まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

何となく、疎外(笑)にされてるようなきがひしひしと…ライ(まてこら
まあ、あまり下手なことをいったら即座にオリヴィエから突っ込みがはいる。
というのを身をもって経験しているがゆえに口がすくない。
そう判断してくださいなv
元々、彼口下手という設定みたいだしねー。
人を寄せ付けないタイプだったみたいですし(しみじみ
ともあれ、…これで少しはすすむかな?何はともあれ、いくのですv

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メビウス・レクイエム   ~第20話~

「って!?何であんたたちがここにいるのよ!?」
思わず叫んでしまうのは仕方ないとおもう。
絶対に。
というか……
「たしか…外界ではすでに十数年以上の年月が経過しているとおもうのですが……」
いや、十数年どころではない。
特にそこにいるもうひとりの男性に関しては……
「お~。ひさしぶりだな。つ~か、俺がいたら悪いのかよ?」
思わずそんな素直な言葉が漏れ出してしまう。
それをきき、
「ええ!?あ、あのライがまともにこちらの声に反応した!?」
思いっきり驚愕を隠しえないオリヴィエ。
「……うぉぃ……」
「年月は人の性格すらをも変えるようですね。陛下と同じ一族になっておられたのですね……」
そんなオリヴィエに対して思わずじと目で文句をいう白い髪の男性に、
そしてまた、しみじみと何やらつぶやいているリュミエール。
「何でも、散々カティスにつれまわされていたようですわ。
  それはそうと、お久しぶりです。オリヴィエ。それにリュミエール。
  …様、ってつけたほうがやっぱりよろしいのかしら?」
そんな別れたときとまったく変わらない二人をみながらも苦笑して説明する桃色の頭の女性の台詞に、
「いあ。それは別にいいんだけど……。こっちも以前と同じく呼ぶからさ。
  しかし、ディアにライ、さらには先代陛下まで…いったいどうしてこんな場所に?」
目の前にいるのは間違えようのない、かつての仲間と自分達の上司。
オリヴィエたちは先代女王・アンジェリークを詳しく知っているわけではない。
少し前の女王交代の時期にその姿を始めて見知った。
というのもあるにしろ。
それまで彼女は滅びゆく宇宙をどうにか支えるために、
ずっと守護聖たちの前に姿をほとんど現すことなく頑張っていたのだから。
素顔なんてものは、あのときまでみたことがなかった。
というのもまた事実。
そんなオリヴィエの問いかけに、
「あら?じっとしているなんて私の性にあってないし。それに……」
それに、あの人は何でもかんでも自分の中に閉じ込めて一人で悩む傾向があるから……
それに続くその言葉は口には出さずににこやかに言い返す。
「アンジェリークはいっても聞きませんから」
そんな彼女の言葉につづいて、苦笑しながらも桃色の髪をしている女性、ディアが返事を返す。
「そういや。先代陛下も今の陛下と同じくアンジェリークっていうんだったっけね。
  しかし、アンジェリークの名前をもつ女の子たちはみんな意志が強いというか何というか……」
今の女王、アンジェリーク=リモージュにしろ。
新宇宙の女王、アンジェリーク=コレットにしろ。
まあ、宇宙の女王を勤めるからには、それなりの意志が必要なのはわかってはいるが。
「ともかく。いつまでもここにいても何ですし。移動しましょ?
  長…もとい、今の陛下からいただいているクリスタルを使えば星の小怪の利用可能ですし」
彼女たちからすればかなり久しぶりに出会う相手…しかも守護聖だというのに、
まったくかつてと同じように接してくるそんなディアの姿に思わず苦笑するオリヴィエ。
まるで前女王の統治の時代に舞い戻ったかのような錯覚にすら陥ってしまう。
そんなディアに続いて、
「アンジェリーク陛下は今。どうも東の塔の中に封じ込められた。
  というか塔全体が封印された。とは神鳥からクリスタルを通じて連絡がありましたけど。
  まあ、彼女には普通の封印はきかないので心配は無用。ともありましたけど。
  とりあえず、その旨を守護聖の皆様方にお知らせするのも私達の役目ですし」
にこやかに説明する先代女王、アンジェリーク。
それはクリスタル一族として、彼女たちに与えられた長老達からの願いでもある。
「まだ先代陛下は神鳥と意志かよわせられるわけ?」
思わず目を点にしつつも問いかけるオリヴィエ。
「宇宙を統べる女王とは、退位してもそれほどの力をもっているのですね……」
そしてまた、しみじみとそういうリュミエールであるが。
「あ。ちがうちがう。私達がクリスタル一族になってるからだってば。
  女王としての力はあの宇宙移動のときと、あと崩壊する宇宙をつなぎとめるのですでに枯渇してるし。
  ちなみに、その先代陛下、っていうのはやめてね?アンジェリーク。でいいわよ?」
何となく、そのざっくばらんな口調に、自分達が守護聖になってからずっと仕えていた女王陛下。
そのイメージが重ならずに一瞬戸惑う。
まあ、彼等は即位のときも女王としての彼女にあったことがなかったので仕方ない。
といえばそれまでなのだが。
というより、そのまばゆいばかりの金髪と、その容姿からはそんな口調は似合わない。
とおもうのは絶対に彼等の気のせいではないであろう。
思わず戸惑いの表情を浮かべるオリヴィエとリュミエールを交互にみつつ、にこりと微笑み、
「ま。それはそうと。とりあえず。先にマルセル達、年少組み三人を迎えにいきましょう。
  クラヴィス達は神獣の宇宙の女王たちと合流を果たしているみたいですし」
一番、気にかかったのが彼のこと。
それゆえに彼の安否は一番に確認している。
そんなアンジェリークの言葉に続き、
「あとは、ルヴァとジュリアスのみてですわね。彼等と合流した後は」
しみじみというディア。
「というか。あいつら砂漠の惑星につれてかれてるみたいだけど。
  ルヴァのことだから流砂に飲み込まれたりしてるんじゃないのか?」
そんな二人の会話をしばし聞きながらも、ぽそっと的確なことをいっているライ。
事実、その通りであったりするのだから。
伊達に長い時間を共に過ごしていたわけではない。
「あ~。たしかに。ルヴァならありえるね。というか変わった組み合わせだよね。
  ルヴァにジュリアスかぁ。ん?オスカー達もすでに神獣の女王と合流してるわけ?」
ライの言葉に流砂に流されるルヴァを想像してしみじみつぶやきつつも、
ふと他のメンバーのことを思い出して問いかける。
「ええ。オリヴィエ。すでにジュリアスとルヴァ。そしてあの子達三人以外は全員合流してますわ」
あの子たち。
そうディアが表現するのは、以前から誰を指しているかおのずから明白。
「では、わたくし達はまずはマルセル、ランディ、ゼフェルを迎えにいって、それから
  神獣の女王たちと合流となりますね。そういえば、道はわかるのですか?ディア様?」
「あら?リュミエール。様はいらないですわよ?」
「いや…そういうわけにも……」
そんなやり取りをしている二人の声をさえぎり、
「とにかく。とっとといこうぜ。…オレはそのまま聖地にむかうつもりだからよ」
自分の後継者であるゼフェルに合わせる顔がない。
というのが事実。
「あんた。ゼフェルにあわせる顔がないんでしょ?」
「うぐっ!…と、とにかく。俺は聖地の様子をみて、それでできることはしておこう…と……」
おもいっきりオリヴィエに図星を指され、もどりながらもどうにかつくろい返事を返す。
いまだに周囲には霧が立ち込めており、彼等以外の人影すら見当たらない。
小動物の声すらも聞こえないので静まり返り、何とも寂しい風景ではある。
それでも、本来、ここ騒がしき森の惑星のこの森はかなり湿気と温度があり、
普通に移動するだけでかなり蒸し暑く体力を奪うような感覚なのだが、
この発生している霧のためかさほどそれほど不快感は感じない。
「とりあえず。聖地の様子もきになりますし。アンジェリーク。どうする?」
「私は……」
しばし、そんな会話を繰り広げている彼等五人の姿が。
ここ、騒がしき森の惑星の中にとあるとある集落の中においてしばし見受けられてゆく……



