まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて、今回は佐為と行洋のネット対局v
といっても対局様子は割愛しますが(まてこら
主にそれぞれの心情…かな?
ヒカルはまだ佐為がこのさきともにいてくれることがわかりません。
佐為もまだ自分がいつまでこうしてもどっていられるのかわかってません。
ゆえに互いに不安をかかえている状況です。
もっとも、この対局の後に夢でそれぞれ事実をしりますが(まてこら←ネタバレ
いあ、別にネタバレというほどでもないとおもうし。
そもそも、前からいってますしねv
何はともあれゆくのですv

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じっと携帯電話をみつめてしまう。
以前、おじさんに佐為の対局を申し込んだときはどきどきした。
今はどこか嵐の前の静けさのようなそんな自分の心に驚いてしまう。
あのときと違い、心のどこかで覚悟ができているからだとおもう。
だけども、心の別のところではこうもねがっている。
あのとき、佐為はあの一局を俺にみせるために自分の千年は存在した。
と。
だけども、今もどってきた佐為は、なら、何のため?
佐為の本当の命日なんてわからない。
佐為自身も覚えていないのだから仕方がない。
そもそも昔の平安の世の暦と今の暦は根底から異なる。
だけども、今回は、絶対に後悔なんて、したくないから。
佐為がいくら対局できなくても満足でしたから気にしないで。
といっても、自分がプロ棋士になりその気持ちがわかりはじめていまならばなおさらに。
ピル…
「きたっ!」
『!?』
佐為もまたそんなヒカルの様子を複雑そうにみつめることしかできない。
あのとき、行洋殿の姿をみたときに私がつぶやいたあの言葉でヒカルは私の想いをくみ取ったのでしょう。
ヒカルにとって塔矢明という存在がライバルというのであれば、
私にとってあのもの、塔矢行洋という人物こそがまさにライバル、とおもえた唯一の人。
ヒカルの声におもわずすでになっていない心臓がたかなるような感覚をうけてしまう。
私は、もう千年以上前も死んでいる魂だけの存在だ、というのに……

星の道しるべ   ~塔矢行洋と藤原佐為~

ざわざわざわ。
「先生が退席されるのでしたらそろそろおひらきにしますか」
行洋がそろそろ退席しようとおもいます、と伝えたところ時間も時間。
ゆえに主催者側もそろそろこの打ち上げ会の潮時と判断する。
「先生。ぜひ一局、あとでうってくださいませんか?」
「わるいね。テソン君。今日はもう先約があってね」
「じゃ、先生。いきましょっか」
「あれ?塔矢先生。楊海の部屋にいくの?」
「ふふん。うらやましいか?倉田?」
「べ~つ~に~!でも先生、かえんなくてもいいの?」
「別にいそぐ必要はないからね」
それにしても今から一局うつとなればもはや十二時を軽く超える。
まあ、先生のことだから明け方までやるきかもな。
それで納得し。
「じゃぁ、先生。お疲れ様でした。またヒマなときぜひとも相手してください。
  しかし、楊海、お前いつ先生と約束なんかしてたんだ?ずるいぞ!」
「おいおい。倉田。勘違いするなよ。俺はただの見届け役さ」
「?」
意味がわからずに首をかしげつつも、あまり深くかんがえないところが倉田のいいところ。
そのまま閉会の言葉が締めくくられ、第一回北斗杯は実質上終わりをつげてゆく――


電話できめた、開始時刻は十一時。
持ち時間は四時間。
コミは六目半。
明日の対局に響くとか今のヒカルはどうでもいい。
そもそも寝たら佐為がきえているかもしれないこの現状で睡眠などやすやすとれるはずもない。
それは碁聖戦のタイトル戦とおなじ時間。
ヒカルとすれば佐為は棋聖だの本因坊だのといわれているのでそちらの時間にしたいのは山々だったのだが。
しかし、行洋の体のこともある。
彼はそれでもいい、といったがそれで彼が倒れでもすれば佐為が苦しむのは明白。
ゆえにこの時間帯にした。
それでも長いといえばそれまでなのだが……
まあ、リーグ戦などではそんな持ち時間はざらなのでさほどでもない、といえばそれまでだが。
塔矢行洋はこの一年、海外でさまざまな碁をうった。
対して佐為は一年ぶりに現世にもどってきた。
どのような碁になるかはわからない。
が、しかし、行洋が佐為を目指してつきすすんでいたことは、
ヒカル自身がそうであったようにヒカルもまた痛いほどに理解している。
『ヒカル…感謝します!けど…いいのですか?本当に?』
「いったろ?佐為。おれはもう、何もしないで後悔はしたくない。って」
ああ、本当にヒカルは大人になった。
その表情からしてもそうおもう。
人の痛みをわかりながらも、自らの痛みとし、なおかつ痛み傷つくかもしれなくても他人を思いやる。
昔からたしかにヒカルは他人を不器用ながらも思いやる心の持ち主の子どもではあった。
だけどもさらにその優しさが慈愛が成長を遂げている。
それはひととして生きてゆく上でとても大切なもの。
人がつい忘れがちになってしまう、生命の根源。
それを知ることにより、さらにより深く碁の奥そこにある深みをひとは視ることができる。
それは碁にかぎらず生きている意味、そのものすらにも――
そしてしばらく悩んだのちにと電話をとる。
びっ。
プルル…
「はい。和谷です。ってどうしたんだ?進藤。こんな夜遅くに」
たしかによるはもう十時近い。
「和谷。今、アパート?」
「まあな」
「今からお前んちかえる予定とかない?」
「はぁ?いきなり何いったんだよ?」
「今、ネットつけておもしろいのみつけたんだけど。saiがもどってきてる」
「・・・・・・・・・・・・・!?」
和谷が佐為のファンだということはヒカルはよく知っている。
だからこそ、みてもらいたかった。
この一局を。
「おま!それ、まじか!?この一年みなかったのにっ!?」
「おれが間違うはずないだろ?おまえにつたえたくてさ。んじゃ、おれはまだ観戦してるから」
「あ、おい!進藤!」
ぷっ。
つ~つ~……
しばし要件だけつたえられ、思わず固まるものの、
「こうしちゃいられないっ!」
夜おそいのは十二分に承知。
だけどもsaiの対局は…見逃したら絶対に後悔する。
ゆえにばたばたとそのまま部屋をあとにする和谷の姿。

