まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

ふとこちらを編集してないのに気づいたり(汗・・・
なので編集しがてらにいくのです。
いい加減に長編のほうも編集しないとな~……(汗

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アルカディア・ラプソディー

「陛下!いったいどちらにいかれてましたの!?」
ふと、騒ぎ始めたその直後。
神殿にと戻ってくる影を認めて思わず叫ぶ。
その横には。
「まあ!?アンジェリーク!?」
思わずその姿を認めて叫んでいるロザリア。
リモージュの横にはコレットの姿が見て取れる。
「あ、ロザリア。ちょうどいいところに。これから守護聖全員、謁見の間にそろえてくれる?」
にっこりと。
そんなロザリアにと微笑みかけるリモージュのその言葉に。
はっ!
思わず我にと戻りつつ。
「は!そんなことではごまかされませんわよ!いったい全体何を!」
怒鳴るロザリアに。
「――陛下、あまりうろうろとされては……
  それでなくても陛下は今ここアルカディアを、支えるのでかなりお疲れでしょうに…」
困ったようにいっているジュリアス。
「あら。大丈夫よ。このくらい。ともかく、ロザリア、ジュリアス。
  一時間後に全員謁見の間にそろうように。お願いね♡」
そうにっこり微笑まれては。
そんなリモージュの言葉に苦笑しつつも。
くす。
おもわずその言い様に苦笑しつつ。
「わかりましたわ。陛下。でも…本当にあまりうろうろとされないでくださいね。」
「そうですよ。陛下。何があるのかわからないんですから。」
それでなくても今は、あの【ラ・ガ】と名乗っているものの正体がわからないままに、
ただ、エレミアとコレットが名づけた地を育成することで、
こちらもまたその正体はわからないものの、銀の大樹にと封印されている【エルダ】。
その封印をとくべく、今コレットはがんばっている真っ最中。
先日、守護聖のうち三人がそんなエルダと対峙したこともあり。
何があるか彼らにすらつかめない状況にとなっている。
「まったく。心配性ね。あ、アンジェリーク。ティムカ達から話はいくと思われるから。後で謁見室でね♡」
にっこりと微笑むそんなリモージュの言葉に。
「は、はぁ。」
そう答えるしか当然すべはない。


リモージュがこの地にあった廃墟を利用して作り出した建物の数々。
宇宙を統べる女王の力はこのような創生の力すらをもつかさどる。
それは、守護聖とてやろうと思えばできることなのであるが。
だがそれは女王の許可なくては発動できない力でもある。
それ以外では時と場合によりて発動させてよい力もあるにはあるが。
そんな建物の中のうちの一つ、神殿。
もっとも、この廃墟はもともとかつてリモージュが作り出した建物の名残。
それゆえにそれを再生するなどたやすいこと。
神殿の中のとある一室にある謁見室。

