まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて。今回は初代の遊戯王のカプモンの回ですv
この回は漫画では海馬木馬でしたけど。
美穂をからめてるので(笑)こちらを優先v
何はともあれ、いっきますv

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『ふわ~……』
一体全体、何がどうなっているのか判らない。
ただ、いきなり王宮にと続く門をあっさりと通された。
はじめてみる王宮へと続く庭先。
現人神といわれている王が鎮座する宮にふさわしく木々や水が溢れている。
周囲の景色があまりに現実離れしすぎている光景であるがゆえに思わず周囲に気をとられ、
肝心な首飾りの意味を聞きそびれている彼女たち。
数名の兵士達にと連れられて、奥に、奥にとはいっていき。
やがてかなり広い部屋にと彼女たちは通される。
壁に施された様々な色彩や絵柄。
そしてまた、部屋に置かれている様々な品物。
どこをどうとっても一般の家庭などでは見られるものではない。
そもそも、床に自分達の姿が映っている。
というのが驚愕に値する。
完璧なまでに磨き上げられている石はいったい全体何なのか。
よく神殿などで見受けられる重要部分に使われている石と同じもの。
「ね…ねえ?マイさん?あの子…って……」
「というか。あの子からもらったのって…何だったんだろ?」
「さあ?私にもわからないわ」
王宮内部に入るときに、あの首飾りは何やらあわてた様子ででてきた高位の人らしき人に手渡した。
ゆえに今はあの首飾りをもっていない。
彼女たちがそんな会話をしていると。
バタバタバタ……
何やら数名が廊下を走る音がだんだんと近づいてくる。
そして。
「お、おぬしたちがあの首飾りをもってきたものかの!?」
何やら少し歳をとっている顔半分を布で覆っている人物がマイたちにと話しかけてくる。
「え?…あ、はい…あの?」
「そ、それで!?それを手渡したお…もとい、あの御方はどちらにいかれたかわかるかの?!」
何やら切羽つまったかのように聞いてくる。
みれば、彼のほかに数名、神官らしき人物や、挙句は何やら見慣れた兵士とは断然違う、
確実に王宮内部を警備しているらしき重装備の兵士達の姿も目に入る。
「あ…あの?」
「いや。シモン様。そのような問いかけでは恐らくは彼女たちにはわからないかと……」
シモン、と呼ばれた少し歳をとっている男性を制し、何やらまだ若い神官の格好をしている人物。
その人物が彼女たちの前にと出でて、
「失礼。これを手渡した人物はどちらにいかれたかおわかりになりますか?」
どこか大人びた口調の子供が変わりに彼女たちにと問いかける。
いやあの…というか、あの人の首からかけられてるやつ…って…金?
黄金色の首から下げている鍵のような格好をしているモノがやたらと目につき声がでない。
金を纏えるものは、王、もしくは王に近しいものたちのみ。
彼女たちはそう聞いている。
「ま。まあ。マハードのいうとおりじゃな。それで?あの御方から何といってこれを手渡されたのですかの?」
どうやらあの子供はただものではないらしい。
先ほどの兵士達の会話といい…何やら彼女たちの中にありえない想像が浮んでくる。
「順序をおって詳しくはなしていただけますか?」
歳のころならば十過ぎくらいであろうか。
そんな男性の台詞に、しばし顔をみあわせるマイたちの姿が王宮の一室において見受けられてゆく――

  ~第14話~

ん~、いい天気だ。
まだ五月になるかならないか、という時期であるがゆえか朝霧が心地よい。
朝もやのかかっている状態で、周囲には人の気配はあまりない。
時々朝早くからジョギングや、犬の散歩をしている人たちは見受けられるが。
「しかし。こんな朝早くにきてくれ。なんて美穂ちゃん、いったい俺に何のようがあるんだ?」
今日は日曜日。
昨日は何やら学校中が騒がしかったが、自分達にとってはラッキーな出来事。
土日だというのにあまり宿題がでなかったのもかなり助かる。
今日は十時に城之内、杏子、美穂、そして遊戯、そして自分。
この五人で遊びにいくがてらに海馬を心配した遊戯の意見で彼の家に行く予定。
ま、あいつは心配するようなタマじゃないとおもうがな。
こればっかりは俺も城之内のやつと同じ意見だが。
そんなことを思いながら、
「も、もしかして…美穂ちゃん……」
ふと、こんな朝早くに呼び出す理由として美穂の告白なのでは!?