「しかし、楊海君?なぜにわかったのかね?」
どうしても確認したくなってしまうのは仕方ない。
「勘、ですよ。勘。いやぁ、こういうこともあるんですねぇ。今日ほど自分の血筋を褒めたことありませんよ。
  それより、先生?十一時から、ですか。しかし、直接見れるとはほんとうに運がいい。
  きちんと棋譜作成はしますからまかせてください!」
「…楊海君、たのしんでないか?君?」
誰にもいうことなく、こっそりと自分に協力している彼の気持ちはわからなくもない。
そもそも、saiが視えない幽霊かもしれない、と自覚しているかれだからこそ、といえるのであろうが。
この行動は。
「何しろ進藤君からの棋譜にはあのまま打ち続けていたらニ目半となってましたしねぇ。
  そりゃ、楽しみにしないほうがおかしいでしょう?」
「…進藤君はそんなものまで君におくっていたのか?」
「これもまた勘、なんですが。おそらく彼はsaiがより印象深かったものを選んだのではとおもうんですよね。
  でなきゃ、自分がsaiかもしれないと勘違いされる先生との新初段のをわざわざおくりませんよ。
  おそらくそのときにはそこまで思考回路がはたらなかったのでしょう。
  これもまた勘なんですが、そのときsaiは一時消えていたのではないでしょうかね。この一年あまり」
…この男は勘がするどい。
それは碁においても行洋はこの楊海という人物に抱いている感想ではある。
すでにモニター画面にはいつでもはいれるように待機している。
早めにはいっても面倒な対局申込があるのはわかりきっている。
「あと、三十分。か、…楊海君、時間になったらいってくれ。…私は瞑想してるから」
「了解です」
パソコンの前にて目をつむり瞑想している行洋をみつつふと思う。
シンドウ君はこの一局、どんな思いで中だちしたのだろうか?
ふとそんな思いが楊海の脳裏をよぎる。
もし、もしも一時saiが消えた理由があの一年前の塔矢行洋との対局にあったのならば、なおさらに。

パチッ。
夜の時間が時間である。
何よりも暗いほうがあのときから集中できるのもある。
佐為が消えたあのときから明るい場所ではどうしても視線が佐為を探してしまう。
ヒカルなりに身につけた一種の防衛策。
もっとも、佐為はかつては暗くしてもはっきりと視えていたのだが。
それに何よりも夜の暗闇は佐為がそばにいてくれるような感覚をうけ安心できるというのもあった。
パソコンのみをつけてじっと座る。
ノートパソコンなので持ち運びは可能。
ゆえにこそ、普通の対局時のようにきっちりと正座して碁盤がいつも収められている桐箱。
その上にとノートをおき、窓際において待機する。
佐為にとって存在理由は碁をうつこと。
そう幾度もヒカルはきかされていた。
だけど佐為はヒカルにとってそれだけの存在ではなかった。
佐為は藤原佐為であり、普通の生きている人とおなじ、それ以上に大切な人だった。
「いくよ。佐為」
自分の横にて同じく正座している佐為にとそっと語りかける。
佐為がすわっているのはヒカルの左側。
右はマウス操作をすることから左のほうが見やすいだろう、というヒカルの意見。
『……ヒカル。ありがとうございます』
たしかに彼とは打ちあいたかった。
せっかく現世に再びもどってきたのだから。
だけど、ヒカルの気持ちをおもうと言い出せなかった。
ヒカルから何もいわずに中だちされこうして打てるなど夢にもおもっていなかった。
「俺も、佐為の碁がまた、みたいから」
佐為の本当の本当の本気。
それをまだヒカルは引き出せない。
ヒカルの力はまだ佐為にそこまでおいついていない。
昔よりは少しは追いついた、とはおもう。
だけどもやはりヒカルにとってやはり佐為は誰よりも目標とする存在であることにはかわりない。
かちっ。
s・a・i。
sai…佐為。
この名前でまたここに入ることがあるなどとは、ずっと望んでいた。
佐為とともにネットで百人ぎりしまくったあの楽しい時間。
あの時間がもう一度、訪れたら…と。
ヒカルが入室するとほぼ同じく、画面に表示される塔矢行洋の名前。
カチッ。
その名前にカーソルをあわせ、二度目の対局をするためにとヒカルは対局申込をクリックしてゆく。