赤い絨毯の先にある椅子にはリモージュが座り。
そしてその横にはロザリアが。
そして、その絨毯の横にいるのは、守護聖全員。
そして。
そんな彼らと同様に待機しているコレットとレイチェル。
全員がそろったのを見計らいにっこりと微笑み。
「さて、皆さんに集まってもらったのはほかでもありません♡
  実はあるイベントをここ、アルカディアで行いたいとおもいます♡」
にっこりと微笑みつつ言い放つそんなリモージュの言葉に。
「?陛下?それはいったい?」
ロザリアですら初耳である。
思わず問いかけると。
「ティムカ、ヴィクトール、報告をお願いね♡」
「はっ!」
「は…はい!」
いきなり名前を呼ばれていくら女王と出会っていてもやはり緊張することには違いはない。
緊張しつつその言葉に返事をしつつ。
用意してあったレボートを取り出し。
そして、それを両手にとりて読み上げる。
「え、ええと。実は陛下から、ここアルカディアの人々の意識調査と。
  そして文明、そしてそのほかの様々なことを人々との仲介役をしつつも、
  まとめて調べてみたんですけど。」
「この地には、先ほど行われた二つの祭り以外に。邪気を払いのける行事。というのがありまして。」
「――もっとも、それははるかな過去のことで今では形だけ。
  年を越すその日に行われる形式的な行事、となっているようですか。」
交互にリモージュに頼まれていた報告書を読み上げるティムカとヴィクトール。
「――それで?ティムカ?ヴィクトール?その行事とは?」
それは初耳だ。
といわんばかりに二人の方にと視線を向けているジュリアスと。
「――続けてください。二人とも。」
そんな二人の言葉を促しているロザリア。
――なるほど。
陛下は人々の心の不安をどうにかして払おうとされているのですわね。
私ももっと陛下を補佐して支えないと。
…アンジェリークは一人で何もかも背負ってしまうところがあるから…ねぇ。
そんなことをおもいつつ、ちらりとリモージュを具間みるロザリア。
当のリモージュは椅子に座ったままでにこにことしているのだが。
「このところの霊震の多さは民の不安を募っています。
  先日陛下のお力で行われることとなった二つの祭り。
  それで人々はどこかで天使の存在を信じておりますが。」
数日前。
というか、正確には40日前とそして63日前。
ここ、アルカディアが狭間に飲み込まれて消滅するまで後25日となっている。
だがすでにもう一ヶ月以上先ほどのイベントからは時間が経過し。
新たに増え始めた地震に人々はかなりおびえている。
それはティムカたちの報告から守護聖全員とて把握している。
「――それでね。思ったんだけど。今アンジェリークの育成は順調です。
  このままいくと間違いなくエルダの封印は必ずとかれます。
  その前に人々に次なる安らぎを与えるためにも。そのイベントを行いたいとおもいます♡」
にっこりと全員を見渡して微笑むそんなリモージュの言葉に。
「あ~?陛下?その質問なんですけど。そのイベント…というのはまさか…」
知識を追求するのが趣味ともいえる地の守護聖ルヴァが困ったような声をだしているが。
「ええ。当然皆様にも参加してもらいますvこれは人々の心を慰めるための行事でもあるのですからv」
にっこりと微笑むリモージュ。
「…拒めない…んですよねぇ…」
何やら意味深につぶやくそんなルヴァをみつつも。
「陛下?それでそのイベント、というのは一体全体何なのさ?」
手をひらひらさせつつ問いかける夢の守護聖たるオリヴィエ。
そんな彼の言葉ににっこりと微笑み。
「――ふふ。それは皆さんも知っていると思いますけど。
   この地にはとある惑星の行事に近いとあることが行われているんですよv」
にこやかに微笑みつつ言い放つそんなリモージュの言葉に続け。
「――つまりはハロウィンという祭りの一種に近いものがあるんですけど…」
そんなリモージュの言葉に説明を加えているティムカ。
その言葉に。
ざわっ。
「なあ、ハロウィンって…あれだよな?」
「うん、確か子供がお化けとかの姿になって家々を回る…」
「確かそうだよな。」
などと会話しているランディ、マルセル、ゼフェルの三人。
こほん。
一つ咳払いをしつつ。
「で、ですが、陛下、その…どうして全員参加…などと。」
問いかけるジュリアスのその言葉に。
「皆さんにもこの地の人々と交流をもっと持ってほしいからですv
  今後この地とは不思議な縁でつながることになるかもしれないでしょう?」
本当は事実そのとおりなのだが。
「陛下、しっつもぉん!」
ぱたぱたと手を振り上げるオリヴィエに。
「なぁに?オリヴィエ?」
「それってまああの祭りのことは私たちは知ってるけど。ここでの祭りっていったい全体?何なのさ?」
軽い口調で聞いてくるそんな彼の言葉にくすくすと笑みを漏らしつつ。
「――それは簡単よ。この地の人々は。
  その祭りで互いに互い、というか自分自身を別なものにと見立てて。
  それぞれが違う生き物にと姿を変える、というか変装するの。
  そして異なる生き物が騒ぐことによってそれまでの穢れや悪いことを振り払う。
  そんな意味合いをもっているお祭りなのv」
「…姿を変えるって…」
思わずそこに突っ込みをいれているオスカーではあるが。
そんなオスカーの言葉に。
「え、ええと、つまり陛下?それはいったいどういう?」
何か果てしなくいやな予感がするのは気のせいであろうか。
そんなことをおもいつつ、問いかけているリュミエールのその言葉に。
「――だから、守護聖の全員にもこのイベントには参加してもらいますv
  当然全員何か変装してねvちなみに、これは民との交流を深めるための行事であって。
  服装は私があなたたちの私邸に作り出しておくわv
  これは【女王命令】です♡わかったかしら?みんな?」
にっこりと微笑むそんなリモージュの言葉に。
女王命令。
そういわれて断れるものがいるはずもない。
全員がうなづくのを見計らい。
にっこりと微笑みつつ。
「あ、ちなみに、着ぐるみと変装セット、みんなはどっちがいいかしら?
  あ、オリヴィエ、活躍してもらうわよv私が許可するわv
  変装セットの場合にはみんなのお化粧、お願いねv」
『……げっ!!!!!!???』
『……うっ!!!!???』
その言葉に思わず声を詰まらせている守護聖の一部とそして協力者たち。
その横では。
「アンジェはやっぱりこれよね。天使。」
「そういうレイチェルもやっぱり天使よね。」
などといつつすでに話があったときから、服装を決めている新世界の女王と補佐官。
二人はそんな会話をしていたりするが。
「は~いv任せて頂戴v陛下vんっふふv腕がなるわよぉv」
「…あ、僕着ぐるみがいいです。」
「あ、オレもオレも!」
「…む…むう…女王の命令では仕方がないが。だが!」
思いっきり悩んでいるジュリアス。
プライドを捨て着ぐるみをとるか。
またはオリヴィエに化粧される、という区恥辱的なことをとるか。
彼にとっては一世一代の選択である。
「――決まったら夕方まで報告してねv
  ヴィクトール達は民にあのイベントをこちら主催で行うことを広めて頂戴。
  期日は三日後。わかったかしら?あ、決まらなかったら私が勝手にきめるから、そのつもりでねv」
そんなにこやかに微笑みいうリモージュの言葉は。
一部の者たちにとってはとても遠くに感じられてゆくのであった。


