をあげると疾病や老衰で死んだ者達や悪人の魂を送り込み、彼女に死者を支配する役目を与えた。
その地は彼女の名と同じく「ヘル」(ヘルヘイム)と呼ばれる。
唯一、生まれもった能力において死者を生者に戻すことができる人物である。
それゆえにオーディーンにその能力を恐れられた。
ロキはその能力をオーディーンには秘密にしていたが、
ロキのことなんて目もくれない、といっていた正妻がそれを密告してロキのいない間に追放されてしまった。
どんな姿であれロキにとってはいとしい娘にはかわりがなかったのだが、言葉が足りずに一度はさみしさから父の命を狙い命を落とす。
が、魂における力もあり魂となっても父親をたすけていた。
ある出来事をきっかけに復活を果たしてロキのもとに母親とともに出向くことになる。
スピカ
あるとき人間界においてロキが出会った記憶喪失の女の子。
ナマエも何もわからずに言葉も話せない彼女にロキはスピカ、という名前をつけた。
その実体はロキの愛する人であり、三人の子供たちの母親のアングルホダ当人。
息子たちはそのことに気付いているものの、オーディーンがらみと理解して父親が気づくまでだまっていた。
ロキにあうためにオーディーンにもちかけられた提案をのみ、不利な状況でも無理してやってきた。
声を封じられ、さらにはロキを殺すように呪いをかけられてでもなお、愛する人にあいたかった。
ちなみに、いうまでもなくオーディーンはロキを殺す呪いのことは彼女にはいっていない。
ただことばたくみに彼女を利用しており、それにきづいたスピカは自分の命を断とうとするものの、
そのことがきっかけでその声を失う呪いがとける。
が、もともと彼女は死亡しておりオーディーンの魔力で一時的によみがえっていたに過ぎない。
本来魂だけの存在である彼女が現世にとどまれるはずもなく、あるとき消えてしまう。
それらすべてはオーディーン(バルドル)の計算のうちであった。
が、ヘル同様、とある出来事をきっかけに再び生き返り、娘とともに愛する人、ロキのもとに戻れることに。
大道寺繭良(だいどうじまゆら)
あるひ、ロキの探偵事務所にやってきたかなりミステリー好きというかマニアな女子高生。
が、当人には霊感の欠片もないので目の前で不思議なことがおこっても気づかない。
幼いころに母親をなくしており、ゆえに家族関係のことなどにはかなり敏感で他人を思いやる心をもつ。
ロキとかかわり不思議なことがおこったので半ば無理やりに押しかけ弟子と称して居座っていたりする。
ロキとしても娘と同じ年頃(実年齢はともかくとして)な彼女を無碍にすることはできずになしくずしに協力体制に。
※アニメ&原作においてはロキとマユラは恋愛感情のように言われている?
がこちらではあくまでも親、としての感情を優先させています。
大道寺操(だいどうじみさお)
繭良の父親である神社の神主。
神主、という立場でありながら超常現象などをいっさいもって信じていない。
が、かなりの霊感の持ち主で視えたり、勘はよく働く。
幼い娘を残して死んでしまった妻の遺言もあり娘のことになると周りがみえなくなる。
あやしい探偵社にいりびたる娘をよくおもっていない、がいってきかないのも娘であることをよく理解している。
ストレスのたまったロキによくいたずらの標的にされていたりする。
が、ロキとは子持ちという概念からかある部分で話が通じる唯一の相手、ともいえる。
もっとも、当人は見た目子供のロキがよもや三人の子持ちであるなどとは夢にもおもっていない……
あるいみ、親ばかぶりにおいてはロキも操も似た者同士、と第三者がみれば一目瞭然。
大島玲也
大島財閥の唯一ともいえる跡取り娘。
ロキをかなり慕っているかわいらしいお人形さんのような女の子。
が、その真実は北欧の神、愛と豊穣の女神フレイヤの転生体。
が、レイヤとして過ごしているときにはフレイヤの記憶はない。
が、フレイヤのときにはレイヤの記憶はしっかりとある。
これこそがいわゆる神の転生の典型的な例、ともいえるのかもしれない。
ちなみに、フレイヤ神もロキを愛していたりしたのだがそのプライドからロキにはつたえておらず、
またロキもそのことに気付いていなかった。
その愛情が利用されてロキの命を一時ねらうことにも。