となぜか妄想を頭の中で繰り広げだす。
自分の妄想にひたり顔がにやけ、
「俺のことが好きなの~!!…な~んてな。なわけないか。ははは」
一人で何やらその場でもがいていたりする。
そんな本田をあきれたように朝の散歩をしていた通行人の一人が唖然としてみているのに気づき、
「あ。こんなところに紙くずが。…いかんな。道をよごしちゃ。ね。お婆ちゃん」
あわててごまかす本田であるが、
そんな本田をあきれたようにみつつ、
「ったく。近頃の若いもんは」
ため息を一つついてそのまますたすたと彼の前を歩いてゆく一人の老婦人。
あからさまに意味不明なことをしているのが見て取れる。
それゆえの老婦人の台詞。
たら。
ごまかせなかったか。
そんな彼女の台詞に一瞬固まる本田であるが、
「本田く~ん!!」
ふと待ち望んでいた声が聞こえ、ぱっとその顔が明るくなる。
「あ。美穂ちゃん!」
声がしたほうをみてみれば、自分のほうに向かって走ってくる美穂の姿。
遠目にもポニーテールを結んでいる黄色いリボンが視界に入る。
「んふふ。本田く~んっ!」
右手をぶんぶん振りながら、一生懸命走ってくる美穂の姿をみて、
「か…可憐だ……」
なぜかそんな美穂に対して見とれている本田であるが。
タタタタ……
赤い上着に、ふりるのついたスカートと大きなリボンのついた真っ白な服。
「んふ。…ご、ごめんね。こんな朝早くに呼び出したりして」
大きく息をつきながら、走ってきたがゆえに乱れている息を整えつつも、
上目遣いに本田を見ながらにっこり笑って話しかける美穂。
「い、いやぁ。朝早かろうが、夜おそかろうが。美穂ちゃんの為なら。で、俺にようって?」
そんな美穂の姿に頬を赤らめながらも、疑問に思っていたことを問いかける。
もしかして、やっぱり…やっぱりもしかして、俺に対しての愛の告白!?
などと頭の中はおもいっきり妄想が広がっている本田なのであるが。
「んふ♡実はね。ちょっとお願いをきいてほしいの」
「お願い?」
妄想…もとい、想像とはまったく違うそんな美穂の台詞に、ただただ首をかしげる本田。
そんな二人の姿が、しばし朝も早い童美野町の一角においてしばし見受けられてゆく――


「いってきま~すっ!」
いろいろ考えたけど、やはり休みの日とはいえ駅前にでるときは制服で。
という校則があるがゆえに制服でいくことにした。
家から駅までは多少時間がかかる。
それゆえに早くいかないと。
そんなことをおもいつつ、朝食のサンドイッチを片手にそのまま店先から出てゆこうとする遊戯。
家の玄関もあるにはあるが、こちらのほうが出かけるのに便利がいい。
それゆえに、大概は店の出入り口から出入りしている遊戯なのだが。
「こら!遊戯!」
「何?爺ちゃん?」
「何?爺ちゃん。じゃない。出かけるならちゃんと食べ終わってからにせいっ!」
その片手にパンをもったまま外に出ようとする遊戯を叫んで止める。
「え?でもすぐにこれくらいたべれるし」
手にもっているのは朝食にと作られた卵とハムがはさんであるサンドイッチ。
『遅くなったらピムをつかってもいいが。遊戯?』
手にもっているサンドイッチをみながら、双六に返事をしている遊戯の横に出現しているユウギが、
さらっと何でもないように言い放つ。
「遊戯!それにファラオもそういう問題ではありませんっ!
  というかファラオもとめてくだされっ!
  まったく。あなた様の小さいころも同じようなことをされてましたけど……」
王がまだ即位する前、まだ王子であったころもよく彼は今の遊戯と同じように、
そのまま食べ物などをもって王宮というか建物の中から脱走していたことはざら。
しかも、ピムとは彼の愛馬でもある天馬。
ゆえに、空も飛ぶことは可能。
何となく、さすが同じ魂だけあって歴史を繰り返しているような気がするんじゃが……
そんなことを思いながらも、とりあえずここは懇々と諭さねばならない。
そう思い、その場において諭すために懇々と放し始める双六の姿。
こ…これは。
『……げ。遊戯。これは長くなるぞ。急ごう』
こういうときのシモンは懇々としつこくいってくるのは今も昔もかわらない。
それゆえに一瞬固まりながらも、遊戯を促しているユウギ。
「うん。それじゃ、爺ちゃん。いってきま~す。急がないと皆との約束の時間におくれちゃうしっ!」
バタン!
