まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて。前ぶりの過去話。
ようやく杏子、舞、そして了(獏良)の登場ですv
次回の次回でたぶんシモン(双六お爺さん)もだせるかな?
ともあれ、のんびりとゆくのですv

#####################################

ゆらゆらと、壁にとかけられている松明のみが部屋の中を照らし出す。
ほのかな明かりの中に浮かび上がる女性たちの姿。
「……うん?君…誰?」
よくよく目をこらしてみれば、上のほうから降りてきたのはどうやら小さな子供らしい。
全身をなぜか真っ白いマントのような布でおおい、顔もまたまるで砂漠超えをするような格好のため、
ほとんどその顔立ちは見えない。
とはいえ、多少異なるのはそれはぐるぐると顔に布を巻きつけている。
とかいうのではなく、あくまでも頭にかぷっている布をふかくかぶって顔までが隠れている。
という程度。
「……あれ?そういう君は…って、あ。やっぱり……もしかしてあたり?
  何かこの地下に悪人たちの隠し部屋がありそうな気がしてきてみたんだが……」
階段から降りてきた見た目、身長からしてどうみても子供がそんなことをいっくてる。
だがしかし、子供とはいえ油断はできない。
そんなことを思っている一部の女性たちの反応とはうらはらに、
「どうやら俺がくるまでもなく、自分達で逃げ出せていたようだな。
  いいことではあるけど……、とにかく。早くここから出たほうがいい。
  まだ男達は気絶しているままだが、いつ気がつくとも限らないしな」
いいつつも、ふと周囲を見渡し、
「そういえば、この中にカツヤって人の妹さんっているか?
  カツヤっていう人と、ヒロトっていう人が探してたのに出くわしたんだが……」
これだれ女性たちがいると、探している人物がいるかどうかはわからない。
「?カツヤ?それって…もしかして、シズカって女の子のお兄さんのこと?」
ふと、この間まで一緒に捕らわれていた女の子が兄の名前をいっていたのを思い出し、
思わず声をだしている一人の少女。
「妹の名前までは俺は知らないけど。
  ともかく、俺は彼らからこの王都で悪事を働いている存在達のことを知ってここにたどりついたんだが
  そんな存在達を許しておけば、民のためにも、そして国の為にもならないしな」
そう。
それこそ父が目指しているすべての存在が幸せに暮らす国。
というのは到底築けない。
そしてまた、自分が目指す差別のない人々が平等に、すべての存在と共存して暮らす。
という世界の妨げにもなる。
「?その言い回しって、もしかして坊や、王宮関係者か、もしくは役人の関係者かい?」
「ぼ…坊やって…ま、たしかにまだ俺は六歳だけど……」
この中で一番年上であろう女性にいわれ、思わずつぶやく。
というかこの前なったばかりである。
だがしかし、すぐに気を取り直し、
「まあ、関係者…といえば近いかもしれないが……そういえば、君たちは行くところはあるの?」
とりあえず、この場を逃げ出してもどこか安全な場所に避難できなければ危険であろう。
何しろどうやら闇の存在が関わっているらしいこの一件。
そんな彼の問いかけに、
「そういえば……彼女たち逃がしたあとのこと考えてなかった……」
目を見開いて、まったく思ってもいなかった。
というようにいってくる十歳くらいの少年。
「えっと。君は?」
「僕?僕はリョウ。とにかくこの人たちを助けないと、とおもって……」
「なるほど。なら…えっと。どうやら君が一番年上で皆を束ねられそうだね。これを……」
しゃらっ。
ぱさり、と目深にかぶっていたフードを下げて、首に下げていた一つの首飾りを取り外す。
そして、それを手にとり、さきほど、自分を『坊や』と呼んだ女性にと渡す。
「君、名前は?」
「え?私?私は…マイ」
「そうか。マイ。これをもって王宮にいけ。これをみせれば全員、王宮で保護してくれるはずだ。
  あとは状況説明などが終わったのちに、それぞれの家に送り届けるようにしてくれるはずだ」
『王宮…って……』
薄明かりとはいえ、近くでみれば、目の前の少年が見たこともない額飾りをしているのが目にとまる。
……眼?
何か眼のような紋様が描かれている額飾り。
まさか…これって…黄金?
いや、でも何かが違う?
そうよね。
まさかこんな子供が黄金なんてつけてるはずがないわよね。
黄金なんて王家やそれに連なる身分ある人たちしかもてないものなんだし……
「えっと…これ、何なわけ?」
薄明かりであるが、何か首飾りの先についているのは何かの紋様らしき物体。
それが何を意味するのかは…この場にいる誰もがわからない……

