あとがき:(今回はとある会話♪)


「まあ。そんなことがあったんですの?」
「そ。世の中何がつながってくるかわからないものだよねぇ〜」
先日のことを報告しがてらここ、眞王廟にとやってきたのはつい先刻。
しかし聖剣にモルギフまででてくるとなれば、神剣もでてくるであろう。
となれば必然的に確実に【覚醒】が迫っているのは明白。
たしかに【彼女】の力をもってすれば肉体がもたなくても瞬時に再生させることは可能。
しかし、それでは意味がないのだ。
ということを彼もまたよく判っている。
自分達の望みはそこに生きる者たちが未来を紡いでゆくこと。
自分達はそれらのきっかけを促すだけに過ぎない。
しかし力が強大すぎるゆえに人はその力に頼り、また畏れもする。
「…どうにか今の肉体における負担が完全に生来のものにもどるまで何ごともなければいいけど・・・」
「わたくしもいつかシルケーブル様にお会いしたいものです」
「ま、いずれはね。でもまだその名前…ユーリにいったらだめだよ?
  触発されて覚醒しかねないから」
「それは十分に理解しておりますわ」
「あとは彼が暴走しなければいいんだけどね〜…」
「彼?」
「あ。ううん。こっちのこと、こっちのこと」
かつて自分達のことを知り、そしてまた自分も役に立ちたい。
という思いから人造人間を創りだし、それに自らの魂を移動させる方法を見出したかの【彼】。
かの十八年前の暴動にも彼は一役かっていた。
だからこそ気にかかる。
彼がこのままじっといているのかどうか、ということが。
「それよりさ。ウリちゃん」
「はい?」
「たまには外にでないとウリちゃんの中の思いが暴走しちゃうよ?」
「それは大丈夫ですわ。だってリアちゃんがこうしてよく訪ねてきてくださいますもの」
いや、大丈夫じゃないからいってるんだけど…
そうはおもうが笑顔のウルリーケをみていたら何もいえないのも事実。
「…ま、いっか」
そう。
今はそれでいい。
物事はなすがままになるのだから。
そしていい方向に導くために自分達がいるのだから……



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