「陛下?」
この場所がいったいどこなのか、それはわからない。
聖地にあるあの【星の間】とは違う。
というのはロザリアでもわかる。
しばし目を閉じていた横にいるリモージュに心配そうに問いかける。
この場所がどこかはわからないが。
確実にいえることはただ一つ。
つまり、今リモージュは自分が…いや、自分達がいるこの宇宙空間とは別の宇宙。
すなわち、その宇宙の滅びをうけてそこに住まう魂たちを自らの力をもってして導いた。
ということ。
それも次元をつないでそちらの宇宙から自分達の宇宙へと……
それがどれほどの力を要するのか。
以前、この宇宙の移動の際に立ち会っているロザリアだからこそ理解ができる。
先代女王はその力のすべてをもってして星星などの移動をこの新しい宇宙に成し遂げた。
それゆえに、その力の負担の大きさは計り知れない。
それゆえに心配でたまらない。
彼女はとくに、何でも自分の中に閉じ込める。
という傾向があるのがわかっているからなおさらに。
いつもにこやかな笑みの下で無理をしているであろう。
というのは容易に想像ができること。
クリスタル一族の長。
という立場というのも知ってはいるが、それでも彼女が身を挺して何かしでかす。
という考えはもはや確信に近い事実。
そんなロザリアの声を聞きながら、ゆっくりと閉じていた瞳を開く。
意識を集中させ、ひとまずすべてのこの【空間】に意識を沿わしていた。
様々な出来事が起こっている。
理不尽な、かつてのような破滅への兆候を見せている【空間】すらも。
取り返しのつかなくなるまえに、道を示すのもまた彼女の役目。
そうと知らない生命は多々といるが。
「大丈夫。とりあえずあちらの…あの子の宇宙空間にいた命はすべてこちらに移動しおえたわ」
にこやかな笑みをたたえてロザリアに微笑み返すリモージュ。
それ以外に迷っていた数多の命もまた自らが今引き受けたが。
それはいつものことなので気にすることもない。
だが……
とりあえず、あの生命達は新しい世界に移動させましょう。
こんどこそ、全うな命を過ごせることができるように。
ひとまず、その旨を受け入れるかどうか、アルフォーティスにと意識にて確認する。
直後にアルフォーティスの意識が自らの内部に流れ込んできて、その意志を図りとる。
「あとは……とりあえず、守護聖たちが全員そろったら一部に施している術を取り去るわ」
続けざまに言ってくるそんなリモージュの台詞に、
「…術…とは……もしかして、聖地に施していたようなあの霧ですか?」
「そう。一応関係が深い場所とかは一般人や生命体に影響ないように時を止めておいたのよ。
  あと負の心に支配されていた生命体たちも解き放ったのは解き放ったのだけど……
  どうも、また負の心に支配される生命達もまたいるのも事実なのよね……」
負の心に打ち勝つことができてこそ、それは新の意味での生といえるのではないだろうか。
長きにわたる経験から、そう思っているリモージュ。
事実、それは真意ともいえることなのであるが。
「負の心に支配…とは、陛下?」
「あ。そうか。ロザリアが東の塔の中に入ってきたときにはもう彼等いなかったものね。
  あのね。人の心や動物の心の中にとある負の感情を表にだして姿を異なるものにと変え、
  そしてその負の感情…即ち、破壊や殺戮といった感情のままに動く生物にと変化する。
  そんな力を今やってきているあの子はもっているのよ。
  本来は負の感情を浄化する力をもっているはずなんだけど…自らの負の心にひきずられ、
  そして…利用されちゃってるのよね。それゆえに様々な生物を変えていっているのよ」
ひとまず簡単にロザリアに説明する。
まあ、かなりはしょってはいるが大まかはその通り。
「…いえあの…姿が異なるものに変わってる…とは……」
「簡単にいえば生物に害をなす生物に変わってる。ということかしらね。
  まあ、その負の力を浄化することも可能だし。まだあの子…アンジェリークのほうは、
  それらの力の使い方がきちんとコントロールできないだろうから、あのロッドを渡してもらったでしょう?」
たしかに。
リモージュから預かっていた蒼のエリシアというロッドをコレットに手渡してはいるが。
それは女王の力を引き出すものだ。
とロザリアはかつてリモージュより聞いている。
正確にいえば、引継ぎ時に前女王補佐官ディアなどから聞いてもいるのだが。
そんな何でもないようにさらっといいはなつリモージュの台詞にしばし目を見開きながら、
そして。
「…陛下。それってかなりの大事なのでは?そもそも…いったいこのたびの一件の理由は……」