  ~第10話~

たったったっ……
何だろう。
何かものすごく嫌な予感がする……
そんなことを思いながらもあわてて校舎のほうにともどってゆく。
校舎、といってもかなり広い。
いったいどこにいけばいいんだろ?
遊戯がそんなことを思っていると、
『遊戯。屋上だ』
遊戯の横に出現しているユウギがそういってくる。
どうやら彼には彼らがどこにいるのかは判っているらしい。
彼に示されたままに、本校舎の屋上にと駆け上がる。
バッン!
勢いよく屋上の扉を開く。
そんな遊戯の目にはいってきたのは、屋上の床に転がる本田と城之内の姿。
そしてその横には見たこともない大人の男性二人と、その後ろに海馬の姿。
「城之内くんっ!本田くんっ!」
どうみても、怪我をして気絶している二人をみて思わず叫び駆け寄ってゆく。
そんな遊戯に対し、
「聞いてくれよ。遊戯くん。この二人がとんでもない言いがかりをつけるんだ」
まったく悪びれもなく言い放ってくる海馬。
だからこれは正当防衛。
そう彼が言いかけようとするよりも早く、
「……君が、爺ちゃんのカードを摩り替えたことでしょ?
  気づいてたんだ。みればカードが本物か偽者なんかなんてすぐにわかるし…それに……
  だけど…だけど、でも、きっとおもいなおしてかえしてくれる。っておもってた。
  君もゲームが大好きだっていってたから」
そう。
気づいていた。
だけども、思いなおして返してくれる。
とおもっていた。
すぐにそうしてくれなかったのは、きっとクラスの皆の目があり、戸惑ったから。
そう信じていたかった。
だからこそ、彼が校舎からでてきて、校門にくるまでずっと門の下でまっていた。
彼が学校から帰る、つまりは一人になるときに話してみよう。
そう思って。
ふっ。
そんなうつむきかげんに話す遊戯の台詞に馬鹿にしたような笑みを浮かべている海馬。
「でも…ちがったんだね……。……かえして。君も知っているはずだよね?
  あのカードは爺ちゃんにとってどれだけ大切なものなのか。
  あのカードは爺ちゃんの心でもあるんだ。お願いだからかえしてよっ!海馬くんっ!」
それでも、海馬の心を信じたい。
きっとわかってくれる。
そう……
だから、彼に心をこめて訴えながらも海馬の制服にすがりつく。
彼がゲームを愛している。
あの言葉に嘘はなかった。
だからこそ……信じたい。
そして…祖父のためだけでなく、もう一人の自分の為にも……
「…ちっ。きたない手で…さわるなっ!」
だがしかし、そんな遊戯の願いもむなしく、手にしている鞄でそんな遊戯をなぎ払う海馬。
どさっ。
教科書などが入っている鞄には結構重量がある。
それゆえに、そのまま屋上の柵側にと体が吹き飛ばされる遊戯。
「……か、海馬くん……」
柵にと寄りかかるようにして倒れている遊戯の前にすくっと立ち、
「カードが心だ?馬鹿な。カードはカードだ。
  それを持つにふさわしい人間の元にあって力を発揮するのさ。爺さんにいっとけ。
  ゲームは心じゃない、どんな手段を使っても、勝つという執念なんだ。とな。
  この学校でこんないい拾い物ができるとはおもわなかったな……」
見下すように言い放つ。
その笑みが何やら邪悪さを浮かべているのは何も気のせいではない。
「あ、まって、海馬くっ……」
「ムダなんだよ。坊主」
たちあがり、そのまま立ち去ろうとする海馬を追いかけようとするものの。
そのまま、目の前に立ちふさがった男の一人にかるく胸元をつかまれ持ち上げられる。
どすっ。
軽々と遊戯を持ち上げている上体で拳を一撃、みぞおちにと叩き込む。
そのまま一撃をたたきこみ、校舎の屋上の床にと投げ放つ。
どさっ。
どうして?
どうして?海馬くん?
ゲームが好きだ。
そういったときの君の目には嘘はなかった。
なのに……
何ともいえない悲しみが心を多い尽くしそうになる。
『ふぅ。遊戯。俺にかわれ。…セトとは俺が決着をつける。シモンのカードは取り戻す』
お兄ちゃん……
みぞおちに一発くらっているので声がでないし、動けない。
『セトを再び光の元にもどすのもまた俺の役目。あいつの心は今、病んでいる』
彼の姿が視えないほどに。
本来の彼ほどの能力があれば、ユウギの姿は視えているはずである。
だが、真実が今の彼は見えなくなっている。
『遊戯。おまえはしばらく休んでろ』
お兄ちゃん…海馬くんを…海馬くんを…たすけてあげて。
そんなことをおもいながらも、遊戯の意識はそのまま眠りに落ちてゆく。
それと同時、
ポウッ…
遊戯の首にかけられている千年パズルが光を発し、遊戯の額に浮かび上がる第三の眼。
それと同時に彼の体が光に包まれ瞬時にまるで背伸びをするかのごとくに身長的にも変化する。
ゆっくりと立ち上がる。
「ふっ。ムダかどうか…かけてみるか?」
まるで何事もなかったのように立ち上がり、目の前にいる男達にと言い放つ。
「うん?このガキ……?何だ?」
さきほどまでの気弱な小さな子供とは雰囲気が違う。
いや、雰囲気どころか何というか…身長すらもかわってないか?
さっきはかるくそのまま胸元をつかんだまま持ち上げられたくらいの身長しかなかったのに。
たしかにみぞおちに一発、直撃したはずである。
起き上がれるはずがない。
それなりの鍛錬を積んでいるものですら数分以上は動けないはずである。
「き…きさまっ!」
何ともいえない恐怖感というか威圧感。
その恐怖にかられて、違和感を感じながらも再び殴り飛ばそうとする。
が。
ふっ。
そんな二人の男を軽く笑みを浮かべてやりすごす。
たしかに自分の今の肉体は十六歳の少年のもの。
それゆえに大の大人の男性と比べれば、身長差などはありえるが、
だがしかし、身を守る術。
というのは彼はいやというほどに叩き込まれている。
それは、魂が覚えている感覚なので肉体にも影響する。
遊戯にもし、それをやれ。
といえば間違いなく出来ないであろうが。
彼は別。
「おそいな」
がっ。
どっ。
彼らの動きを利用して、そのまま一撃。
それぞれ二人のおなかに叩き込む。
崩れ落ちた直後にその首元にさらに一撃を加え、それぞれ一瞬のうちにと気絶させる。