双六の話しもそこそこに、そのまま店の出入り口から外にと駆け出して行く遊戯。
「あっ!というかお二人ともっ!…まったく……」
そのままパンを片手に出て行った遊戯たちを見送りながら思わず盛大にため息がでてしまう。
「というか。どうも以前もじゃったが、カツヤどのたちの悪影響が……
  ファラオもかつてのことを思い出されてるがゆえの行動じゃろうが……」
あのときも彼らの影響で多少というかかなり無茶をしていたかつての王子。
今まではあまり自分から他人に遊戯も、そしてファラオもまた関わろう。
とはしなかった。
だが…どうやら彼らは別らしい。
「というよりは。やはりセト殿の影響もあるんじゃろうな」
ここまで彼の周りにかつての関係者が転生してきているなどと。
そのつながりというか絆を改めて感じる。
かくいう自分もまたそのうちの一人だが。
「まあ、以前のように儂やファラオとゲームばかりしてるより、
  積極的に外にいくほうがいいのはわかってはいるんじゃが……」
心配なのは、いつ闇の波動が蘇らないか。
ということ。
嫌が応にもこれからファラオと遊戯はそれに立ち向かうことになる。
できるだけその時期が延びればいい。
とおもうのは、ユウギたちを心配しているがゆえ。
「とにかく。儂は儂のできることを今はするしかないんじゃろうがの……」
今はまず、古代史上では【光のピラミッド】と呼ばれているあれを見つけるのが先決。
かつて遊戯がパズルを組み立てたときに一度は発見されたものの、
そのあまりの闇の力の大きさに発見者全員が地割れに飲み込まれて死亡し。
それ以後、その墓の位置は未だに把握されていないという現実がある。
あの水晶でできているピラミッドと共にアクナディンの亡骸もまたあるはずである。
あのとき、そのまま闇にと消えてしまった彼の肉体。
長年にわたる転生や、そして研究などによってそれらは把握している。
常にシモンであったときのことはいってはいるが、その後も幾度か転生を繰り返している。
そのすべての記憶は双六の心の中にとある。
それを滅多と表にださないのは彼らしい、といえば彼らしい。
「まずは……」
とりあえずは、先日某箇所から送られてきたあの画像の真意を確かめることが先決じゃろうな。
まだ店を開けるのには早い時間帯。
ゆえにこそ、店にとおいてあるパソコンの前にと座り、操作を開始する双六の姿が、
ここ、ゲーム屋、カメにおいてしばし見受けられてゆく。

「さすがに日曜日は混んでるな~」
周りをみても、人、人、人。
気を抜いたら人ごみに飲み込まれてしまうかのごとくに。
『現代は日曜とか祭日とか関係なく仕事しているものはしてるしな』
あまり率先して人ごみに出向くことがないがゆえに、しみじみいう遊戯に対し、
思うところがあり遊戯に答えているユウギ。
現代人においては、仕事を休むというか体を完全に休める日。
そういうのを設定しているのにも関わらず、皆が皆いろいろと仕事をしている現状。
これもまた時代の流れなのであろうが、それでも忙しいがゆえに自然の心を忘れている。
そういう感じは否めない。
はたからみれば、遊戯一人がつぶやきながら人ごみの中を歩いているだけ。
だがしかし、実際はそんな遊戯の横に遊戯そっくりのもう一人の彼が並んで歩いている。
というのを霊感などが強い存在であればまず見極めるであろう。
万が一、自分が視える存在がいたときのために、人が多い場所などではユウギもまた、
かつての姿…即ち、王であったときの姿ではなく、ほぼ遊戯と同じ姿にと姿を変えて表に出ている。
すなわち、肌の色や服装などを変えた状態で出てきているのである。
基本的には霊体はその意志で容姿や姿などを変えることが可能。
それゆえのユウギの行為。
この姿ならば、万が一視える人がいたとしても、遊戯の親戚、もしくはなくなった兄か誰か。
そう勝手に判断してあまり違和感を感じないのもまた事実。
このご時勢、子供が一人ひとりごとをいって歩いていたからといって気に留めるようなものはまずいない。
いても声をかけてくるものなどは、はっきりいって皆無に等しい。
それほどまでに人と人の付き合いが希薄になっている、という現実に寂しさを感じなくもないが。
二人でたわいのない話しをしつつ歩いていると、
ふと。
「あれ?何だろ?あれ?お兄ちゃん?」
『何か人が並んでるな』
路地の一角に何やらずらりと並んでいる人の姿が目にはいる。
中心部の道からは外れた通り。
そこにずらりと何やら男女問わずに並んでいる姿が目に入る。
よくよくみれば、とある一つの店を中心にして列ができているようだが。
「行列…だよね。どうみても」
どうも気にかかり、
「?何かあるんですか?」
とりあえず一番後ろにと並んでいる人物にと問いかける遊戯。
「Dショック。プレミアムコレクション」
きょとんとして列をみながらつぶやく遊戯に最後尾にと並んでまっいた男性が橋かけてくる。
「え?Dショック。それってあの腕時計の?」
爺ちゃんもあの時計、便利だからっていってそろえてるやつ?
そんなことを思いながらも改めて問いかける遊戯。
「ああそう。その幻のプレミアムコレクションが今日ここで、特別に限定販売されるのさ」
その台詞に思わず納得する。
というかそんなのは新聞にも何もでていなかった。
ということは何らかしらの方法で口コミとして広まったのか。
はたまた店独自の宣伝方法をとったのか。
それは遊戯にはわからない。
いつも遊戯は新聞や、そして新聞にはいっているチラシは常に目を通すようにしている。
そんな遊戯ですら今日のこれは知らなかった。
「へぇ。幻のコレクションが……って…あれ?」
爺ちゃんに買ってかえったらよろこぶかな?