四面に宇宙空間とも何ともいえない不思議な空間が広がるそんな部屋のような、
無限ともおもえるようなその場所においてしばし、
リモージュに問いかけるロザリアの姿が見受けられてゆく……



「さて…どうしたものか……」
表にいる数名の人間達はあからさまに一般市民。
しかもそのオーラというか気の感覚から操られている。
というのが嫌でもわかる。
彼等にまとわりついている負の気配。
それらが彼等を支配し、そして操っている、というのも。
皆、遠巻きに自分達のほうに近寄ってこないのは、自らがもつ光のサクリアがゆえ。
凄烈なまでの光は、負の気を問答無用で浄化、消滅させる。
それゆえに無意識のうちに恐れて近寄ろうともしない彼等たち。
ここ、砂漠の地下らしき空間にとある地下牢に閉じ込められたとき、
二名ほどの人物が彼にと触れてそのまま気を失ったのはつい先刻のこと。
未だに気をうしなったその人物たちは目覚めていないらしいが。
「困りましたねぇ。あの薬草をつかったとしても、この場所は毒さそりの生息地ですし……
  万が一、ということもありますしねぇ」
牢の中と、そして手の届く位置にと生えているとある草。
それを使えば相手の意識を失わせることが可能である。
というのはわかってはいるが。
この地は毒さそりの生息地。
万が一、一般市民でもある彼等に何かあっては、とおもうとその手はつかえない。
「しかし。このまま。というわけにはいかぬであろう?」
「そうですねぇ。ここは砂漠地帯ですし。とりあえず…こういうのはどうでしょうか?」
幸いというか見張りは少しはなれた場所で見張っている。
この牢の四方にある壁を調べてみたが、どうやらこの壁が利用できそうだ。
そう判断し、にこやかな笑みを浮かべつつも悪戯を思いついた子供のようににっこりとし、
横にいるジュリアスにと耳打ちするルヴァ。