もしも、もしも佐為に時間があるのならば。
本当の意味で向き合って、自分で石をもたせて対局させてやりたい。
石の効果はすでにアキラで判明した。
ならばその石の効果をつかえば行洋に対してもおそらく可能であろう。
だけども行洋ば世界を飛び回り、また佐為もまたいつまでいられるかわからない今の状況で。
その思いは…果たせるかどうかは皆無。
そのかわり、ネットならばたとえ石がもてなくても打ちあうことはできる。
ネットは世界中につながっている。
時間の都合さえあえばどこでも対局は可能、なのだから……

ずっと望んでいた。
再び対局できる日を。
明日大切な手合いがあるというのに申し出てきたということは、進藤君にとってどれほど彼が大切な人なのか。
それを指し示しているようにもひしひし感じられる。
一年前の今日。
妻がいうには佐為は逝ったらしい。
それはさきほどの電話で初めて知った。
だから、もしかしたら一時ほどもどってきただけなのかもしれないわね。
それとも……
ともいっていた。
行洋にはそのあたりのことはわからない。
わからないが、もしも一時のみならばこの対局はとても貴重な時間を割いてわざわざ設定してくれたことになる。
自分がどこまで彼においついているのか。
どこまでより高みに上っているのか、確かめたい。
彼に…saiに誇れるほどの強さを身につけられているか、といかけたい、から。