そんなことを思いながら、ふと列の最前列のほうにと視線をむけ。
思わずきょとん、とした声をだす。
『どうみてもヒロトだな』
ふとみれば、列の前のほうにどうみても見間違いのない姿が目に入る。
「だね。本田くんもこういうのに興味あるんだ~」
ユウギのつぶやきに思わず同意し、
「あ。お兄さん。どうもありがと」
教えてくれた人物にきちんと頭を下げてお礼をいい、列の最前列のほうにと向かってゆく。

うう……こまった。
朝からずっと並んでいたせいか、我慢ができなくなってきている。
しかし…い、今にももれそうだ……
もう少しなのに。
もう少しで買えるのに……
いや、ここは我慢だ。
たかがこんなことくらいで美穂ちゃんに頼まれたことを出来なくてどうする。
だが…しかしっ!
あと数人で店の中に入ることができる。
それなのに、自分はいまなかりの限界に達している。
だからといってこのままでは確実に破裂してしまう。
どうすればいいんだ!?
そんなことをぐるぐると思っていると。
ん?
ふと視線を感じ、横をみてみれば見慣れた姿が目に入る。
「おはよ。本田くん。本田くんにもこんな趣味があったんだ。何か意外」
何やら切羽つまったかのようにもみえる本田にとにこやかに挨拶をしてくるのは、
間違いなくクラスメートの遊戯の姿。
「ま…まあな」
きちんと頼まれたから。
そう説明したいけど、今はそんな時間はない。
それゆえに。
「ゆ…遊戯っ!!頼みがあるっ!」
横にいる遊戯の肩をがしっとつかみ必死の表情で訴える。
「え?何?」
そのあまりの必死の形相にきょとん、として遊戯が問いかけると同時。
「俺はちょっと厠にいってくるから、変わりに並んどいてくれっ!じゃ、たのんだなっ!」
「って、本田くん!……しょうがないな~」
いうだけいって、そのまま駆け出してゆく本田をひきとめようとするものの、
本田はかなりあせっているらしくそのまま走り去ってしまう。
「…何で店の中のにいかないんだろ?」
『たぶん。きづいてないんじゃないのか?』
こういう店の中には必ず備え付けのトイレは存在している。
それゆえに唖然としてつぶやく遊戯に苦笑しながらも答えるユウギ。
「と…とりあえず。戻ってくるまで変わりにならんどくしかないよね……」
別に割り込みとかではなく、あくまでも代理。
そういうものはマナー的にも許される。
仕方ないので、とりあえず本田がもどっくてるまでしばしその場にて並ぶことに――

「本田くん。おそいな~。どこまでいったんだろ?」
かれこれ十分近くまっているのに一向にもどってくる気配はない。
本田の変わりに並んでいる間にもどんどんと列はすすんでゆく。
そのうちに店の中にとはいってしまう。
『というか。この店の中のにいけば問題なかったのにな』
すでに列は店先にまで進んでいる。
ため息まじりに横でつぶやくそんなユウギの言葉に、
「そういえば、本田くん。別なところ探しにいったみたいだよね……」
遊戯もまた改めて深くため息をつく。
というかため息をつくしかない。
というのが現状ではあるのだが。
店の中で用をたさないのであれば、どこまでいっているのかは皆目不明。
わざわざ別の店などに本田の性格からして入るとは思えない。
ならば、デパートか、もしくはかなり離れているが駅のどちらか。
それしか思いつかない。
そのどちらをとってしても時間的に走ったといえどもおそらくもうしばらくはかかるはず。
「…もう。しょうがないな~……」
周囲に気を配りながら一人でぶつぶつとつぶやく遊戯。
前後に並んでいる人たちは、遊戯が変わりに並んでいる。
というのを知っているので彼の心配は身に染みてわかるのでそんな遊戯のつぶやきを聞きながら、
この子も気の毒に。
などと思っていたりするのは遊戯の預かりしらぬこと。
しばし、そんな周囲からみれば独り言。
遊戯からすれば、ユウギとの会話で時間つぶし。
そんなことを繰り返していると、やがていつのまにか次が遊戯の番と列が動く。
と。
「はい。次のかた」
目の前に並んでいた人物が、品物を受け取り、気づけばもう次が遊戯の番。
「え?あ。はい」
店員に促されてレジカウンターの前にと立つ。
どこにでもいそうな人のよさそうな、おそらくこの店の店長なのであろう。
見せ自体はとても小さいがゆえに他に従業員などはいないらしい。.
