まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

何だか真吾くんがまだち~さな子供。
というのがどうも表現されきってないような気がひしひしと…
ちなみに、よくいますよね?
ちいさいのに口が達者な子供(笑
あんな感じでイメージしてくださいなv
異なるのは、ナマイキ?…と思えないという点ですね(まてこら
ともあれ、いくのですv

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~第3話~

これって……
説明されなくても解る。
空間同士を接続している特殊な方法。
こ~いう方法もできるんだ~。
ある意味、召喚方法の応用に近いのかな?
そんなことを思わず思ってしまう。
あからさまに二歳児が思う感想ではないであろうが。
『こちらです』
精霊がとある岩場の一角において小さくつぶやくと同時、
その場に出現する小さな洞窟。
その中にと真吾、ナスカ、幽子は足を踏み入れてゆく。
魔界トンネルに近いものがあるのかしら?
受ける感覚はまさにそれとほぼ同等のもの。
そんなことをナスカもまた思うものの、
岩なのか、それとも光でできている壁のように見える岩もどきなのか。
それすらも解らない。
ただ、横にあるであろう岩壁をさわってもふわふわとした感覚があるのみ。
周囲をきょろきょろしつつ進んでゆくナスカと幽子とは対象的に、
「…これがああなってこうなって……」
その場に満ちている法則をその身で感じ取りながらも自身に吸収していっている真吾。
肌でかんじとり、自身で勉強してゆくのと、なぜか持っている知識との混合。
それらを融合してあらたな力にとなしてゆく。
やがてほのかに淡く光る道を進んでゆくことしばらく。
視界が唐突にと開け、さっと吹きぬける風を体に感じて思わず正面をみる。
視界が開けたその場所には四方を壁にと囲まれている花に埋め尽くされた空間。
天上からは燦々と太陽の光と、そして月の光が同時にこの内部を照らし出している。
太陽の光と月の光が同時に発生する。
というのは地上では例を見ないが。
それでもそれは人間界などに限ってのこと。
そうでない世界も存在している。
ということは、真吾は産まれながらになぜか知識として知っている。
それを今まで別に疑問に思うこともあまりない。
というのは両親のあの属性と気質のせいであろう。
「…ここは……」
「わ~。すごい。花畑だ~」
周囲を見渡して戸惑いの声をあげるナスカとは対照的に、感激した声をだす幽子。
そしてまた。
『……あれ?この御方一人じゃないの?レン?』
ふわふわと、何やら空を飛んできた別の精霊らしき存在が彼らを案内してきた彼女にと問い返す。
『それが…この御方の意志でして。彼女たちもまた花を探しているらしいんです』
『あ~。そりゃ、間違いなく、この御方なら一緒に。というでしょうね……』
何やらしみじみとそんな会話をしている精霊たちの姿が見てとれるのだが。
「?」
そんな彼女たちの会話を聞きながら首をかしげ、
「…もしかして、量がたりないんだったら僕のをお姉ちゃんたちに分けてあげてほしいんだけど……」
申し訳なさそうにそんなことを言っている真吾。
そんな真吾の姿をその場にいるその他の精霊たちもまた気づいたらしく、
ふわふわと浮びながらも多数の存在がよってくる。
そしてまた。
空間の中心に生えている花畑からは淡い光がたちこめ、そこから出現する人型の存在達。
その背に様々な色彩をもつ羽らしきものをもっていることから、
彼らもまた人ではない種族である。
というのが伺える。
「…精霊に妖精…?」
立場上、彼らのことを知っているがゆえにあまり動じたりしないナスカであるが。
普通、こうして人前に自ら現れるものではない。
というのも知っているがゆえに戸惑いを隠せない。
「あ。妖精さんたち、この前はどうも!無理聞いてもらってありがとうございます」
ぺこっ。
そんな彼らに対してぺこりと対照的にと頭をさげている真吾。
「…まあ、それはかまわないんですけど……この方々は?」
代表してでてきた一人がそんな彼にと問いかける。
「このお姉ちゃんたちもお花を探してるって聞いたから。……ダメだった?」
「…その、誰でも信じる性格は直されたほうがよろしいかと……」
それが彼のいいところでもあるであろうが。