ざわざわざわ。
あの人たちが来てから、何かが変わっている。
突如として霧に包まれ何が何だかわからないままに。
見たところ何も変わったようには見えないが。
一つだけ。
何か感受性の高い人たちはこの地に満ちる悪意を感じ取っている。
そして、連続的におこる地震もまた。
今までここアルカディアには地震などはなかった。
それはここが浮遊大陸であったがゆえに。
あるはずもない地すらもしばらくしたら増えている。
一体全体何が起こっているのか。
しかも、最近では雪など降りえるはずもなかったのに。
夜幻祭の終わりに本当に雪が降ってきたときには人々はかなり驚いたものである。
そして、あのオーロラ。
何かがかわりつつある。
それは人々に漠然とした予感とそして不安をもたらしている。
そして-今。
「ええと。とりあえず。最近地震が多くなってきていることもありますし。
  とある人が主催となりまして。幻想祭を開きたいと思います。
  これはまあ参加は自由ですが。ちなみに必要な材料などはこの人の店にてすべてそろいます。」
そういいつつ天使の広場にて町の人たちにと説明しているティムカ。
その言葉をうけて。
「おっしゃぁ!まかせとき!
  このイベントはみんなに楽しんでもらうためのものだからな。当然品物の御代はいりませんぜぇ!」
などとにこやかにいっているチャーリー。
いらないも何も。
もともと彼の店で取り扱っている品は、実はリモージュから与えられている品物であるがゆえに。
仕入れがかからない、というのがまた事実。
もっとも。
生活に必要なもの、とか思われるものは、格安で人々に売り。
その費用はすべてボランティアに当てている、という徹底ぶり。
人々もそれを知っているからこそ、大龍商店を利用する。
「詳しいことはこの紙に書いてある。
  祭りで不安をすべて払い取り、新たな明日を迎えてほしい。
  そういう意思のもとにこの祭りの計画は行われている。」
そういうヴィクトールの周りにはなぜか子供たちがたむろしているが。
そんな人々に説明してゆく彼らの姿が。
しばしアルカディア中にて見受けられてゆくのであった。


                                    -後編へv-

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あとがきもどき:
薫:・・・・・・・うわっ!?ってもう20だよ!?
  ・・・・・・・・・・・・40にいくな・・・・。
  ということで。中篇と分けてみたり・・・・・。
  しくしくしく・・・・・短編・・・・のはずなのに・・・・。
  ま、まあ普通に短編にもできるけど。
  漫遊記とかスレやオリジはともかく。
  何かこっちのアンジェリークは読みやすく区切りたいんだよね・・・。何でだろ?
  ついでにそれをいうならばスミレちゃんの話とかさ・・・・。
  うーむ・・・・なぞだ・・・・。
  まあ次回、ようやく、どうしてラプソディーなの?
  という突っ込みはおいとくとして(ただ単に題名が思いつかなかっただけ・・)
  次回で本気の今回言いたかったイベントに突入するのです!
  ではではv

    2003年11月11日、某日。