あとがき:

ほのかに明るく何もない空間。
何もない空間のはずなのに、ひとつのテーブルを挟んで向かい合っている三つの人影……

  アンリ:「はい!ついにやってきました!!」
エドワード:「…というか、これいいのか?シル様が見られたらやばいぞ?」(以後エド)
   ボブ:「といっても姫様の指示だぞ?」
エドワード:「……確かに……」

アンリ:「今のところユーリは大丈夫だよ(多分。)しっかしエド?
      何度もいうけど気づかれる物言いはやめようね?
      そもそもあの四人、きちんと浄化されてないんだしさぁ?」
 ボブ:「あれらはなぁ……。生命体における負の感情で狂いまくっているからなぁ・・・・」
アンリ:「表向きには消滅させることができなかったから封印した。ということにはしてるけどねぇ。」
 エド:「念のためにヴェルラッド様の魂を鍵の持ち主にしておいて正解か?」
アンリ:「あんまりいい方法とはいえないけどね。」
 ボブ:「確かに。かの方に何かあったら共鳴して覚醒しかねないぞ?ユリファクチュア様は……」
 エド:「なら他にどんな方法があったというのだ?
      だがしかし、力になれるように血肉となる肉体は選んだぞ?」
 ボブ:「…まあ…数百年前のあの腕があるからウェラー一族にしたんだろうけど……」
アンリ:「…目の前でもし腕でも失う光景みちゃったら…確実に覚醒しちゃうってば……」
 ボブ:「あの場所は同じ銀河の中…というよりは、時空間の中心だしな。」
アンリ:「口裏をあわせて、ユーリには心苦しいけど嘘ついてるけどね」
 ボブ:「仕方あるまい。あの御方は昔からこう!と決めたら突き進むわりには。
      やさしすぎて非情になりきれない御方だからな。
      それがあの御方を苦しめているのだから」
 エド:「そういうな。あの御方が決められたことだ。だからこそ今の我々がある」
アンリ:「・・・あと、姫様の気まぐれ…もとい。決定でね。
      一番心労がたまってるのはやっぱりヴェルラッドだと思うよぉ?」
 ボブ:「彼もまた記憶を持たずに転生を繰り返してはいるが。
      魂ははっきりいってシル様と同一だからなぁ……」
 エド:「かつては元々。今の立場になられる前までは双子だったからな。
      しかもひとつの魂が二つにわかれて誕生した、非常に特殊な」
アンリ:「君がいうかなぁ?そ〜いうことを?
      少なくとも、あと二年は待ってくれたらユーリの身体にかかる負担が少なくてすんだのに」
 ボブ:「・・まったくだ。肉体と精神は連動するからな。
      特にあの御方は無理をする。というのは相変わらず…だしな」
 エド:「・・・おしきられた。というのは認めるさ。だがアーリーにも責任はあるぞ?
      ウルリーケにあの方をひきあわせただろう!?」
アンリ:「・・・うっ!!」
 エド:「あれでウルリーケにあの御方との直接のつながりが出来てしまったからな。
      私の作戦まで読まれたぞ?コンラート様とジュリア様が生まれたことで。
      そりゃもう、確実に的確に」
 ボブ:「・・・救いは誰にもウルリーケ殿がその事実を話されていない…ということだな」
アンリ:「ウェラー卿は…ユーリの…つまりジュリアさんがその魂の中に何の力をもっているか。
      ・・・ジュリアさんから聞かされてたからねぇ。ジュリアさんと知り合ってまもなく・・・」
 エド:「彼は誰にも話していないがな。
     だがそれ以上に…予感はしていてもショックは受けてたからな……」
アンリ:「ジュリアさんもそれがわかってたから。
      ウェラー卿に自分の魂と、生まれ変わった自分の名前を託して。
      ソフィアさんに渡してほしいっていったんだと思うけど・・・・ね」
 ボブ:「あの二人は元々ひとつの魂。今は立場が…かの一件以後違えども。本質は同一。
      ゆえに互いに影響し惹かれあう、というのは道理であるからな。運命、とでもいうべきか」
アンリ:「運命…ねぇ・・・」
 エド:「運命…とは違うとおもうぞ?」
アンリ:「ま、とにかくさ。それも姫様の思惑通りなんじゃない?」
 エド:「確かに。いともあっさりと許可だされたしなぁ…あのとき……」
 ボブ:「・・お前ら。ちょっといいか?あんまりそういっていると。
       いきなりこちらの世界に乱入してこられるぞ?あの姫様は……」
アンリ:「うっ!!?」
 エド:「そ…それはちょっと……」
アンリ:「…え。ええと…。ま、まあ、どうにかそばで僕がユーリの力はセーブするとして」
 エド:「問題は人間たちの動向…だな」
アンリ:「特に大シマロン。よくもまあ、あそこまで思念にとらわれたものだよね」
 エド:「ヴェルラッド様に頼もうか…とは思ってはいるが……」
アンリ:「…それするときは、せめてちゃんとユーリや周囲には説明してよ?エド・・・・・・」
 ボブ:「万が一の場合は、あの方の左腕に今は宿っている力と、
      その肉体における血の中の力をもどせば、多少は……」
 エド:「数百年前の腕の力もあるしな」
アンリ:「そういえば?ボブ?例のやつは?」
 ボブ:「それが…いまだに……もうかなりたつが……」
アンリ:「急がないとやばいって…特に地球にいってた。となると…ね」
 エド:「しかし、まだ本当にそちらにあるのか?力を蓄えていれば我らとて気づかないうちに、
      このあの世界にもどっている可能性も……」
アンリ:「…それをいわないでよ…可能性としてはありえるんだから…さぁ…」
 ボブ:「あれは、見た目はただの箱。ゆえにこそ、世界大戦中は武器入れなどに使われてたらしい。
      そこまではつかめた…のだがな」
アンリ:「さすが、というか…ねぇ……」
 ボブ:「ひとまず。継続して捜査はしている。それより残りの三つは?」
 エド:「所在はつかめた。あとは……」
アンリ:「行動…か。人間たちの」
 エド:「まあな。だからこそ、完全に調べに出向いているんだし。」
アンリ:「……最悪。ユリファクチュア様が覚醒、という事態は防がないと…ね。
      今のユーリの身体ではもたないよ…力の強さと、肉体のバランスが…ね……」
 エド:「わかっている。」
 ボブ:「ひとまず。そちらのものには気づかれないようにこちらでもフォローは入れるとしよう。
      アーリー。道はつなげられるな?魂を物質化はできるか?」
アンリ:「力を解放すればできるけど?…何をする気?」
 ボブ:「イベント。」
アンリ:「…は!?イベント!?」
 エド:「…?何を?ボブ?」
アンリ:「…あ、ああ。なるほど。それも確かにひとつの手ではあるけど……」
 エド:「なるほど。めくらまし・・・にはなるな。」
アンリ:「わかった。するときにはいって。」
 エド:「私も協力しよう。」

―――ひら……

アンリ:「?何か紙が??」
 三人:『・・・・・・・・・・・・・・・・・』


――そろそろお開きにしてね♪

 エド:「…紙にふれたら頭に文字が・・・・・・」
アンリ:「・・・ふかく考えないでおこうよ・・・・」
 ボブ:「・・・だな。ではまた。機会があれば・・・」
 三人:『異議なし!!』


言葉とどうじ。
空間がゆらぎ…後には何もなかったかのような…静寂……

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