それで今、命を落としては何にもならない。
「でもこのお姉ちゃんたちいい人たちだよ?」
「…あなた様にかかったら誰でもいい人の部類にはいるのでは……」
思わず本音がぽつりと漏れる。
「え?だって本来、元々悪い人たちっていないもの」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
はうっ。
そんなさらっとまったく疑うことなく言い切る真吾の台詞にその場にいる彼以外のものが思わず無言。
「この子って…ある意味、天然記念物並み?」
思わずものすっごく素直な感想をぽつりと漏らすナスカ。
そんなナスカの言葉をうけ、
「まあ、魂の成せる感覚なのでしょうけどね……。ところで、あなた方は何ゆえに花を欲するのですか?」
彼女に向かい直り問いかける。
「私達はファウスト博士に言われてリアの花を探していたんです」
その言葉に数名の存在達が驚愕の表情をうかべ、
「…では、あなた方は……」
そういいながらも一箇所にあつまり何やら相談しはじめる。
そんなナスカの話をきき、
「?ファウスト博士…ってあの、世界で始めて悪魔を呼び出したっていう…あの?」
でも、たしかあの博士はその呼び出した悪魔に倒された…って記録にあったとおもったけど。
たしか以前にみた魔界黙示録にそう記述が載っていた。
きょん、とした表情で見上げるそんな真吾に対し、
「それは博士のお父さんのことだ。って聞いてるけど」
「ふ~ん」
何かしてるのかな?
その二世の博士さんって?
そうは思うけどもあまり深く追求せず、
「あ。それで。お花なんだけど……」
そのまま話題をさらっと変えて問いかける。
このあたり、さすがまだ子供といえるのであろう。
あまり興味がないことは根をつめない。
というか、今は時期ではない。
と直感的に判断してのこと。
「用意はしていますけど……。こちらのお二人はいくつご入用なのですか?」
妖精の言葉に顔を見合わせ、
「あの?私達にももらえるんですか?」
「というか。どうしてこのしんごくんっていう子のいうことを……」
最もな疑問を投げかける。
「ああ。それでしたらユリアナ様に言われまして……」
「「ユリアナって……」」
それってもしかして…大地の女神のユリアナのことじゃないわよね?
幽子とナスカがまったく同じことを思いめぐらす。
「ユリアお姉ちゃんも話つけてくれてたの?」
真吾とすれば一年ほどまえに面識があるがゆえにさほど驚いていなかったりするのだが。
そんなことは幽子やナスカにはわからない。
「ええ。あの御方は私達の母なる存在でもありますし。断る理由はありませんわ」
大地の女神、ユリアナ。
この惑星の大地にいきるすべてなる母ともいえる存在であり女神。
滅多にその姿を現すことなどはないのだが。
かの女神が姿を現すとき。
それは何らかの変化があるとき。
ともいわれている伝説の女神。
あのとき知らずに読んだあの神でユリアお姉ちゃんでてきたっけ?
などと真吾は思うがそれは別に説明することではないよね?
そう思い、
「そうなんだ。ありがとうってお礼いっといてね♡」
『…ユリアナ様の召喚方法は知っておられるのでは?』
思わずそんな真吾に対してつっこみをいれている案内をしてきた精霊の姿。
「「…は!?」」
そんなさらっという精霊の台詞に、思わず目を見開くナスカと幽子。
「教えてもらったけど、だけどあれってかなり疲れるよ?」
一度やってみたことはあるのだが、かなり疲れたというのは記憶に新しい。
そういい、
「あのとき二日は寝込んだし…何か体力がついていかないみたいだし」
所詮はまだ二歳児の体力しか持ち合わせていないこの身。
何やら常識外の話をするそんな真吾を信じられないようにみているナスカの姿。
この子って…いったい?
もしかして……この子……
だとすれば……
だが、その思いはどうにか払いのける。
もしそうだとすれば、まだこの子はこんなに小さい。
……使命を受けるには……危険すぎる。
この子をみていると感じる不思議な感覚もその可能性からいけば理解できるもの。
「レン。まだこの御方は幼いんだから。無理をいっても……」
そんな精霊【レン】にとたしなめるように別の精霊が話しかけ、そして。
「ともあれ。あまり時間もありませんし。こちらへどうぞ」
いいつつも、真吾たち三人をこの場。
即ちこの空間の一角の中心にと案内してゆく。


