プロローグ〜

ごそごそごそ……
「…きゅ〜……」
声をだせども返事がない。
いったいどこにいってしまったの?ねえ?
だけども絶対にもどってくる。
そう信じている。
二人が自分達を置いてどこかにいってしまうはずはない。
だからまってる。
ず〜〜とまってるから……


「しかし、まいったな……」
せっかく卵を産んだ、というのに。
こればっかりはどうにもならない。
しかも生態がよく解明されていないのだから手のうちようがない。
何かのきっかけがあればいいのだが……
「いかがしますか?」
「とにかく様子をみるしかないだろうな……」
願わくば、彼らがちゃんと成長できますように……


「…アンリ。何かいい意見ない?」
「ない」
きっぱり。
そうきっぱりと有無をいわさずいわないでほしい。
つうか。
「せめてアンリのほうで寝てくれれば楽なのに。
  というか!余ってる部屋ってかなりあるんじゃないの!?ねえ!?」
「まあ、かなりあるけど。でもユーリが求婚しちゃったのも事実だからねぇ♪」
「だ・か・ら!お前絶対にたのしんでるだろ!
  ヴォルフの寝相はひどいんだぞ!」
布団をはぎとられ、さらにはペットの下に落とされることもあり。
「束縛しといたら?」
「それはちょっとやりすぎだろうし……」
「なら我慢するしかないよ」
「だ・か・ら!相談してるんだろぉぉ〜〜!!」
なんで自分の部屋、と割り当てられている部屋で安眠できないんだろう。
今度城下町の宿屋にでもおりて眠ったほうがはるかに眠れるかもしんない……


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