そういえば、とおもう。
私が彼をしったのはほんの偶然。
ヒカルが二度めの囲碁教室というところにいったそのとき、不思議な箱のなかでみかけた。
そのとき、わかった。
彼もまた自分と同じく神の一手を究めようとしている存在だ、と。
碁打ちの心としてそのような存在とは手合せしたい。
同じ志をもつもの同士ならばより素晴らしい対局がなしとげられる。
しかしそれはヒカルが途中でその場から退席してしまい、ヒカルと離れられなかった自分は続きをみることはできなかった。
あのとき、ヒカルに初めて取り憑いたときから、ヒカルからそう離れることなどはできなかった。
虎次郎のときも私は取り憑いた相手から離れることはできなかった。
常にヒカルとともにあり、あれから驚きの連続した日々がまっていた。
平安の世とも、江戸の世とも違う現代。
まるでまったく別の世界に入り込んでしまったようなそんな取り残された感覚に襲われもした。
ヒカルとともに歴史を学んでゆく中で、あれからいろいろとあったことをもしった。
日の出でる国である我が国も悲惨な戦いがあったことも。
そしてまた、今もこの地球…はじめは私は信じられませんでしたけど。
この私たちがすんでいる大地が宇宙とよばれている空間の中にぽっかりとうかんでいて、
しかもそんな球体のような中に私たちがさらに住んでいる、などとは。
今では空の上からつねにエイセイとかいうもので地上のことが見渡せるらしい、というのにも驚いた。
しかもさらにおどろいたのは、雲の動きを把握してきちんと天気が予測できるようになっていること。
昔は空の模様やお伺いをたてて天気などははかっていたというのに。
今の世は、むかしは一般的だった日照り神や雨の神というものは信仰されておらず、
カガクとかいうものが表にでているからだ、とヒカルはいっていましたっけ。
次に、あのものと出会ったのはヒカルがつれていってくれた子供囲碁大会。
スレ違っただけではありましたが。
どきっとしました。
箱の中にいた人物が、ヒカルはいってましたけどよもや現実にいる人で目の前に現れたときには。
出会って、やはり確信しました。
彼のもつ空気は私とおなじだ、と。
そして出会った塔矢明という子供。
子供とあなどっていれば何ということ、獅子にばけるか龍にばけるか、といった素質の持ち主。
子供だからといって甘くみていたわたしは本位ではないにしろ彼を一刀両断しかけてました。
もっとも、その対局はアカリちゃんの手により中断されてしまいましたが。
そのあと、あの塔矢があのものの子どもとわかったときには、あるいみ納得してしまいました。
あのものの子どもだからこそ、父親の背をみて子供もまた進んでいるのだ、と。
そして偶然とはいえチュウガクとかいうまなびばによる場所でおこなわれた囲碁大会。
その大会にショウガクという立場のヒカルがでることになり、私はヒカルにみせるための一局をうちました。
その場にあの塔矢明の姿をみつけたときには驚きましたが。
しかし、私は彼にも、そしてヒカルにも見せる一局をうちました。
この子たちはこれから伸びる。
ヒカルには囲碁の楽しさを、そして塔矢には囲碁の奥深い魅力を伝えよう、と。
そののち、ヒカルが塔矢を誘い、それからはよく二人は打ちあうようになりました。
聞けば塔矢はそれまで同年代の友達がいなかった、とか。
今の時代はどうも昔とことなり、一般的に囲碁をたしなむ風潮がないようです。
まあそれは江戸の世においてもおどろきましたが。
何しろ私が生きていた都においては日々誰もが教養のいったんとしてたしなんでいたのですから。
まあ、私が世間知らずのだけだった、というのもヒカルとともにいて何となくわかってきましたが……
なにせ、私は都から一度たりとてでたことはないのですから。
ヒカルは負けん気のつよい、それでいて優しい子です。
塔矢に発破をかけられてヒカルもまた囲碁の道を進み始めました。
私はそんなヒカルを心から喜びました。
何しろ私と打てるのはヒカルだけ、私の存在を理解してくれているのもヒカルだけ、だったのですから。
ネット碁もそんな私の気持ちを組んだヒカルの好意から、でしたのでしょう。
私はそこで、始めて藤原佐為としてこの世に箱の中だけとはいえ存在が許されました。
相手の顔がみえないのはありますが、手筋から相手を連想し日々たのしみました。
そして…あのものとの、対局。
ヒカルに無理をいっている、という自覚はありました。
だけど、どうしても譲れなかったのです。
私は、あのころ急に不安になってきていたのです。
自分がいつまで現世にいられるのか、ということに。
そして…その不安は現実のものとなりました。
あのとき、ヒカルが私たちの対局をみて逆転の一手を指摘したあのとき。
私の千年という長きときはこのためにあったのだ、と突然理解したのです。
虎次郎のときは私に自由に碁をうたせてもらえるものが必要であった、ということも。
それはおそらく神の意思だったのでしょう。
神の一手を極める。
つまりそれは神に一歩でも近づくことを示しています。
私の打ち方は虎次郎を通じて再び世の中に認められ、その打ち筋はさらなる進化をとげて現代へ。
そして私はその変化した定石をまなびその打ち方は私からヒカルへと。
これからヒカルから別の誰かに受け継がれ、そうして紡がれてゆくのでしょう。
はてしなく続く神の一手への道へと。
そう自分の中で理解したとき、私の時間が残されていないことに気づいたのは……
そんなとき、行洋殿がいきなり引退を宣言されてしまったのにはおどろきました。
私がいなくったのち、ヒカルたちを導けるのは彼しかいない、とおもっていただけになおさらに。
ヒカルにいつかはいわなくてはならない。
そう理解していてもなかなかいえなかった私の弱さ。
案の定、ヒカルはそれをきき真っ青になりいろいろ手をつくしてくれました。
私も信じられなかったですが、私は自分の中の止まっていた時が動き出した。
それを身にしみて感じてしまいたから、もう、覚悟はあるていどできていました。
ヒカルは…覚悟も何もできなかったのでしょう。
それはそうですよね。
だって私は以前、虎次郎とともにいたときには彼がしぬまで一緒にいた。
そうヒカルに話していたのですから。
虎次郎のときには私が残され、そして今度は私がヒカルをおいて逝く。
それに罪悪感を感じなかったわけではありません。
が、すでに私はもうはるかな昔に死したもの。
虎次郎やヒカルに会えたそのことこそがまさに奇跡のようなものだったのですから。
そして…今。
不思議なあるおかたの手により私は再びヒカルのもとに戻ってこれました。
今回、もどってきてしったのは、行洋殿は引退したのち、世界中をとびまわっている。
ということでした。
あのものは、ヒカルたちだけではなくその視野を世界にむけたのです。
私はあのとき、ヒカルのことしか考えられなかったというのに。
そして…今。
ヒカルの好意で再びあのものとの対局がなされようとしています。
あのものは、どこまで伸びているのでしょうか?
すこしばかりわくわくしてしまいます。
やはり私はねっからの碁が好き、なのでしょうね。
こればかりはどうしようもないのでしょう。
さて…そろそろ時間です。
雑念を捨ててすべてをこの一局に投じましょう。
私のために、そしてヒカルのためにも。