伊達に…地の守護聖…つまりは、知識の守護聖の地位についているわけではなく。
また、ルヴァ自身もまた、砂漠の惑星の出身であるがゆえに思いついた作戦……



「しかし……何というか、違和感がありますね……」
水色の髪に水色の瞳。
かつての自分とはまったく異なるこの容姿。
つまりは……新しく与えられた器。
そしてまた、
かつての仲間の姿がわかっているがゆえに、そう感じるのは仕方がないのかもしれないが。
自分達のかつての姿もかなり一般的にみれば美青年。
と呼ばれる部類であったことは言葉にせずとも一部のものは理解している。
「で…でも、みんなはみんな…なんだよね?」
戸惑い気味に言葉を発しているのは紅い瞳をしているとある青年。
容姿はどうみても地の守護聖ルヴァのものであるのだが。
唯一、彼等のメンバーの中で精神的にも一番子供であったルノーという少年の魂。
その魂がルヴァの姿の器の中に入ってかりそめの生を再び得ている。
それはここにいる九人全員にいえることなのだが。
戸惑い気味な言葉を発し、初めにつぶやいた水色の髪の青年、
すなわちユージィンにと話しかけるルノー。
一方では、
「しかし。何でジョヴァンニが一番最後だったんだ?」
「器の魔道の制限からすればキーファたちのほうがたしかにきつそうですしね」
緑の守護聖、マルセルの髪の毛の一部から作り出した魔道の肉体。
そのマルセルの肉体にはジョヴァンニ、という名前の青年の魂が入っている。
そんな会話をしているゲルハルトとウォルターという名前の人物たち。
彼等の器はそれぞれ炎の守護聖、オスカーと、そして風の守護聖ランディのもの。
かつての、レヴィアスの九人の親衛隊。
彼等はかの宇宙において命を落としたものの、レヴィアスの力にて魂のみは保護されていた。
彼だからこそそのような自分の内部に他の魂を抱擁することが可能であったのだが。
それがなぜなのかは彼等は知らない。
判っているのはただ一つ。
彼が正統なるあの宇宙の皇帝である。
ということのみ。
「そんなことより。皆。まずはそれぞれの肉体になれることを優先してね」
この体はどうも手先などが器用であるのが幸いしている。
自分の能力とこの力を合わせると様々なことができるはず。
彼の本家ともいえる鋼の守護聖ゼフェルの言動を知っているものがみれば、
一瞬目を丸くするような口調でいっているのはショナという少年。
若干十五にして命を落としたものの、その能力はIQ200以上、と計り知れない天才児。
強いていうならば、神獣の宇宙の女王補佐官のレイチェルといい勝負であろう。
「無駄口をたたく暇はないぞ?」
今まで黙っていた闇の守護聖クラヴィスの体を器としているカインが淡々と、
何やら騒いでいる仲間たちに静かに言い放つ。
まず…自分達がやらなければいけないこと。
レヴィアスに…否、自分達の目的を達成させるためには…
この宇宙すべてを手中に収める。
それが彼等に与えられた使命なのだからして……


          -第21話へー

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あとがきもどき:
薫:さてさて。何だかかなりこの回…時間というか打ち込みに日にちがかかりました(汗
   レヴィアスサイドとかって多少暗くなったりするから、気力がなかなか(あうっ…
   まあ、オリヴィエとライのある意味やり取りは完全にライがオリヴィエに言い負かされる。
   というバターンですので、楽といえば楽ですが(こらこら
   ともあれ。結局今回も全員合流できなかったな~
   次回こそ!はできるかな?
   次回は前回のマルセルたちの目の前に現れたのは?
   という続きをようやくいきますv
   誰が現れたのか…この流れでいけばまず皆さんわかったはず(苦笑
   何はともあれ、ではまた次回にてv

2007年4月23日(月)某日

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