「お客さん。ラッキーでしたね」
「え?」
にこやかに微笑みながら、
カウンターよりも背の低い遊戯に視線を合わせるようにと身をかがめ、にっこり微笑み。
「後ろに並んでいるみなさん。まことに申し訳ありません。
  この一個を持ちまして。Dショック。ブレミアムコレクション、すべて売り切れです」
カウンターから外にと出て、店の外に並んでいる人々になぜかメガホンをもって呼びかける。
「「え~~!!??」」
店員の台詞に並んでいるすべての人から抗議の声が沸き起こる。
『というか。こういう場合普通。整理券とか配るとおもうけど…やってなかったようだな』
そこまで気がまわらなかったのか。
はたまたそんな資金的な余裕がなかったのかはわからないが。
だがしかし、少しパソコンを使えば自分で整理券などは作れるはず。
それをやっていなかったのは、注文していた品がいくつ正確にはいってくるかがわからなかった。
というのもある。
だが、そんな事実は当然、並んでいる客たちにはわからない。
「うん。たぶんギリギリまでいくつ品物がはいっくてるか不明だったんじゃない?」
こういうプレミアがついている品物にはよくあること。
下手に整理券を配っていて入ってきた品物がその数に足りなかった。
というので問題化することはしばしば起こっている。
『だろうが。だが並んでいる奴等はそれで納得しないやつもいるだろうな』
店員が店の外にむかって叫んでいる姿をみながらそんな会話をしているユウギと遊戯。
他の客たちは品物がなくなった。
というので遊戯の後ろの人たちもざわめいているので遊戯の独り言を気にかけるものはいない。

ざわざわざわ。
「せっかくならんでたのに~」
「まあ、仕方ないかな?」
「やっぱり来るのおそかったか~」
何やらそんな会話をしている並んでいた人々。
それゆえに諦めてちらほらと列を離れてゆく者の姿も垣間見える。
だがしかし、
な…何だとぉ!?
どうしても納得がいかない。
そんなことを思いつつ、
一人、何やら顔をかなりゆがめてそのまま列から離れてすたすたと店の中に入ってゆく男が一人……

「最後の一個か。あぶなかったな。えっと…はい」
ざわめく人々をかきわけて再びカウンターの中にと戻ってきた店員。
そんな彼にとごそごそとポケットの中からお金を取り出しカウンターの上にとおく遊戯。
「はい。ちょうどですね。はい。これ。ありがうございました」
Dショックが売り出されている値段は二万。
遊戯が二万円出したのをうけて先にお金を受け取り、遊戯の前のカウンターにと時計の箱をおく。
一人一個づつの限定販売。
それゆえに一つ入っている箱を包装した箱を遊戯の前にとおき、
「あ。ありがとうございます」
にこやかに挨拶をする店員であるが。
『遊戯。気をつけろ』
「え?……あ」
ふと背後を気にかけ注意を促してくるユウギの台詞にきょとん、とした声をだすと同時。
ぱしっ。
遊戯が時計の箱を手にとるより早く、横から伸びてくる一つの手。
「こいつはオレがいただく」
何がおこったのかわからずに、きょん、としている遊戯とは対照的に、
にやっと笑みを浮かべながらさもそれが当然。
と言い放ってくる手を伸ばしてきた男性の姿が目に入る。
「え?何いってるの?このDショックは…というか、誰?」
まったく見覚えのない男性である。
いきなり横から手を伸ばされて戸惑わないほうがどうかしている。
というか、この人…何いってるの?
まずそんな思いが先に立つ。
「こいつはおまえにはふさわしくない」
いって長袖をめくりあげる無意味に鼻にピアスをし、丸サングラスをしている男性。
スキンヘッドにぴったりとした青い帽子をかぶっているが。
さらになぜか耳にも鼻と同じようなピアスをはめている。
ファッションのつもりなのであろうが、はっきりいって似合っていない。
当人からすればそれがイケている。
そう思っているがゆえの格好なのであろうが。
「え?…あ、それは」
「あれ?それって……」
男性がめくりあげた服のしたからずらり、と腕全体につけている時計が姿をあらわす。
肘の下からすべて並べて左右対称といっていいほどに時計をつけているのが意味不明。
「スイスマイ社のカラーウォッチ。スペシャルバリエーションだ。
  これには色とデザインの組み合わせこそ無数にあるが、オレがしているこれら十種類は、
  全世界でそれぞれ百個づつしか存在しない。おそらく日本で。
  いや、世界でもこのレアな全種類を全部そろえているのはオレしかいないはずだ」
まるで見せびらかすように、というか確実に見せびらかしながら自慢げにと言い放つ。
『というか。百個はかなり多いのに何を意味不明なことを……』
「Dショックで百個、ってそんなに珍しいものじゃないとおもうけど……」
そんな誇らしげな男性の台詞に対し、至極最もな遊戯達の意見。
「けっ。ど素人が。わかってないな。とにかく!おまえのようなド素人がもつべきものじゃないんだよ」
Dショックに少しでも詳しかったり、限定ものなどに詳しいものが聞けば、
素人でないのは丸わかりであろうに、意味不明なことを言い放つ。
そして。
「このプレミアムコレクションは限定物コレクションのオレが持つべきものなんだ。
  譲るな。譲らないとてめぇ……」
あまりに理不尽なことをいいながらも、
遊戯の襟首をがしっと掴み今にも殴りかかる格好をして遊戯を脅してくる。
『まったく。こいつには少しお仕置きが必要か?』
「って、あっ。ちょっとま……っ!」
このままでは、絶対にお兄ちゃんが何かするっ!
