エピローグ:
これは…… 一体全体、何がどうなった。 というのだろう? 彼の元にとようやくたどり着いたとき、彼は拘束されていた。 何があったかはわからない。 わからないが。 だがしかし。 それゆえに助けようと仕掛けはしたが…ものの見事にけちらされ。 というか、どうして戦になっていないのか。 それすらも判らない。 遠くから見えた竜巻と、そして…… あの光。 何か関連性があるであろう。 ということは判っていた。 感じたのは強大なまでの…『力』。 おそらくは、それが魔王の力なのだろう。 今度の魔王は何ごとにおいても常識内で図らないほうがいい。 そう頭では理解はしていても…理性はなかなかに追いつかない。 その結果。 双黒の持ち主であり、伝説の天空人の御子。 …何かがこの国に。 いや、世界に起ころうとしている。 というのは十八年前に判っているつもりではあった。 だがしかし…… 自らが生涯をかけて守り仕える。 と決めたシュトッフェルと共にギュンター達にと引き連れられて城にともどってみれば。 あきらかに大気といわず、その地の空気が変わっている。 いつもは重苦しいまでの雰囲気を感じていた。 というのに。 あの『光』が何か意味を持ち、この地の重苦しいまでの空気を浄化させたのか? あの魔王の力は図り知れないものがある。 いまさらながらに思ってしまう。
――この世界にと伝わる伝説。 あれはもしかするとあの魔王のことを指し示しているのかもしれない……
そんなことをも心では思うが。 今。 自分がすべきは…主であり、そして又。 父から受け継いだ役目を果たすのみ……
全身全霊をかれて、この一族を…この兄妹を守る。 と決めた幼き日の決意のためにも……
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