「うわ~。すごい」
「…すごいのは君のほうじゃぁ……」
「何で?でも、踏んだらかわいそうじゃない?」
この歳で風の魔法というか精霊の力を借りて足元にある草花を踏まないように、
風の結界をほのかに纏っている真吾に対して驚愕しながらも話しかける。
とりあえず必要な数だけ摘んでもいい。
ということなので、ひとまず根っこから丁寧に土ごと入れ物にと移し変える。
とはいっても必要最低限な数だけもらえれば真吾としてもそれでいい。
そしてまた、ナスカたちもまた遠慮してそんなに数は欲してはいない。
この花はたしかにかなり貴重ともいえる花なのでまとめて摘み取り保存したい。
というのが本音ではあるが、だが花もまた生き物である。
「君、いつそんな魔法おぼえたの?」
そんな真吾に問いかけている幽子。
「う~ん……わかんない」
「「わ…わからないって……」」
素直に答える真吾に戸惑いの声をあげる。
「でも。大自然の声きいてたらわかるし。なんでかお母さんたちは聞こえないみたいだけど」
というか、両親とかという問題ではなく、彼以外にはそんな声は聞こえていない。
というのが事実なのだが。
人間の中には自然と意志を通わせて共にいきる種族もいる。
というのは聞いてはいるが、だがしかし、この子がそうだ。
とはとても思えない。
そんな会話をしながら花を丁寧にそれぞれしまっていると、
ざわざわざわ。
何やらいきなり精霊や妖精たちの様子が騒がしくなってくる。
「?どうかしたのかな?」
空気そのものが何やらざわめいているのがわかる。
ひとまず手にいれた花々をそれぞれ入れ物などにしまい、
真吾がもってきているリュックサックに入れ終わるとほぼ同時。
何やらあわてて数名の精霊や妖精たちが近くによってくる。
そして。
『ご無事ですか!?』
心配そうにいってくるそんな彼らに対し、
「?何かあったの?」
ただごとではないその様子に戸惑いながらも問いかける。
「ナスカ様。それに幽子様。その御方をつれてすぐに逃げてください」
「別の場所に逃げ道をつくります。はやくっ!」
あわてたように二人をせかして真吾をどうにかこの場から遠ざけようとする妖精たち。
「いったい……」
そのただならない様子に思わず顔をナスカと幽子が見合わせるとほぼ同時。
あからさまに異質な空気が満ち溢れてくる。
「…これは……」
その感覚に覚えがあるがゆえに思わず小さく呻く真吾。
それとほぼ同時。

「見つけたぞ。よもやこのような場所に隠れていたとはな。
  我等が主のおぼしだ。我等の元で協力すれば命だけはたすけてやろう。
  そうでないならば、貴様等は全員抹殺する。返答はいかに!?」
何やら聞きなれない声が周囲に響き渡る。
みればその場にはどうみても人ではない存在。
強いていうならばどちらかといえば古代エジプトの石版によく描かれているような、
そんな人間のようでいて動物のような物体が一つ。
物体…というよりは何かしらの生物なのであることは明白であるが。
そんなそれに対し、
「私達は悪事には手をかしません。それくらいなら潔く滅びを迎えます」
きっぱりと言い切っている妖精たち。
リアの花の妖精たちからすれば、世界を滅ぼしかねないことに手を貸すのは許されないこと。
本来ならばそれが当たり前なのであるが、中にはそうでない存在もいるのもまた事実。
「よくいった。ならば…滅びよっ!」
いうなりまがまがしい魔力が解き放たれる。
あたりに響き渡る悲鳴と絶叫。
「…っな!?」
いきなりのことでしばし呆然としていたものの、すぐさまそちらに向かおうとするナスカ。
だがしかし、
『あなた方はその御方をつれて早く避難してくださいっ!』
悲鳴にもちかい別の精霊や妖精たちの声が彼女たちにと投げかけられる。
よくよくみれば、三人を取り囲むようにして離れた場所からは彼らの姿が見えないようにしている。
というのが判るであろうが。
今のナスカたちはそれには気づかない。
そのただならぬ様子に思わず顔を見合わせるナスカと幽子。
説明されなくても、かれら精霊たちが何よりも守ろうとしているのが、
目の前にいる小さな男の子。
即ち、真吾、と名乗った子供であるのは明白。
『はやくっ!!』
その声と、
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
少し離れた場所から精霊や妖精たちの悲鳴が周囲に響き渡る。
自分を守るようにして立ちふさがっている妖精たちの間からそちらの方を見てみれば、
何やらまがまがしい力とともに花畑にと黒い火の手が上がっていたりする。
「……っ!!」
自身に流れ込んでくる様々な負の感情。
せっかく静かに暮らしている場所を踏みにじる黒い霧に守られているかのような存在。
「だ…だめぇぇ!!」
ただ、止めないと。
心に思うのはそれだけ。
『……っ!!』
何やら精霊たちが叫んでいるが、するり。
とナスカに抱きかかえられていた状態からその手を抜け出し、
そしてまた、制止してくる精霊たちの間をすり抜けて、
今まさに理不尽なことをしようとしているそれのほうにむかって駆け出してゆく小さな子供。