そう確信したがゆえにあわててユウギをとめる。
だがしかし、相手にはユウギの姿が視えているわけではなく、それゆえに自分に対して言ってきている。
そう解釈し、
そのままぐいっと遊戯の襟首をつかんだまま、軽々と持ち上げ手を振り上げようとする。
『……ん?』
このままじゃ、お兄ちゃんが絶対にこんな人がたくさんいる中で何かするよ~!!
心の中で戸惑いを浮かべる遊戯であるが、どうやって止めよう。
そう遊戯が考えをめぐらせていると、ふと背後を振り向き小さな声を漏らしているユウギの姿が目に入る。
「…あ」
遊戯もそんなユウギにつられ、その視線のほうこうに目をむける。
と。
「やめろ」
ぱしっとそんな男の肩に手をおいて低い声でいってくる聞きなれた声の持ち主の姿。
「なんだ?てめえ?邪魔する気か?」
遊戯をそのまま持ち上げたまま、肩に手を置いてきたそんな人物。
いうまでもなく本田に向かって眼を飛ばしながら言い放つ。
「限定ものコレクターだか何だかしらないが。ルールは守れよな」
そんな彼に動じることなくきっとその男を睨みながら言い放つ本田。
「なにぃ!?」
本田も負けずに自分に対し眼を飛ばしてきているのをうけ、
こいつ……
こいつはどうやら痛い目みないとわからないようだな。
そんなことを思いながら、遊戯をひとまず下にと降ろす。
しばし、本田と割り込んできた男とのにらみ合い状態が続く中。
「えと……どうしよ?」
ただただ、二人を見比べてうろうろするしかない遊戯。
『俺がでようか?』
出るまでもまく多少の力を使えば簡単にこの場は納めることができる。
それこそ他の人間達にはわからないように。
「いや。それだともっと騒ぎ大きくなるような気が僕としてはするんだけど……」
遊戯の心配は至極最も。
遊戯は彼の【力】を昔から身をもって知っている。
だからこその懸念。
「も、もしもし!警察ですか!?」
そんな会話を小声で交わしている最中、
ふとみれば、先ほどの店員というかこの店の主でもあるであろう人物が電話に向かって何やらいっている。
どうやらこのままでは店の中で騒ぎが起こるのを懸念して電話をかけたのか。
はたまたこの場を治めるためにとそのようにわざと聞こえるようにいっているのか。
それはどちらなのか遊戯にはわからない。
一方、
「コレクターといっても、限定百個ので威張るなんて、たかがしれてるな」
「やっぱり限定五個のレアDショックが一番だな。俺は」
「いや、やっぱり限定ものといえば、作られてすぐに生産中止になった世界で二個しかないやつだろ?」
「というか。いい大人があんな小さい子に手をあげようとするなんて。人間の器がしれてるな」
すでに時計は完売した。
というのに諦めきれない人々が騒ぎをききつけて店の中にとはいってきて野次馬状態。
口々にそんなことを言い合っていたりする人々の姿。
騒ぎを聞きつけてかどんどん人は増えてきている。
そして、極めつけは店員が警察に電話をかけて救助を求めるのをみて、
このままここでこのガキを殴り倒して時計を手にいれても警察に捕まるのは明らか。
というかこの人ごみの中を無事に逃げ出せる保障はない。
「…ちっ」
あんな気弱なガキがもっているのならチャンスはまだあるはずだ。
そう思いなおし、店の中だというのに唾を吐き捨てて舌打ちし、そのまま外にとでてゆく男の姿。
「おらおら!のけっ!」
出入り口にも固まっている人々に叫びながらもそのまま出てゆく男の姿。
そんな男を見送りつつ、
「遅くなってわるかったな。…大丈夫か?遊戯」
何ごともなく店を出て行った男の後ろ姿をみてほっと胸をなでおろす。
そんな遊戯にと声をかけてくる本田。
「え?あ。うん」
よかった。
本田くんがもどってきて。
というか…あのままだったら絶対にお兄ちゃん、何かしそうだったもんな~……
遊戯がそんなことを思っていると、
『しかし……あの男…かなり闇の心をもってるな。あれは諦めそうにないぞ?遊戯』
外のほうをみながらそんな遊戯にと話しかけてくるユウギであるが。
「そんな……」
ユウギの声に思わず戸惑いの声をあげる遊戯。
「?どうかしたのか?遊戯?」
もしかして、俺がもどってくるまえに何かされたのか?