囲碁をしったのは祖父の影響だった。
それから囲碁の道にと進んで気付けばタイトルを所得していた。
それでも、まだ足りなかった。
とにかく自分でも納得できる【何か】を求めていた。
はじめのころは自分より上のものにおいつきたくて、おいこしたくて。
おいこせたとおもったときの充実感。
そしてさらに上を目指すその喜び。
それがいつのころであったか。
気付けば私と同じ碁をうてるものは少なくなってきていた。
いや、いるにはいる。
だけども、完全に目標とするべき存在がいないのだ。
私はそれを過去にもとめた。
囲碁界の歴史においてもっとも強い、とされている本因坊秀策。
彼が若いときに死していなければまだまだ彼は人々の心に名前を落としていたであろう。
棋譜をみて、そうおもった。
歳若いというのに年月を感じさせるそれでいて力強い碁。
しかし過去をふりかえってもどうにもならない。
世界にその想いを広げ、そこで出会った徐さん。
彼はわたしといい勝負をするかただった。
互いに負けては勝っては、の繰り返し。
それでもやはり、何かがたりなくて……
そんなとき、ふと、弟子たちが話している会話をきいた。
現代に本因坊秀策がよみがえったら、先生はどうおもいますか?
と。
どきり、とした。
かつて私が思い描いていたのは、かのものと対局してみたい、と本気でおもったこともあったほど。
弟子たちにはそんな私の想いは話したことはないのに。
徐さんもいっていた。
タイムスリップしていけるのであれば江戸にいき彼と対局してみたい、と。
彼もまた秀策の棋譜に魅せられた一人だというのをしりどこかほっとした。
そんなとき…一柳先生からsaiの話を聞いたのだ。
「ネットにものすごい強い人物がいるんだよ。これが。
  はじめのころは古い定石をうってきてたんだが、どうしてこうして。打ち方がかわってきてる。
  まるで、そうだね。秀策が現代の定石を学んだってところの強さ。
  いやぁ、彼の名前をみつけては対局申込するんだけど最近ではなかなかねぇ。
  自分がまだまだだってつくづく最近思い知らされて少しばかりおちこんだりもするよ。はは」
ネットといわれても私にはよくわからない。
そもそも私は石をもつのが好きである。
あの機械では石の感触も、対局する独特の空気も味わえない。
そう、おもっていた。
そんなとき、息子の友達の進藤君がようやく囲碁界にとやってきた。
私は即座に彼との新初段シリーズの対局を指名した。
息子はその進藤君とであってメキメキと力をつけている。
それは日々息子とうっている私だからこそ、わかる。
それなのにどうしても彼が家にくるときは私はいつもいないときで、打ちあう機会がまったくなかった。
彼と向き合ったのは緒方君が彼を囲碁サロンにつれてきてくれた、あのとき、のみ。
あのとき、何かを感じたのだ。
そう、何かを。
あのときからずっと私の心に進藤君、という彼がいた。
それはどうしてなのかはわからない。
彼は伸びる、そうおもっていたからなのか、あるいは……
進藤君が自分の大事なデビュー戦を捨ててまで打たせたい誰かがいる。
そう、きちんと説明されたわけではないが妻からきいたときには驚いた。
が、あの彼がそこまでいう人物。
おそらく視えない生きていないもの。
興味を抱いた。
そしてむかえたあの新初段シリーズ。
どきり、とした。
今までに感じたことのないここちよい、それでいて緊迫した空気。
初めて公式の場にて手合いをして感じたときのような、そんな研ぎ澄まされた感覚。
これは進藤君ではない。
たしかに。
子供にこんな空気を持ちだすことは不可能。
空気から感じるのはつちかった年月の重み。
ハンデ。
自らにハンデを貸して、それでもなお私よりも上をゆくこの対局者。
そして…あの日、私はなぜか倒れてしまった。
きけば心臓発作という。
妻もかなり驚いていた。
ありえるはずがないのに…と。
たしかに、常に妻にいわれてみにつけていたはずのお守りは、私は外していない。
いないのにもかかわらずそのとき私は身につけていなかった。
何かに覆われるような感覚とともに意識をうしなったまでは覚えている。
そして病室で…私は緒方君からネット碁を教わった。
ずっと病室でじっとしているのは先生の性分ではないでしょう?
そういわれ。
おそらく入院などということにならなければ私はネットなどには見向きもしなかったであろう。
中国の楊海君たちがネットは楽しいですよ?
といっていたけど、私はどうも機械というものが苦手だった。
しかし、今考えてみればすべては決められた運命だったのかもしれない。
私がそれまでネットをしなかったのも、あの日倒れたのも。
そして…進藤君がsaiの話を持ち出してきた、ことも。
私は進藤君に問いただした。
あのとき、かのモノが背負ったハンデの数を。
十五、ときいて驚愕した。
それほどまでに自らにかして、なおかつ私の上をいっていたそのもの……
サイ。
漢字も氏名もわからない。
名前、のみ。
おそらく妻も進藤君もしっているのであろう。
しかし私にはそんな名前の碁打ちの心当たりなどはまったくなかった。
生きているものにしろ死んでいるものにしろ。
妻が煽ってくることなどはめったとなかった。
しかも進藤君もきっぱり私が負けると確信してるかのモノいい。
…興味をもった。
それまで忘れかけていた何かを思い起こすがごとくに。
そして…私はあのものと対局し…そして、負けた。
手堅くいって勝てる相手ではなかったのだ。
私は自分の碁はこれでいい、とおもっていた。
しかし、同時に対局してみて初めてわかった。
私の碁はすでに守りにはいってしまっていたのだ、と。
彼の名前も聞けずじまい。
妻からも聞かされない。
そのかわりに、彼と進藤君の出会いを妻は教えてくれた。
進藤君は彼と出会う小学六年生の九月までまったくもって囲碁なんて感心をもっていない子供だったらしい。
しかし、彼やそして明と出会うことにより、彼もまた囲碁に興味をもち自分も打つことを見出したらしい。
しかし、何より私が驚いたのは、その時期である。
進藤君はすでにその半年後には明と同等の棋力を持ち合わせていた。
進藤君は原石だったのだ。
おそらく教えたサイの力量もあるのだろうが。
世界には進藤君のような子供が、才能があるのに埋もれている人々がたくさん他にもいるとおもう。
ゆえにこそ私は世界に目をむけた。
新たな原石を見出すことと、自分の力をさらに高めること。
それが同意義の意味をもつとおもったから。
そして、今。
約束の時間が迫っている。
私はこの一年、私なりにがんばってきたつもりである。
彼に…saiにどこまでおいついたのであろうか。
ノートではないデスクのパソコンというものは初めてで多少勝手は異なるが、基本操作は同じ。
勝ち負けはどうでもいい。
今まで自分で培ったすべてをこの一局にささげるのみ。