ただ、それは本能のまま。
止めないといけない。
それだけ。
理不尽なことは何としてでもやめさせなければ。
二歳の子供だというのにその思いはいったいどこからくるのかそれは当人にもわからない。
だけども、確実に一つだけいえるのは。
それは……
あの黒い力に誰ものみこまさせない。
ということのみ。
「やめてっ!」
きっと理不尽に攻撃をしてきている相手にむかって叫び返す。
「…あん?なんだ~?」
この場にいるはずのない人間の子供。
かなり見下す格好になってしまう。
ほう。
小さい人間の子供か。
幼児期の人間の子供の魂はとても貴重。
まだ穢れがないがゆえかかなり重宝される。
こんな場所にこんな子供がいること自体が不思議ではあるが、
だがしかし。
『いけませんっ!逃げてくださいっ!』
そんな彼を守るかのように自分の攻撃をうけていた精霊たちが立ちふさがるように、
その子供を逃がそうと懸命に向かってくる。
「でもっ!」
このまま引き下がるわけにはいかない。
そう本能が告げている。
「この地を制覇して、この子供の魂をいただけばきっとあの御方は喜ばれるだろう」
そんな真吾の思いを当然しるはずもなく目の前にいる子供の魂を手にいれる。
それを思いすっと片手を軽くあげる。
そんな目の前にいる存在に対しひるむことなくきっと睨み返す。
本来ならばかなり怯えるであろうに目の前にいる小さな子供は驚くことすらせずに、
自分の目をきっと睨み返してくる。
しかもその視線をそらすことなく。
自分の意志をしっかりともっている強い瞳。
瞳に力をもっているものは様々な存在にとってかなり重宝され、そして貴重とされる。
それはその魂自体が穢れてない証でもあるがゆえに。
肩から上は馬の容姿。
肩から下、そして腰のあたりまでは人間の姿。
そして、その腰から下はどうみてもワニのような姿でしかも四本足。
常識的に考えれば見ただけで卒倒するか、もしくは怯えるのが当たり前だろう。
だが、まったく動じることなく、きっとそんなそれに対し睨み返し、
「どうしてこんなことをするの!?」
心からこんなことをして楽しいものなどいるはずがない。
だからこそ、目の前にいるそれに対して語りかける。
「どうして…だと?我等が望みをかなえるためにきまっておろう?」
「望みっ…って……」
「我等がすべての世界を制し、君臨する。それが世界のためでもあるからな。
  貴様もそのための力となるのだっ!」
律儀にもわざわざ説明しなくてもいいだろうに……
という第三者がもし客観的にみていればそう感想を漏らすだろうが。
その言葉に思わず悲しくなってしまう。
どうしてそのように思ってしまうのであろうか。
すべての生命は互いに共存してゆくことが可能のはずなのに。
永い、永い時の中でいつもおもったこと。
なぜそのように永い時、と思ったのかは判らないが。
だけども…これだけはいえる。
「あなたは…黒い力に飲み込まれそうになってるんですね……」
毎晩のように見る黒い霧の夢。
その力が微弱ながらも目の前にいる彼より感じ取られる。
自分にできることは……この、『力』を浄化すること―――


                     ――第4話へ

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あとがきもどき:
薫:さてさて。ちらほらと主人公、将来(笑)の「悪魔くん」の設定がvv
  ナスカや幽子は…いうまでもなく彼の十二使徒~v
  でもまだ彼女たちはそのことしりませんけどね(苦笑
  ともあれ、次回。
  幼子が…魔法?をおおくりしますv
  んではではv

2007年7月1日(日)某日

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