原作においては幼いころからまともにレイヤとして転生していたが、
アニメにおいては途中で死亡していた人間、レイヤをおぎなうようにオーディーンにその身を変えられた。
鳴神
繭良の学校に転校してきた一風かわった熱血転校生。
貧乏なのかつねにアルバイトにいそしみお金に執着をみせている。そしてかなりの節約&貧乏性。
その実体は勝手に父親であるオーディーンに何の用意もないままに人間界においやられた雷神トール。
ロキとは神界にいたころからの悪友ともいえる付き合いでもある。
が、実はロキのほうがトールよりもはるかに長生きだったりするのも事実である。
ロキからすればトールも赤ん坊のころからしっているので親しみがあるのかもしれない。
ちなみに小さいときのことなどをおしつけられて世話していたこともありそれでよくロキにからかわれていたりもした。
が、当人はからかわれている、というのに気付かないほどのかなりの天然である。
トールが生まれたときにはすでにロキの三人の子供たちはオーディーンに追放&拘束されており、
ロキはオーディーンの約束を信じてひたすらに励んでいた。
ゆえにロキが子持ちであることをトールは知らなかったりする。
以上。主たる人物説明をば。
フレイヤ、ヘイムダルはあまりこの話には出てこないとおもう(?)ので省きます。
※九つの世界
北欧神話における世界の総称。
九つの世界(ここのつのせかい)は、北欧神話に登場する世界の総称で9つあり、3つの層に分かれている。
第一層と第二層とは、虹の橋(ビフレスト)によって結ばれている。
第二層のスヴァルトアルフヘイムとニダヴェリール、
あるいは第三層のヘルヘイムとニヴルヘイムを同一のものとして、創世以前からあるムスペルヘイムを数える事もある。
世界設定。※北欧神話のwikiより資料抜粋
ユグラシドル(別名:世界樹)
九つの世界に根を張っている世界の元となる存在。
根元には命の元ともいえる三つの魔力の泉がある。
ミーミルの泉(ミーミルスブルン):のめばすべての知識を得られる泉
ウルズの泉(フルザブルン):運命の女神ノルンの住み家。強力な浄化作用をあわせもつ。
フェルゲルミル:樹の根元、つまりは根っこ部分に位置する泉。
様々な蛇が住んでいる、といわれている泉。ニドヘグといわれる蛇がすんでいる。
など。
第一層
アース神族の国:アースガルド。
門番を務めているのはヘイムダル。
ヴァルハラ宮殿(オーディーンの宮殿の総称)
妖精の国:アルフヘイム。
光の妖精、エルフの住む世界。
なお、オーディーンはこのエルフと人間のハーフ、という説が有力。
ヴァン神族の国:ヴァナヘイム
アース神族と敵対関係にあったが和平後、フレイ兄妹などがアース神族に送り出される。
なお、千里眼をもっているヘイムダルもまたアース神族出身であり、賢い神族、としても有名。
第二層
小人の国:ニダヴェリール
黒い妖精の国:スヴァルトアルフヘイム
人間の国:ミズガルズ(つまりは物質的視点の地球そのもの)
巨人の国:ヨトゥンヘイム
ウートガルズ・ガストロープニル・スリュヘイム
ちなみに、ウートガルズロキが納めているのがウートガルズのみの巨人族である。
霧の巨人や丘の巨人、などといろいろと種族がわけて考えられている。
アース神族にとって勢力を二分している最大の敵ともいわれている。
第三層:
氷の国:ニブルヘイム
世界樹の誕生とともに誕生している地であり、フゥエルゲルミル、と呼ばれる泉が存在する。
世界樹世界においてももっとも最下層に近い国。
ギンヌンガガプ(ニブルヘイムとムスペルヘイムを分ける地)
巨大で虚ろな裂け目。虚無とつながっている。
死の国:ヘルヘイム
ロキの娘、ヘルが管理している死者の国。
ユグラシドル…つまり世界樹の地下部分に創造された国。
ニブルヘルともよばれることがある。
炎の国:ムスペルヘイム
世界の南の果てにあるとよばれている灼熱の地。
始まりであり終わりでもある地でもある。
また世界の創始から存在している場所ともいわれている。
主たる説明はこれくらいかな?
ではまた次回にて~♪
2009年6月1日(月)某日
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