ああ、この気迫。
佐為だ。
佐為はたしかにここにいる。
佐為に指示されてそこに打ち込んでゆく。
昔はこの空気を感じると息苦しさすら覚えたが、今はそれすら心地よい。
ああ、佐為がいまいるんだ。
という安心感につながるから。
実は佐為にはいっていなかったけど、どうして夜に対局時間をいきなり申し込んだのか。
おそらく佐為は気づいているのかいないのか、おそらく気づいていないとおもう。
もしも、佐為が自身が一年前、逝くことになったこの日。
この日にむけて数日前から現世にもどってきているだけだとしたら。
このいつかがおわれば佐為はまた消えてしまうのではないか、という不安がどうしても捨てきれない。
だけど、佐為のことだ。
きっと対局にものすごく熱中していたら、きっと時間がたつのすらわすれてあの世にもどるのを忘れてくれる。
そんな期待もどこかにある。
ずるい考えかもしれないけども、だけども少しでも佐為にそばにいてほしい。
だって俺はあのときも、そして今回も、佐為に何もしてやれていない。
彼が住んでいたという京都にも共にいこう、といつか約束したのにそれも果たせていない。
ねがわくば、このまま佐為とともに一生を終え、一緒にあの世にむかいたい。
二度と、佐為を一人ぼっちにはさせたくはないから。
千年で、佐為が会話をかわすことができたのは、自分とそして虎次郎、たったの二人。
佐為がいなくなってその孤独が痛いほど嫌でもわかった。
祖母が亡くなったときよりもはるかに深い喪失感。
暗闇にぽつんとおいてけぼりにされたような、迷子の感覚。
それでもはいあがれたのは、回りの人たちの愛情と…そして、自分の碁の中に佐為をみたから。
だけどもそれは佐為ではあるが求めている佐為本人ではない。
その佐為がいま、こうしてもどってきているこの現状で。
そう願うのはわがまま?
神様。
お願いです。
また、俺から佐為を…佐為を奪わないでください。
せめて、せめて俺が完全に一人でも大丈夫、そうおもえるそのときまでは……


『ヒカル。いきますよ。右上隅、小目!』
かちっ。
時刻は夜の十一時。
ネット対局の開始の時刻。
佐為はたぶん気づいていない。
この対局に込められた俺自身の本位を。
何となくだけど、この対局がおわっても佐為が消えることがなければ、
この先もずっと佐為はともにいてくれる。
そんな気がするから…だから、また、いきなり、いなくならないで…佐為……
そんな思いを抱きつつも、佐為の指摘した場所に一手を打ちこむ。
先番、黒、藤原佐為。
白、塔矢行洋。
持ち時間三時間半、コミ六目半。
二度めのネットを通じての直接対決は…今……