そんな心配を抱きながら、戸惑いの声らしきものをつぶやいている遊戯にと話しかける。
「あ。ううん。それより。はい。本田くん。これ」
本田の声に、はっと我にともどり、今買ったばかりの時計の箱を手渡す遊戯。
「おお!ありがとな!遊戯!さすが友達だぜっ!」
遊戯に包装されている時計入りの箱を手渡され、おもわず箱にと頬擦りする。
「でも本田くん。おそかったね」
そんな頬擦りしている本田に対し、気になっていたことを問いかける。
「おう。すまん、すまん。中々厠がみつからなくてな」
しっかりと大事に大事にそれを持ち、謝る格好で言ってくる本田であるが。
「何で店の中のそこのつかわなかったの?」
いいながら、店のとある方向を指差す遊戯。
「…え?」
遊戯が指し示したその先に、店に設置されている厠のマーク……
「ああ!店の中にあったんだっ!?駅まではしっちまったぜっ!」
『・・・・・』
「……」
遊戯に指摘されて今さらながらに気づいたらしく、おもいっきり叫ぶ本田をみて、
思わず顔をみあわせつつも無言になりはてるユウギと遊戯。
『ヒロトらしいというか、何というか……』
おもいっきりあきれたため息をついているユウギをみながら、
遊戯もまたそんな彼の意見に心の中で同意し、
「あ。それより。本田くん。いそがないと。待ち合わせ時間におくれちゃうよ?」
乾いた笑いを作りながらも、とりあえず気になっていた時間を指し示す。
「って、もうこんな時間か。よし。いそごうぜっ!遊戯!」
遊戯に指摘され、時計の時刻を確認すると、もうすこしで十時になりかけている。
待ち合わせの時間は午前十時。
「あ、まってよ!本田くんっ!…えっと。ありがとうございました」
とりあえず店員にときちんと挨拶をして、かけてゆく本田の後を追いかけてゆく遊戯。
「ありがとうございました~!!」
後には面白そう…もとい、騒ぎが収まったのをうけて店からでてゆく客たちに対し、
明るく挨拶をする店員の声がしばし響き渡ってゆく……

「わ~。ありがと!…ね、似合う?すごいでしょ?」
待ち合わせは東口側の駅にとあるゲームセンターの前。
時間ぎりぎりに二人がたどりつくとすでにそこには美穂や杏子、そして城之内がすでに二人を待っている。
今日はここで少し時間を潰して昼から海馬の家にいく予定の彼ら達。
それは朝から押しかけても何か悪いから。
という遊戯なりの配慮なのだが。
本田から時計を手渡され、さっそくかなり喜びなからも腕にとつける美穂。
金を主体にしているDショック。
水圧や耐久性にかなり優れており世界的にも有名な時計。
時計を腕につけて店の前でかなりはしゃいでいる美穂。
まだ朝が早いとはいえ、多少の営業妨害になりかねない。
それすらにも気づいていないらしい。
「すげ~!本物始めてみたぜっ!」
美穂が腕にとつけた時計をみて目をきらきらさせながら言う城之内。
「え?城之内くん、みたことないの?爺ちゃん、いろいろもってるよ?」
そんな城之内の台詞にきょん、となり言わなくていいことまでいっている遊戯。
「まじかっ!?」
そんな遊戯の台詞にくいついてくる城之内。
『シモンはかなり凝り性だからな~…あいつは昔から』
しみじみと、今は遊戯の祖父でもあるかつての側近であるシモンのことを思いつつ、
そんなことをいうユウギとは対照的に、
「うん。耐久性に優れてるからって確か二個しか作られてないやつももってたはずだけど……」
城之内たちにはユウギの姿は視えていない。
だがしかし、たしかに遊戯の隣に霊体として出現しているユウギはその場にいる。
霊能力のつよい者がみればわきあいあいと何やら騒いでいる六人の姿が目につく光景。
「え~!?そうなの!?遊戯くん。こんどお爺ちゃんに見せてってたのんでくれる!?」
「うん。いいよ。美穂ちゃん」
腰を少しかがめて、懇願するようにいってくる美穂ににこやかに答える遊戯。
「しかし、美穂。自分で並ばないでよく手にはいったわね~」
それでなくても品切れ状態の品。
並んでもなかなか手にはいる品物ではない。
それゆえの城之内の素直な質問に対し、
「んふふ。本田くんがね。美穂のかわりに朝早くからず~と並んでくれてたの。ほんとたすかった~」
というか、本田ならば確実に自分のお願いをきいてくれる。
という確信があったがゆえに彼を朝早くに呼び出している美穂。
「持つべきものは友達よね~。美穂」
多少、そんな意図的な意志をもって本田に頼んだ。
というのが判るがゆえに美穂を諌める意味をもこめて美穂に話しかける杏子であるが、
「ほんっと。私、本田くん。だ~いすき」
まったくそんな杏子の言葉の意図をとらえることなく、素直にそのままうけとっている美穂。
これだから彼女は何だか憎めないのであるが。
当人からすれば悪気はないのである。
……その行動でどれだけ回りが騒ぎになろうとも……
「大好きだってよ。。本田。よかったな。あさっぱらから並んでよ」
からかうつもりで本田にと話しかけている城之内。
「や…やかましいっ!」
そんな城之内の台詞に真っ赤になりつつも、無意味に手をばたばさせ、
「俺は美化委員として当然のことをしたまでだ」
こほん、と咳払い一つしてなぜかびしっと空を指差して言い放つ本田の姿。
なぜにそこで美化委員?