うっ…ん……
「…な…何だ!?」
「……あ゛……」
ふと、完全に殴られて気を失っていたが目を覚ます。
頭がふらふらするものの、だがしかし動けないほどではない。
ゆっくりと体をおこせば、横にも同じように倒れているそれぞれの姿が目にはいる。
どうやら自分達は同じように気を失っていたらしい。
「…な、なあ?これ、おまえがやったのか?本田?」
「…城之内がやったんじゃないのか?」
思わずそこに広がっている光景。
すなわち、先ほど自分達を攻撃してきた海馬瀬戸のボディーガード二人。
その彼らが完全にのされた状態となり、その場に重なるように倒れ伏している。
見た限り、完全に意識はないようである。
それゆえに、二人同時に問いかける。
そして、二人が同時に同じ内容を言ったのをうけ、
「「・・・・・・・・・・・・・・」」
しばし、無言となり二人同時に顔をみあわせ、
「…じゃ、これ…誰がやったんだ?」
「…遊戯…のわけはないしな。あいつはこんなことできるような力ないし」
気を失いかけるその前に、遊戯がやってきたのは知っている。
だけども、自分達ですらかなわなかった相手に遊戯が勝てるとは到底思えない。
「と、とにかくっ!海馬のやつだよっ!」
「そうだ!遊戯のやつも海馬のやつに酷い目にあわされかねないしなっ!」
とりあえず、この場に海馬と、そして遊戯の姿がない。
ということは、二人してどこか別の場所にいったかどうかした。
ということ。
もしくは、遊戯がどこかに連れて行かれた可能性もある。

彼らは知る由もない。
男達を倒したのは…遊戯の中にいる、もう一人の『ユウギ』である。
ということを……

あ、あれは……
遊戯を探して校舎を捜し歩いていた。
ふと屋上にいってみればそこには怪我をした本田と城之内の姿が。
そして、みたこともない大人の男が二人ほどその場にと気絶していたりする。
「って、城之内!?本田!?いったい何があったの!?遊戯は!?」
たしかに自分は遊戯を追いかけてきたのに、いまだに遊戯の姿はみえない。
おそらく遊戯もまたこの場所にきたであろうに。
不覚にも、あの男達に完全にのされて気絶していた自分達。
校舎の中に戻ろうとする城之内と本田であるが、そこでばったりと屋上にやってきた杏子と鉢合わせする。
「杏子?おまえ……」
「何があった…って、それに関しては俺らも何とも……」
それ。
とはいうまでもなく気絶している男達のこと。
誰がやったのかすらわからない。
唯一いえるのは、それは自分達がやったわけではない。
ということ。
とりあえず、簡単に杏子にと事情を説明する二人。
そして。
「とにかく!海馬のやつをみつけないと!遊戯のやつにも何かしでかすかもしれないっ!」
「とにかく、二人をさがそう!」
「あ、あたしも探す!」
今の遊戯に関しては、何かあってもきっと、ユウギお兄ちゃんが何とかするだろうけど、
だけど何か心配だし。
そんなことを思いながら、二人の会話に同意する杏子。
そのまま彼らは三人、それぞれに別れて校舎の中を二人の姿を求めて探し始める。