                                -第81話へー

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あとがきもどき:
薫:何だか今回の話はそれぞれの佐為と行洋&その他の人々のあるいみ回想ばかりになってしまってる(苦笑
  まあ、互いにいろいろな想いを秘めている、というのをだしたかったわけであって。
  別に深いいみは…たぶん(?)ない、とおもってくださいなv
  さてさて、話はかわり、最近ではこちらの小話さんにifコーナーを設けてますが(笑
  そのifさんもどきでアキラ&ヒカルの話がまあうかんでくるわ、うかんでくるわ。
  あとちびっこ佐為ちゃん話しとか(爆
  アキラって絶対にヒカルおいかけて中学でいきなり囲碁部にはいって大会に参加したり。
  かなりむちゃするのでけっこうかなり一途すぎるところがあるとおもうんですよね。
  逆をいえば周りがみえなくなるというか周りはどうでもよくなるという(笑
  ヒカルのほうはけっこう何でも逆に興味をもつタイプかな?
  まあ、あるいみ小悪魔的な天然さんではありますけどね(苦笑
  原作から感じるイメージでも。
  さてさて、では恒例の小話、いっきます♪



花器を引き取りたい、と申し出てくれたその美術館は昔の品々とかも扱っている場所でもあった。
慶長の花器。
かつては宮中にもあったといわれる半ばただの噂なのではないかともいわれていた国宝もの。
そして、その花器が展示されたのは、あるフスマ屏風の前。
「佐為。なつかしい?」
目の前の屏風には平安の絵巻が再現されている。
佐為がいきていた、その時代の。
『ええ。こんなものがまだのこっていたんですねぇ~。都での生活が浮かんでくるようです』
『しかし、何ですねぇ。どうしてみなさん同じような顔でかかれているのでしょう?
  たしかに当時はこのような絵姿で姿を残すのが当然といわれてましたけど……』
何しろ昔の人々の顔などはほとんど似たり寄ったりの肖像画しかのこっていない。
顔立ちは今の人々も昔の人々もほとんど変わらないというのに。
違うとすればそれは背の高さとか体つきとかそういったこともあるかもしれない。
「まあ、その時代時代の特徴、なんじゃないのかなぁ?」
そもそも、佐為と出会うまで平安時代に耳ピアスが一般的であったなんて、ヒカルも知らなかった。
もっとも、専門家たちも全員知らないであろうが。
「あ。いたいた。もう、ヒカル。どこにいるのかとおもったら。まだここにいたの?」
美術館をぐるっと一回りしてふとヒカルが一緒についてきていないのに気づいてもどってきた。
「うん。これってずっとみてても飽きないよね~。そうおもわない?明日美?」
院生になり何かとヒカルを気にいったのかこの奈瀬明日美という女の子はヒカルによくつきあってくれる。
ヒカルも何だかお姉さんができたような感覚でなついているのだが。
院生手合いがおわり、ヒカルが美術館に顔をだしたいといったその話をきいてついてきているこの奈瀬。
男性陣はそんなとこにいってもよくわからないから、といって断ってきたのだが。
第二土曜日の午後、というだけあって人はそこそこ美術館の中はこみあっている。
アキラもなぜか一緒にきたかったらしいが取材の人らしきひとにつかまっていた。
「まあね。でもこれ、ヒカルみたいだよね?」
「?私?」
『?アスミ殿?』
そんな奈瀬の言葉にきょとんとした顔を同時にするヒカルと佐為。
「うん。この花器って水をいれないと普通の花器にしかみえないのに、水をいれたら変化するでしょう?
  ヒカルも外見からはたとえばカラテが黒帯だとか、あげくはお花とかの師範免許をもってるとか。
  そういうのわからないじゃない?内面のことは。それを行うことで初めてわかることだし」
どこか、似通ったところはあるとおもう。
まあ、普通はおもわないであろう。
生け花やお茶をならってます。
といって意外!というような感じではなくむしろその逆でああ、やっぱりいいところのお嬢さんっぽいしね。
そんなイメージがヒカルにはある。
が、しかしそんな小柄なしかもどこかハーフっぽさをももっている少女がよもや黒帯という実力をもつ。
などといったい誰が想像できようか。
しかもヒカルは同級生からしてもかなり小柄なほう。
ゆえによけいにギャップに人々は翻弄されてしまう。
しかも誰にでも笑顔をむけるのでヒカルは知らないが最近では院生仲間からも株が上昇してきていたりする。
最も、ほとんどヒカルが手合いのときにはなぜか塔矢明が常にヒカルの手合いが終わるころには迎えにきており、
他の男子達をほうってまでヒカルと話している、というのでなかなか彼らもヒカルに近寄りがたいのだが。
だまっていればぽや~とした世間知らずな女の子にみえなくもない。
そのくせ、芯が強くてまけずぎらい。
さらには何かに集中するときはがらっと雰囲気は一変する。
そのくせときどきとろけるような笑顔を一人で浮かべていることが多々とある。
どきっとしないほうがどうかしている。
もっとも、その笑顔は佐為に向けているものなのであるが。
「そうかなぁ?私は普通だとおもうけど」
「ヒカルってほんっと謙虚だよね~。そこがヒカルらしいけど」
「明日美のほうがすごいよ。って迎えにきたってことはもう帰るじかん?」
「うん。そろそろ桜野さんの用事もおわりそうだしね」
棋院から帰ろうとしておもいたったのがこの美術館に立ち寄ること。
それで以前から興味があるとかいっていた奈瀬を誘ってきているヒカル。
たまたま、その近くに用事がある、という桜野という棋士がその話をロビーできき、
ヒカルたちをここまで送ってきてくれたのだが。
「そっか。じゃ、いこっか」
ね。佐為。
『ええ』
話しかけてくるヒカルににっこりと笑みを返して歩き出す。