そんな本田の台詞にその場にいた全員が思わず同じことを心の中で突っ込む。
それは遊戯達とて同じこと。
「世の中をみろ。人々の心はすさんでいる。
  そんな人々の心を清めることこそが、美化委員の真の仕事!
  つまり、美化委員は清らかなる心で人一倍の優しさをもたねばならんのだっ!」
片手を腰にあて、もう片方の手をたかだかと空にむけてポーズをとり、
何やら力説するように演説を始める本田に対し、一瞬目を点にしつつ、
「ち…ちょっと無理がないかな?それって……」
戸惑いながらもひとまず突っ込みをいれている遊戯。
「というか。思いっきり無理があるわよ」
遊戯の台詞につづくように、腕を組んできっぱり言い切る杏子。
そんな二人とは対象的に、
「なあ。美穂。ちょっとそれ、かしてくれよ」
未だに何やら演説をしいる本田を無視し、美穂にと話しかけている城之内。
「え?このDショック?」
本田の行動に目を点にしていた美穂であるが、城之内が話しかけてきたのをうけ、
きょとんとした声をだす。
「こら!城之内!俺の話しをきかんかっ!」
自分の演説をまったく聞かずに美穂に話しかけている本田にと抗議の声をあげる本田だが、
「ここにいる間でいいからさ。それ、一度でいいからしてみたかったんだ」
そんな耳元でわめいてくる本田をあっさり無視して美穂にと交渉を続ける城之内。
「いいわよ♡でも、そのかわり汚さないでね」
ぴくっ。
にこやかに答えながら、時計を外そうとする美穂の台詞にびくりと反応し、
「ち…ちょっとまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
おもいっきり城之内の耳元で大声で叫ぶ本田。
あまりの声の大きさに遊戯や杏子がおもわず耳を押さえてしまうほどの大声。
「な、何だよ。本田。耳元で五月蝿いな」
いまだに耳がわんわんする。
すこしばかりぐらぐらする頭を片手で抑えながら、叫んだ本田にと話しを振る城之内に対し、
「じ…ジャンケンだっ!」
ぐっと拳をにぎりしめて、真剣な表情でいきなりそんなことをいってくる本田の姿。
「…は?」
なぜにいきなりじゃんけん?
その意図がわからずに、おもわず間の抜けた声をだす。
「ジャンケンして勝ったほうが、美穂ちゃんのそのD何とかをする権利を得る」
勝手に一人できめて、勝手に城之内に挑戦をけしかけている本田。
というか彼は未だに美穂がしている時計がいったいどんなものなのかきちんと理解していない。
「Dショックだよ。名前もいえないくせに立候補するんじゃねえ」
きちんと名称すらもいえない本田の申し出に、ただただあきれるしかない城之内。
本田のいわんとすることはわかっている。
ただ、それが美穂のものだから。
という理由である。
ということは。
だがしかし、名前がわからず、価値もわからないのに立候補してきてほしくない。
それが城之内の本音。
しばし何やら面白そう…もとい、成り行きを見守るためにと傍観していたユウギであるが、
『遊戯、あそこに』
ふと、闇の波動を感じて視線を向ける。
そこにいるはずのない人物の姿をみて、遊戯にと注意を促すユウギ。
「……あ」
少し先に先ほどの男の姿が目に入る。
何やらこちらを伺っているようにしかみえないが。
ユウギにいわれ、あの店でちょっかいかけてきた人物がこちらを見ているのに気づく遊戯。
そんな彼の姿にはどうやら本田は気づいていないらしく、
「いいからジャンケンだ!!いくぞ。城之内!!」
未だに城之内と何やら言い合いをしながら、時計を借りる権利を争っていたりする。
「ちっ。まあしょうがないな」
これはどうやら、本田は絶対にあきらめそうにないな。
ここでしばらく騒いでいても他の客に迷惑でもあるし、またかなり通行人たちからも目だってしまう。
それゆえにあきれた口調で折れる城之内。

「「じゃん、けんっ……」」

しばし、城之内と本田のジャンケンする声がゲームセンターの前にて響き渡ってゆく……


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あとがきもどき:
薫:さて…この時計の回がおわったあとはどれにするかな?
  いや、次のシャーディーの回はもーちょい後にするよていなので……
  しばらくは学園生活にしてかないと時間設定が……
  てら疑問に思うこと。原作にしろ、アニメにしろ…彼ら、いつ高校にいってるんだろ(笑
  高校は義務教育でないから下手したら退学なのにー(笑
  何はともあれ、ゆくのですv
  んではでは、また次回にてv

2007年8月31日(金)某日
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