『セト』
「…ん?」
名前を呼ばれて思わず振り向く。
聞いたことがない声であるが、どこかで聞いたことがあるような気がしなくもない。
あいつら…何やってるんだ?
運転手でもあるボデーガードの二人は未だに校舎の屋上からおりてこない。
先に車にのっておくか。
そんなことをおもいながら車に乗り込もうとした矢先。
「…貴様、…ユウ…ギ?」
何か違う。
何だ?
この違和感は?
いつもの気弱そうな遊戯か?これが?
校門に寄りかかるように自分に話しかけてきているのは見た限りは間違いなくあの遊戯である。
だが…何かが違う。
「さ。ゲームの時間だ」
なぜかいきなりそういわれ、思わず怪訝な顔をする。
「ゲーム…だと?…あいつらはどうしたんだ?」
ボディーガードのあの二人は、かなり腕がたつはずである。
どうしてこの遊戯が彼らから逃れてここにいるのかすらもわからない。
「さあな?あの二人なら今頃、昼寝の時間中だ」
そんな海馬に淡々と多少笑みを浮かべながらも言い放つ遊戯。
「何!?…まさか、きさま…が?」
そんな遊戯の台詞をきいて驚愕に一瞬目を見開く海馬。
あんな気弱な遊戯にかなり屈強な力をもつあの二人をやれるはずがない。
そうはおもうものの、何かそう断言できない雰囲気が目の前の遊戯にはある。
「セト。俺とのゲームにつきあってもらうぜ。ちなみに、勝負はデュエルモンスターズ、で、だ」
「…ふっ。いいだろう」
そんな遊戯の台詞に、思わず笑みを浮かべる海馬。
こいつ…馬鹿か?
この俺が全国といわず世界的にもエキスパートだと知っていっているのか?
まあいい。
じっくりと実力をわからせてやる。
そんなことを思いながらも遊戯の提案をうけいれる。