中学というところにはいり、ヒカルはだんだんと大人の女性らしく変化していっている。
初めてあったときはまだまだ子供っぽさが残っていたのに。
いやはや、今も昔も女性というものはいきなり変化しますよね。
いつまでも子供でなく、少女はきづいたときにいきなり大人の女へと変化してゆく。
佐為のことはおもいっきり平気なのにヒカルは基本的には怖い話などは好きではない。
ゆえにどうしてもそのあたりの落差もまた激しい。
雷が苦手なのは佐為とヒカルに共有しているところではあるのだが。
…いつか、ヒカルも虎次郎のように伴侶をみつけてそして新しい家庭をつくるのでしょう。
そうおもうと少しさみしくなってくる。
平安の世や江戸の世においてももう婚姻していてもおかしくない年齢ではある。
十三歳。
ヒカルとともにいる時間がとてもすばらしく、ずっとこのような日々が続けばいいのに。
と気づけば願っている自分がいる。
今まではただ、神の一手を極めるまではっ!
という思いのほうが強かったのに。
ヒカル、という少女はその名前のとおり、文字通り、光、であり太陽でもある。
長い孤独から、佐為を見つけ出してくれた。
その前の虎次郎は佐為にとっては特別な人。
だけど、ヒカルはそんな虎次郎とは違う、別の特別なのだ、としみじみ思う。
ときどき、思うのだ。
もしも、もしもヒカルが好きな人ができたといって、自分に紹介し…そして婚姻し子供をなしたとき。
自分は虎次郎が婚姻したときのように心から祝福できるのだろうか?
ということを。
ヒカルが自分を好いていてくれるのはヒカルの態度からしても、ましてや心がつながっているがゆえによくわかっている。
それはおそらく初恋のあわい、あわいあこがれのようなものなのであろう。
だけども何でも今の時代では男性は十八からでないと婚姻が不可能であるらしい。
女性の場合は保護者の同意があれば十六からできるらしいが。
それでも一般的には大体二十歳を過ぎてからが主流らしい。
まだまだ、時間はある。
……あまり考えないようにしましょう。
その時がきたらその時、である。
どちらにしても自分はヒカルを見守ることしかできないのですから……


ちと幽霊のときの佐為の感想をいれてみました(笑
恋をしていれば少女はいきなり大人になるものなのですよv(まて
それが四六時中ともにいる相手なればなおさら、意識しても不思議はなしv
しかも何しろ心がつながってますからねぇ。
佐為がこんなことをふと考えてしまったりしたことも、佐為は気づいてないけどヒカルに多少なりともつたわってたり(笑
ちなみに、今のヒカル的には、佐為がいるからずっと佐為とともに一生一緒にすごすんだもん!
という感覚でおります(笑
まあ、はやく佐為に認められる大人の女性になりたい、という願望もありますが(笑
まあ、子供というものは背伸びをしたくなりますしね(苦笑
ひかるのまっすぐすぎる想いがいやでもわかるがゆえに佐為のほうも変化中(笑
心がつながっている、ということはそういうこともありえる、とおもうのですよね(苦笑
しかし、あくまでも佐為は幽霊、ヒカルは生きている人間、なわけで~
そのあたり、ヒカルはきれいさっぱり失念しておりますけど(あははv
ま、この小話しでは後々佐為は肉体得て復活しますけどv
復活しない場合、ヒカルが結ばれるのはアキラとなってたり~
きっと佐為がもどってこなければヒカルはそのまま佐為のことを一番理解してくれているアキラを選んでいたでしょうけどね(笑
こちらの話はアキラは佐為がもどってきたせ~で、小六のときから抱いていた片思いに玉砕です(まて
もどってこないば~ジョンのほうでは、アキラはさくっと自分が18になったら入籍を!!
といってほとんど世間知らずでもあるヒカルをあるいみ言いくるめて(こらこら)
念のためにも保険をかけて(いわば出き婚めざし)とにかく横からかっさわれないようにするのに必至だったりv
まあ、どちらのシリーズにおいても年齢差がありますからね。
ヒカルとアキラ。
ちなみに、もう一つのほうの邂逅バージョンのほうでは佐為(女性)に邪魔されまくりますけどね(笑
そちらのヒカルは天然無自覚天使兼悪魔v
あちらのほうは性格的には「はらきよ」の麦子です(笑
まあ、何はともあれ、ではまた次回にて~♪

2008年10月3日(金)某日

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