「アニシナさん、何か好きそうだったから。それにしてみたんだけど」 「ありがとうございます。陛下。二つある。ということは一つはわたくしの為に研究用なのですね!!」 「……いや、というかそれ二つでセット物……」 オレの言葉は何のその。 「この仕組みが解明されたら、すばらしい品になりますわ!!まず外側のこの物質は……」 それ、キョウカプラスチック…ここ、眞魔国というかこの世界にはないとおもいます。 はい。 しばらくそんなことをいいつつ。 「そういえば。ギュンターのは何ですか?まあ、まだ開いてませんのね? おかしなさい。わたくしが確かめてさしあげますっ!」 どうやら全員の品が気になるようだ。 ヴォルフラムは気づけばいつのまにかパズルに夢中になって熱中してるし。 ピースがうまく組み合わさるものを探している。 結構集中するタイプとみた。 「わ…わたくしがあけますっ!」 アニシナさんの手をふりきり、自分で丁寧に紙を破かないようにそっとギュンターが包みを開き。 そして、その中の箱にと入っているものを取り出しているが。 ギュンターの品物は。 クリスタルに見立てたような筒の中に、 ゼリー状の海を見立てたものが入っている、見た目涼しそうなペン立てと。 あとは以前にぜか褒め称えていたので招き猫が魚を加えているキーホルダー。 「まあ。これも綺麗な……」 「陛下?これは?」 「ペン立てとキーホルダー。あと置時計。ギュンターいっつも勉強時間を伸ばすから、目安」 ちなみに文字版は魚や動物だ。 これは乾電池タイプだけど、買い置きしておけば問題ないだろう。 ……たぶん。
「う〜ん…これかこれ。…いや、これだ!」 一人、何やら熱中してパズルのピースを組み立てているヴォルフラム。 と。 「おまえたち、何を騒いでいるんだ?一体?」 などといいつつ、なぜかグウェンダルまでやってくる。 ラッキー!! 「あ。ちょうどよかった。グウェンダル。はい。お土産」 オレが箱、というか包装されたそれを手渡すと。 「…土産?」 眉をひそめているグウェンダル。 「そ。いったろ?前回シーワールドにいってる最中だって。 この前のバンドウ君かエイジ君キーホルダーの本体がいる。 で、お世話になっている人たちにお土産買ってきたんだ。 兵士とか、従業員全員分はムリだから。そっちはアメで我慢してもらうとして」 そんなオレの言葉に、ちらり、とオレの後ろに視線をやり。 「…その後ろのでっかい丸いのは何だ?」 オレの後ろのアメ入りの缶をみて言ってくるグウェンダルに。 「陛下と猊下が城の皆でたべてくださいって。 大きな金属の缶に入ったアメをもってきてくださったんだよ。 袋ごと食べられるからグウェンも食べてみたらいい」 いって、アメを一つ取り出してグウェンダルにと手渡しているコンラッド。 「これは……」 あ。 グウェンダルにわたったのはペンギンの形のだ。 「食べ物なのか!?」 「アメだってば」 「・・・・・・・」 迷いつつも口に含んでいるグウェンダル。 口に含むと同時に、何やら珍しく驚いた顔をしているし。 「なっ!?外の袋がとけてるぞ!?口の中で!?」 「だから。口の中で溶ける素材なんだってば。それ。 で、グウェンダル。これ一個持って帰って。兵士たちに配ってあげてくれない? それか自由に劣りくださいって書いといてほしいんだ。グウェンダル自分の兵士つれてきてるじゃん?」 グウェンダルは彼の本拠地であるフォンヴォルテール城から兵士を引き連れてきているし。 「ま。全員…とまではいかないけど。配ってみないと何ともどれくらいいきわたるか判らないけどね。 ちなみに、ユーリからのそのお土産には、 フォンヴォルテール卿が好きそうな小物がたくさんはいってるよ」 戸惑うグウェンダルに、にこやかに説明しているアンリ。 そんなアンリの言葉に。 「小物といえば!陛下!猊下!これ何ですの!?すごくふわふわして気持ちがいですし!? しかも眞王廟の女たち全員にいきわたっていましたことよ!?」 あ、アニシナさんが持っているのはアザラシ君のヌイグルミだ。 「福引でもらった末等賞。海のお友達シリーズのヌイグルミ」 オレの説明に。 「ヌイグルミ…ですの?これが?でも手触りが……」 「そりゃ、こっちの物質とは素材が違うし。ちなみに洗えるらしいしね」 アクリルの毛を使っているらしいし。 ふわふわ、プニプニ感が何ともいえない。 昔もっていた、風呂場に一緒に入れることができる、ヌイグルミに何となく手触りが似ていないこともない。 「そういえば、もう一つあるそれは?」 ふとアニシナさんが残った一つの箱を見て聞いてくる。 その片手にはアザラシ君をもったままで。 「ああ。これ?ツェリ様の分。ツェリ様はまだ帰ってないらしいからさ。今度渡すよ」 いってタンスの上にとおいておく。 そんな会話をしつつ。 「さってと。それじゃ、あとは兵士たちの詰め所にいってこれをもっていって終わり!」 いって一つの缶を抱えようとするオレに。 「陛下。陛下がそのようなことをなさらずとも…そこの二人!」 「はっ!!」 オレの部屋の前で警備に当たっていた兵士を呼んで。 「数名の兵を陛下のお部屋に。運んでほしいものがあります」 などといっているギュンター。 「了解しました!閣下!」 その言葉をうけて、兵士たちは敬礼して走ってゆく。 「さってと。僕は兵士やお城の皆に対しての説明書き〜♪」 何か感熱紙を取り出しつつ、そんなことを言っているアンリ。 …何をもってきたのかと思いきや。 この紙や、それに油性マジックはこのためだったのか……
とりあえず、アンリに注意書きをかいてもらい。 兵士の詰め所や厨房にと缶を移動する。 中身が空にとなったら、いろんなことに缶だから使用できるので それぞれいる箇所や、又は人にあげてください。 ということにして。
そして…… なぜか三日もたたずにすべての缶のアメはなくなったらしい。 皆、結構甘いもの好きなんだなぁ〜…… とその報告をうけたとき妙に感心してしまったり。 皆さん、かなり疲れているんだろうな…… 疲れているときって甘いものがほしくなるしね……
ちなみに、グウェンダルはかわいいものグッズの小物襲来がかなりうれしかったようで。 お礼にとオレに編みぐるみをもってきたりしたけども。 がんばってアザラシとかペンギンとか作ったらしい……まったくその動物にはみえなかったけど…… 別にいいのに……
そんなこんなをしつつ。 しばらくの長期滞在になるであろう滞在は幕をあけてゆくのであった。
さぁ〜て?
一体本気でアンリがいうように、こちらに何か月滞在するようになるんだろうか?? そんな不安を抱きつつ。 オレの長期滞在は今、はじまってゆく……
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