「遊戯。この俺がデュエルモンスターズのエキスパートだと知って勝負を挑んでいるんだろうな?正気か?」
とりあえず、外でそのままゲームをする。
というのも何だというので教室に一度もどり、一つの席を囲んで椅子にと座る。
向かい合わせに座っている遊戯にと腕を組みながら自分の優位を確信して言い放つ。
「ふ。さあな。だがこれから始まるデュエルモンスターズはこれまでのとはちょっと違うぜ。
  やってみればわかるがな」
そんな海馬の態度に動じることもなく、遊戯もまたその両腕を組みながら、
足を交互にくみあわせ自信満々に言い放つユウギの姿。
「ふっ。そいつはたのしみだな。遊戯」
そんなユウギの態度と、そして台詞をきき、
どこがどう違うというんだ。
それに自分にはあの青眼の白竜のカードもある。
負けるはずがない。
それにしても…この自身、まるで別人だ。
それに…何だ?
さっきから感じているこの違和感は……
などとそんなことを思っている海馬。
未だに彼は彼の身長が異なっている。
ということに気づいていない。
自分とあまりほとんど身長がかわらなくなっている。
というのに。
それは、彼…海馬が、遊戯を遊戯としてしか見ていない証拠。
彼の頭の中には気の弱い感じがする遊戯のイメージが定着しているがゆえ。
心を開いて素直な眼でみれば、その事実に気づくであろうが。
今の海馬にはその心の余裕すらない。
「手持ちのカードは四十枚。ライフポイントは二千点。0になったほうが負けだ」
目の前の海馬…否、セトが自分のことに気づいていない。
というのはわかっている。
判っているからこそ、彼を心の闇から救い出すのもまた自分の役目。
そう思いながらも淡々と言い放つユウギ。
「ふ。いいだろう」
それは全国といわず世界で今定着しているデュエルモンスターズの公式ルール。
だからこそ問題はない。
「じゃ、いくぜ。ゲーム…スタート」
海馬の同意の台詞をうけ、静かにゲームスタートの合図を出すユウギ。
スタート、という言葉と同時にこの場が特殊の空間に包まれる。
だが、そのことには気づいていない海馬。
つまり、この場といわずこの教室全体が闇の空間。
つまり闇のフィールドにと包まれ、この中には彼ら以外にははいれなくなっている。
教室にはいってこようとする第三者はまずこの中には入ることは出来ない。
それが闇のフィールドの特徴。
「まず、俺からだ。五つ星レベル、ガーゴイル。フィールドは黒い森だ」
何てことはないいつものデュエルモンスターズの対戦。
ここは強者の力をみせつけておく必要がある。
そんなことを思いつつ、いって机の上にとあるフィールド状マップの上にカードをおく海馬。
それと同時にカードから蒼い煙りが立ち上り、煙りと共に周囲の空間もまた変化する。
周囲に実体化する、黒い森と、ガーゴイルの姿。
「な…何!?…ま…まさか…!?」
何のトリックもない教室のはず。
なのにたしかに目の前のカードがいきなり実体化した。
それは明らか。
がたんっ!
あまりといえばあまりの出来事に思わず座っていた椅子を立ち上がる。
立体映像?
いや…違う。
あまりにリアルすぎる。
これは…いったい!?
こんなリアルな実体化した魔物の姿は今現在のどのゲームでもみたことがない。
リアルバーチャルシステム…にしては、おかしい。
何しろここはただの教室。
そんな機械があるはずもない。
しかも、自分のカードにも何の仕掛けもない。
幻にしてはリアルすぎる。
何しろ息遣いまで感じるほどのリアル感。
「ふっ。だからいっただろ?今までのゲームとは違うって。
  攻撃は、このカードでうける。…暗黒の竜王ドラゴン。フィールドは湖。…バトル」
教室の中だというのにその場に湖が出現し、
その中より現れる竜の姿。
その前に一枚カードをその場にユウギがカードをその場に伏せているのを海馬は気づいていない。
実体化しているモンスターに海馬は今だに気をとられている海馬。
彼としては何がどうなっているのかわからない。
理不尽な不可解な現象はすべては、幻で化学では証明できないことはない。
そう今までも信じてきたし、またそう叩き込まれてもきた。
ならば…今おこっているこのゲームの仕掛けは?
様々に脳内で思考をめぐらせていると、遊戯のほうも気づけば攻撃態勢にと入ってきている。
「い…いけっ!ガーゴイル!」
それゆえに、はた、と今は遊戯との勝負の最中。
そう頭の中を切り替えて、今は戦いに集中することを決意する。
海馬の合図と、ユウギの攻撃はまったく同時。
だがしかし、暗黒の竜王の攻撃はガーゴイルに勝る炎のブレス。
ボッ!!
きしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ……
断末魔の叫びをあげながら、炎に包まれてその場から掻き消えてゆくガーゴイル。
それと同時に、海馬がフィールド上に出したカードが煙りを立てて消滅する。
「か…カードが……」
目の前で何の前触れもなくカードが消滅した。
それも、自分のモンスターが負けたと同時に。
それゆえに驚愕の表情を隠しきれない海馬。
暗黒の竜王ドラゴンに負けてガーゴイルが炎に包まれるとと同時に、
海馬のライフポイントが五百ほど減る。
シュウ……
負けると同時に、ガーゴイルの姿がかききえ、それと同時にカード自体も消滅する。
「そうだ。負けたカードは完全消滅。これがデュエルモンスターズ。闇のゲームのルールだ」
そんな海馬に淡々と口調を変えることもなく言い放つユウギ。
しばし、驚愕していたものの、
ふ…ふふふっ!
ふははっ!
心の奥底から心底異なる何かがこみ上げてくる。
それゆえに、今は自分が負けたというのにいきなり笑い始める海馬の姿。
「お…おもしろい!面白いよっ!遊戯!これがこのオレが探し求めていた究極のゲームだっ!」
心のどこかで求めていたもの。
実体化した魔物と魔物との戦い。
常にリアルさを求めていた。
その答えが今、まさにここにある。
「ちなみに、この闇のゲームに負けたものは罰ゲームが待っている。死の体感、という罰ゲームがな」
一人、笑っている海馬にと追加説明しているユウギ。
今このゲームのレベルはそれほど上げていない。
レベルを最高まであげればそれは人の精神上、即、死を意味する。
死の体感。
それがどんな意味をもっているのか海馬はわからないが、ぞくぞくするのは明らか。
こんなにぞくぞくしたのは今までになかった。
何かが新しく始まる。
そんな予感。
「しかし…このゲーム。そう長くはかからないようだな。
  いくぞ、最強のレアカード。ミノタウルス!フィールドは砂漠だっ!いけっ!
  ちなみに攻撃はムダだ。ミノタウルスの攻撃力も守備力もドラゴンより上だからな」
手持ちのカードの中から一番攻撃力が高い星五つのカードを出して勝利宣言をする。
だがしかし、
「ふ。どうかな?」
静かに、まるで哀れみをむけるような声で瞳を閉じて腕を組んだまま言い放つユウギ。
そして静かに場に伏せているカードに手をかける。
「な…何!?」
いつのまに魔法カードを!?
いつのまにかその場に伏せてあった魔法カードを眼にして驚愕の表情を浮かべる。
そういえば、さっき何かカードを伏せておくとか何とかいってたような……
詳しくは実体化したモンスターに気をとられて聞いていなかったことを思い出す。
「この俺が始めに伏せていた魔法カード。攻撃封じ。これでミノタウルスの攻撃を封じる」
ユウギが場に伏せていたのは魔法カードの攻撃封じ。
それゆえに、海馬の出したミノタウルスは攻撃に転じることは不可能。
「…な…なにぃぃ!?」
まさかそんなカードを!?
裏返しにされていたカードが表にされ、それと同時にユウギのカードから何か鎖のようなものがでて、
そのままミノタウルスの全身を絡めて動けなくする。
魔法カード、攻撃封じにより、ミノタウルスの攻撃はこのターン、封じられる。
それゆえに攻撃はできない。
ミノタウルスの攻撃力は千七百。
そして守備力は千。
対する暗黒の竜王の攻撃力は千五百で守備力は八百。
ミノタウルスよりもたしかに攻撃力も、そして守備力も劣る。
「そして、俺の次のカードは…これだ」
手持ちのカードの中から一枚、場に出す。
「ホーリーエルフ、それで守備表示で待機。そして一枚カードをひく。これで俺のターンは完了だ」
それと同時にカードからやはり煙りが立ち昇り、その場に何やらおごそかな感じのする女性が出現する。
ユウギが守備表示、というのと同時その場にしゃがみ、祈りを捧げるような格好となる。
「…ち。ホーリーエルフを盾として守備としたか…
  これはうかつに攻撃をしかけると、このオレのライフポイントが削られてしまうな。
  ホーリーエルフの守備力はミノタウルスの攻撃ポイントより高いはず……
  ここは、こっちもミノタウルスは守備で待機だ」
うかつに今の手持ちのカードをだしでもしたら自らのライフポイントが削られるのは明らか。
それゆえに、
「オレはこのカードをすてて、カードを一枚ひく」
一枚のカードを墓場にゆかせ、新たにカードを一枚ひく。
そしてそのカードをみてにやりと笑い、
「おっと。いきなりいいカードをひいたな。ここは使わないでねかしておくよ。
  次のターンが楽しみだ。そしてもう一枚カードをひく。これでこのオレのターンは終わりだ」
どうやらかなりいいカードを引いたようだな。
表情でわかる。
相手がどんなカードを引いたのか。
ということは。
表情に表れるクセは、今も昔もかわっていない。
そのことに思わず苦笑がもれてしまう。
最も、何のカードを引き当てるか…というのは彼にとっては運任せのようであるが。
「なら、オレのターンだな。オレはこのカードをこの場にふせて、そして一枚カードをひく。
  ふっ。いくぜ。セト。デーモンの召喚。フィールドは黒い森だ」
もくもくと、たちのぼる紫色の煙り。
教室の中が薄暗い森にと変化し、そこに出現するデーモンの姿。
間近でみれば迫力がありすぎる存在感。
「な…なにぃぃ!?デーモンの召喚だと!?」
悪魔系モンスターの中でもベスト5に名を連ねるレアカード。
まさかこいつ、そんなカードまでもっていたのか?!
たしか、珍しいカードはもっていない、とかいっていたのにっ!
そういえば…あの羽クリボーですら、この遊戯にとっては珍しいカードではないような口調だった。
なら…こいつの手持ちのカードは……
そうおもうと、ぞくぞくしてくる。
こんなにぞくぞくする対戦は始めて。
何か、とても心のどこかで懐かしいような錯覚にすら陥ってしまう。
「とうぜん、ミノタウルスなど相手じゃない」
攻撃力二千五百に、守備力が千二百。
ゆえに、海馬のだしているカードとは攻撃力も守備力も格段にユウギの出したカードのほうが上。
魔降雷まこうらいっ!」
ユウギの声に従い、デーモンから稲妻が発せられる。
デーモンがもつ特殊攻撃の一つ、雷の攻撃。
しかも、黒い森においてはその威力はさらにアップされる。
「…な、なに!?お…オレのミノタウルスがっ!…ならば、魔法カード、発動!」
魔法カードはいつでも利用することができる。
ゆえに、それは相手が攻撃をしかけてくるときでも。
このままでは自分のライフポイントがかなり危険。
気休めにしかならないが、それでも使わないよりはましである。
海馬が伏せていた魔法カードは巨大化のカード。
それゆえに、攻撃力、守備力ともに二十%ほどミノタウルスの能力は上昇される。
だが、それでも攻撃力二千四十、そして守備力千二百。
二千五百のデーモンにはかなわない。
そのまま、デーモンの攻撃をうけて消滅してゆくミノタウルスの姿。
それと同時に海馬のライフポイントが攻撃力の落差の四百六十ポイントが削られる。
遊戯、ライフポイント、二千。
海馬、ライフポイント千四十。
気づけば、ユウギのライフポイントはまったく削られていない、というのに。
一方的にライフポイントを削られ、負けているのは自分のほう。
遊戯のフィールドに出ているカードは、ホーリーエルフに、そして暗黒の竜王。
そして…デーモン。
この三体。
これらより強いカードをだせばまだ逆転のチャンスはあるであろうが、問題はホーリーエルフ。
彼女がフィールドに出ている限り仲間モンスターのライフポイントを回復させる。
という効能をもつ。
それゆえに下手に攻撃をしかけていても、逆に自分のポイントが削られてしまう。
く…くそ、このままではあきらかにこのオレの分がわるい。
たしかに自分のカードデッキの中にはデーモンの召喚より勝るカードは入っている。
だがしかし…それを確実に引き当てる自身はまったくない。
いや、それより逆に自分のライフポイントがゼロになるほうが遥かに先のような気がひしひしとする。
だがしかし…
様々な思考をめぐらせながらも、きっと目の前のユウギを見据え、
「なら、オレはこのカードをすてて、カードをひくっ!」
ここで守りにはいるのは、自分のプライドが許さない。
たしかに分がわるいかけではあるが、勝負にでなければ何にもならない。
それは負けをみとめる、ということに他ならないのだから。
手持ちの弱いカードをすてて、その次のカードを引く海馬。
だがしかし…
「…な…何だと!?」
海馬が引いたカードは、アックス・レイダー。
たしかにこれも星五のレベルのレアカードのひとつではあるが、
だがしかし、デーモンには到底及ばない。
攻撃力千七百に、守備力が千百五十。
当然、遊戯のカードに勝てるはずもない。
そのまま、ものの見事にあっさりと撃破され、カードが消滅し、海馬のライフポイントも少なくなる。
普通の相手ならば、これで通用する。
だが……
「ふっ。遊戯、なかなかやるな。このオレのライフをここまで一方的に削るとは、正直驚いた」
どこかぞくぞくこのゲームを楽しみながらも、含み笑いをもらしつつ、
「だが…ここまでだ!このオレには最高の切り札があるっ!」
ここまで自分を追いつめた相手は彼が始めて。
いつもはあっさりしすぎるほどに勝っていたのに。
次に再び勝負にでてカードをひいたとしても、次に数値の少ないカードがきたら負けは確実。
ゆえに、こっそりとポケットの中にいれていたカードをぬきとりカードの山の上にとのせ、
今まさにひいたようにとみせかける。
これだけでもゲームのルールを破っている。
ルールを破ったものはどうなるか、海馬は未だにこのゲームの真の怖さを理解していない。
もっとも、理解しているもののほうが少ないこの現代では仕方がない。
といえばそれまでだが。
青眼の白竜ブルーアイズホワイトドラゴン!!フィールドはもちろん湖だっ!」
海馬が出してきたのは、双六のカード。
たしかに、それはブルーアイズであるが、ブルーアイズにあらず。
だがしかし、彼はそのことには気づかない。
「いけ~!青眼の白竜ブルーアイズホワイトドラゴン!ふはははは!ふはははは!」
かのカードに勝てるものなどはいない。
そう確信しているからこそ、笑いが止まらない。
だがしかし、フィールド上。
即ち、教室にと出現した湖からざぶん、と出てきた白竜は相手側……
即ち遊戯に攻撃を仕掛ける気配すらみせていない。
ただ、その場にじっと存在しているだけ。
「ど…どうした!?…な、なぜだ!?なぜ攻撃しない!?とどめをさせっ」
まったく動かない竜をみてとにかく攻撃をしろ、とせかす海馬であるが。
「……セト。お前はまだこのゲームの真意を理解していないようだな。
  なぜ攻撃をしてこないのか。お前にはわからないだろう。
  それはそのカードにはお前の心が宿っていないからだ」
実体化したカードに描かれている存在達。
少し考えれば、それらも感情をもっている。
と以前の彼ならば判るはずであるが、今の彼にはそれがない。
少しでもこの姿をみてその心を取り戻してほしかったのだが……
「な…何だと!?」
ユウギのいわんとすることがまったくわからずに声を荒げる海馬に対し、
「俺には見える。
その青眼の白竜ブルーアイズホワイトドラゴンは、武藤双六が新しく心を入れて育てているカードだ。
  それゆえに、そのカードには彼の心が重なっている」
事実、双六の手により新たに魂を宿した新たなジュニアたるドラゴンである。
本来の白竜ならば、海馬と常にともにある精霊であり守護精霊。
かつて、海馬と彼女は恋人同士であったがゆえに。
「な…何!?ば…ばかなっ!?」
攻撃をするでもなく、そのままその場から自ら消滅を選んで消えてゆく青眼の白竜ブルーアイズホワイトドラゴン
戸惑いを隠しきれない海馬の目の前で、自ら消滅し姿を掻き消してゆく目の前の白竜。
「な、なぜだ!?なぜ自らきえる!?」
だんっとテーブルをたたきながらも、そこにだしていたカードを手にとる。
が、カードそのものもまたたくまに消滅する。
「戦いの宿命と、そして自らを生み出した存在への忠誠とがぶつかりあい、
  自らを消滅させることでその使命を遂行させたんだ」
そんな海馬に淡々と説明をしているユウギ。
そう。
あのカードに宿っていたのは、双六が新たに生み出して育てている精霊。
ゆえにこそ、ユウギに攻撃をしかけることはまずない。
「ば…馬鹿なっ!カードが意志をもつなどありえないっ!ありえるはずがないっ!」
カードはカード。
そんな非現実なことは絶対にありえない。
真実は、常に科学と共にあるはずである。
この立体的な映像もきっと何かトリックがあるはずである。
自分にその仕掛けがわからないだけで。
「そう思うなら、思っていればいい。ふっ。さて。次はオレのターンだ。
  さて、ここに魔法カードが一枚、ふせてある。このターンでこれを使うことにする」
あくまで意固地に否定しようとする海馬にこれ以上説明しても今はムダ。
そう悟り、とりあえず今は自分のすべきことを先にする。
そう心を切り替え、場に伏せているカードに手を伸ばす。
「くっ。さっき場に伏せたカードか!その魔法カードはいったい……っ!」
さきほど、ユウギが使った魔法カードは【攻撃封じ】のカードであった。
ならば、今彼が伏せている魔法カードは?
相手の戦略がまったくよめない。
今までこんな相手とは対戦したことがない。
しかも、最強のはずの自分が一方的に負かされる強敵など…ありえない。
ありえるはずもない。
「死者蘇生のカード。敵、味方とわず、一体のモンスターの魂を蘇生させ味方にすることができる」
ユウギが裏にしてあったカードを表にして海馬にと見せたカードの絵柄。
そこには♀の絵柄の描かれているマーク。
千年アイテムの中にもこれと同じ品物がある。
それはかつてシモンであった双六が所有していた千年鍵。
人の心の中を垣間見ることができ、また入り込むことも、操ることも可能という品物。
もっとも、このカード自体にはそれは関係していないのだが。
「な…何だと!?そんな切り札ともいえるカードまでもっていたのか!?」
死者蘇生。
レアカードの一つであり、そしてまたある意味最強ともいえるカード。
つまり、墓場などにいっているはずの味方、敵とわずカードの一枚を自分のものにすることができる。
というあるいみ反則技のカード。
それゆえに、かなり手にいれようとしている者はいるが、中々手に入らないカードとしても有名。
最も、ユウギに関してはこのカードはすでに二枚もっているのであるが……
「当然、対象となるモンスターは…青眼の白竜ブルーアイズホワイトドラゴン
ユウギの手にした死者蘇生のカードが光を発し、それと当時にユウギのほうにと出現する、
さきほど消滅した青眼の白竜の姿。
「終わりだ。セト。青眼の白竜ブルーアイズホワイトドラゴンジュニアの攻撃っ!」
ユウギの声とともに、ユウギのフィールドにと復活した白竜から吐かれるブレス攻撃。
「う…うわ~~~!!!」
壁となるモンスターもいないがゆえに、そのままプレイヤーにそのままダイレクトに攻撃が入る。
それゆえに、残りすくなかった彼のライフポイントは一気にゼロにとなる。
「ば…ばかなっ!?こ…このオレが!?」
あまりといえばあまりといえる一方的すぎる負け。
だが、負けたからといって、あのカードを諦めることなどはできない。
「セト。ルールをやぶり、そして負けたお前には運命の罰ゲーム……少しでも心を取り戻して来い」
そんな彼の思いと考えを察してため息を一度つきながらも、しずかに海馬を見据えるユウギ。
「な…何を!」
海馬には、ユウギが何をいっているのか理解できない。
「闇の扉が…開かれた……」
かっ!!!!
ユウギの声と同時に、彼の額に光る第三の眼が出現し、その光はそのまま海馬を直撃する。
それと同時に海馬の姿がその場から掻き消え、ひらっとその場におちる一枚のカード。

「!?」
な…何だ!?ここは!?
さきほどまでたしかに教室にいたはずなのに、回りをみわたせばみたことのない景色。
いや、どこかでみたことがあるような景色ではある。
そして、なぜか上空には自分を見下ろすようにしている遊戯の姿が空一面に見えている。
『セト。そこは精霊界…デュエルモンスターズの世界だ。そこで少しでも彼らに対する心を取り戻せ』
「な…何!?…う…うわ~~~~!!!」
上空から聞こえてくる声に叫ぶと同時に背後に気配を感じて振り向けば、
カードで見慣れたモンスターたちの姿が目の前に現れていたりする。
『肉体ごと送ったが…ま、奴なら問題はないはずだろう』
その魂に刻まれている魔力は転生しても失われていないのは視てとれていた。
だからこそ、肉体のままあちらの世界に送り飛ばした。
とはいえ、さすがに生身では今の彼にはきついのもわかっている。
あるいみ強制的な処置。
少しでもあちらの空気に触れれば闇に打ち勝つ力にもなる。
それに海馬当人が気づくかどうかは別として……


                            ――Go To NEXT

Home    TOP     BACK    NEXT

########################################

あとがきもどき:
薫:えっと、カードの効能とかルールは勝手に作ってる所もあるので(まてこら)ご了解くださいなv
   ちなみにカードの種類はいちおーは調べてますよ~…
  ただ、その意味がきちんと公式サイトさんにはかかれてないんですよね…
  詳しくさがせばあるだろうけど、そこまでしてたらカードにはまりそーで怖いですし(笑
  ともあれ、たぶん次回で海馬編は完結…かな?
  何はともあれ、ではまた次回にてv

2007年8月27日(月)某日

Home    TOP     BACK    NEXT